うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「鏡のマジョリティア」感想

「なんでも映す素敵な鏡はその言葉も本音だとわからせる」

誉め言葉は世辞じゃなく素直に受け取っておいた方が得な前置き。

 

 

えー、今回はつくりてっく(パルソニック)さんところのフリーゲーム「鏡のマジョリティア」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

 

ルールのまったくわからないカードゲームを解読しながら突き進む、友情物語。

palsonicgames.booth.pm

 

私は11時間でクリア。公式の想定プレイ時間は8~10時間とのことなので、私はけっこうまったりプレイヤー寄りですね。

それでも本当に時間を忘れて、なんならゲームから離れているときも「もしかしてあれは……!」と考えて込んでしまうくらいには夢中になった作品です!

 

 

というわけで、良かった点など。

 

 

何なんだこのゲームは……!

 

カードゲーム(以下TCG)、マジョリティア。

主人公TAIGAが、タイガの影武者としてマジョリティアでデュエルしていく、というのが主な導入です。

プレイヤーも主人公もルールがさっぱりわからない中、デュエルを進めていく……。果たしてTAIGAは正体を隠し通すことができるのか。そもそもデュエルってなんだっけ!?

実に興味をそそられますね! そそられた結果がこの記事です! わはは!

 

面白いのは、TCGでありながらミステリ×ループものの文脈も加わっているところ。

プレイヤーは、見よう見まね・推理・推測・ハッタリ・知ったかぶりなど、ありとあらゆる手で挑むことになります。デュエルに勝つことは大事ですが、まずデュエルを成り立たせねば話が進まないのです。

まさに暗中模索、試行錯誤。とっても楽しかったです!

 

 

 

無理難題……いや?

 

驚かされるのが、開始5分で「無理ゲー!」と叫んでいたはずなのに、その数分後には「いや、意外といけるな……?」と思えていたこと。

ヒントの出し方が絶妙なんですよね。顔グラ差分が多く、セリフのニュアンスが汲み取りやすいというのもあるかも。

章ごとに答え合わせがあるので、少しずつ達成感を得られるのも嬉しいです。学校の勉強と同じで、「わかる」が少しでも積み重なるとすごく面白く感じるんですよね……。わからない用語も保留していいよ、とプレイヤーの肩ひじを和らげてくれる良い構成でした。

 

また、各種遊びやすいシステムがたくさん用意されているのも大きいです!

知らない用語は自動でストックされて、メモと色分けが可能。会話は全て回想出来て、特定の用語が出てくる部分だけ抽出できます。

この手の推理ゲーで紙とペンを用意することなく画面内でメモが完結するの、ほんっとうに遊びやすくてありがたかったです! 視野のブレは思考のブレにつながりますからね……。

 

まとめると、無茶苦茶振りゲーに見えて実はユーザーフレンドリーな作品です。ご安心あれ!

 

 

 

カードをめくる面白さ

 

ただの用語を解読するだけではありません。

カードを触って動かすのもまた、TCGの大きな楽しさです。

そう、本作はカード操作も自分でやらなければいけないのです! 当たり前だよなあ!

 

もちろんどのカードをどこに置くかなんてのは、見て学ぶもの。ここは特に“ゲーム”でしか表現できない面白さでしたね~。

ちなみにカードをたっぷり味わった後は、一部操作の省略もできるようになります。デジタルの楽さと、アナログの面白さ、両方の良いとこどり

難しい推理や試行錯誤を要求されるからこそ、本筋でない部分や慣れてきた部分はシステムがカバーして、どんどんフォローも手厚くなっていくのを感じました。信頼できるつくりのゲームだ……!!

 

 

 

むにむにかわいい絵柄

 

TCGと言えばカードの絵柄やフレーバーテキストによる物語性も楽しみの一つ。絵アド(グラフィックの魅力によるアドバンテージ)といった言葉も存在するほど。

その点、本作はグラフィックも良い!

それこそ私は起動してすぐ、タイトル画面の鏡の魔女のもちもちほっぺ具合に、かわいい~!とメロメロになってしまいました。

 

絵柄自体はキュートなんですが、シリアスもかわいいも老若男女も全部描けているのがすごいところ。

また、図解という意味でも卓越しているグラフィックが多くみられます。このイラストはこういう状況なんだな、というのが一目でわかる……。地縛霊シリーズの鬱展開っぷりが大好きです。

総じて、画力が高い!

 

 

 

性癖が滲み出ている展開

 

ストーリー自体は一本道でエンディングも1つ。

ですが、道中ではつい選びたくなるネタ選択肢が用意されていたり、デュエルの勝ち方自体は複数あったりと、枝葉までガッツリ遊びつくせる作品でもあります。

かく言う私もつい2周目を遊んでしまったり……。オートセーブでもセーブスロットが複数あるの、嬉しいですよね! クリアデータはそのままでニューゲームできるのってとても貴重……。

 

ちなみに、同作者様の他フリーゲームを遊んでいると察せられるんですが、幼女への劣情が漏れ出ている作品でもあります。おしりぺんぺんとか、かわいそう展開とか。

私はそうと知らずに遊んだので、予期せぬところで仄暗いシチュエーションが飛び出してきて思わずテンションがぶち上がりました。好きなもので……恐縮ですが……。

といっても、明るく元気で笑えるシーンの方がずっと多かったので、苦手な方もご安心を。あくまでここを需要とする方へのプラスアルファとして書き添えておきますね。

 

 

 

決め台詞やタイトル回収が気持ち良い

 

全体的にカードゲームアニメのノリを感じました。

友情パワーでみんな仲良し、みたいな。いっぺんしっかりシリアスを組み込んでダークサイドに堕ちかけるところもそんな感じ。

観戦者が「なにっあのカードは……!」ってざわつくノリとか、私大好きなんですよね。普通のTCGではプレイヤーと対戦相手が1対1で向き合うだけになりますが、本作は周りの声もしっかり聞こえてくる表現がされるので、盛り上がりがひとしおでした。

お決まりのセリフや各話ごとのタイトルコールなど、アツイ要素がたくさん! 伏線がそのまま演出にもなっていて、とっても楽しかったです!

