「その身に文字を刻み込み、数千年へ届かせる」
美しき女神は息すらしない前置き。
えー、今回は脳内審議会+さんところのフリーゲーム「MUSE」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
VIPRPG2009GW祭りで公開された作品。リンクが消えてプレイできなくなるかと思いきや、有志の方のバックアップのおかげで2019年現在でも無事にプレイすることができました。感謝……ッ!
VIPのノリやもしも設定の影は全くないので、ツクスレ慣れしてない方でも遊びやすい作品だと思われます。
というわけで、良かった点など。
序盤のシンボル敵については少しだけ攻略的な意味でのネタバレを書いちゃってますのでご了承を。
懐かしネタを踏襲する攻略法
敵キャラは基本的にドラクエやFFなど古来のRPGシリーズから来ています。中でも強敵扱いとなるシンボル敵にはトンベリやカルコブリーナなど、ちょっと変わった攻略方法を必要とする敵もいて、かなり腕が鳴りました。特にFFは幼女の時に数作しかプレイしたことなかったので知らない敵も多かったんですが、そのぶんパズル的な楽しみができて楽しかったです。
敵の情報を見ることのできるアイテムもありはするんですが、基本的に見れるのはHPMPくらいなもの。中にはHP∞なんていう表示の敵もいます。この、「いやいや無理だろ!」から「正攻法が無理ってことは……?」と思考を切り替える感じがすっごく楽しかったです!
アレクソウルは先手取って殴れば勝ちだと思っていたので、むしろその時点で詰むことになるとは思わなんだ……。なので倒せたときにはにやついちゃいました。
多様な魔法から二つを付け替えるシステム
この攻略の難易度を上手く調整しているのが、魔法の制限について。魔法は付け替え式で一人二種類まで、魔法書を手に入れさえすれば何度でも覚え直すことができます。魔法の種類はかなり多めですが、あれもこれもと付けたい気持ちをぐっと抑えてやりくりするのが楽しかったですねー。
特にボス戦では初見勝利を目指すというより、色々つけて準備を整えてから挑む感じ。特殊な戦法が必要なボスはそのための魔法が事前に手に入るようになっていて、ぴったりハマる感覚が気持ち良かったですねー。手に入れたものってやっぱすぐ使いたくなるのでなおさらです。
高いエンカ率と嬉しいドロップアイテム
普段はランダム、強敵はシンボルのエンカウント方式。特に雑魚はエンカ率が高めで、数歩歩けば当たるくらいの印象でした。
で、本作は雑魚戦も楽しかったんですよ! やっぱりドロップアイテムのおかげかなあ。どの敵も固有のドロップ装備品を持っているので、倒せば倒すほど見返りがありますし。武器防具屋の売り物は意外と属性耐性が少なめなので、手に入れるならやっぱりドロ漁りが効率的なんですよね。
なんだかんだで装備品はファイアガードとドラゴンウィップしか買ってない気がするなあ。
ゼラチナスマターは苦労しただけのかいがありました。へっへっへ。
多くを語らぬ壁の文字と探索
バトルだけでなく、探索も面白かったんですよ!!
壁に書かれている文字はスクショするのが吉。このヒントの書き方も好きなんですよねー。過去の歴史が刻まれている文字と、強敵のヒントが刻まれている文字とがあって、どちらも味わい深かったです。
謎解きとヒントの関連がすっごいちょうどよい難易度だったんですよねぇ。
夢中になってゲームしてる時は気づけなかった謎も、ちょっと手を置いてスクショを見返したら「あーーーー!!!」って閃いたりして。いやもう、あの閃いた瞬間が楽しかったなあ! つい語りたくなっちゃうけど、さすがにネタバレすぎるのでここは追記にて。
何気、あの数クリックの文字数だけでシンプルにヒントを出せるところもすごいなーと思います。
デフォ戦士に優しいシステム
ワンタッチで全回復してくれる妖精さん、ワープポイント、戦闘時のBGMオンオフなど、あると嬉しいシステムがばっちり搭載されています。喜び。通常BGMが戦闘入っても継続するの特に大好きです。
図書館で事前に戦闘時のルールを開示してくれているところも嬉しかったですねー。中でも属性装備や耐性の重複について言及されているのすっごく助かりました!
併せて言うと、属性耐性が一つで収まる点も好き。耐性装備をつければつけるほどカチカチになっていくシステムも、インフレ鉄壁感が楽しくはあるんですが、どうしても装備品の枠が足りなくなってしまうんですよ。そこをアクセサリ枠増加などで工夫していく形になるかと思うのですが。
逆に本作は削る方向にかじを取っているのかなー、なんて。
一方で状態異常の数は多いので、どれを捨ててどれを取るかみたいな取捨選択はばっちり楽しめます。毒と炎上はキッツイけど行動不可系に比べると後回しになりがち……みたいなジレンマ。腕が鳴ります。
シンプルにニヤリとさせられるストーリー
さて、この手のバトル重視作品はストーリーがシンプルなのが多め。実際、本作も淡々と進行する印象は強いです。主人公も無口でグラフィックすらあえて削ぎ落されていますしね。
が、中にもストーリー面としてかなりグッとくる要素がありまして!
具体的にはラスボスのところと、例のスターライトの本がある場所。既プレイヤーには通じる、といいな! まったくお話がないわけではなく、むしろ必要十分な量に抑えられていると言いたいくらい。短いセンテンスでガツンと殴られる感じが好きでした!
