うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「エイプリル探偵事務所」感想

「犯人は、なんかたぶんきっと、おまえだ!」

周囲の支持を得られない探偵は単なる無礼者な前置き。

 

 

えー、今回は水季さんところのフリーゲーム「エイプリル探偵事務所」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

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テンポよく犯人決めつけをしていく、ミステリノベル。

遊ぶだけなら数分、コンプはあなたの推理力次第。

 

本来であればネタバレなしでお届けしたいんですが、それだと魅力の手前の部分しかお伝えできないので……。

すでに気になっている方は1周だけでもいいので遊んでから是非。

大丈夫、たったの2分です。

 

 

というわけで、ここからは軽くネタバレ注意。

 

 

  • 一番オイシイところをどうぞ
  • ツッコミどころ満載の登場シーン
  • 関連があることを「気づかせない」巧さ
  • アクセル全開ハイスピード、だけど?
  • ▼ネタバレ▼
  • 相方のバニー
  • 煙突掃除夫
  • ダニング家
  • 神父
  • 警部
  • 美女&髭剃り屋
  • 女学生
  • 事件の概要
  • ミステリ要素のあるフリーゲーム作品記事

 

 

 

 

一番オイシイところをどうぞ

 

本作の肝となるのが、とにかくスピード感!

捜査もなし、証拠もなし、なんなら被疑者の話だって聞かなくてよし。プレイヤーはただ「犯人はおまえだ!」の一番気持ち良いところだけをやればいいのです!

勢いよく決めつけて、あるいは無責任にノリひとつで、サクッと事件を解決してしまいましょう。

 

……と、書くとものすごくネタゲーに見えそうですが。

このたった2分の初見プレイに、面白さがギュギュッと詰まってるからすごいんですよねえ。

 

 

 

 

ツッコミどころ満載の登場シーン

 

人間は第一印象が全てだとよく聞きますが、本作はここを非常に巧く使っています。

 

見るからに胡散臭い糸目の神父!

人畜無害そうな可憐な女性!

挙動不審が極まるボロ着の男!

 

犯人疑惑があると途端にみんな怪しく見えてくるから不思議なものです。プレイヤーの偏見や先入観チェックにもなっちゃうかも。

特に某キャラは登場するだけで爆笑させられました。最高だなあ!

 

 

 

 

関連があることを「気づかせない」巧さ

 

公式曰く「エイプリルフールのノリでつくったゲーム」。

さらにはこの序盤のスピード感と笑える展開に、私は肩の力を抜いてしまいました。いやあ、面白いネタゲーだなあと。すぐ目の前に事件の糸口や明らかなヒントが置かれているというのに!

 

良い意味で油断させるのが上手なんですよねえ。終わったら成果を見るように誘導されて、きちんと本番はここからだと気づける作りも素晴らしい。

見てすぐわかる面白さと、何度か通してハッと気づかされる面白さ、両方味わえるのがすごかったです。

 

 

 

 

アクセル全開ハイスピード、だけど?

 

ゲームとしての遊びやすさがしっかり確保されているのも、本作の魅力。あまりのテンポの良さについ駆け抜けてしまいますが、よく見ると工夫された点がたくさん。

 

  • 重要な単語は下線や太字で強調
  • 事件名、被疑者名、被害者名を常に表示
  • エンディングリストや人物紹介がヒントも兼ねている
  • ヒントの出し方が複数(見てわかるヒントと読んでわかるヒントがある)

 

中でも、「被疑者の話を聞かない」というネタな選択肢が、周回プレイのしやすさにも繋がっていたところには唸らされました。しかも、とにかく急いで解決しろと言われているおかげで、スキップしても物語として違和感がない。ここの整合性のつけ方が好きです。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

ギャグとしても、物語の奥が見たいという意味でも、色々なツッコミ要素がまんべんなく散りばめられていて楽しかったです!!

 

追記ではネタバレ感想。

しっかり全事件の真相について容赦なく書き散らしています。

プレイ済みの方は是非スクロール先もどうぞ!

