うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

フリーゲーム「ランドセルは天使の翼」感想

「ずっと一緒にいようね、が、呪いに変わったのはいつ?」

あの時の気持ちは本当だったのにな前置き。

 

 

えー、今回はplacentaさんところのフリーゲームランドセルは天使の翼」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

 

ルート分岐はあるものの、実質は一本道でトゥルーエンドに収束するノベルゲーム。男主人公で少年と戯れる、となるとBLと思われそうですが、違うんですよ……。でもなか、対等な友達とも言いづらく……しかし確かに膨大な少年への愛は感じる……。

なんとも形容しがたい作品です。とにかく少年好き向け。

 

需要にお届けしたいのでうっすらと作風のネタバレはします。未プレイでネタバレ嫌な方は要注意。

 

 

というわけで、良かった点など。

 

 

 

色んなショタと幸せな夏を過ごそう!

 

まず、ショタの解像度が高い!!

ここに尽きます。こう、ショタと一緒に遊ぶというと造詣の薄い私は公園でサッカーくらいしか思い浮かばなかったんですが、違うんですよ。ショタとの遊び方は無限大なんです。それを思い知らされましたね……。

動物園に行ったり、体育祭の父兄席で応援をしたり、自転車の練習をしたり。一緒になってゲームをしたり、水遊びをしたり。保護者目線でも友達目線でも楽しめる多様なシーンがあって、その一つ一つに少年時代の輝きが込められていて、実に爽やかでした。

 

何よりもう、公式サイトのキャラクター紹介の時点で質感がうかがえますよね。名前の書きとり、採点、そしてランドセルの形と色。唸りました。

 

 

 

理想の子どもは一瞬で

 

ノスタルジーといえばいいのか、夏や少年時代の「限られた時間」をひしひしと感じる作品でもあります。そのぶん、大人になってしまった眼差しの曇り具合や、劣等感など、暗い感情にも触れていくお話です。

特に素晴らしいのが、この一瞬のきらめきヘグッとプレイヤーを引き込んでくれるところ! 文章での引き込み方が上手いんですよね……。さらさら読み進めていたレーンからガクッと急にズレてまた戻ってくる、この読み飽きない構成がすごく面白かったです。

例えば公式のキャラ紹介にある含みのある一文、各ルートの終盤のガッと殴りつけてくる勢い、要所要所で一言直球で叩きつけてくるセリフ、などなど。あらゆる使い分けがもう、気持ち良かったです。

 

 

 

 

少年を救い救われるストーリー

 

さて、そんな明るく爽やかな夏を過ごす中、本編のストーリーはどのルートでもふっと影が射します。

天真爛漫な子、小生意気な子、優等生、甘えたがり、などなど。少年たちに付与されている属性も様々ですが、どの子も共通して言えるのは、「理想的な少年」です。併せて、登場する全てのキャラクターはとある「問題」も抱えています

遠く想い出の中に存在する君というなかば偶像崇拝にも似た流れから、今そこで苦しんでいる君へ手を伸ばすところまで。どちらの感情も痛いほど味わえます。夢と現実の両方を突きつけられるところがとても素敵でした。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

ここまで書けばお察しの方もいらっしゃるかと思いますが、ただショタとキャッキャするだけのノベルゲーではありません。でも、公式紹介詐欺とは絶対に言いたくないし、やっぱり公式のスクショ通りただただ少年と遊ぶ作品でもあるんです。

なんというのかなあ。柔らかい心や、傷つきやすい気持ちを、それでも柔らかいままで持っていたい方向けのお話な気がしています。

 

 

 

 

ちなみに、既プレイの方へ!

公式サイトにも記載はありますが、各ルートごとに追加シナリオがあります。クリア後もう一度同じルートを見ると少しだけシナリオが書き足されます。そこまで長いわけではないのですが、「なるほどね……」としたり顔になれるのでオススメです。是非。

 

追記ではネタバレ感想。

 

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フリーゲーム「月葬ノージア」感想

「土壌は広く学びは早く、痛ましいほど適切に」

思いやりという愛まで知ってしまった前置き。

 

 

えー、今回は大人の道楽(サイトはR18)さんところのフリーゲーム月葬ノージア」(こちらは全年齢)の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

公式に明言はされていない(はず)ですが、体感としては乙女向けな雰囲気の短編RPG。むちむちメイドなヒロイン・マチカが、ショタ王子の玉の輿を狙ってみせるお話です。

 

ほんのりと匂わせる程度のネタバレを含みます。でないと書けなかった!