 

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

カードゲームが好きな方も、グラフィックにひかれた方も、ちょっと風変わりなミステリやループものを遊びたい方も。是非、マジョリティアを知ってくれたら嬉しいです!

 

 

追記ではネタバレ感想。

印象に残ったデュエルや好きなキャラ語りなどをガッツリしていきますので、よろしければ「続きを読む」でお付き合いください~!

 

 

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『ダンジョン飯』が面白すぎて箸の持ち方を直すことになった【アニメ感想】

バランスの良い食事、適度な運動、十分な睡眠、正しい姿勢。

「やった方がいいのはわかってるけど」で流してしまう正論である。

 

だが、

惚れた相手に言われれば張り切ってしまうように、

恩師に言われれば身を正してしまうように、

魂を燃やすアニメキャラが言っていればオタクはついその気になってしまうのである。

 

嗚呼、ダンジョン飯。ご存じの方は是非ご一緒に。

 

「「「センシはいつもかっこいいよ!」」」

 

 

 

というわけで、今回は珍しくフリゲ感想ではなくアニメ完走になります。せっかくなので実験的に、文体も変えてお送り。

よろしくお願いします!

 

 

 

 

未知を知る楽しさ

私が持っていた事前情報は2つ。

  • ・魔物を食べるグルメファンタジー
  • ・ライオスという男のコミュ力と生物オタクっぷりがとにかくヤバイ

ここから私は仲良しパーティが魔物をもぐもぐしながらワイワイとダンジョン踏破を目指すコメディだと予想していた。実際、序盤のノリは近い。

 

が、グッと心を惹きつけられたのは第1話の後半。

スライムの体構造について図解されるシーン!!

衝撃的だった。

だって、スライムは“そういう生き物”だ。あれらの内臓機能を深く考えたことなんてなかった。

思っていたよりこの漫画、切り口が鋭いぞ……。

 

「胃をひっくり返したような」という説明のわかりやすさも良かった。ここで専門用語たっぷりの生物学が始まってしまえば、逆に深すぎて私の脳はショートしただろう。

 

この掴みを代表として、ダンジョン飯の面白さは「未知を知る楽しさ」が主軸だと感じる。

魔物の調理の仕方、ダンジョンの攻略方法、仲間たちのまだ見たことのない面。色々な未知が次々とお出しされて、ライオスたちの手によって、解体されていく。

飛び出す謎に知的好奇心をそそられ、彼らが試行錯誤のうえで解決する。

その活躍を見た私は目を輝かせる。

 

なんだかすっごく、それっぽい!!

 

“それっぽさ”は最強である。

なにせ、納得がある。味方をし、応援したくなってしまう。

ファンタジーだから理屈はいらない、のではない。

ファンタジーだからこそ付けられる理屈があるのだ。

 

 

 

じゃあこうしたらどうなるの?

理論には反論や疑問がつきものだ。

魔物を食べるとなれば「じゃあ食べようのない魔物はどうするの」という疑問が当然出てくる。

 

が、ダンジョン飯のすごいところは質疑応答のスピード感だ。

第3話「動く鎧」。

アニメは3話までで判断せよとよく聞くが、まさかこの早さでこの問題が来るとは思ってもみなかった。この展開とて、例えば食料が尽きかけて泣く泣く無機物にも手を出す……といったシチュエーションから始まるものだと思っていたのである。

 

私が浅はかだった。

彼らは食に対してもっともっと積極的だ

消去法で食材を選ぶなどとえり好みをする展開は、甘すぎる!

 

他にも代表的なシーンとして浮かぶのは、中盤で増える新キャラだ。

「多種族が集まるなら、好物や作法の違いもあるよね?」

「ライオス達は友好的な知り合いとばかり出会ってきたけど、初対面の敵対的な相手にはどう交流するの?」

そんな疑問をぶらさげて、彼女がやってくる。

中だるみしがちな物語を文字通り引っ掻き回してくれるキャラクターだ。

 

とかく全体を通じて、ダンジョン飯は「思考実験」に近い構造をしているようにも思う。

マルシルの卵のたとえに対してセンシが炒り卵ならと疑問を出していたが、ああいう質疑応答が作者様の中ではしょっちゅう行われているのではないかな、と思ったりする。

 

 

 

話のわかるキャラが多い

話の早さは物語構成だけでなく、キャラ同士の交流にもみられる。

物語都合のストレスが少ない、というのも驚かされた点だ。

逆恨みは本人と言い合うことなく、誤解と察して解決する。自分勝手そうな発言、その裏には仲間への心配があるのだと周りが看破してくれる。

読み手の視点をキャラは持たない代わりに、持ち前の理性や洞察力で察してくれるので、話が早い。

 