 

 

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フリーゲーム「フォーチュン・チャーリー!」感想

「お願いごとは大きな声で正直に!」

素直になれない悪い子は願うことすらおこがましい前置き。

 

 

えー、今回はアングラ人鳥歌劇展(Naoi Ikumo)さんところのフリーゲーム「フォーチュン・チャーリー!」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

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選択肢分岐なし、短編連作ノベルゲーム。

1話数分、クリア後おまけまで含めて30分程度。ただし、ランダム要素を全回収しようとすると3時間ほどかかりました。運によってはもっとかも。

願いを叶えるサーカスを舞台とする、鬱展開たっぷりの作品です。

 

 

というわけで、良かった点など。

 

 

  • 人を呪わば穴二つ、願いを叶えりゃ穴はどこ
  • 別作品との関係はどう?
  • ピンク髪のツインテは正義!
  • 魅力的なキャラデザと目を引く一枚絵
  • ランダム要素で真相を知ろう!
  • ▼ネタバレ▼
  • 今回もキャラがてんこもり
  • チャーリー
  • 拍手喝采の真相は
  • 『Circus Show of Fancy Dolls』(以下CSoFD)
  • 『Nairy Daydream』
  • 同じ作者様の作品記事

 

 

 

 

人を呪わば穴二つ、願いを叶えりゃ穴はどこ

 

ストーリーはこの作者様お得意の、暗くて救いのない鬱展開!

あるいは、歪んだ形のハッピーエンド?

こんなことを書くと、happyの定義って人それぞれでしょ、と言い聞かされそうな気もしますが。わはは。

やっていることはえげつないものの、キャラクターが割り切っていたり割り切らざるをえなかったりしているので、あっさりした読後感。そんな印象です。……エンド手前まではね!

 

 

 

 

別作品との関係はどう?

 

ダウンロードページには関連作品がいくつか紹介してありますが、本作から読み始めてもOK。

というより、この作者様の作品はほとんど全てがふんわりと繋がっているので、全てを読み切るのはよっぽどのファンの方じゃないと難しいんじゃないかなー、なんて。

他作品を知っているなら、意味深なセリフにニヤリとできますし。特に知らなくても「なんか知らんけど強キャラなんやな~」で流せるくらいの塩梅です。ご安心を。

 

 

 

 

ピンク髪のツインテは正義!

 

タイトルにもなっているメインキャラ、チャーリー。

まず、この子のキャラデザが思いっきりぶっ刺さりました。

ピンク髪ツインテ金目、最高すぎる~!

 

さらには作品の空気づくりとしてもチャーリーは欠かせません。

前提として、この話自体はいわゆる「お決まりの流れ」で進行していきます。話もガッツリ鬱展開、それが6話続くので、危うくダレかねないという。

 

でもですね、ここでチャーリーの出番ですよ!

ドドンッと賑やかな効果音!

右から下から登場するピンク髪!

しっかりネタなギャグ顔!

 

チャーリーの動きや表情が毎度コミカルなので、直前までの残虐さがサクッとリセットされるんですよね。

何度も見るうちに、チャーリー自身にも愛着が湧いちゃいました。

 

 

 

 

魅力的なキャラデザと目を引く一枚絵

 

この作者様のゲームに触れると毎回書いている気がしますが、今回も書きます。キャラデザが、最高です!!

細かいところだと、メインキャラの瞳とハイライトの形も全員違うんですよ。これ、さりげなくすごくないですか!? 私のような素人でも描き分け大変そうだなあとわかる……。

道化なゲンリが誰よりも落ち着いて見えるのは瞳のおかげなのかなあ。

 

立ち絵も表情だけでなく、ポーズ自体が変わるので、それぞれの個性が全力で伝わってきます。しかも、一枚絵で座り方の違いが見比べられちゃう!

やっぱりキャラで惹かれて遊んでいるシリーズなので、彼らの個性が伝わってくると嬉しくなりますね。

 

 

 

 

ランダム要素で真相を知ろう!

 

本編をクリアすると、いくつかの要素が解放されます。ネタバレになるので深くは触れませんが、事前に書き添えておきたいことが一つ。

それは、ランダム要素。

もしノベコレプレイヤーでバッジ集めにこだわりがある方は、そこそこ低確率を引きにいく必要があります。ご了承を。

 

エンディングを見る分には問題ありませんし、世界観やキャラを深く知ることができるファン向けのおまけという印象です。

 

極論、fanboxに作者様自らの解説もありますので、そこはご安心ください。

penguinsikumo.fanbox.cc

何より、コンテンツは多ければ多いほど嬉しいですからね!