公式にある通り、※明るい話ではありません。絶妙です。が、勢いよいギャグのノリはしっかり楽しめる作品でもあります。

 

 

 

というわけで、良かった点など。

 

 

あちこちに仕込まれた意外性

 

この手のゲームってほんとどこまで書いていいものか悩ましいですよね、そしてそれをこうして書く時点で若干のネタバレですよね。

とにかく意外性があります。初見では「えっ……」となりました。しかしながら、別endを狙って後からしっかりプレイし直してみると、「なるほど……!!」とどんどん視界が開けていきます。

私はいっさいのネタバレ無しにプレイし始めたので、本当、油断したところを刺されるようなプレイ感でした。最高。ラブコメとシリアスのギャップはあれど、そこがしっかり一本筋に通ってる作品だと思うんですよね……。

 

 

 

エンドへの道筋を読まれているかのような構成

 

TRUEエンドの条件付けがとても上手い! ゲーム内の誘導含め、自然と初見はBAD2(という名の作品の序章)へ向かうような構成です。さらにBADへ行った時点で、もう一周は必ずやり直さないといけない仕様。ここで改めてあちこちの伏線に気付けるという、もう、無駄のない作りよ!! 導線が本当綺麗にできてるなあと感じます。

CG集がエンドのヒントになってるのも上手いですよね~。悲しいかな攻略テキストを同梱しても読まない方は多いようなので、こうしてゲーム内で完結させる手法はさりげなく良点だなと感じます。

 

 

 

しんみりとしたタイトル画面

 

TRUEの後に戻ってくるタイトル画面が本当に大好きです。

同作者様の『ロマンディックミスティリオン』もそうでしたが、物語の余韻とタイトル画面の雰囲気を絡ませるのがものすごく素敵なんですよね……。

タイトル画面のBGM自体は余所でも聞いたことがあったんですが、聞き馴染んだ曲でも演出次第で何度だって感涙できるんだなあという感慨を得ました。

 

 

 

NPCとの会話も大事

 

話しかけるべきキャラにはしっかりマーカーがついているので、基本的にはさくさくプレイで進められます。一方で、NPCに話しかけると嬉しいことは盛沢山。スキルやアイテムなどのゲーム的な利点に加え、世界観の解説や、乙女ゲー的な心の揺れ動きなども感じられるテキストが多めです。

私自身は特に何もなくてもNPC全員に話しかけてしまう派なんですが、思わぬリターンに思わずにっこりしてしまいました。

 

 

 

むっちりマチカと惚れる過程

 

さて最後に恋愛面について!

勢い任せのド天然キャラなヒロイン・マチカから。残念な美女と言いますか、初期からちょっとちぐはぐな印象を受けていて、そこがチャームポイントとしてすごく魅力的な子でした~! スチルがパンツ見えてたり豊満だったりして、微エロっぽいのもTHEラブコメって感じで好きです。

王子もツンツンではあるんですが、マチカが変人なぶん、ツンケンしたところがツッコミ役として回っていて上手かったなあと感じます。好きになる過程が伝わってくるところもすごく素敵でした! 思わず吹き出しちゃって、気を許しちゃって、いつのまにか……的なね! 面と向かって好き好きちゅっちゅって感じじゃなくて、「気に入ってる」って感じの塩梅なのもまた萌えました!

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

短編ながら満足感がすさまじくて、端から端まで納得のある素敵なお話でした!

 

 

追記ではネタバレ感想。

 

同作者様の他ゲーム感想記事↓

同人ゲーム「ロマンディックミスティリオン フリー版」感想

フリーゲーム「セカイヲトメテ」感想

フリーゲーム「アンドデッドデカダンス」感想

 

 

 

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フリーゲーム「星の王女さま」感想

「星の引力を運命と称するのであれば」

ブラックホールもビッグバンも自由自在な前置き。

 

 

えー、今回はHACOBEYAさんところのフリーゲーム星の王女さま」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

 

プレイ時間は私の場合、おまけ要素の回収まで含めて15時間くらい。女の子たちがメインの長編RPGです。

 

 

 

というわけで、良かった点など。

 

 

星が輝き光に満ちる演出

 

とにかく一番の魅力はやはりここ! グラフィック面でしょう!