決して、本作が無菌室だと言いたいわけではない。

前述の通り、ライオスは事前情報以上にヤベー発言をするし、ほかのキャラとてオイオイと突っ込みたくなる面もあったりする。

だが、エッグイシーンやキッツイシーンがあっても、物語の山や谷としてすんなり受け入れられる。見やすかった。イージーという意味ではなく、スマートという意味で。

 

また、キャラの一面も短所ではなく個性として描かれていることは強調しておきたい。(多少毒っ気のある方が親しみやすいし……)。

 

 

 

数値で表せない我々の生活

ダンジョン飯』はすっごく、ゲームっぽい

ライオスは生物知識と敵探知のスキル持ってそうとか、マルシルは基礎ステータスが低めな代わりに魔術特化でスキル枠も多いタイプだろうとか、あの鍋は炎耐性付いてそうとか。同じ観察眼スキルでも、チルは地形や罠、ライオスは生物、カブルーは対人でスキルツリーが分かれていそうとか。

 

でも一方で、ダンジョン飯』はみんなが、生きている

彼らの持つ能力や特性が数値化されることはないし、変なランク付けもなければ、スキル枠なんて制限もない。現実世界の私たちにHPバーが表示されていないのと同じだ。

 

このフィクションとリアルの良いとこどりが、より“それっぽい”納得や共感を与えて、エンタメとして昇華されているのだと思う。

 

余談だが、敵の攻撃を避けるチルチャックが一瞬ブレる作画は、彼のAGIの高さが出ていてとても好きだ。

他にも、夢魔の説明で実在する絵画『The Nightmare』を思わせる構図が出てくるのも、見識の深さを感じてにやりとする。

こういったグラフィックの良さもここぞとばかりに添えて主張しておきたい。

 

 

 

生命は食育に宿る

恐るべきダンジョン飯、おいしそうな描写のみでなくまずそうな描写も徹底的にやってのける

とあるマナー激悪な食事シーンで私は思わず顔をしかめ、そして直後に姿勢を正した。人の振り見て我が振り直せとはこのことだ。

声優さんの素晴らしい演技のおかげで、生理的なイヤさが倍増しになっているところもすばらしい。

 

さらにハッとさせられたのは、イヅツミがスプーンの持ち方を指摘されるくだりだ。

正しく持つことは大切だが、どうしてかと言われると、マナーの一言で終わってしまう人が大半な気もする。少なくとも私はそうで、だから箸の持ち方も軽視してしまっていた。

 

そこにセンシが鋼の意思でやってくる

そう、カッコイイ彼が、“それっぽい”理屈を引っ提げてやってくる

道具は正しく扱わねば、真価を発揮しない──!

 

そして「確かに……!」と思った私は今もちまちまと、正しい箸の持ち方を練習している。この年になって、いやいや、この年だからこそ。

 

 

重要なのは、これらの展開がまったく押しつけがましくなかったところだ。

チルのイヅツミへのセリフに、親しくない奴らと集団生活でやりづらいよな、みたいな旨があって、ここにもハッとさせられたのを覚えている。

一方的に正しさを押し付けられるとつい反発したくなるが、いったん共感を挟むと、驚くほど言葉は響きやすい。不思議なことに。

 

教育と押しつけは違う。

中でもセンシはまさに、食育に長けている。

「若人には食べさせねば」、「食感を楽しむ食事」など、現代でも通じる大切なことをセンシはすっとさりげない行動で示してくれる。もちろん、センシの“それっぽさ”を後押しする他のキャラクターたちの言動も含めて。

 

生きるとはすなわち食べることだと、誰が言ったのだったか。

ダンジョン飯』は日々忘れかけていた生活の大切さを改めて気づかせてくれる作品でもある。

 

 

 

 

最後に

まとめると私の思う『ダンジョン飯』の魅力は、

  • ・様々な未知をさばいて食っていくスタイル
  • ・つい納得しちゃう“それっぽい”理屈の付け方
  • ・ゲームっぽさと生々しさのバランス展開のテンポの良さ、キャラの地頭の良さ

こんな感じなのだと思う。

 

まだアニメ版しか視聴していないが、漫画では完結しているとのことで、もっと違った切り口の魅力が見られるのかもしれない。読むのが楽しみでならない。

ちなみに私の視聴のきっかけは、abemaでの2024/7/20まで全話無料視聴のキャンペーンだった。この記事を投稿するころにはたぶん、あと1日くらいは残っていると思われる。

もし興味を持ってくれた方がいらっしゃったら是非、駆け込んでほしい。

 

 

 

SNSで生き生きと感想を呟いていてくださったフォロワーの皆様にも、ここでこっそり感謝を示しておく。

いつも皆様の楽しそうな賑わいのおかげで、素敵な作品と出会えています! ありがとうございます!

 

 

あわよくば、この記事で誰かの需要に届くことを祈って。

 

 

 

フリーゲーム「幸せの青い怪獣」感想

「真っ赤な太陽へ向かう後ろ姿を、真っ青な地球が見守っていた」

やっぱ真夏は家でアイス食いたい前置き。

 

 

えー、今回はマンホールの中にR^3(きぎぬ)さんところのフリーゲーム幸せの青い怪獣」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

 

ノンフィールドで前進のみのRPG。いわゆる雪道ゲー。内容は、夏満喫ギャグ!

freegame-mugen.jp

 

 

というわけで、良かった点など。

 

 

ハイテンションにハイテンポなストーリー

 

「夏だ! 宿題だ! 嫌だ!」

「力が欲しいか!?」

「乗った!!」

本作のストーリーはこんなノリです。勢いです。パロネタも時事ネタも容赦なくてんこ盛りです。惑星のさみだれ良いよなわかるよ。

 

随所に含まれる小ネタも盛りだくさん。ギャグのみでなく、イカロスの捥げた翼と言った、やや知識を問われるネタが混ぜ込まれているところも絶妙で好きです。頭良い人がバカゲー作ってる感。良いクオリティだ……。

タイトル回収のやり方と言い、シリアス(ネタ)がかなりそれっぽいところと言い、要所の押さえ方が絶妙でした。

 

 

 

遊びやすいお手軽さ

 

装備品は武器と防具で2つ

術の威力は原則最大MP依存

まずこのシンプルさがとっても遊びやすかったです。数値管理をそこまで厳密にしなくても良いので、難易度としてもゆるく楽しめました!

