「未完成は悪じゃない、可能性の塊だ!」
あなたの世界はいずれ誰かとの世界になる前置き。
えー、今回はおにぎりと四葉のクローバーさんところのフリーゲーム「Phan Somunia」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
プレイは数時間、ただしやり込んだり詰まったりしたらもっともっと時間のかかる、ボスラッシュゲーです。選択肢はありますが、おそらくは一本道? のはず。
というわけで、良かった点など。
仲間を召喚して世界を救え!
本作はガチャゲーです!
……と、言うと絶対語弊があるので補足すると、ゲーム内のアイテムでガチャを引いてキャラクターを集め、そのキャラでパーティを組んでボスを倒していくゲームになります。
まず着目したいのが、このキャラクターの出典について。なんと登場するのは、「他世界の創作キャラ」達です。同作者様の他フリーゲーム作品のキャラはもちろんのこと、別作者様のフリーゲーム、さらにゲームの垣根を超えて創作漫画のキャラクターまで。とにかく色んなオリキャラたちがここぞとばかりに飛び出してきます。
といっても、作中で特段セリフがあるわけではなく、個性として用意されているのは外見とスキル名くらいです。なので、他登場作の履修は不要! 中にはそもそも元となる作品がない子もいるので、前提知識はいりません。そのぶんお手軽に触れる、はず。
「このキャラ知ってる!使いたい!」の流れもあれば、「このキャラかわいい~!使いたい!原作はどんなだろう?」の流れもあり、あちこちへ派生していく楽しみが感じられるゲームでした。
自動進行のオートバトル
斬新さはキャラのみに留まらず、バトルにも及びます。
なんと本作、全ての戦闘は自動的に進行。RPGにおけるコマンド入力などはなく、事前にセットしておいたAIに応じてキャラクターが勝手に戦闘をしていくシステムです。
このAIの調整がたーのしいんだこれが!
私はAIを組むゲームって一つ二つしかプレイしたこと無かったので、困惑することもありましたが、やっぱり楽しかったです。「思い通りにいかない→弄ってみる→微調整する→動いたー!」この流れ自体がおそらくは、ゲーム制作の楽しみにも通じてるんじゃないかなあ。ひいては、本作の舞台の根幹にも。
AIに〇%の確率で行動というランダム行動が入っているところも面白いんですよね! クリティカルなどもそうですが、ガッチガチの詰将棋じゃなくてあくまで色んな戦法があるという幅で留められているところも、遊びやすくて良かったです。
と、AI調整の楽しさを熱く語ってしまいましたが、デフォルトでスキルが組まれているので、一応はキャラを入れ替えるだけでも進められるはず?
ちなみに、自分のオリキャラを作中に取り込んで、カスタムAIで味方キャラとして活躍させることも可能です。私は創作をしないタイプなのでやりませんでしたが、それこそ「うちの子」を使いたい方には朗報ではないかなー、なんて。
腕の鳴る強敵たち
雑魚戦やレベル上げの概念はなく、ひたすらボスを倒していくだけのシンプルシステム。だからこそ、熱くガチのバトルが楽しめます!
状態異常、物理連撃、HP半分削れたら発狂、などなど敵の行動パターンも多種多様。ボスをあっさり1ターンで倒せたはずのパーティが、別ボスだと全く通じないことも多くて、頭を使う楽しさを味わえました。
あれこれ組み直す必要があるのも、ガチャで色んなキャラが手に入る多様性と噛み合ってて好きです。
そのぶん、システムを読み流しちゃうとちょっと辛いかも。かくいう私も、セット変更でアイテムの変更もできることや、アイテムは毎戦闘で補充されることをまったく気づいていなかったので、道中かーなーり苦労しました。さすがにヴァンはアイテム抜きだと倒せなかったな……。
逆に言えば、こちらができることは全てやりきって死闘を繰り広げる熱いバトルが楽しめます!
あなたの選択に合わせた温度感
さて、本作の主人公であるプロトですが、実は私達プレイヤーの選択肢によってだいぶ態度が変わります。
私はこれを知らなくて初回は普通にプレイしていたのですが、後でネタ選択肢を選んだところ「ええ!?」となりました。ははは。プレイヤーへの呼び方自体が変わってしまうところも面白くて好きです。
他にも、ラスボスを倒す・一体だけボスを残したうえで倒す、等々ちょっとした分岐もあります。エンド数や分岐については全然必読に書いてなかったので、危うく見逃すところだったんですが……。まあそもそもがオートセーブですし、分岐を全回収するよりプレイヤーに合ったエンドに辿り着いて欲しいって感じなのかな。
おそらくはシステム外で一度セーブデータを消さないと、周回プレイはできない、はず……? 気になる人は見て見るのも一興かと。
夢と可能性が現実を貫くストーリー
システムに注目したくなってしまうところですが、ストーリーもなかなか、心の柔らかいところに刺さります。中でも、ラスボス前の会話がすごく好きでした!