メニュー、バトル、マップ、どこをとってもキラキラと星が飛び交う綺麗な画面です。一部コマンドの位置など見づらい時もありはするものの、常に画面背景などを動かしていながらそこまで重すぎないところもポイント。要所では一枚絵なども見ることができ、立ち絵もキャラチップもよく動きます。必殺技な位置であるOD技のカットインもスタイリッシュ。

メッセージ枠もばっと一枚表示の時と、小ウィンドウの時が使い分けられており、常に見飽きることのない画面を楽しめます。特にモノローグ系、一文一文が響くように表示される演出はやはりぐっと飲まれるものがありましたね~。

 

あとはやっぱり、グラから感じられる世界観ですね! 色々な世界を飛び回ることになる本作ですが、どこをとっても独自の色があって、新しいマップに行くたびにわくわくしました。BGMの選曲も良いんですよ~これが! 

星というモチーフは共通なので、統一感もしっかりと感じられるところが素敵でした。

 

 

 

ヘイト管理ができるバトルシステム

 

バトルは独自システム搭載。やれることが多いバトルなんですが、中でも好きだったのがヘイト(敵からの狙われ率)が目に見えてわかるシステムです!

敵の攻撃を能動的に引き受ける「かばう」とかは他ゲーでもたまに見かけますが、本作が一味違うのは「ヘイトが継続する」ところにあると思っています。例えば庇うって1ターン、あるいは数ターンで切れてしまうイメージがあって、私はあんまりうまみがないなあと感じてしまうんですよ。でも本作は一度注目させればそれがずっと継続するし、戦闘中の行動によっては専用コマンドを使わずともある程度調整することができます。ここがすごく面白かったです!

私は紙防御高火力キャラが大大大大大好きなので、そういうキャラをためらいなく運用できるのが嬉しくって嬉しくって!

 

他にもバトルの魅力は盛沢山。ターンを重ねて魔法を使えば使うほど敵味方の火力も苛烈になっていく、フィールドエレメント。じわじわ自動回復していくエーテル(他ゲーでいうMP)の概念。敵味方共有で使えるぶん、攻撃順や手番に頭を悩ますことになるシェアODなどなど。

敵の耐久が高めで一戦一戦に時間がかかりがちではあるんですが、そのぶん手に汗握る、むしろ雑魚戦を積極的にしたくなるシステムがいっぱいでした!!

やろうと思えば脳筋で突っ走れる(はず)なのも良ポイント。あれこれやってガツンと気持ち良く決めたい方も、うるせーハンマーで殴れば勝つんだよ!な方も、どちらも楽しめるかと思います。

 

 

 

所持制限があるからこそ使いやすいアイテム

 

本作の消費アイテムはどれも所持制限が10となっています。ダンジョンの広さに寄っても違いますが、この制限が実はすぐMAXになりがちです。

それもそのはず、本作はわりとバトルでの消費が激し目なんですね。一方で回復手段はけっこう少なくて、序盤はアイテム頼りなところが大きめ。だからこその所持数制限! ……だと思っています!

というのも、制限をかけるのってもったいない病対策にすごく効果的なんですよ。どうせ余っちゃうならどんどん使って行こう、という気に自然となれるんですよねえ。

売るという選択肢が一切ない潔さも素敵。欲を言えばアクセサリや素材は売りたかった気持ち。でも、武器は解体させてもらえますし、そもそも通貨が強化ポイントにもなっているのでインフレしてしまうのかもしれません。なので、納得はあります。

とにかく、使うか余るか、以上! この割り切りに助けられました。

 

 

 

プレイに日が空いても安心のシステム

 

セーブは驚きの99スロット!

そして進行度に応じて、セーブ画面にあらすじの表示あり!