 

あと、さりげなくすごく良かったのは、スキルとステータスどちらの購入画面でもアイテム売却ができるところ。

こういうシステムってモノによると、片方でしか売れなくてリソースが足りなくなっちゃうことが多いんですよ~。なのでここがしっかりしてて助かりました。

 

なお、ゲーム進行度はなんと右下で親切に表示されます。初めて見た時爆笑しました。

これみんなに味わってほしすぎる。

 

 

 

命中率と予測ダメージ

 

遊びやすさに通じますが、ここもポイント。

攻撃前に命中率とダメージが表示される!

本作みたいな立て直しのしにくいシステムのゲームは、数値管理が重要になってくるので、より好印象でした。戦闘重視のゲーム全部に搭載されてほしいな……。

弟のTPMAX技があえて絡め手なのも、絶妙に戦闘を楽しくしている要素の一つだったように思います。こういう、ネタに見せかけてちょっとひねった面白さを見せてくるの、上手いな~! 好きになっちゃう!

 

 

 

夏と言えば?エトセトラ

 

夏企画に参加されている作品なだけあって、あちらもこちらも夏を感じるものばかりです。スタート地点は浜辺、主人公たちは水着姿、現れる敵はスイカなど!

そういえばこんな夏もあったなあ、とさまざまなバリエーションを味わえました。

私は冬真っただ中の12月にプレイしましたが、夏と言えばの作品として是非挙げたくなる作品です。

 

 

 

私のプレイ記録

 

ちなみに私は逃走なし後退なしのガチ一本道でクリア。道中でアイテムが拾えたり、敵を倒した時のドロップでスキルが覚えられたりしたので、体感ではかなり楽でした。

ステータス依存の技が多いので、極振りにしたのも良かったのかも。何なら、ランダムに出会えるキュウベあをあえて利用しない縛りもできそうな感じ。

一方で、ノーコストでやり直しができるので、不慣れな方でも遊びやすい一作だと思います! この手のシステムの初心者さんにも勧めたい気持ち。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

めいっぱい明るい作品を遊びたい方や、お手軽な一本道ノンフィールド(雪道ゲー)を遊んでみたい方にオススメです。

 

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

「ごちむす」「勇者の烙印」など

shiki3.hatenablog.com

フリーゲーム「七月七日とそのあした」感想

「星々の下で繋がってるなんてあまりにも子供だましじゃないか」

子は大人が思うより賢しらな前置き。

 

 

えー、今回はうきうき雨季(6月)さんところのフリーゲーム「七月七日とそのあした」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

www.freem.ne.jp

 

 

兄妹、恋愛未満の依存、鬱エンドあり。選択肢でエンドの後味は判断できるので、鬱が苦手な方は回避可能。全クリアまで5分くらいの短編ノベル。

 

 

というわけで、良かった点など。

短い作品なのでネタバレも含んだ記事になりますが、ご容赦ください。

 

 

 

振り返って話しかけてくれる兄

 

まず、立ち絵の表現が好きです!

兄に手を引かれて進んでいるから、兄の背中しか見えない……。鬱蒼とした森の背景も含め、不思議と緊張感がありました。時々振り返ってくれる兄は優しい笑顔なので、その安心のギャップも好きでしたね~。

 

背景の星々もまた、演出として美しいんですよ!

ずっと鬱蒼とした場所を歩き続けるからこそ、パッと輝いて見える。暗い暗い夜なのに。

退廃的な終わりも、祈りを込めた別れも、どちらも魅せてくれる。どっちも共通背景なのが好きです。

 

 

 

依存が見え隠れする兄妹関係

 

私はヤンデレ乙女ゲーに慣らされているので、お世話を焼いてくれる兄というと勝手ながら無条件で不穏を感じてしまうのですが……。

本作はむしろ、妹のほうが危うげ? 兄も適切な距離感とは言いづらいので、あくまで比較的、ですが。

 

妹に対して、自分の言うことは聞かせる一方、父さんの言うことは「適度に」とさりげなく差をつけているところが怖くて好きです。

妹の自立をある程度促しつつも妹のしたいようにさせてやりたい兄と、とにかく兄と一緒であればそれでいい妹。良い具合にアンバランスな依存関係で、どちらのエンドも刺さりました。

 

特に明るい方のエンドはおまけまで見てほしい気持ち……! ただ切ないだけのエンドにならず、二人の関係性をとくと見せつけてくれるところが好みでした。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

夏の夜、ロマンチックと不穏をどちらも味わいたい方へ。

 

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

shiki3.hatenablog.com

フリーゲーム「雨落天晴」感想

「俺もおまえも、一歩間違えればアイツのように己の欲に負けていたかもしれない……」

主人公の裏の姿がラスボスになりがちな前置き。

 

 

えー、今回はなごみやソフト(司令)さんところのフリーゲーム「雨落天晴」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

和風短編RPG。戦闘重視の方向け。

私は楽しくてついレベル1縛りをしてしまったので時間がかかりましたが、早い方は30分~1時間くらいでクリアできるかと思います。

 

freegame-mugen.jp

 

前作『奈落天蓋』とシステムだけが共通しています。キャラや世界観は別物なので、もちろんここから遊んでもOK。前作と比較しながら書く部分もあるので、ご興味のある方はそちらも是非。

 

前作感想記事↓

shiki3.hatenablog.com

 

 

というわけで、良かった点など。

 

 

 

状態異常と属性耐性がとっても大事!

