「良い試合だった? いいや今、彼らは試合をしている」
思い出が今に追い付いてきた前置き。
えー、今回は珍しくフリーゲームではなく、映画!
「THE FIRST SLAM DUNK」の感想をつらつら書きますね。
公開してそこそこ経つかなと思いますし、伏字なしのネタバレ全開な記事となります。これから見たいと思っている方は要注意願います!
なお、私の前提はこんな感じ。
・アニメ版スラムダンクは未視聴
・原作(漫画版)スラムダンクは全巻所持、読んだのは5年前くらい
・全員好きだけど中でも宮城リョータが特に好き
・バスケのルールは全然知らない&覚えてない
まさかの主人公と1試合
予告などは一切見ずに映画館へGO。
ポスターだけ知っていたので、「ある程度原作が進んだところから始めるのかな?」「ざっくり総集編っぽく作るのかな?」とあれこれ楽しい予想をしながら座席につきました。
そして見終わって、やっぱり語りたいのは2点。
「りょーちんが主人公!!」と、
「あの山王戦をよくぞここまで……!」です。
そんでもって、ひょっとすると当たり前かもだし、それが当たり前であることがすごいのかもなんですが、
「原作が動いてる…………!!!!!」
で胸がいっぱいでした。あの絵が、あのシーンが、あの大事な大事な1秒が、そこにあって動いているんですよ。じんと来ましたね~……。
泥啜ろうが平然と立ち上がる系男子りょーちん
というわけで、まずはリョータについて。
エンドロールのキャラ一覧もリョータが一番上で、見事にリョータへスポットを当てている構成でしたね~……。好きキャラとは言えここまでメインに来るとは思っていなかったので、混乱の方が大きかったです。
「そ、そんな、こんなにも尺をいただいていいのか……!?」みたいな。いや私いったい誰視点やねんって話ですけど。
言ってしまえば花道が主役の物語はそれこそ漫画で見れる、ってことなのかな? 実際、ただの焼き直しや総集編でもなく、同じ物語を違う切り口で見れたという感じがしました。斬新でよき。
ドリブルこそチビの生きる道、が生で聞けたのも嬉しい。
いや、映画に生って変かもなんですが、自分が知ってるのは漫画版だけなのでやっぱりこういう感想になっちゃいます。へへ。
あとあと、ノールックパス!!!
リョータのプレイで私の中に印象深く残ってるのは、このパス回しや状況判断のクレバーさなので、そこが映像として滑らかに見れて本当に嬉しかったですね~。
私はバスケ慣れしていないので、原作を読んでいるときはどうしてもボールの位置やなぜその動きになったのかがわかっていなかった時もあったんですが、映像になるとコマとコマの間の空白が繋がれてわかりやすかったです。
漫画を読んだのが昔だったからか、だーいぶ忘れてるところもあり。
リョータはキャプテンになってるところで記憶が止まってたんですが、そうか、海外進出まで行ってたんですね……。
トイレのシーンが挟まれることで、相変わらずなんだなと思える演出がすごく好きでした。プレッシャーでゲロることもある、けど、さも平気なフリでコートに立つ。それが宮城リョータってヤツなんだよな……。頷き……。
全てを込めた山王戦
まさかこの試合だけをピックアップしてくれるとは……。
厳密には回想シーン等々も合間に交えているので、だけというわけではないですが。試合としては1試合分ということでね。
本当に”命”がこもった試合だと思っているので、ここまで丁寧にこの1試合を描いてくれたことが本当にありがたかったです……。
原作のあの緊張感溢れたページを、完全再現してくれたのがマジで嬉しい~……!
OPもそうだったんですが、ところどころで漫画の世界と映像が交じり合うのもなんだか心に響きました。
試合の展開も知ってるはずなんだけど固唾をのんで見守ってしまう、没入感がったんですよね~……。隣に座ってるお嬢さんが、指先でボールがかすったシーンで「あっ……!」って声を上げてて、なお刺さりました。
あー、私は今、映画館の席じゃなくて試合の観戦席にいるんだな。
そんな感じの体験ができて、最高でした。
初見さん的にはどうなの?
桜木が敵を応援したりルカワにパスを回さなかったりするシーンは、初見さんからするとちょっと説明不足なのかも? 花道がルカワを毛嫌いしてる部分がぽろっと抜けてるので。
三井がスタミナ切れ早い件もたばこのくだりを知らないと難しそう。で、そういうのを言い出したらけっこう気になるところはあり……。
でも、まずもって、この映画を見に行く方の中にスラムダンク初見の方がまずどれだけいるのか!?という気持ちもあるんですよね。国民的名作なので……。
加えて、尺やスポットライトの当て方的に、全てのキャラの背景事情や小ネタを入れていくのは難しいだろ~というのも感じはするんですよ。
その点、スポットライトはリョータ、かつ、最低限大事なポイントや逃がせないシーンは入れるとなると、うん確かにそうだよねという気持ち。
むしろ、フリースローで桜木が念を送ってたり、3人でポーズ決めてたり、欲しい小ネタをしっかり拾っていってくれてたところがめちゃくちゃ満足でした!
(ぴょん……?)のくだりマジで好き。
興味深かったのは、彩ちゃん周りですね。
リョータメインなのに彩ちゃんLOVEなシーンはそんなに無い。ここ、かなり驚きでした。原作好きゆえの先入観があらわになったような感じ。映画内の情報だけだと、見る人によってはあくまでマネージャーと軽くフラグ立ってるっぽい、くらいの塩梅に見えたんじゃないかな?
それでいてしっかり手のひら文字のシーンは入れてくれてたのも嬉しかったです。ここは欠かせないよな~!
今、試合をしている音
映画になるにあたってやっぱりポイントは映像美だと思っていたんですが、いやー、耳。音でした。
ボールのドリブル音、バッシュがキュッと鳴る音、そしてみっちゃんのスリーポイントのあの音!!
あれらがずっと響いて、でも時には演出で絞られて、最高潮のシーンでは原作通りすべての音が消失する……。
もうね、素晴らしかったです。今そこで試合をしていてそれを私が見ていた。こうとしか言えないし、こう言えるのがすごかったです。音って本当に大事なんだな……。
とまあ、こんな感じで。
結論から言うと、大満足!
スラムダンクを改めて好きだなと感じられてよかったです。