このさりげないシステム面、すごく好感が持てました~!! もうとにかく私セーブ好きでして、見返したいシーンやらなんやらあちこちすぐにセーブしちゃうんですよ。なので、要所要所で躊躇いなくセーブ分けできる容量がありがたかったです。

なお私は夢中になって一気にエンドまで駆け抜けましたが、なにせ長編RPGですので、プレイ期間が空いてしまう方もいらっしゃるかと思います。でも大丈夫、なんとあらすじアリです! アイテムを使う等々のまどろっこしいことなく、ロードと共におさらいが一目でできる、この配慮がもう最高でした~! 大好き!!

 

 

 

 

さて、うきうきと良かった点を語ってまいりましたが。

 

以下は合わなかった点となります。

かなり率直に書いてしまっているので、前向きな気持ちでDLしに行きたい方、あるいは既プレイで本作が大好きな方はここで本ブログ記事は閉じて頂くのが無難かと。

 

先んじて関連作品のご紹介。

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

shiki3.hatenablog.com

 

 

本作のキャラクターも登場するので、未プレイの方はセットで是非!

 

 

 

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フリーゲーム「鳥籠」感想

「選ばれし者を選ぶのは誰か?」

残念、神が人型とは限らない前置き。

 

 

えー、今回はDREAM of DREAMさんところのフリーゲーム鳥籠」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

 

復讐や解放に燃える男女を厨二文体でお送りする、鬱々とした短編RPG。クリアまでだいたい数時間くらい。

この時代にこういった展開と世界観を全力で浴びれることが私は嬉しい!! 誤解なきよう、わかりやすさ重視で厨二と述べますが私はこの単語を全力で褒め言葉として使用しています。

 

 

というわけで、良かった点など。

 

 

 

難読上等の厨二病全開っぷり

 

OPの会話から早くも察せられる、圧倒的な文体。回りくどかったり熟語ばかりだったり斜に構えていたり、苦手な方は開始数秒で終了をクリックするところでしょう。

しかし、だからこそ好きな人間にとっては垂涎ものです!

どこまでも徹底して日寄らない、こういった作風を馬鹿にしたり壊したりしない、全力でこのセカイを魅せてくれる! これ自体がまずもってもう貴重なんですよ……。

主要キャラのみならず、NPCのセリフも基本的に皮肉や厭世が取り混ぜてあります。ストーリーが進むごとに変わっていくんですが、ワープポイントなどが充実&NPCの数が少なめのため、差分は楽しめてかつ拘泥せずに済むちょうどよい塩梅でした……。

 

何より注目したいのがスキルや装備品の説明文!! もう、これ読んでるだけで気持ち良くなれるくらいあちこちにセンスが冴え渡っていて好きでした……! 

「ヘクセシルト」は特に、スキル使用可能なった時の描写もあいまって、めちゃくちゃ興奮しましたね!! あと「ベグラーベン」だけ説明がなかったので調べたんですが、

「begraben:埋葬する」とのことでした。

さりげなく名前の元ネタの解説になっているところも好きです。あの世界における再翻訳って感じ。

 

 

 

べたつかずドライなキャラクター

 

主要人物の掛け合いはかーなーりドライです。思想を語り、突っぱね、時に鼻で笑い、常にほんのりとギスギスした雰囲気が漂います。

一方で根っこのところでは、互いを分かり合っている、比喩や皮肉が当然通じ合うといった関係も感じられます。決して仲良しこよしではありませんが……別種の信頼。喧嘩をするのではなくただお互いの傷を抉り合うだけ、という、乾き切った雰囲気が逆に好みでした。「慰めなんてくそくらえ」「端からする気もないけどね」みたいな感じ。

 

印象的な台詞は多々ありますが、その中でも一つ強烈なのがビリアル。彼の、それでも友達だから好きみたいなセリフが大好きでした。エンディングでもう一度これを、違った味わいで引っ張ってくるところも惚れ惚れしました。やられた……!!

 

 

 

誰も幸せになれない?