 

本作の戦闘は、弱点属性をついたり状態異常を駆使したりするのが、大前提です。

大・前・提です。

意識するかしないかで難易度が段違い。その分、属性は3すくみで数を抑えてあるのも良いバランスでした。

 

正直に書くと、作品のボリュームにしては状態異常が多かったな?と感じるところも。せっかく手に入れても、耐性の関係で使うに使えない装備品がちらほら。

初見の敵には状態異常でハメ殺しされてしまうことも……。

でも、こちらが使う側としてはものすごく心強くもありました! ボス相手でもしっかり状態異常が通るの嬉しい……。この辺りの試行錯誤や、やろうとしてもすんなりうまくはいかないところをむしろ楽しんでいく作品なんだろうとも思います。

属性パズル(でいいのかな?)、装備品や術で取捨選択するバトルが好きな方には大いに楽しめるはず!

 

 

 

敵を捕獲して強くなる“珠”システム

 

特徴的なのは、敵を弱らせて捕獲することで手に入る“珠”のシステム。装備して耐性などを強化することもできますし、道具として使用して術を使うこともできます。ここが前作との共通ポイント。

このシステム、コンパクトで好きなんですよね。

 

そして神がかり的なのが──シンボルエンカウント!!!!

前作をやったことのある方ならこのありがたみがわかるはず。しかも見た目でだいたいどの敵が登場するかがわかる! この改善は最高でした~……!

作者追いしてプレイすると、こうしてちょっとずつ作品全体がブラッシュアップされていくのがわかって楽しいんですよね。ふふふ。

 

 

 

やろうと思えばRTAも可能?

 

クリア後はリザルトとして、プレイ時間と最大レベルが表示されます。これは縛りプレイをしろって言ってるようなもんだよなあ!? おうよ!

元々、前作がレベル1クリア可能な調整だったので、今回は初手から好奇心でやってみたらできました。やったね。歯ごたえが欲しいプレイヤーさんは是非お試しあれ。

もちろん前述のとおり、レベルを上げてプレイもできますので、自信がない方もご安心を。

 

 

 

滴る雨と落ちる雷

 

マップのエフェクトもさりげなく見どころの一つ。

異常な天候の謎を突き止める、という導入なだけあって、画面上の天気もしっかりこだわられていました。雨が降り、雷が鳴り……。戦闘中でもこのエフェクトが出ていたのにはびっくり。さりげなくも、物語の説得力や世界観が感じられて好きです。

ダンジョンも一本道ではなく、ちょっとしたギミックもあって、ほどよいボリュームでした。

 

 

 

惜しまれた点

 

気になった点としては、

ダブルヒロインと書かれているが仲間キャラとの交流は薄い

・ストーリーはほとんどおまけ

この2つ。主人公だけが3すくみから解き放たれた「天」かつ「龍」で、深堀りできそうな設定だったので、そこがノータッチだったのは正直惜しくも感じました。

とはいえ、キャラ重視派の私も短編ゲーとしてしっかり楽しんだ1時間だったので、誤解なく!

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

とにかく戦闘が楽しい作品でした!

 

追記ではネタバレのスクショと、レベル1縛りについて少し。

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

shiki3.hatenablog.com

 

続きを読む

フリーゲーム「新説魔法少女」キャラ・エンディング感想編

前置きをすっ飛ばして「新説魔法少女」感想記事の後編!

 

今回はどこまでもネタバレ全開な、ストーリー&キャラクター感想編。

未クリアの方は前編であるこちら↓

shiki3.hatenablog.com

↑の感想記事をご覧くださいませ。

 

というわけでさっそく、以降は追記に格納!

伏字も何もなく完全にネタバレしているのでお気を付けください。

 

 

 

 

 

※ネタバレ注意!

 

 

 

ストーリー・キャラクター

 

 

エンディング

 

タイトル回収が気持ち良い……!!

エンディングはやっぱり、“掴み取った”という気持ちが大きかったですね……。強敵が絶望的な強敵として数値化されているからこそ、勝ちを噛み締める喜びもひとしお。

プレイ中は正直、ここまでハッピーエンドになれるとは思っていなかったので、とても驚かされました。身近な居場所を守りたい一心で戦ってきた彼女たちだからこそ、架橋町の名前にかけて物語が閉じるのもまた、達成感があって良い……。

きちんと死は不可逆のままなところが大好きです。言いたいこと全部千代子ちゃんが言ってくれる。

苦しいシーンも感動シーンも多かったですが、遥ちゃんとの背中合わせのあの最強技が一番泣いたかもしれません。引きずるって意味じゃなくて心に留めるって意味で、千代子ちゃんと遥ちゃんはずっと一緒でいてほしいな……。

 

 

 

比較する二人

 

千代子と唯

 

この二人ってたぶん意図して対応するようなキャラになってますよね……?

