うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「帰らぬ少女のバラッド」感想

「死んでからも労働か、あるいはぶっ生き返してもう一回か」

少なくとも休みは遠い先な前置き。

 

 

 

えー、今回はVIPRPG紅白2017のフリーゲーム帰らぬ少女のバラッド」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

 

中盤の選択肢によってエンド分岐あり、死後の世界で権力闘争に巻き込まれるRPG

個人的に主役級だと思われるメインメンバーは、わてり、血わてり、ダーブラ、ヘル、ワールド辺り。その他にも多数出演。詳しくはURL先のスクショで。

 

 

というわけで、良かった点など。

 

 

 

ロウでカオスでニュートラルなエンディング

 

Twitterでの評判だけでバトル重視かと思いこんでいたのですが、ストーリーもしっかり味のある作品でした!

キャラはもしもキャラ達ですが設定などはオリジナル寄り。魔法具現化などのセオリーを全く知らなくても気軽に手を付けれます。

エンド分岐の条件はとても簡単です。二大勢力のどっちにつくか。重要な選択肢はSE付きで表示されるので悩むこともまずないはず。

周回プレイ要素はありませんが、どれも見れて良かったエンドでした~! 満足。詳しくは追記に格納します。

 

 

 

好きな子贔屓のBPシステム

 

さて、本作の特徴の一つがBPシステム。レベルアップの概念とは別で、好きなキャラの強化ができるポイントです。

個人的にステータスドーピングがリセット不可の仕様なのは苦手な性質なんですが……。本作は難易度設定がとてもしっかりしているので、その点まったくストレスなく、ただただ斜視子を贔屓するためだけにポイントをつぎ込むことができて幸せでした!

 

ちなみに自分は1周目で、ノーマル・BP不使用・雑魚戦ほどほど、な感じにプレイ。結果ちょっとぬるかったので、2周目以降はハード・雑魚戦多め・BPラスボス戦前だけ使用、でクリア。結果としてすごく心地よい難易度で楽しめました!

難易度はさらに上段階が二つと下段階が一つあるので、実際はもっともっと広い層が遊べる作品だと思います。この間口の広さがあってこそ、不可逆ポイントシステムも楽しめるってもんだなーとしみじみ。

 

 

 

毒は最強、いいね?

 

一番特徴的だなと感じたのが、状態異常について。

コマンドバトルだと状態異常が複数ついたり、パズル風に耐性装備で固めないといけなかったりするイメージがあるのですが、本作の状態異常はなんと上書きされます。厄介な状態異常ほど残りやすいこの仕様。シンプルさがものすごく肌に合いました~!

状態異常が1種類に絞られることで、戦闘画面が見やすいのもありがたかったですね~。かかったらものすごくわかりやすくバンッと表示されるのも素敵。

バフデバフは画面に出ませんが、こちらもかけた瞬間にSE付きのエフェクトがガッツリ表示されるので、困ることはありませんでした。重要な要素が何よりもわかりやすく表示されるの、ほんと信頼できて好きです。

 

また、毒は必ず入るという確約が取れているのも嬉しい点です。毒が強いゲームは良いゲームだ!

おかげで1周目は延々と毒を撒きまくって戦ったように思いますね~。集団戦だと毒だけではやりきれないところもまた、一筋縄ではいかなくて楽しかったです。

 

 

 

入れ替え自由のパーティメンバー

 

パーティメンバーはいつでも入れ替え可能。特に本作は魔法主力の敵と物理主力の敵が二極化されているようだったので、味方の使い分けを活用する場面も多めです。

 

この入れ替えシステムを魅力的にしているのが、スキルについて!

各キャラ固有のスキルがあって、そこに装備品でスキルを1つ足せるような構成になっています。この装備品だけで奥行きが深まるのなんの。

例えばアンデッドナイ毒を猛毒に強化するスキルを持っていますが、肝心の毒を付与するスキルは持っていません。毒付与を他キャラで補えば済みますが、そうなると3つのパーティ枠のうち2つを状態異常のために潰すことになってしまいます。

こういう時に! 役立つんですよね、装備スキルが!

他にも、「このキャラのこのスキルは使いたいけど耐久力が……」なんて時も装備品で補えます。逆に、好きなキャラだけを延々と使い続けたい方には少し厳しくなるのかな? でも前述のBPシステムがあるので、やっぱり受け皿は広いゲームだと感じました。

 

さりげにメンバー編成と装備全外しが同じ画面でできて、しかもボタン一つで済ませられるの、ものすごく快適。

 

 

 

ゲームオーバーだぞ気を付けろ!