 

先んじて言えば鬱展開です。というより、登場人物たちがそもそも「幸せ」というぼんやりとして生暖かくて光に満ちたようなものを求めていなさなそうです。

代わりに叩きつけられるのは、まさに愛憎。まずは、概念的で祝福をうけた上位存在にしかおそらく理解できないであろう、「愛」。次に、自己満足で八つ当たりでだからこそ当人しか理解できないであろう、復讐という名の「憎悪」この二つをキーとしてストーリーが展開されていきます。

 

ただの復讐話であれば話はシンプルに鬱展開なんです。実際、ストーリーも暗く暗く幕を閉じます。でも、鬱ゲーと言い切るのを個人的に躊躇ってしまうのは、ここに「」の要素が加わってるからなんですよね。むしろそれが主軸であることで独特の満足感が出ているなあと感じました。

要は、作品のボリュームや私怨という動機に対して、根幹のスケールがでかくて気持ちいい! 作中で求める大空、自由の広さを実際に肌身で感じさせてくれました。

 

 

 

バトルの属性

 

バトルにおける属性は四つ。現・幻・宵・暁。

このネーミングだけでもうウキウキしませんか!?

各キャラにそれぞれ主要属性が割り振られていますが、装備するスキルによって別の属性も扱えるので、ある程度プレイヤー側で調整することもできます。さらにはかなりダメージ量が変わるので、その分敵も固めに設定されている印象でした。

MPチャージ式で雑魚戦では常に全力で戦ってOKというシステムも好き。ツクール製でエンカウント率はそこそこあったと思うんですが、バトルが楽しくできたのはここの功績が大きいと思います。

一応、ラスボス撃破時はレベル12。時間をかけてのレベリングはなくとも、道中の雑魚をきっちり倒していけばクリアできる塩梅かと!

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

他にも、特にラスダンマップの美しさや、フィールドマップの画面構成など、グラフィックもしっかりしていて素敵でした。

 

鬱々とした雰囲気や、シニカルな文体をこよなく愛するプレイヤーに強くおススメします。

フリーゲーム「片道夜行列車」感想

「再生なんてのは誤魔化しか奇跡でしかありえない」

時計の砂は減り続けるばかりな前置き。

 

 

えー、今回はHACOBEYAさんところのフリーゲーム片道夜行列車」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

全要素を回収してざっくり1時間くらいの短編RPG。私的に合わないなーと思うところもありつつ、客観的には完成度の高いゲームなんだろうなとも思います。

というわけで、特徴的な点など。

 

 

童話と少女の世界観

 

まずはグラフィック面から。

自作グラが豊富で、マップも隅から隅までキラキラの幻想的な雰囲気です。立ち絵・一枚絵・キャラチップなど、キャラの魅せ方が多岐に渉るところも凝っていて素敵なところ。

その幻想風景の通り、登場するキャラクターの関係性も儚さが強調されています。率直に言えば百合です。それこそ砂時計のような終わりの迫る関係にググっとくる方は多いのではないでしょうか。

仄暗い雰囲気が好きな自分としては満足な設定が多かったです! 特にクロとシロ、シロが自分たちの状況をだいぶ割り切ってるところが好き……。

エンドについてはネタバレになるので追記にて。

 

 

 

言葉足らずのテキスト

 

これは不満点になってしまいますが、テキスト面がどうも言葉足らずな印象はありました。わかりやすさよりも雰囲気重視。何より大事なのは彼女達の心の動きで、プレイヤーへの理解度や没入度は二の次って感じがします。

 

例えば各面のボスについて。情報無しの私側からすれば、どれがルナに関わるもので、どれがメルに関わるものかわからないので、感情移入しようにもしきれないんですよね……。最序盤のボスが先生だったことや、最初のエンド分岐点での闇堕ちっぽいイベントも相まって、メルをいじめた奴らを倒してメルを引っ張り上げるみたいな構成なのかと思っていたので、予想される展開の脳内修正にちょっと時間がかかりました。

各車両のボスを倒す=その人に関する記憶が奪われるってこと……なんですよね? いまだにちょっと自信がないんですけども。この辺り察しの良いプレイヤーさんはすんなり理解できたのかなあ。メルの敵に当たる人達から急に違ったジャンルの方々が出てきておろおろした覚えがあります。

 

また、バトルのチュートリアルにおいて。

エーテルが毎ターン1ずつ溜まっていく仕様や、LPが切れてもゲームオーバーとはならない点はもう少し強調した方が良かったのではないかなと。実際、公式でよくあるご質問に載るほどみたいですしね。アイテムの上限個数についても明示してて欲しかったなあ。