とまあ、こんな感じで。
隠しボスを探索で見つけるとウキウキする方、難易度高めのバトルを求める戦闘狂の方、静謐な雰囲気で黙々と進みたい方などにオススメです。
追記ではネタバレ感想。
同作者様の他フリーゲーム感想↓
ネタバレ注意。
主に謎解きとか、苦労した敵の戦法とか。
そういえば攻略wikiがありそうな作品なのに、検索しても意外となくて驚きました。サイト元のサービス停止とかで消えちゃったのかも。それか、敵に元ネタがあるから敵名で察せられるのかも。
戦いの記録
・トンベリ
攻略法をミスリードしてた敵その1。
いやあ、いっぱい出てくるなら鞭一発くらわしておこうって思うじゃないですか! はっはっは。全員起動されてフルボッコされました。
中途半端に「みんなのうらみ」だけ知ってたので、皆一度に倒す方がいいのかなあって思っちゃったんですよね。やらかしちゃったんだぜ!
・アレクセイバー
攻略法をミスリードしてた敵その2。
表でも書きましたが、憑依される前に倒せばいいのではと思い込んでスピア武器を持ち込んでしまいました。すると逆に倒せなくなるというオチ。ボス戦でも逃げられるのはありがたい配慮でしたねー。
怪獣図鑑を使い始めたのが中盤あたりだったもので、HP∞の表記を見て目玉飛び出ました。おかげで憑依されたキャラを倒すまでが大変。
・シング、ゼラチナスマター
この二種というより、この手の突武器必須敵全般。
しばらく鞭とドロップした剣で走り回ってたので、突弱点という発想がなかったです。なので魔法で無理やり殴ってました。脳筋でも勝てる、良い難易度だということがわかりますね!(?)
・カルコブリーナ
スピリットブレスis最強。合体したあと分裂する条件がいまいちピンときてなかったんですが、怪獣図鑑をじわじわ使ってみたところ、残りHPが2500切ったら分裂なのかなと推測してます。たぶん。おそらく……。
とりあえず強火で殴れば勝てる。勝った。
・グランドマザーボム
攻略法をミスリードしてた敵その3。
こちらも増えてからが厄介。まーたトンベリと同じことをやらかしました。アレイズ地獄は誰もが通る道ですよねきっと。
何故かブリンクを唱えまくって血迷ったり全体攻撃でちょうどよいタイミングに全員倒そうとしたり試行錯誤してましたが、なんかのタイミングで防御と回復してたら勝ちました。まぐれ勝ちみたいなこの……あれな。
煙形態の時になぜか麻痺か混乱か何かが入ったんですよ。敵の動きが止まり、なかなか自爆してもらえないまま削り続けた結果、敵のHPが-表記になっていた覚えがあります。こういうバグじゃないバグ感すき。
アレクソウルは苦労したけど、こっちはけっこうすぐに気づきました。
やっぱ直前に該当の魔法書を手に入れられるのが大きいですよね。時間はかかるけど、こういう敵がいると身が引き締まる気がします。
・LとRのほうの壁
ごめん名前を忘れたうえにセーブがなかった。
この直前のギミックマップがほんとう難しくて! 私アクションかなり苦手なので、あの手のイライラ棒ギミックも例の如く失敗しまくりました。道中でセーブできるのが救いだけど、詰みにもなるのでセーブ分けは必須ですね。何回も没収されて泣いた上にあの壁の注意書きで震えました。
といってもちゃんと良い子だったので! 成し遂げました! 安心と共に笑い泣きです。作者様の掌の上で踊らされている感ある。
・神竜
攻略法をミスリードしてた敵その4。
運よくアビスナーガからランスオブカインを手に入れていたので、いやもうこれはこれやろと思い込みました。先手だし。龍特攻だし。殴り飛ばせば勝てるという固定観念が強すぎる。
この敵はターン数読みも合わさってて楽しかったですねー。防御→回復バフ→MP吸い→ランスでやりました。これはこれであってる、はず。ドレインで焦ったけど、無の宝石を装備してたらもっと楽だったのかも。
見つけるのに悩んだ敵です。
迎える場所、というのをホームだと思い込んで、城の壁殴ったり海を見に行ったりしてたんですよ。いやあ違った! というかそりゃそうだ!
炎があそこにいて、雷があそこにいて、その間の中間地点であり地上と言えばもうあそこしかないんですよね。閃いた時にもうめっちゃテンション上がってしまって、試しに叩いてみて音が鳴った瞬間にガッツポーズ決めました。やったー!!
見つけるまで時間かかったぶん撃破は楽だったんですが、一番思い入れが深くなった敵です。
・えいえんはあるよ
ガチでモニターから飛び退きました。
こういう演出好き。
耐久しながら全体攻撃で倒すのが解だと思っているんですが、もしかするとシングみたいに勘違いしたままごり押しで倒したのかもしれません。勝ったからおっけーおっけー。
・回復してやろう
水煮で何度か詰みました。
スパークを持ち込んだのが鍵でしたねー。スパークは無意味だったけど謎解きの意味はあった、みたいな。あと、瓶に一生懸命マジックウォーターを詰めていたんですが、ポーションで蘇生もできるとわかってからはポーション多めに淹れていきました。MPも一応50とはいえ回復してもらえますし。
正直、レベルカンストして王が教えてくれるレアドロを回収したうえでの戦いでなお、なお残りHP4000辺りで負けてしまったので、力尽きてしまいましたが……。楽しい戦いではありました。
と、印象に残っていた戦いはこんな感じ!
どの戦いも歯ごたえがあって心底楽しかったです。