「お人よしとは、おもねて巻かれる弱者と違う」
いざ進めや心強し優しき子、な前置き。
えー、今回はPlanetarium(ぷらねたりうむ)さんところのフリーゲーム「マリィと賢者の森」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
エンドや会話などの分岐はなし、一本道で明るく幻想的な戦略シミュレーション。いわゆるFE風SRPG。ただし三すくみがなかったり、仲間を会話ではなく雇用という形で手に入れたり、独自要素もしっかり含まれています。
以下、お話の傾向などについては軽くネタバレしてしまいますので、一切知りたくない方は要注意。
というわけで、良かった点など。
プレイヤーの観察眼をくすぐるマップギミック
例えば、思わせぶりにキラキラ光るポイントや、じわじわとマップから逃げようとするドロップアイテム持ちの敵。こういう気づくとニヤッとするギミックが上手かったです。
脳筋で突っ込もうとしても上手く行かないのがまた良いんですよねえ。あれが怪しいのはわかる、けどどうすればいいんだろう。こんな感じでふと頭を捻る瞬間が楽しかったです。
各ユニットの説明文や一言コメントがくすっと笑えるセンスなのもグッド。
幻想的で美麗なマップ
光差し込む森から、鬱蒼とした死霊の歩む木々、草花が咲く開けた広場などなど、どのマップも幻想的で綺麗でした!
SRPGとして、敵の配置や動線の作り方なども上手かったんですが……この辺りはそっち方面が強い方に任せるとして。私が推したいのはやっぱりこれらのマップの雰囲気。柔らかいタッチで幻想的な空気感がとっても好きです。
アイテムのアイコンやシステムウィンドウのフレームも綺麗なんですよね~。
どうしてもSRPGって軍記もの・軍隊物のイメージが強かったので、こういうファンタジーガン振りな作品に出会えて、イメージがさらに広がったのも嬉しかったです! BGMに民族調系が多かったのも好み!
さて彼女に足りないものは?
見習い魔法使いのマリィの成長物語。これが本作のストーリーの要約です。
全体的には掛け合いメインで、あっさり味。それでもちょっとした描写の端々に察せられる設定はありますし、精霊語など心惹かれる用語もあって、独自の世界観が楽しめました。
クリュセイスとの掛け合いを通じて、マリィに足りなかったものの正体は確かに感じられるようになっています。それでもエンドでは明言しない、ここが好き! 茶化しつつもカラッと締めてくれるところがグッド! 最後まで明るく前向きな雰囲気でした。
とまあ、こんな感じで。
この作者様は乙女ゲー製作者という印象も強かったので、こういう間口の広いSRPGを作って下さったことも嬉しかったです。女性向け男性向けの仕切りを超えて、色んな方に親しんでもらえたら嬉しいなあ。
しっかりと世界観で殴りにきつつ、要所要所に笑いを仕込んで、ゲームとしても飽きさせない。満足度の高い短編SRPGでした!
追記ではネタバレありのちょっとした攻略メモ。
同作者様の他フリーゲーム感想記事↓
ネタバレ注意
攻略っぽいもののメモなど。
精鋭ユニット
使用したのは精鋭ユニットばかりなのでご了承。
どのユニットもレベルアップで新しくスキルを覚えます。全員を育てようと思うとEXPが足りなくなるとは思いますが、マリィとクリュセイスだけを育てるとなると逆にカンストしてしまうんじゃないかな。
というわけで、マリィとクリュセイスに加えて2人くらいはまんべんなく育ててくと良いかも。
以下使用感。
ステータスはプレイヤーによって違うと思われるので、あくまで参考程度。
・レーヴァテイン
アタッカー、かと思わせて実は踊り子として役に立つ。ある程度固いので壁にもなれるけど、敵をみんな屠ってしまうので他キャラが育たなくはなるかも。
・猫田鯖男
レベル5と10でいいことが起こる。けど、やっぱり一歩足りない。特に序盤は囮として泳がせて、隅っこで自己回復しながらちまちま経験値を溜めるような運用方法になるかも。
ただ『逢魔ヶ時桜迷路』のファンとしては育てたくなったので育てました。なんだかんだで憎めないイイやつだぜ。
命中率の低さがどうしてもネック。ただ鞭を手に入れるとマシになるし、自動回復のおかげで安定して動かせるので、特効役として便利。
・天使ちゃん
「まやかし」を覚えるまでは敵の行動範囲にめちゃくちゃ留意すべし。杖がデフォでも2マス先まで届くので、移動力の低さは補える。よっぽど強行突破したがらない限り、杖の使用回数も十分持つはず。
・ミストルティン
柔らかいのでヤドリギ必殺によるやっつけ負けが怖い。再行動も便利だけど不確定なので、頼りにはしづらい。ピーキーでトリッキーな典型だけど、こういうユニットを使いこなせた時の興奮は気持ち良いよね。さりげなくマリィと装備の互換性があるので便利。
・トンペらにょーる
強すぎて逆に縛っちゃった。最終章で森に入れるキャラが残っていないなら、雇用して突っ込ませると増援狩りができていいかも。
・クリュセイス
ついでに。序盤は撃たれ弱い印象があるけど、育てると鬼。バンバン二回攻撃するし、命中率も高め、岩砕きを装備できるので3章鬼門のゴーレムもへっちゃら。最終章ではどこに出しても怖くない印象。
・マリィ
耐久力よりも火力不足に悩んだ。あと、風刃と頻繁に装備品を交換していたので、うっかり吹雪を使っちゃいがち。タンタロス戦で灰を使わなかったのは趣味。
余談ですが、タンタロスが良いキャラしてたので、せっかくならもうちょっとだけ会話イベントなり何なり欲しかったですね~。撃破時に台詞とか。もしかするとメイン二人で倒せば見れるのかな。
攻略というより小ネタメモ
全体を通して
・ターン制限はないのでお気楽にプレイできる
・地雷型の敵
移動範囲が1マスだけでも、特定の条件を満たすと動き出す敵がいる。攻撃を当てる、即死する味方が移動先の攻撃範囲にいる、特定のマップに入る、辺りが条件っぽい。強敵や離れた位置にぽつんといる敵がいるなら、移動範囲ではなくステータスの移動力を確認して慎重に。
・川はスピリットだとガンガン進めれるけど他はかなり移動速度が落ちる
・「???」となっているキラキラの地形に待機するといいことがある
2章
・泥棒猫の撃破方法
ハチなどの飛べる味方を雇用→マグロの攻撃範囲に入る→岸でスタンバらせたマリィで攻撃 or 猫田鯖男が育っていれば彼を突撃させる
ハチの命中率はやや不安が残るので、魚相手にハチを使い捨てると目的である泥棒猫が倒せなくなる。できれば捨てても1機くらいに抑えたい。
3章
・泥棒猫
こっちはターンに余裕があるので、ゲーム開始時に周囲にいる敵を屠ってからでも十分間に合う。クリュセイスやレーヴァを特攻させるといいかも。
詰んだマップは特になく、難易度ふつうでちょこちょこ綱渡りしつつ楽しく遊べました。じっくりやったのでかかったターンはだいたい20前後くらい。使い捨てのユニットを雇用しまくるスタイルの人なら、もっと早々にクリアできたのかも?
ここぞというところに強敵や泥棒猫みたいなギミック、お得なアイテムが隠れてて、プレイしがいのあるゲームでした!