 

システム面で言うと、黒時計の針を使用した時の三択に至っては罠と言って良いレベル。私は初見で「戻る=引き返す」「ここに残る=ボス戦に挑む」「???=???」と解釈してしまったので、だいぶ面倒くさいことに……。

それでも、例えば冒頭の難易度選択など、遠回しにするからこそ雰囲気が出てお洒落なところも多いんです。なので利点はわかる……わかるが……! この辺りははっきり誤解なく書いて欲しかったなあと思います。「???」は「先に進む」でいいと思うんだ……。

 

 

 

入れ替えて楽しいバトル

 

さて、不満も垂れ流してしまいましたが、もちろん良点もあります!

一番のポイントはオリジナルのバトルシステム! いや~もう、雑魚戦が楽しいゲームって素晴らしいですね!! なんならボスラッシュさせて頂きたかったくらいです!

 

味方AIに行動を託すこともあるので、自動戦闘好きな方にもオススメできるかも。といっても選択の幅が広いので、ガッツリ自分でコマンド選択してしっかり殴り飛ばしていく楽しみもありますよ!

あとシンプルに、使い魔のみなさんのキャラデザがかわいい。似通った見た目の子もいますが、そのぶんポージングや服装にしっかりと差異が出ているので、こういった個性の付け方もあるんだなーと学びを得ました。

一番お世話になったのは赤の子かな。次いで緑の子。きちんと性能も差別化されているので、くるくる入れ替えるのが楽しかったです!

 

ちなみに難易度の話。

私はフィジカル重視・カウンター・ジャミングキラー・ブロッキングで構成していたので、難なくさくさくプレイできました。難易度はノーマルでスフィア厳選は全くなし、雑魚敵もスルー出来るところはほどほどに逃げつつな感じ。それでもアイテムもがっつり余りましたし、時間制限でのゲームオーバーは一度もなかったです。隠しボスもわりとあっさり倒せた想い出。

それでも「難しかった」ってご意見はたまにツイッターで見かけたので、メンタル重視だともっときつくなるのかも……? いずれにせよ、人のプレイスタイルを見たくなるバトルはなべて良ゲーですね!

 

 

 

ゲストキャラと匂わせなセリフ

 

公開時期は『星の王女さま』が後ですが、こちらの『片道夜行列車(以下本作)』が番外編の立ち位置として作られているとのこと。通りで匂わせちっくなキャラがいると……。

まだ『星の王女さま』はプレイしていませんが、本編だけだともやっとしてしまう気持ちにはなりました。プレイ順は逆の方がいいかも。といっても黒時計の針に関わるイベントだけなので、クリアする分には支障はありませんが。

あと欲を言えば、クリア後おまけ部屋でもセーブできて欲しかったですね~! ああいう設定系は何度も見直したくなるので。本編が別にあるならなおさら。

でもおまけ部屋があること自体は嬉しかったです! 

 

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

『星の王女さま』をプレイするとまた感じ方が変わってくるゲームなのかもしれないので、さっそくこの勢いでプレイして来ようと思います。

 

以上、独自のバトルシステムと百合な関係性、幻想的なグラフィックなどにピンとくる方向けな一作でした。

 

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

shiki3.hatenablog.com

 

 

追記ではネタバレ感想。

 

 

 

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フリーゲーム「flamberge-フランベルジェ-」感想

「一枚岩ではないけれど、僕らおそらくお人よし」

背中を見せられないよりはましだろうな前置き。

 

 

えー、今回はkatarazuさんところのフリーゲームflamberge-フランベルジェ-」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

 

チャプター式で物語が進行する、RPG……でいいのかな。さっと通しでプレイするだけなら1時間かからない程度ですが、何度も特定のチャプターだけやり直せるので、評価Sを目指すなどするならがっつり遊べるボリュームがあります。

 

 

というわけで、良かった点など。

 

 

魅力的な掛け合いセリフ

 

ゲームの進行方法や戦闘システムなど、独特な点は多くあるんですが、中でも私はキャラ同士の掛け合いを推したい!

とにかくあちこちの画面構成がすごくスタイリッシュで、かなり楽しいんですよ! オリジナルメニュー画面ってワクワクして良いですよねえ……!