内面もそうですが、見た目も黒髪ストレートロングで近いなあと。

プレイ初期はやっぱりもちろん、遥と千代子がシンメトリーに手を組み合う物語だと思いながら進んでいたので、唯もまた千代子と対応する関係になるとは驚きでした。

序盤からこういう構想でストーリーを組んでたのかなあ。開発秘話とかも見てみたいものです。

 

千代子

・あたたかな家庭→事情を話せばわかってもらえる

・敵でもなるべく助ける

・ルールや時間にルーズ

・学力低い問題児

・弱ると自分を壊していく

・自分の信頼した相手だから手を止めずに成し遂げる

 

・悲惨な家庭→事情を話したところで変わらない

・敵には容赦しない

・規律は守る

・学力高い優等生

・弱ると他者を律していく

・自分の信頼した相手には手を止めてためらう

 

二人とも、自分独りになっても戦う覚悟があるし自分の街を守るっていう正義感があるところは共通なので、なおさらグッと唇を噛み締めたくなります。似ているけど歩いていく道はまったく違うんだ……。

ヒーロー気質と王様気質……? ちょっと違うかな。うーん……。

本編では唯が孤立していきますが、学校では千代子が嫌われ者であるように、どっちが正しいってわけでもないんですよね。環境や見方による。ここも多角的で好き。

 

 

 

 

葉子と琴音

 

序盤は天才と秀才みたいな比較がされていたかと思いますが、終盤の絡みは少なめに。葉子の糸がふつっと途切れちゃったのが大きなターニングポイントなんでしょうね……。

 

琴音

・観察から分析して知識の引き出しから取ってくるのが得意

→サボっても巻き返せるのでダラダラすることもある

・誰からどう見られようとあんまり気にしないので、コミュニケーション不和を起こしやすい

・自分本位なのでメンタルが強い

・友達(伊万里)の存在が自分ではどうにもできないので弱点

・これから何が起こるのか予測できるし、対応する自信もある

 

葉子

・経験則から予測するのが得意

→時間をかけた蓄積が必要、「(琴音に対して)もっと効率的に……」となる

・人の目線を意識しているので、期待に答えることもできる

・他者本位なのでメンタルが弱い

・友達(米子)の存在が自分を支えてくれるので強み

・これから何が起こるのか予測できるが、対応できるか不安

 

こうしてみると、能力は比肩してるけど芯の部分が全然違う感じ、なのかな……?

ライバルみたいな扱いで進むのかと思いきや、自然と道がそれていく感じも、なんだかリアルだなあと思った覚えがあります。

終盤はむしろ葉子とひよりに似た面が見られるかも。リーダー扱いされるけど実は虚勢だしサポート気質なところ、ね……。

 

 

 

朔也と祐樹

 

語りたかった、二人とも女グループに男一人の弄られポジション! 二人とも好きですし、二人とも違った味があっていいなあと思います。

 

朔也

・漢らしさ→空手、女子を率先して守るスタイル、純粋な力としての男らしさ

・女々しさ→惚れた弱みでどこまでもヘタれる、弄られても言い返すより避ける、強さがある故のやり返すとやりすぎるからやらないみたいなヘタレさ

・殴り返せるパワー(空手)を持ってるから負けないためにそもそも戦わない(自分が折れる)

 

祐樹

・漢らしさ→譲れない一線はきっぱり守る、大事な人は何がなんでも守る覚悟がある、胆力としての男らしさ

・女々しさ→周りに配慮して譲る、自分より相手の要望を叶える、優しいが故に男性として見られなくなる感じ

・殴り返せるパワーがあまりないから負けてもいい、なので強敵にも立ち向かえる(時々ビシッと言い返す)

 

みたいな印象。二人ともあんなプリティフェイスなのに、全然違って見えますね……。

 

 

 

他にも、他者排除型ヤンデレの栞崇拝型ヤンデレの要、などなど……。

取り上げたらもっと深みのある関係性はいっぱいあるはずですが、とりあえずはこの辺で。恋愛関係や友達関係だけでなくて、こういう一見無関係そうなところにむしろ深みがあるの、すごいキャラ造形だなあとしみじみ。

 

 

 

キャラクター

 

全員取り上げたいくらいに個性的なメンツではありますが、断腸の思いで特に語りたいキャラだけ。

 

 

千代子

 

序盤は彼女のコマンド挑発の意味について考えてしみじみしていました。

挑発持ちユニットと言うと、よくある生意気キャラが相手を馬鹿にするとか騎士がいざ尋常にと宣言するとか、そういうシーンを思い浮かぶんですが……。千代子がどちらにも当てはまらない感じ。

もしかしたら第三者視点で「この子トロくてバカ正直でいちいちカンに障る」みたいに疎まれているところがコマンドとして現れたのかなあとか。そして氷核取得を経て、自己犠牲精神の文脈が乗っかるようになるみたいな……。

「庇う」じゃなくて「挑発」なのがね。いやまあシステムとして庇うだと誤解が起こりそうという理由も大きいと思うんですが、ちょっとしたファンの妄想として、色々と味わい深かったです。

 

 

 

 

被弾グラフィックがブチギレなの本当に好き。千代子より短気ですよね、彼女。いざという時に手が出るのが千代子の方だからあっちが目立ってるだけで、内心の荒波は多そう。

告られたから付き合ったけどなんか別にな~、自分の時間欲しいしな~、みたいな感じ、わかりすぎて笑っちゃいました。生々しい……。

でも遥ちゃんのすごいところは部活でも先輩としてちゃんとしててクラスでも浮いていないところですよね。たぶん彼女の根っこの部分ってけっこうオタク気質というか……こだわり強くてやや個人主義なんじゃないかなと思っているんですが。自己紹介文の通り、ここをマイルドにして周りと協調できてるの、えらいな~と思います。

 

ここはド偏見ですが、あんまり興味ない集まりにも一応ちゃんと参加はするけど(あ~今の時間があればレベリングできるのにな~)とか考えてそうなイメージ。何なら彼とのデート中ってこういう感じになってそう。そして申し訳ないなって反省する感じの。

ここまでいくともはや二次創作かもですね……ははは。

 

 

 

 

みんな好きになるキャラじゃん知ってる。みんなは主語が大きい! はいすいません! 私は好きです!!

