「終わらせないのはやるせない、でも終われないよりずっとマシ」
区切りをつける後押しさえあればな前置き。
えー、今回は星と月の壮麗さんところのフリーゲーム「夢遊猫イミテイション」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
ケモキャラのBLでカードゲームな一作。ウディタ製。
結論から言うと、めっちゃ楽しみました!
本作、実に独創的なポイントが多いです。よって、いつものように合う合わない点の列挙ではなく、「ここが持ち味!」みたいな感じで記事を書いていきますね。
簡単快適操作でじっくりプレイ
- 操作は左右クリックのみ
- 時間制限なし
- 自分の墓地のみならず相手の墓地なども確認可能
- カーソルを添えるだけでカードテキストが読める
などなど、システム面かなり手厚く手を付けやすく整えられています。熟考したいタイプの私にはありがたい要素満載でした。
そのうえで、デュエルのスピードはかなりテンポ良しです。カットインの表示有無なども決められる他、対戦相手の反応セリフもさくさくと流れていくので、演出全てオンにしてもなおカード提出がスピーディに行えます。
飄々とした熱血主人公
一番好きなのが主人公、六郎の性格です!
飄々として口でも計略でも一枚上手、胆力もあり、でも基本的には女好きの優男。いや~これは惚れいでかって話ですよ。初めのパートナー選択によって攻めにも受けにも転じますが、最終章ではガッツリ男気で締めてくれるカッコよさがあります。
何より私はラスボス前のあの魂の語り合いが大好きなんですよ!!
熱血ではある、でも押し付けずに理解の姿勢も示してくれる。そのうえで熱く想いをぶつけ合う! この、クライマックスに向けての語りがめちゃくちゃカッコよかったです!
ここに限らず、戦闘前の決め口上はどのキャラもめちゃくちゃかっこいいので、ぜひ見て頂きたい……!
単作としても満足・シリーズへの導入にも◎
私はこう、作中のみで解決しない情報や前提があるとすごくもやもやしてしまうタイプなんですよ。スターシステムとか、前作のキャラのゲスト登場とか。なのでプレイするなら1作目から作者様のゲーム全部追う覚悟で腰据えて手をつけるんですよね。
ですが、本作は過去作の半数が公開停止中。そんなわけで、お話についていけない可能性も覚悟しつつダウンロードしたわけですが……。
あくまで主観として。
- ストーリーは本作単体でも楽しめる。
- キャラクターは、過去作に触れていないと掛け合いに置いてけぼりになるシーンもある。が、説明は親切。むしろ本作で色んなキャラに触れて、その子が登場する過去作を探してみるというのもアリかも。
- システムは本作のみで綺麗に完結。カードゲームとして楽しみたいなら文句なしにこれだけで完璧。
という印象でした。
運命の相手を誰にするかで受ける印象は変わってくるかもしれませんね~。私はインダストリィから始めて、彼自身あまり他のキャラとの関わりは濃くない子だったので、すんなりと楽しめましたが。もしこれがスピアやラスカー辺りから始めていれば、前述のもやもやは感じてしまっていただろうなと思います。
流動するCPを楽しめる方向け
前述の通り、ほとんどのキャラクターには既存の関係性が出来上がっています。よって、選ぶ運命のパートナーの中には、六郎よりもずっと大事な存在がいる人もいます。
運命のパートナーと行うのはあくまで、恋人ごっこ。それでも確かに想いは通じ合いますし、最終的には皆で大団円になるのですが、ことカップリングは基本的に固定寄りの自分には、要所要所で心の整理が必要でもありました。
だってラスカーにお世話されたり逆に口説いて困惑させたりできるのかと思いきや、イクシアの話しかしないだもん……!
いやでも、いわゆる他作品からのゲストキャラクターをここまで上手く本流に乗せれるのは巧みとも言えます。恋の矢印は多ければ多いほど盛り上がるという方がいるのも確かですし、六郎のカラッとしたキャラはこの展開に最適で、一番彼を魅力的に見せると言っても良いくらいなはず。
何より大本命がギギみたいなところありますから、十分に納得はできる構成でした。
絶え間なき下半身への執着
さて、検索して本作のスクショ等を見て頂くとわかるんですが、とにかくまずはケモです。ケモと言ってもかなり多彩。ふわっふわの子、骨ばった体格の子、ガチムチ、なんでもござれ。
そして全体像の次に着目したくなるのが一点、そうですそこです。下半身に雄々しくそびえ立つモノです。あちこちで股間の主張が激しいという意見を見ましたが、まさにその通り。小さいサイズの子も大きいサイズの子も、服の上からしっかりはっきり形がわかります。
立ち絵のみならず、ストーリーでも幾度となく下半身談議は取り上げられます。特に自分はインダストリィから始めたので、金的と本ゲームはもはや切っても切り離せなくなりました。
余談ですが、スピアのご立派様がTHE大蛇って感じの形状なのすごくツボです。初見時は性根が悪いとアソコも曲がって……と言いかけましたが、人となりを知ってからは言えなくなりました。なんだかんだ身内はしっかり支える良い奴なのズルイわ~。惚れるわ~。
好きなものをとことん追求して詰め込めるのがフリゲの良さだと思っているので、是非今後ともこの路線貫いていってほしい所存です!