 

さて、本作は道中雑魚戦などにおいてはゲームオーバー無しのさくさく仕様です。おかげで試行錯誤もしやすく、独自要素があるバトルでもとっつきやすい印象でした。

一方で、ちょっと気を付けておきたいのが、イベント戦について。

ゲームオーバーありのボスバトルがたまーに挟まるんですが、直前セーブがないので、状況によってはかなり厳しいことになるんですよねー。自分はメモスト戦でどえらい目に逢いました。なので、これからプレイする予定の方は、油断しすぎずにセーブはこまめに取ることをおススメします。

 

あっでも、ゲームオーバーが存在すること自体はすごく好きです! しかも、本作のゲームオーバーする場所としない場所の違いはきちんとストーリーと絡んでいます。それが某エンドの説得力を増していて、素敵でした~!

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

他にも、

  • 常に操作説明を表示してくれる画面構成
  • 世界樹の迷宮シリーズを感じさせるスタイリッシュなバトルグラフィック
  • ヒントも掛け合いも小粋なNPC

など色々な面に魅力のある良ゲーでした~!

厨二心掻き立てられるかっこいいダンジョン名好き。

 

 

バトルを愉しみたい方はもちろんのこと、質の高いRPGをやりたい方も是非。

 

 

 

追記では少しだけネタバレ感想。

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

shiki3.hatenablog.com

 

 

 

ネタバレ注意!!

 

 

 

 

キャラクター

 

1周目は、ウォーター・ナイ・コンフューズでほぼ固定。コンフューズが毒付与してナイが加速させてそれを延々と延長させるスタイル。斜視子贔屓したいがためのメンバーでしたが、なんだかんだで最終戦までお世話になりました。何度かナイをミッドナイトと入れ替えたかな。詰まった時はとりあえずダーブラを入れておいたらどうにかなっていたような気がします。

 

2周目は、ウォーター・デュラハン・ミッドナイト。時々トリッシュや血わてりを使ってみたり。チャックがかわいかったので使いたかったんですが、リヴァイヴァをわてりに装備させるようになってからは結局ベンチ行きでした。すまーん!

 

 

というわけで使用感ですが、やっぱりウォーターは外せませんでしたね~。とりあえず、単純に固有スキルがどれも強い。さすが主人公。

強キャラといえばミッドナイト。ポイズンと至高の魔弾の殺意がエグい。ガス欠しやすいキャラではありますが、MP自動回復装備を手に入れれば無双できます。

ナイ&斜視子のペアはシンプルに毒が強いんですが、相手がバフデバフ使いだった時や集団戦になるととたんに滅茶苦茶厳しくなっちゃいましたね~。で、斜視子だけだと耐久力、ナイだけだと器用貧乏感があったかな。

デュラハンさんはビルスラストが刺さるキャラが多かったので、いざという時によく頼っていたように思います。

 

 

だいたいこんな感じ。でも結局はお好みで!

 

 

 

エンド

 

好きキャラのメモストに釣られてC(ワールド)ルート

対岸のL(ヘル)ルート

Nルート玉座ver

Nルート帰らぬvaer

 

こんな感じの流れで回収していきました。ラストにNルートクリアして良かったー! 満足感が段違いです。Nルートのあの悲壮さがタイトルとしっかり噛み合っていて、とても好き……。

一方で鬱展開ではあるので、爽やかな終わり方をしたい方は、LかCのどちらかを最後に残しておく方がいいのかもしれません。

 

 

 

Nルートの玉座verで、血わてりが「おねえちゃん」って縋ってくるところすごい興奮するんですよ……。LとCだと気丈で愉快なトリックスターという雰囲気だったので、なおさら。そんな妹を容赦なく切ることになってしまう業の深さも合わせて好きです。

たぶんあのルートを選んだウォーターって、責任感と真面目さの塊なんだと思うんですよね。だからこそ、冥界のシステムには無理が出てくるし、手も抜けないし、どんどん手厳しくなっていくし……という八方ふさがり感が見て取れるんですよ。ダーブラなり斜視子なり、わてりを気にしてくれる大人の方々がいたらまた少しは違ってたんだろうけどなあ。あるいはミッドナイトみたいにノリでぶっ飛ばしていく子か。

おんなじことの繰り返し、という構図は輪廻転生でもあり、システムは続き業は繰り返すというのが皮肉で実に良い。納得感の強いルートでした。

 

 

 

で、やっぱり好きなのが帰らぬver

あの演出ですよね!! 冥界は崩壊した、故にゲームの舞台も消えた、彼女達がタイトル画面で手を振ることもなくなった。ものすごく一貫していて、良い……。メタな演出ってその技術に驚かされることが多いですが、本作のこれはストーリーの結末としての納得もあって、二重の意味で良かったです。

 

何よりここでタイトル回収になるのがアツい。

LとCをクリアした時は、タイトルに疑問があったんですよ。どうしてこんな仄暗い雰囲気のタイトルなのかなーという。それが綺麗に回収されて、気持ち良かったです。