うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「深雪に咲く」感想

新雪に足跡をつける楽しさは、汚す罪悪感に勝るものか?」

もとより罪悪感がない子どものままでいたかったな前置き。

 

 

 

えー、今回はThunderSonia さんところのフリーゲーム深雪に咲く」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

ルート分岐有、公式サイトに完全攻略ありの乙女向けノベル。異種族恋愛もの。

 

というわけで、良かった点など。

 

 

人間と妖怪と妖怪の話

 

 

攻略対象は二人。片や時折言動の不穏な妖怪、片や敵対心剥き出しの人間。主人公が人懐こく他者を疑わないからこそ、攻略対象側の方にうかつに近寄れない要因が用意されていたように思います。六花の本心は? 千景の警戒は? などなど、先を読みたくなる関係性を見せて頂けました。

千景はツンツンした態度の裏に痛々しさがあり、そのうえで見せてくれる包容力や男らしさにグッときましたし。

六花は飄々とした態度の裏に、どこか危うげな、傍にいたいと思わせるところがあって、これまた魅力的でしたね~。

 

ヒロイン兼主人公は、人間に嫌われた雪女。彼女の性格付けも大好きです! 人間と妖怪、あるいは同じ妖怪でも違う種族という設定を上手く活用することで、自然と無知シチュを生み出しているという。思わず拍手喝采

中でも、照れても言うべきことはちゃんと言う、ここが何より彼女の推しポイントです! そう、恥ずかしがって黙り込む性格だったら多分この話はどっちのルートも破滅一直線だったはず! 

内気な愛されヒロインですが、前に出る時はきちんと出てきて、身を呈すところもあるのが好きでした。

 

 

 

どちらも一歩踏み越えると危うい攻略対象

 

さて本作はR15作品。成人向けに踏み越えないからこその絶妙なギリギリ・ドキドキを味わえたように思います! 攻略対象が双方、それぞれの理由で「堕ちる」感じを見せてくれたところがすごくツボでした。きちんとバックボーンがあって、病む過程に納得があるところも好ましかったですね~。

特にバッドエンドの後日談は、蠱惑的という表現がしっくりくる展開でした。直接的な描写はないのに、ものすごく雰囲気が濃密で、色っぽいんですよね……。理性がグラっと来る描写の仕方がとても上手だなあと思います。

ハッピーエンドはしっかり明るい円満エンドですが、ヤンデレ好きの自分からするとつい深読みして、「これからもひと悶着ありそうだな……」とニヤニヤできるシーンもありました。ふへへ。とはいえ、あっちのルートの椿ならなんとかできちゃうんだろうなあと思うので、ハピエン主義の方もご安心くださいね!

 

 

 

 

分岐先でも聞けるパートボイス

 

攻略対象はボイス有り。さすがにフルではありませんが、重要なパートにもおまけにも声が収録されていて、ボリュームはしっかりあります。

ありがたいな~と思ったのが、共通パートだけでなく選択肢の細かい分岐にも声が入っていること! 私の勘違いでなければ、好感度に影響しない選択肢にも声が収録されていた、はず……?

乙女ゲーって、まあ言ってしまえば全正解の攻略見てささっと回収するタイプの方もいると思うんですよね。そんな中で、聞き逃されてしまう可能性の高い場所にもきちんと声を当ててくださっているところに丁寧さを感じました。

 

なお、どちらの声も(実際の性別は存じ上げませんが)女性声優によるショタボイスに近い印象です。私的な好みを言えば、一部ねっとりしすぎてたり無理してたり感はありましたが……もちろん刺さる人は刺さる声質だとも思います。何より、最後まで聞けるクオリティは確保してくださっていて助かりました。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

登場人物全員が孤独感を抱えているのも、人肌恋しい冬や雪のイメージとぴったりなんですよね……。病みエンドもハッピーエンドも、お互いに暖め合いたいという気持ちに変わりはないように思うので、そういう雰囲気が好きな方にオススメです。

 

 

 

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