やっぱり胸が熱かったのは「ワールドイズマイン」ですよね……。あまりにも哀しい。お姫様とか言ってる場合じゃない。もともとその合理的な思考が気に入っていたんですが、このシーンでさらに好きになりました。

世界とか時間とか、ただ過ぎ行くだけで味方になってくれないものというイメージの強い概念を、あえてこれだけが私の味方になってくれたと表現するの本当に……。泣くしかない……。

唯の味方になってくれる子たちだっているじゃん、と言いたくなりつつも、その子たちが現実として彼女に適切な環境や法律上問題のない安息を与えられるわけではなく、また与えられたとしてもその時点で対等になれなくなってしまうという。頭良いからわかっちゃうよね唯はね……。

痛々しくて、心に残ります。

 

 

 

 

テロメア

 

見た目も性格も性能もむちゃくちゃ好きです~!!

加入した時から一目惚れってくらい好きでした。

まずもうスキル名が美しすぎる! だって「夜の虹」「昼の花火」ですよ!? 良い……。でけえ大剣振り回すのもロマン! 最高!!

加入時の「宇宙の一部って感じがして切なくてちょっと好き」というセリフもあいまって、もう大事にしようと心に決めたキャラでした。

加音ちゃんと同時出撃させると、会話がちょこちょこあるのもかわいい……。だからこそ、終盤のイベントでぼろぼろになる加音ちゃんの悲惨な立ち絵が際立って、良い……。

ほにゃほにゃした平和主義なところと、根性見せて大切な人を守る覚悟、両方を持っているところも魅力的だなと感じます。

 

 

 

琴音

 

上記でもちょっと語りましたが、能力は器用なのにコミュニケーションは不器用そうなところが愛嬌を感じて好きです。反対意見を押しつぶすんじゃなくて、あーじゃあもういいよってふらふら~っと去っていきそうなところが、まさに風。マイペースな生き方を心地よく思うからこそ、人にも押し付けないのかなとも。

守るものがあると強くなれるタイプな気がしていますが、逆にピリピリした雰囲気も高まってより人が寄り付きづらくなりそうなので、一長一短なのかな。

伊万里に振り回されたりくんずほぐれつしたりしていて欲しいです。

 

 

 

香・リリー・朔也

 

香とリリーは単体で登場するとたぶんかなり苦手なキャラなんですが、二人がお互いにほどよく弄りあったりしてくれるおかげでマイルドに受け入れられました。朔也が混ざることでさらにガツンと言う時と言わない時のバランスが生まれて良き。

 

特に香は遠距離アタッカーとしてとても重宝しました。削りで使うことが多かったのでレベルは上がりづらかったですが、かなり使いやすかったです。

キャラとしても、敵から逃げちゃうシーンは特に好きでしたね~。ごまかさずに弱い面がしっかり描かれているキャラは、叩かれるだろうというリスクを背負ってでも生々しさや奥行きが生まれるので素敵です。

 

リリーと朔也の外見って、金髪銀髪&赤目青目ですごく対照的ですよね。二人並んでると美男美女だな~と感じます。かわいい。

 

 

 

祐樹と忍

 

様々な百合や愛憎や友情が飛び交う本作ですが、一番ぶっ刺さったカップルがこの二人です。

良い! 弄りまくる忍が、たまに祐樹に叱られちゃうの、良い! ちょっかいかけにくるのは忍なのに、祐樹のほうが強く意識してそうなところも、すっごくすっごくすっごく良い……!

エピローグで忍ちゃんからモテたいと思ってそうな祐樹のいじらしさにもうにっこにこしました。早くくっついてほしいしなかなかくっつかないで欲しい~! うおお~~!!

『ハーチウム』のシュティとヤンニックでも大騒ぎしましたが、やっぱりこの作者様の描かれる恋愛関係、本当刺さります。助かる。

祐樹が「忍ちゃん」呼びなの、むちゃくちゃかわいくて大好きです……。

 

 

 

 

第一声「にぃに」でもう好き。

ツインテヤンデレキャラとかそりゃ好きです。彼女が暴走するばかりだと苦手になってたかもしれないんですが、にぃにが手綱を握ってくれたので好きな面だけ摂取出来て助かりました。

THE脳筋なキャラでユニットとしても使いやすかったです。とりあえず突っ込ませてぶん殴る。移動力もあるので困ったときにあちこちへ走ってもらってました。MP自動回復のおかげでサブヒール係もこなせるという、いやあ有能!

