うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「ぬりば~■□」感想

「塗りつぶすのは隠すためか消すためか」

描くためと言えればよかった前置き。

 

 

えー、今回はVIPRPG紅白2016のフリーゲームぬりば~■□」感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

ラストバトルで分岐ありのやるゲ、RPG。バーストⅠを中心としたもしもキャラが登場しますが、設定は知らなくても楽しめる作品かと思います。

 

 

というわけで、良かった点など。

 

 

ほんのりパズルちっくなダンジョン

 

拠点→ダンジョン→拠点、と奥へ奥へ進むのが基本的なゲームの流れ。このダンジョンの広さが個人的にはしっくりきました。一画面で収まって、その中にちまちまと小ネタが詰めてある感じ。

先に進む条件もフロアごとに異なるので飽きることなく楽しめます。スイッチ切り替えで進む床などのパズル要素も有。ただ行けるところに行ってガチャガチャしてればなんとかなるので、脳筋私でもなんとかなりました。魔物を倒せ、というシンプルな条件もあるので、頭を使い過ぎずに済むのも丁度良かったです。

 

 

 

進行度に合わせて変わる顔グラ

 

明るく楽しくダンジョン探索! の趣から、次第にお話は「おや?」という違和感を持って進んでいきます。

そこで注目したいのが、メニュー画面の顔グラについて。初めはふにゃふにゃ手描きだったブランの顔が、進行度に即してどんどん変化していくんですよ! ストーリーの“色”が見えてくるのは終盤なんですが、この表情変化のおかげで雰囲気が察せられていくようになるのが上手い演出でした。

顔グラのみでなくマップのほうもフロアによって特色が違っていて、景観としても楽しかったです。フロア突入時の→へ、てってってってっと歩いていく皆が可愛くて好き。

 

 

 

主人公さえ生き残れば問題なし

 

本作の一番の特徴だと思われるのが、バトルについて。戦闘自体は通常のデフォ戦コマンドバトルなんですが、まず、行動指示を出せるのはブランだけ。他の仲間二人は全てオートで戦います。しかもレベルはカンストです。さらに、他二人が倒れてもすぐにスキルで復帰できますが、主人公だけは回復手段も限られており、倒れれば拠点へ戻されてしまいます。

つまり、本作の雑魚戦は「敵を倒す」が目的ではなく、「敵からのダメージを最小限に抑えながら主人公を育てる」が目的となっています。ここがすごく新鮮で、面白かったです!

終盤になると単に防御するだけじゃなくて、敵の猛攻を阻止するために加勢するのも大事。このプレイ感の変化がそのままストーリーにも通じるのが実に上手い構成でした。

 

 

 

惜しいと感じた点

 

最後にちょっと合わなかったなーという点についても正直に。

 

・物価とアイテム

お料理レシピがあったので料理などが解禁されるのかと思い、売却素材を溜めこんでしまったお馬鹿が私です。店売りのものが絞ってあるのは良かったものの、最終フロアは逆に回復手段が高すぎて詰みかけました。

 

・SPのコスト管理要素

各ポイントに対する回復手段が色々と混在していて、誤解が起きやすそう。セーブで回復するのはブランのHP、自動回復する(?)のはオート二人のHP、ステージクリアによって回復するのはブランのSP、などなど。特にSP、私はけちなので平気でしたがプレイヤーによっては辛いかも。

 

・おまけ部屋のパスワード

ゲームに夢中になって余韻に浸ってる最中に小ネタを拾う余裕は正直無い! 感動体験は感動体験として純全に余分なく味わわせて欲しい……。事前にここ気を付けた方がいいよと他プレイヤーさんに教えて頂いていたにも関わらず思いっきり忘れていた私も私なんですけどね。てへ。

 

まるっとまとめて、各バランスが少し大味、って感じ。

でも致命的にプレイしづらいというわけではなく、あくまで「もうちょっと!」を求めたくなる程度のあれなので、未プレイの方は気後れしないでほしい!

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

何よりエンド演出が熱くて最高なので、詳しくは追記に伏せてガッツリ語りますね!

 

 

 

 

 

 

ネタバレ注意!

 

 

 

 

エンドについて

 

エンド1

 

顔グラの演出がやっぱり強かったですね……!

彼女だけ違うのもこういう理由だったんだなあと繋がるのがすごく気持ちいい。初め主人公だから特別なのかなーって思うじゃないですか。この伏線のカバーの仕方も上手いところ。

HPが1になるっていうのもまた良いヒントですよねえ。みんながオートで動くからこそ、戦闘状況を把握するためにバトル画面をちゃんと見たくなる、そしてよく見ればわかるようにできている。

システムと解法が噛み合っているゲーム大好きです。

 

 

 

エンド3

 

いや、正直ものすごくえげつない真相だったとしてもおかしくないなあと覚悟しながらプレイしてたんですね。思いっきり冥府めいたマップでしたし、最後のマップの不穏さは素晴らしかったですし。

なので、エンド3が明るい結末だったことにはとても驚かされました。ここまで落としてなおハッピーへ向かわせることができるのか!という驚き。しかもプレイヤーを感激させてくれる熱を魅せたうえで、ですよ。いやー、展開の緩急が上手い。しっかりがっつり号泣しながらあったかい気持ちでエンドを迎えました……!

 

戦闘画面が極彩色になるの、解放感がすごいですよねえ!

あのバトルの演出は忘れたくないなあ。

バフが累積していってどんどん強技が出せるのも楽しいんですよ、ブランがいてくれてよかったなあって思えるようにできていて、もう置いてけぼりの守られるだけの子じゃなくなったんだなあって実感。泣かせてくれるぜ!

誰かが倒れた時のプチ会話も大好きです。再戦して全員分見にいっちゃった。

 

 

 

エンド0

 

でもなんだかんだで、エンド0もめちゃくちゃ好きだったりします。エンド絵が好きなんですよ、特にあのゲームオーバーのロゴが好き。

エンド0への入り方も、気づく人は気づくだろうけどわからない人はわからないままリセットしてしまいそうで、そのさりげなさが好きでした。暗い世界に放り込まれて「あれ?あれ?」って彷徨うプレイ感が、まさにこのエンドのブランの心境と被ってるんですよね……。

エンド1と比べて誰も何も言わずモノローグすらないところも、すごく「おしまい」って感じがして、好きです。

 

 

 

いやー、やっぱり伏線と演出が素晴らしい作品でした!

胸が熱くなるとはまさにこのこと。楽しかったです!