「何かと何かが繋がることを人は満足と呼ぶ」
大きくなくとも足るに至れる前置き。
えー、今回は時雨屋本店さんところのフリーゲーム「廃工場の煙突」「ずっとここで」「思考実験インザボックス」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
相互に繋がりはありません。ないはず?
3時間でゲームを1本作ろう、という「おいおい正気か?」と問いたくなる企画に参加されている作品です。いや、ツクラーさんってすごいなあ!
というわけで目次はこちら。
『廃工場の煙突』
[概要]
変態執事×クールツッコミお嬢様の一人称視点なダンジョンRPG。
[感想]
ワンマップなんですが、きっちり通路に分岐があったり全体マップが用意されていたりと、踏破するのが楽しい広さ。
何より会話イベントがかなり豊富! これだけの掛け合いをこの短時間で詰めてあるのはすごいな~、と感心しきりです。若干ヤンデレじみた会話が見え隠れしてにやにやしちゃいました。うへへ。
戦闘もテンポ良し。状態異常は鬱陶しいですが、ジェイムズのTPを溜めるコマンドのおかげで、雑魚敵もさくさく倒せます。むしろ状態異常がないとただの作業ゲーになってたのかも。
お嬢様が置物扱いなのも、作中でツッコミ入ったうえでネタにされてるので、上手いな~と思います。
メタ的に考えると、クーのパラメータ調整の時間がなかったのかな……?と邪推もするんですが。でもちゃんと魔法使ったら雑魚敵には対応できるしなあ。
執事に守られつつ自分も戦おうとするお嬢様、という構図はそれだけで萌えるものなので、そういうニュアンスやもしれません。何にせよ面白くて良き!
色々と設定があるようなので、いつか見れたら嬉しいな~という気持ちです。
[一言]
二人のテンポ良い会話をぬるっと聞き流しつつ、さらっと楽しめる一作!
『ずっとここで』
[概要]
魔法反射と物理反射を駆使して、指示に従うRPG。
[感想]
こういう天からの指示があるゲーム大好きです!!
メタとも言えそうだけど、本作はギリメタ一歩手前な感じもして、表現が難しいですね……。
指示に反抗するときっちり反応が返ってきてくれるあたり、ニヤニヤできて楽しかったです。意にならないプレイヤーをよくわかってらっしゃる。
無口主人公ではあるんですが、プレイヤーからも読めないものをエンディングからひしひしと感じて、なんだかこの距離感がすごく心地よいゲームでした。想いを馳せたくなる……。
救いがないようには思うんですが、力強さも感じます。これを鬱展開と呼ぶかは人それぞれかも。
バトルはパズルっぽい感じかな?
物理と魔法の反射を使い分ける。ただそれだけなんですが、特に終盤2戦はこの「それだけ」の使いようが面白い。段階を踏んですべきことを把握できる、ゲームのレベルデザインという意味ではかなり興味深いシステムでした。
タイトル画面のBGMと暗黒画面が好きで、クリア後もぼうっとそのまま放置してました。余韻を噛み締めたくなるゲー。
[一言]
システムメッセージまたは神の声に反抗したくなるあなたに。
『思考実験インザボックス』
[概要]
ワンマップのADV。突然の死。
[感想]
選択肢があれば必ずネタが仕込まれる、これぞこの作者様のおなじみだなーと感じます。
ストーリー自体はけっこうダーク路線。双子キャラの代替可能性と、シュレディンガーの猫をうまく組み合わせたお話でした。ノリはゆるっと、後味ざらっと。
[一言]
過去も夢も共にどうにもならないものですね。
と、こんな感じで。
公式サイトからだとDLできないものもありますので、(202106現在)気になる方はこちらの作者様のツイートからどうぞ。
時雨屋が3時間で作ったゲームが3本セットになって登場!!!DLはこちら!https://t.co/W8XQRiOjWm pic.twitter.com/Ls56mPUThk
— 時雨屋 (@nanigashigureya) 2020年5月4日
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