うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「ものやみジャック」感想

「鬼火はゆらりと揺らめくもので、もちろん誰にも捕らわれない」

他を翻弄するほど愉しいものはない前置き。

 

 

 

えー、今回はTeToriapotさんところのフリーゲーム「ものやみジャック」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

www.freem.ne.jp

 

進行は一本道、要所の選択でエンド分岐するADV。操作有りのウディタゲー。短編。

好きなところとちょっと……なところと両方あるので、包み隠さず書きます。が、やっぱり好きな作品ですし、この作品を起点とするシリーズ一連全部大好きです! そこだけは事前に主張させてください。

 

というわけで、特徴的な点など。

 

 

 

設定用語と独自世界観がガッツリ

 

正直、初回プレイの時はかーなーり困惑しました。

まず設定用語がかなり多い! 病名・キャラ名・家名が混ざり合うので、用語集があってもなお把握にかなり苦労しました。

また、(これはストーリーのギミック上仕方がないのですが)重要なシーンでのセリフは「こいつ」「それ」「これ」といった指示語が飛び交うので、今誰が視点主で誰のことを喋っているのかを常に強く意識する必要がありました。

もっと言えば、舞台は狭い病棟だけであるのに、作中で設定されてる東西南北全ての世界が物語に絡むので、そこも辛かったです。

 

要は、説明役の無知なキャラが一人もいなくてプレイヤー私は置いてけぼりになりがちでした。

まあ、メモ取りながらでもなおエンドに行くまでストーリーを全く理解できなかったのは私の読解力の乏しさのせいなんですが……。

 

 

 

 

どこを読んでも心地よいテキスト

 

それでもですね!!

本作で魅力として推したいのもやっぱりテキストなんですよ。

というのも、セリフの一つ一つ、メニュー画面のちょっとした説明書き、一つ一つがものすごく語感の良い響きばかり組み合わさっていいまして。要は読んでいてすごく心地良いテキストがそろい踏みなんです!

演劇とか詩とか、音の響きを重視するテキストが好きな方には特に刺さるんじゃないかなあ。

毎週のジャックの紹介文も好きですし、エンド2での役職名を羅列するあの表現も大好きです。

 

 

 

 

最後は綺麗に全貌が見える仕様

 

冒頭でさんざん書いてしまいましたが、全エンドさえ見てしまえば、ストーリーのネタバラシもおまけ部屋で確認できるのでご安心。

設定が多くあることは世界観が濃厚とも言い変えられますし、用語集や各チャプターの見返し機能はとても便利でさっと見返せるありがたい仕様でした。

なにより、この物語を起点として始まるこの作者様の一連のシリーズ、ゲームの一言で済ませるには惜しまれるこの世界・文化・宗教・伝記・民話・etc.……

これらが大好きなんですよ!!! 

なので、刺さる人にはめちゃくちゃぶっ刺さる作品だとはやっぱり主張しておきます。

あの、ざわざわした余韻のあるエンドが大好きなんだ~……! ウオオ……。

ちなみに既プレイの方は、クリア後のRead meネタバレ部分は必見です。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

色んな人外や奇病が見れて、各キャラの思惑や関係が複雑に絡み合ってる感じも、噛み応えばっちり。何よりこういうダークな言い回しがガツンとハマる方は絶対多いと思うので! 

気になった方は一度手を伸ばしてみることをおススメします。

 

むしろ本編は次作『ばつえいビルッテ』といっても過言。

というわけで下記も合わせて是非どうぞ!

 

 

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shiki3.hatenablog.com