誰でもあると思うんですよね、何か作ろうとしてすぐやめてしまったり、一次創作をやりかけて手前でどうしたらいいのかわからなってしまったり。そういう創作者あるあるの挫折と、しっかり向き合ったうえで、ハッピーエンドを見せてくれます。
優等生的と言えるかもしれませんが……それでも希望を手に取リたい!という熱い感情は伝わりました。ハッピーエンドと呼ぶ以上に、“祈り”を感じるストーリーラインです。
トゥルー……と言って良いのかな、一番長くプレイできるエンディングが初見で見れたエンドです。そして、クリア後コンテンツを超えた向こうにまた希望が待ってくれているところも、なんだか元気をもらえて好きです。
とまあ、こんな感じで。
追記ではキャラの使用感など。
同作者様の他フリーゲーム感想記事↓
まずは軽い点から。
仕様?勘違い?注意点
パーティごとの一番トップにある前提ロール選択はある程度固定しておいた方が良い気がします。私がプレイした時は、(仕様や技を勘違いしていた可能性は大いにあるものの)パーティ切り替えするとアタッカーロールを設定していてもヒーラーとして動く、といったことが多く発生したので……。
どう書けばいいかな。
パーティ1(アタッカー・ヒーラー・アタッカー・ヒーラー)
パーティ2(ヒーラー・アタッカー・ヒーラー・アタッカー)
にしていると、2から1に切り替えて戦闘に挑んだ際、一番左に置いているキャラがアタッカー指定なのにヒーラーの動きをしてしまうことがあるという感じ。けっこうこれで悩まされました。ぬーん。
キャラクター
攻略とも違うかな、使いやすかったキャラのメモや、うちの召喚結果など!
気になった子だけ取り上げますが、それこそ使用感はプレイヤーによって千差万別かと思いますので、ここで上げてない子も是非触ってみてください。
・ラウム
まず彼が来てくれてめちゃめちゃ嬉しかったです! 『Line』の時からずっと好きだったんですよ~! 一部ではあまりの紙装甲低HPに起き上がりこぼしとの異名がついていたらしいのですが、いや~だとしても、愛着のあるキャラは意地でも使いたい! というわけで本作でもHARDに入るまで一緒に走り続けてもらいました。
私はアタッカーとして起用しましたが、命中上昇が刺さるボスもけっこういるので、補助としても使えるのかも。
・クレセント
このゲームをプレイするにあたって、登場すると噂に聞いていた『天使と悪魔の旗印』を先にプレイしていたのですが、まさにそのキャラクターが来てくれて嬉しかったです!
ヒーラーとしてとにかくめちゃくちゃ優秀。速さもそこそこ、全体回復三つ、と驚異の強キャラっぷりです。
・サロス
好きゲーの好きキャラ! お姉ちゃんじゃなくてこっちが来てくれるとは思わずテンションが上がりました! 唯一持ってる攻撃スキルが弱体化込みで強いのと、回復スキルが充実しているのもあって、クレセントに次いで多用していたように思います。
・ナナコ
同じく好きゲーの最愛キャラ! 元々あのゲームでは一番好きというのもあるんですが、性能としても自傷型強攻撃アタッカーということでかなり重宝しました。いやもう一発で削れる敵のHPが段違い! 大好きです。
・トランプ兵
さあ続きまして自傷型強攻撃アタッカー! トランプ兵さんはナナコ以上にピーキーで、基本的に、攻撃→死ぬ→攻撃→死ぬ、の繰り返しでした。ゾンビ戦法ばんざーい!
闇攻撃以外の属性攻撃も持ってるのが何気にかなり汎用性高かったです。
・クーゲル
火力も耐久もそこそこある安定アタッカー。トランプ兵やラウムだとさすがに厳しい時の代役として活躍してもらっていました。単属性のキャラはそのぶんゲージが溜まりやすくて良いですね~。
・ルーン、小剣、フルール
もっぱらデスペル要員。特に終盤のボスやデスペルなしだととても倒せなかったので、彼らのうち誰かが来てくれるかどうかで難易度はかなり変わるように思います。それまではラウムのゲージ技で頑張ってもらっていたので……。
特に小剣さんは闇属性相手だと光攻撃の火力もかなりあるので、各面のラスボス戦によく連れだしてました。
と、こんな感じで!
触っているうちに好きになった子もいれば、元々好きな子を使える喜びもあって、すごく楽しかったです!