「一枚岩ではないけれど、僕らおそらくお人よし」
背中を見せられないよりはましだろうな前置き。
えー、今回はkatarazuさんところのフリーゲーム「flamberge-フランベルジェ-」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
チャプター式で物語が進行する、RPG……でいいのかな。さっと通しでプレイするだけなら1時間かからない程度ですが、何度も特定のチャプターだけやり直せるので、評価Sを目指すなどするならがっつり遊べるボリュームがあります。
というわけで、良かった点など。
魅力的な掛け合いセリフ
ゲームの進行方法や戦闘システムなど、独特な点は多くあるんですが、中でも私はキャラ同士の掛け合いを推したい!
とにかくあちこちの画面構成がすごくスタイリッシュで、かなり楽しいんですよ! オリジナルメニュー画面ってワクワクして良いですよねえ……!
その中でもバトル画面では、セリフが見やすい位置でテンポよく差し挟まれていきます。味方が倒れれば他のメンバーが奮い立ち、デバフをかけられた時は互いに励まし合うなどなど、キャラの信頼関係が見れるのも素敵。かなり会話パターンが多いのもポイントです。
パスピエの「えいせいへーい! ってあたしなんだが」(うろ覚え)みたいなのがすごく好きです。ていうかパスピエ嬢は基本的にほどよくゆっるゆるでかわいいんだよな~。
避け&逃げ&探索ゲー
本作は基本的に1チャプター=1ダンジョン。ストーリー→探索→ストーリー→ラスボス→次のチャプターへ、といった構成です。そのチャプターごとにリザルトが確認できるんですが、これがまた腕の鳴るシステムでした!
探索して宝箱を見つけまくれば高得点。一方で、戦闘回数はなるべく少なくすれば高得点。シンボルエンカウントに突っ込みがちな自分はけっこう苦労しましたが、避け方のヒントなどが事前に提示されるのでなんとかなりました。
謎解きがあるマップもあれば宝箱が絶妙に隠されているマップもあり、探索ゲーとしても楽しかったです。「あっ!」っていう発見があるマップは楽しいですよねえ。
なお、リザルトはセーブ回数にも影響します。
普段は「セーブ制限は害悪!」と声高に主張してしまっている私ですが、こと本作においてはそこまで忌避感を抱かずに済みました。
マップが手ごろな広さなのもあるかもしれませんし、場面によっては戦闘によってセーブ回数を増やすことができたのも良かったのかも。どこでセーブをして分かれ道に備えるか、みたいな楽しみもしっかりと感じられました。
行動順がものを言うバトル
戦闘画面は一見かなり忙しめ&難易度高め。
パーティメンバーや隊列をくるくる入れ替えつつ、コストを温存したり行動順を遅らせたり。雑魚戦一つとってもテクニカルな印象のするバトルでした。それでもコマンド式なので熟考はできますし、前述の通りレベリングはほぼ不要で進められるようにできています。私はラスダンで戦闘3回くらいし損ねましたがそれでも勝てたので、ある程度ゲーム慣れしている方なら戦闘回数縛りもできちゃうのかも。
初めにスポットが当たるのがリュリなのもあってか、スピード型がかなり運用しやすい印象でした。ヴォルテが個人的にはすごく好きなんだけど、鈍足気味で上手く使ってあげられなかったな~! リュリが前行っては攻撃し後ろ行っては回復しだったので事故ダウンすることも多かったんですが、そのぶんパスピエ嬢が意外と撃たれ強かったので助かりました。この辺りやっぱりバランス上手いなあ。
バトルにおいて重要なスタミナとシンボルエンカウントが影響し合っているのもかなり独自の発想だなと思います。逃げすぎると詰むが戦い過ぎても厳しくなっていくという。
脳筋でレベル上げ出来るよーと書いてはありましたが、出会った敵全部を倒そうとすると確実にスタミナ切れになるはず。あくまで救済措置って印象です。
なるべく戦わない、戦った時はダメージを最小限に抑えられるように。視覚的にもスタイリッシュな本作ですが、求められるゲームスタイルもそんなイメージでした。
動いて喋って大団円なパーティ
さてバトルやシステムばかり書き連ねてきましたが、ストーリーパートもなかなかのものです。
まず、キャラチップが動く動く! ただ歩いたりリアクションしたりするだけでなく、「よっ」なノリで手を挙げてくれたり、抱き着かれたりどんっと突き放したり、かなり動作の幅も広めです。
さらにはセリフの吹き出し表示。みんなが一斉に話したり、あっちからこっちへ声が聞こえてくるのが伝わってきたり、一つ一つの位置がとても凝っています。ゲームとしての操作のみならず、見て楽しむという意味でも、かなりレベルの高い一作でした。
チャプター選択時の動きが個人的に一番好きです。台詞が全員分あるのもそうだし、選択した瞬間クルクルッと動くのが見てて気持ち良い!
あと、ヴォルテの英語混じりな倒置法がすごくツボです。
これからもこれまでも冒険は続く!
ストーリーの中身についても、個人的にはかなり満足。明るく大団円な雰囲気がすごくしっくりきます。エンディングでの全員集合感も併せて、思わず拍手喝采したくなる雰囲気でした。船で救助に来たという設定だからか、全員集合に違和感がないところもさりげなく良ポイント。
ただ、すでにパーティメンバーが実践を積んできている前提で話が始まるので、プレイヤーが感情移入するのは難しいのかも。私自身、楽しかったですし一緒になって盛り上がりはしましたが、完全同体というよりは観賞に近い目線があったように思います。
また、本作だけだと謎めく部分もあります。
といっても最低限の説明や関係性もしてくれるので、置いてけぼりの心配はないかと。
長い長い冒険の一ページ! みたいな雰囲気が自分はすごくわくわくできて好きでした!
とまあ、こんな感じで。
起承転結ありつつもスカッと気持ち良いお話が好きな方や、スタイリッシュにガッツリ「ゲーム」したい方へおススメです!