 

 

 

 

ひより

 

加入が遅めだったこともあって少し影にいるイメージですが、内面のギャップが光るキャラですよね。

芯はちょっとシャイで臆病なのかなーと感じています。烈への反応もそうですし、姉御って持ち上げられつつもどうしようと困惑しているところもそう。周りに求められるから無理しちゃうけどでもでも、みたいな。

喧嘩番長が実は乙女って王道で良いですよね。好きです。

 

ユニットとしては、オートリフレッシュ持たせてひたすら超遠距離から拳飛ばす係でした。強敵はそもそも接近したくないので、彼女の無限拳は本当に心強かったですね……。素殴りでそこそこダメージが出せるのも嬉しい。

おそらく本来はクレーン救助係として使うキャラなんだろうと思いますが、まあまあ、こういうプレイもできるよってことで一つ。

 

 

 

 

 

彼目線で物語が書かれると、すごく王道にラノベやなろう系の系譜をたどることになるんだろうなと感じます。

学校一の不良な主人公が、友達が化け物になるのを目撃し謎の事件に巻き込まれ、力を持たないなりに奔走し恩人の娘と手を取り、不思議な力に目覚め、事態を収めて元の日常へ──。

すごい、もう彼視点でドラマが生まれている。

なんならヒロイン候補もひよりと千代子とテロメアと、変化球でカウントするなら遥で、複数いますしね。

それでも烈君を長々書ききらずに多視点のうちの一つくらいに留めてあるのが好きです。

 

 

 

 

 

気づけばずいぶんと語ってしまった。

クリア直後の興奮で書き連ねましたが、語り足りないところもまだまだあります。印象に残ったシーンも好きなマップもね。

ただ本当に際限なく続いていくので、あとは「最高の名作なので合いそうなら是非プレイしてみてね!」で留めておくこととしましょう!

 

それでは、長文にお付き合いくださりありがとうございましたっ。

 

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

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有料&倍以上のストーリー(アドレナ戦記)が楽しめるパラレル版はこちら↓

新説魔法少女+

Webサイト「嬉し楽しの魚肉病院」感想

「直して壊せば両方見れてお得じゃない?」

君の色んな反応が気になるな前置き。

 

 

えー、今回はこしせ @akemichan55さんところのWebサイト「嬉し楽しの魚肉病院」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

奇病の女生徒6人に、持ってるお薬1つだけ。選ぶのはあなた。

ホラー演出あり。音でのびっくり要素はなし。1周1分、考察し出すと無限大。エンディングらしいエンディングはありません。

 

gyonikubyouin.girly.jp

 

 

当ブログ、普段はフリーゲーム中心に感想を書かせて頂いていますが、今回はなんとWebサイトです。広義のブラウザゲームとも言えるかも?

何も知らずにあれこれ試しながら遊ぶのが一番面白い、はず。

地獄が見たい方は是非遊びに行ってみてください!

 

 

 

 

 

というわけで、ここからはほんの少し内容に触れる、良かった点など。

 

 

 

 

君があの子の救世主!

 

ゲームの進行はとっても簡単。

病気の6人の女の子を見て、薬を渡す子を1人決めて、選択するだけ。

選ばれなかった子は、ね。

……この明らかな性格の悪さ、たまりませんね!!

これを「あそびかた」と称するのもなかなかに業が深い。

お察しの通りものすごく後味の悪い作品なんですが、このイヤさが心の底から出せるのは本当に素敵です。変に手心を加えてチープにするのではなく、とことん突き抜けているところが好き。

もう1点好きなところもあるんですが、ネタバレになるので追記に格納しますね。

 

 

 

 

創作奇病好きにはたまらない?

 

 

本作に登場する女の子たちは皆、珍しい奇病にかかっています。

いわゆる創作奇病です。“天使病”や“花吐病”など、見かけたことのある方もいらっしゃるのではないかなと。

注目したいのが、この疾患がガチでデメリットのある“病気”であること。

例えば、“髪が伸び続ける”というまるでラプンツェルのようなメルヘンさの裏には、栄養失調や過食などが伴います。“身体から花が生える”という美しさの裏には、激痛と日光を一生避ける生活が科せられます。

奇病がただのファッションではなく、ガッツリ痛みや嫌さを含むからこそ、作品全体の後味がより苦く感じられて好きです。

 

 

 

 

かわいくて正直で変わった女の子たち

 

キャラを選ばせる展開でこれほど心が刺されるのは、やっぱりみんな魅力的だから!

中でも着目したいのはギャップです。

完治後のグラフィックと、選ばれなかった時の反応。この2段構えがキャラにより人間くささをプラスしてあって好きです。

 

大切な人とのエピソードトークでこちらの罪悪感を刺激してくるちえにゃん捨て飯、哀れな自分語りでこちらの同情心を突いてくるサーシャ善子、諦念を見せることで救いたいと沸き立たせてくる白昼夢、我関せずの浮きっぷりが逆に好奇心をそそられる修羅の花

どの子も“気になる”からこそ、より地獄の深みにはまっていっちゃうんですよね……。

 

余談ですが、キャラ名のクセが強いのも好きなポイント。サーシャ蓮根、朝夕毎日明日もちえにゃん、など。なんとなく唱えたくなる響きなのがまたセンスを感じます。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

かなり考察しがいもある作品なので、ホラーや鬱展開が好きな方には是非オススメしたいです。サクッと地獄に叩き込まれたい、叩き込みたい方向け。

 

 

追記ではネタバレ感想。

このWebサイトはちょっとしたギミックもあるので、「遊んでみたけどよくわからなかったな~」という方がいらっしゃったらこのまま追記も読んでみて頂ければ、お力になれるかもしれません。

もちろん、遊びつくした考察目当ての方も大歓迎。ぜひどうぞ!

 

 

 

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