うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「Ano Lune Soleil - アノ・リュンヌ・ソレイユ  -」感想

「非力である、なればこそ、用意は周到に」

幸い残弾だけは無限にある前置き。

 

 

 

えー、今回はほりんさんところのフリーゲーム「Ano Lune Soleil - アノ・リュンヌ・ソレイユ  -」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

www.freem.ne.jp

 

エンドまでは一本道のRPG。隠しボスあり。タイムリープというシステムを駆使して、試行錯誤の高難易度バトルをさくさく進めていく、バトルが好きな方向けの一作です。

 

というわけで、良かった点など。

ほんのりとネタバレが混ざるので注意!

 

 

軽快タイムリープシステム

 

本作のテーマにもなっているのがこちら、タイムリープシステム。これはバトルに入る前まで自動的に時が戻るという簡易リセット機能で、戦闘に負けた時のみならず、戦闘中でもいつでも発動できる優れものです。

試行錯誤してひたすら先に進んでいく本作、かなりの高難易度ではありますが、この機能があるからこそテンポの良さが保たれているとも言えるでしょう。

また、このお手軽さが逆にストーリー面では重々しい意味を持って突き付けられます。このギャップ、プレイしていて実感するからこそ入り込めるシナリオも実に良かったです。

 

 

 

おひめさまを生かして活かす

 

まず、本作の鍵を握るのはヒロインであり主人公でもあるアノの存在です。HPはたったの10、敵からの攻撃を受けるともちろん即死、MPは限られた手段でしか回復せずHPは回復不可、しかも毎ターンHPが1ずつ減っていくという仕様。一見するとかーなーり、足手まといに見えることでしょう。

しかしながら! 

深層まで進むと、このおひめさまをいかにフル活用していくかがポイントになってきます。能力アップ装備で魔法をぶっ放して頂いたり、あえて仲間が庇うのを止めて二人で力を合わせて1ターンキルを狙ったり。

この、制限だらけの中でいかに知力と武力を尽くすかという腕試し感がとても好きでした。

 

 

 

つけかえ自在の装備品

 

リトライ必須と言っても過言ではない本作ですが、そのぶん、試行錯誤はとてもやりやすい仕様となっています。前述のタイムリープシステムから始まり、遭遇するだけで特徴がわかる魔物図鑑、好きな順番で攻略できるシンボルエンカウントなどはその代表です。

中でも私が一番推したいのが、装備品の付け替えについて。売値も買値も同額なので、付け替えするハードルがぐっと下がってくれててありがたかったです~! もったいない病を発症せずに済む……。

 

 

 

高難易度のバトル

 

本作はレベルの概念がないので、きちんとクリアしたいのであればゴリ押しは難しいです。一方で、救済措置もきちんと用意してあるのでご安心! 勝てない戦いは何度もリベンジを繰り返すことで、どんどん敵が弱体化していきます。また、多少の手間はあるものの、攻略を中断して装備品を変えに舞い戻ることも可能ではあるので、よほどのことがない限り詰みはしないはずです。

 

親切だなーと感じたのが、ゲーム初めの難易度設定。「中級者はノーマル推奨」この言葉があったおかげでものすごく助かりました……! というのも、私も一応そこそこフリゲはやってきているのでさすがに初心者は名乗れないんですが、かといって上級を名乗るほど戦略ゲーが得意なわけでもなくてですね……。中途半端な者にもこっちと割り振ってくれる基準があるのは、ものすごく助かりました。

実際、B11Fあたりからはノーマルでもかなりきつかったので、広告に偽りなしの難易度だったように思います。

単に倒すだけじゃなくて、ターン数を短縮しないといけないのが難しい&燃える点なんだよな~!

 

 

 

 

激情と陰鬱、そして爽快が待ち受けるストーリー

 

最後に、かるーくストーリーについて。

地下迷宮に閉じ込められたというところから物語が始まる通り、基本的には陰鬱な雰囲気と共に物語が進んでいきます。ですが、不思議とあまり気落ちするような感覚はありませんでした。

というのもたぶん、(設定上の説得力を持ったうえで)アノがだいぶ漢らしい性格をしているので、わりと見ている側としてはさっぱり見れるんですよ。物語もテンポよく進みますしね。おひめさまという称号を冠した、クールに熱い主人公だったように思います。

何より、タイムリープすればするほど初見の情動が消えていく、という設定自体がものすごく斬新で面白かったです。

 

細かいところだと、「ソレイユ」なのに和風建築なのか!?と驚かされました。内装が出たのがそこそこ後だったので、衝撃も大きめ。そのおかげか、ちょっとした点なのにかなり印象に残っている気がします……。

日の出づる国みたいなノリからだろうか。

 

また、エンディングだと「えっそれ国大丈夫なんですか」と引っかかってしまう点が若干……? とはいえ、あれはロマンティックだと盛り上がる人も多い展開だとも思います。

あとは、兄との、年の差があるからこそぎこちなくなる感じがリアルで好きでした。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

他にも、

色合いを統一しかつ重要な魔法陣や宝箱は一目でわかるマップ作り、一筋縄ではいかないダンジョンギミックなど、魅力は様々。

隅々までプレイヤーを楽しませてくださる作品だったように思います。

 

 

歯応えのあるバトルや、頭を使った攻略を存分に楽しみたい方向けの一作です。