辞典好きや設定集即買い派にオススメ
センシティブで締めるのもためらわれるので、最後に刺さる方には刺さる要素をば。
本編だけでもかなりテキスト量の多い本作ですが、そのこだわりっぷりはおまけにも及びます!
まず、多々存在するカードについて。このカードなんと、一枚一枚にキャラ設定がついてるんです!! おまけにはカード辞典やキャラクター図鑑などがあり、そこで数行程度のテキストを浴びるように読むことができます。
もうこれは設定好き大歓喜だと思いませんか!! 私は大歓喜しました!
副読本が好きなあなた、設定資料集が好きなあなた、アルティマニアを枕代わりにしていたあなたに是非!! オススメです!
他にも、キャラクター一人一人に二つ名がついていたり、全キャラクターの設定文が読めたりと、内容はもりだくさんです。決めセリフや勝負前口上が好きな方にもオススメかと!
そして何よりも主張したい、ここ。
「全ストーリー全キャラクターの掛け合いがおまけで見返し可能」です!!!!!!!!!!!
見たいあのシーンのためにセーブデータを取っておかなくとも! そういった私のようなプレイヤーを見越しているかの如く! セーブ一つで全て見直せます!!
もうこれほんっっっとうに嬉しかったです……全ゲームに搭載して欲しい……!
特に本作はちょっとした掛け合いの中にそのキャラの価値観を伝えてくる一言がすっと差し込まれたり、性癖にぶっ刺さる一言がザクっと仕込まれているので、何度でも見返したくなるんですよね……。とってもとっても捗りました。最高システム感謝!!!
とまあ、こんな感じで。
本当にすごく楽しかったので、オンラインバトル……まではいかないにせよ、人様のデッキを舐めるように拝見したくはありますね!
追記では攻略…………にも満たない、自分のデッキ紹介など。
使ってたデッキメモ
<序盤>
エナジーゾーンとドロップゾーンを混同したまま3章くらいまで突っ走ってました。よく勝てたな?! パートナーがインダストリィだったので、序盤からメタデッキの恩恵に預かれたおかげだろうなあと思っています。
デッキは下記。とりあえず手札を減らすって書いてあるカードを仕込んでみたのがよくわかる構成。
ウィスプ(リーダー)、アシッドスラッグ、グレムリン
<中盤 双子戦>
さて、山札切れを狙ってひたすら突き進んでいたところ、遊園地の双子で詰みました。いや~さすがに山札切れ狙いは無理だった!
というわけでここら辺から初めてパートナー変更を視野に入れました。アレクで速攻デッキ作って殴り勝ち。一応下記ではありますが、かなり雑に組んでるのでもっとやりようはある気がします。
デザートバジリスク(リーダー)、エメラルドウィスプ、キングゲイザー
<終盤 チャンピオンシップ>
さすがに序盤使用していたデッキだと耐久が足りないのと、山札切れを狙おうにもその前にやられるパターンが増えたので、相手を殺すまで生き延びるためにどうすればいいかという方向へ思考をチェンジ。それでもパートナーはインダストリィでゴリ押しました。だって運命だから……。
ルージュフラワー(リーダー)、ヤクガラス、ボーンソルジャー
<終盤 ラスボス>
いや~~~~~本格的に詰みを感じたのがここです!!!
今まで脳筋でプレイし続けてたのもさすがにここで打ち止め。パートナーもついにインダストリィからちびイクシアへ変更となりました。あのファイナルナイトメア相手に山札切れを狙うのは悪手がすぎた!
アッってなったのは敵のリーダースキルが信号灯だと防げないことですね。これあるあるだと思いたい。虫よけスプレーで対策しましょう。
というわけでデッキはこう。
ピュートーン(リーダー)、風船の魔女フワーティカ、月花の歌姫アルドリア
ネイチャー20枚
緊急脱出装置1、鋼の丸薬3、回復薬2、虫よけスプレー1
ピュで延々と固定ダメージ。フワは回避技全部入れて、避け盾になりつつ、殴ってエナジー使ってピュのリーダースキルのためのドロップゾーンカードを溜めていく係。アルドリアはほぼほぼバリアリーフのためだけに入れました。ヒールフラワーは出せる時があればラッキーですが、基本的には即やられても惜しくないつもりで入れてました。
<エクストラ アスタルト>
自力でなんとかしようと考え続け、1週間。
有識者のデッキに頼りました!!!
うおおん悔しい、でも勝てて嬉しい!
というわけで詳細は適宜ググって頂くとして、リーダーにサンドウォームを入れてひたすら脳筋で殴り勝ちましょう。
特に苦労したのは記載の二人、逆にそれ以外はいつものインダストリィ山札切れ狙いデッキで勝てたので、パートナーがメタスキル持ちだとめちゃくちゃ強いんだなあとしみじみしました。
と、攻略?デッキメモ?はこのくらいで。
敵を倒す
↓
エナジーゾーンやMPを意識するようになる
↓
リーダースキルやナイトメアスキルを考えるようになる
↓
特殊カードの対策を練る
といった感じで、ゲームのレベルデザインもすごく丁寧。できることや頭の隅で意識しておくことがどんどん増えていって、中毒みたいにプレイしました!
道中はお手軽に楽しく、終盤は難易度ガッツリで楽しかったです!