 

その中でもバトル画面では、セリフが見やすい位置でテンポよく差し挟まれていきます。味方が倒れれば他のメンバーが奮い立ち、デバフをかけられた時は互いに励まし合うなどなど、キャラの信頼関係が見れるのも素敵。かなり会話パターンが多いのもポイントです。

パスピエの「えいせいへーい! ってあたしなんだが」(うろ覚え)みたいなのがすごく好きです。ていうかパスピエ嬢は基本的にほどよくゆっるゆるでかわいいんだよな~。

 

 

 

避け&逃げ&探索ゲー

 

本作は基本的に1チャプター=1ダンジョン。ストーリー→探索→ストーリー→ラスボス→次のチャプターへ、といった構成です。そのチャプターごとにリザルトが確認できるんですが、これがまた腕の鳴るシステムでした!

探索して宝箱を見つけまくれば高得点。一方で、戦闘回数はなるべく少なくすれば高得点。シンボルエンカウントに突っ込みがちな自分はけっこう苦労しましたが、避け方のヒントなどが事前に提示されるのでなんとかなりました。

謎解きがあるマップもあれば宝箱が絶妙に隠されているマップもあり、探索ゲーとしても楽しかったです。「あっ!」っていう発見があるマップは楽しいですよねえ。

 

なお、リザルトはセーブ回数にも影響します。

普段は「セーブ制限は害悪!」と声高に主張してしまっている私ですが、こと本作においてはそこまで忌避感を抱かずに済みました。

マップが手ごろな広さなのもあるかもしれませんし、場面によっては戦闘によってセーブ回数を増やすことができたのも良かったのかも。どこでセーブをして分かれ道に備えるか、みたいな楽しみもしっかりと感じられました。

 

 

 

 

行動順がものを言うバトル

 

戦闘画面は一見かなり忙しめ&難易度高め。

パーティメンバーや隊列をくるくる入れ替えつつ、コストを温存したり行動順を遅らせたり。雑魚戦一つとってもテクニカルな印象のするバトルでした。それでもコマンド式なので熟考はできますし、前述の通りレベリングはほぼ不要で進められるようにできています。私はラスダンで戦闘3回くらいし損ねましたがそれでも勝てたので、ある程度ゲーム慣れしている方なら戦闘回数縛りもできちゃうのかも。

 

初めにスポットが当たるのがリュリなのもあってか、スピード型がかなり運用しやすい印象でした。ヴォルテが個人的にはすごく好きなんだけど、鈍足気味で上手く使ってあげられなかったな~! リュリが前行っては攻撃し後ろ行っては回復しだったので事故ダウンすることも多かったんですが、そのぶんパスピエが意外と撃たれ強かったので助かりました。この辺りやっぱりバランス上手いなあ。

 

バトルにおいて重要なスタミナとシンボルエンカウントが影響し合っているのもかなり独自の発想だなと思います。逃げすぎると詰むが戦い過ぎても厳しくなっていくという。

脳筋でレベル上げ出来るよーと書いてはありましたが、出会った敵全部を倒そうとすると確実にスタミナ切れになるはず。あくまで救済措置って印象です。

なるべく戦わない、戦った時はダメージを最小限に抑えられるように。視覚的にもスタイリッシュな本作ですが、求められるゲームスタイルもそんなイメージでした。

 

 

 

動いて喋って大団円なパーティ

 

さてバトルやシステムばかり書き連ねてきましたが、ストーリーパートもなかなかのものです。

まず、キャラチップが動く動く! ただ歩いたりリアクションしたりするだけでなく、「よっ」なノリで手を挙げてくれたり、抱き着かれたりどんっと突き放したり、かなり動作の幅も広めです。

さらにはセリフの吹き出し表示。みんなが一斉に話したり、あっちからこっちへ声が聞こえてくるのが伝わってきたり、一つ一つの位置がとても凝っています。ゲームとしての操作のみならず、見て楽しむという意味でも、かなりレベルの高い一作でした。

チャプター選択時の動きが個人的に一番好きです。台詞が全員分あるのもそうだし、選択した瞬間クルクルッと動くのが見てて気持ち良い!

あと、ヴォルテの英語混じりな倒置法がすごくツボです。

 

 

 

これからもこれまでも冒険は続く!

 

ストーリーの中身についても、個人的にはかなり満足。明るく大団円な雰囲気がすごくしっくりきます。エンディングでの全員集合感も併せて、思わず拍手喝采したくなる雰囲気でした。船で救助に来たという設定だからか、全員集合に違和感がないところもさりげなく良ポイント。

ただ、すでにパーティメンバーが実践を積んできている前提で話が始まるので、プレイヤーが感情移入するのは難しいのかも。私自身、楽しかったですし一緒になって盛り上がりはしましたが、完全同体というよりは観賞に近い目線があったように思います。

また、本作だけだと謎めく部分もあります。

といっても最低限の説明や関係性もしてくれるので、置いてけぼりの心配はないかと。

長い長い冒険の一ページ! みたいな雰囲気が自分はすごくわくわくできて好きでした!

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

起承転結ありつつもスカッと気持ち良いお話が好きな方や、スタイリッシュにガッツリ「ゲーム」したい方へおススメです!

ダーク乙女ゲーム「SWEET CLOWN~午前三時のオカシな道化師~」感想

「人付き合いにはある程度の俯瞰と怠惰と諦念が必要だ」

にこやかな人ほど距離が遠い前置き。

 

 

えー、今回はTAKUYOさんところの「SWEET CLOWN~午前三時のオカシな道化師~」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

 

なんと当ブログでは大変珍しいことに! フリーゲームではなく! 商業ゲームの感想です!! うおおおおドンドンパフパフ!

 

いやあ昔からずっと噂に聞いていた本作、プレイしたいと思い続けて数年、ようやっと重い腰を上げました。

結論としては、最高!!!!!!!!!

 

 

と、これだけだと通じないので、まずさらっと全体的な感想を。

ちなみにVITA版です。switch版の発売も決定! やったー!

 

 

個別ルートの話にさくっと行きたい方はこちら↓

  • 共通ルートについて
  • ネタバレ無しの推しポイント
  • 密原
  • 久瀬

 

 

 

 

共通ルートについて

 

本作は、ルートを開放していくごとに、少しずつ全体の真相が明らかになっていくような構成です。推奨攻略順も公式からはっきりと明言されています。

そのため、序盤はけっこう同じことを繰り返したり、回りくどく話が引き延ばされたりすることが多いんですよね……。出せる情報量が限られているだけに、仕方のないことかもしれませんが。やはり、若干のダレてきてしまう部分はありました。

 

それでも、共通ルートがバッキリ二つに分かれているというダイナミックな構成や、エンドの質感、容赦のない病み感、心地よいメランコリーなどなど、補って余りあるほどに良点は多々あります!!!!

個別ルートがしっかり重みのある「感情」を宿してくれているところも好き……。

絶望や病みや歪み、そして恋や想い、それらの過程がものすごく丁寧につづられてくれるんですよね。少なくとも心理描写において、「今なにか飛んだな?」と思うような場面はなく、全てが綺麗に地続きで表現されていったように思います。

 

 

ネタバレ無しの推しポイント

 

そして何より!

「欲が可視化される」というこの設定!!!!!! 

この設定からして私は拍手喝采をあげたい!!!!!!! 

もうね、この設定だけでめちゃくちゃ捗るんですよ、色々なものが。見えてしまう恥ずかしさ、あるいはこれをきっかけに気付く正直な気持ち、逆に気遣いが全てバレてしまう居心地の悪さ、エトセトラ。いや~、どれも素晴らしかったです。

キスシーンがグッとキメどころに集中している分、こういったところで色気やときめきを用意してくれているのも嬉しいポイント。「食べる」にまつわる表現ってこんなにも耽美なんだなとドキドキしました……。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

容赦なくきっちりと見せてくれる鬱展開、甘くてメルヘンな世界観、人間の弱いところや生々しく虚栄に満ちた心を突いていくシナリオなどなど、どこをとっても好みな作品でした!

 

 

追記ではまず、最初に攻略するのを勧められている密原君と、その次に攻略推奨の久瀬君について、ネタバレ全開で語りますね。

 

 

 

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