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

  • 元々この作者様のファンの方
  • 短編で後味の悪い作品をお求めの方
  • 斬新なグラフィックにハッとさせられたい方

などにオススメです。

 

 

追記ではネタバレ感想。

関連作品にも触れています。

プレイ済みの方は是非スクロール先もどうぞ!

 

 

特に関連のある代表作品

 

 

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同人ゲーム「新説魔法少女+(アドレナ戦記)」感想

「華々しく正面から挑んで勝てるのはヒーローだけ」

凡人は泥臭く土を噛み締めてふんばろうな前置き。

 

 

えー、今回は信じた俺が馬鹿だった。(TS)さんところの有料ゲーム「新説魔法少女+(アドレナ戦記)」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

 

元々はフリーゲーム。

無料部分だけでも40時間超のSRPGです!

まだ遊んだことのない方は先にこちらの記事からどうぞ。

 

フリー版の感想記事

 

 

本記事は「アドレナ戦記」と呼ばれる有料版、パラレルストーリー部分についての感想です。本編の倍以上のストーリーと新キャラが楽しめるので、フリー版プレイヤーの方も是非!

 

 

  • スーパーヒーローと軍人
  • パラレルの全体的な感想
  • より多種族で広がる世界観
  • ▼ネタバレ▼
  • エンディング
    • ■戦争
    • ■本編に誠実なパラレル
  • 非操作キャラクター
    • ■フォン・オリジン
    • ■シナプス
  • キャラクター
    • ■アドレナ
    • ■エピネフ
    • ■アルチル
    • ■レプチ
    • ■バソプレア
    • ■エルドパ
    • ■クローネ
    • ■ドーパム
    • ■ポラン
    • ■ルフィン
    • ■イースリー
    • ■ノルア
    • ■モルフィン
    • ■オキシト
    • ■レニィ
    • ■ミュー
    • ■ヌクレア
    • ■ギャバ
    • ■セロトン
    • ■モチリ
    • ■コレシス
    • ■ツィー
    • ■プローラ
    • ■ガンマ
    • ■メラトン
    • ■ポラリス
    • ■テロメア
    • ■楓
    • ■シキ
    • ■ヴァレンツァ
    • ■サイロニー
    • ■サイロキス
    • ■サイロジス
    • ■ナノプ
    • ■ヘモコ
    • ■タウリ
    • ■ペプチダ
  • まとめ
  • 同じ作者様の作品記事

 

 

 

 

スーパーヒーローと軍人

 

本編の千代子たちはいわばスーパーヒーロー

たくさんのわからないことに振り回されながら、理不尽に殴られ根性で奇跡を捥ぎ取る、選ばれし者の物語という印象でした。

 

パラレルのアドレナたちはまさに軍人

知識も対策もあるからこそ、できることを確実に行い、しかし綻びが抑えきれない、力なき者たちがそれでも抗う物語だったように思います。

言ってしまえば、泥臭い!

そしてそこも良い!

 

一般人であるはずの千代子たちがスペシャルに、特権階級も多く参入しているアドレナたちがコモンに見える構造も、改めてみると興味深いですね。

 

 

 

 

パラレルの全体的な感想

 

パラレルのストーリーもやっぱり濃厚でした。

「ええ!?」と叫ぶシーンも「ええん……」と泣きたくなるシーンもたくさんありましたし、インパクトで黙らされるシーンもあれば、綿密に論を展開していくシーンもありましたし。読み応えがあって嬉しいです。

やっぱりどの作品でも、キャラが作り物ではなく血の通った人間味を感じるから、こんなに魅力的なんだろうなあ。

 

パラレルは初めから物語の真相がわかっている状態で遊ぶことになるモードですが、それでもこんなに楽しめたのはすごかったですね……。ボリュームも本編と同程度かそれ以上はあるだろうし……。

 

 

 

 

より多種族で広がる世界観

 

世界観の広がりという意味でも楽しかったです。

色んな種族とその生活。もう世界観解説資料集とか出せそうな勢い。

 

そもそもアドレナたちの外見的な特徴が統一されているのも面白かったですね。千代子たち地球人はフィクション表現としてカラフルでしたが、アドレナたちのように所属する星ごとの統一感があると、他種族入り乱れた急造の部隊だというのが強調されます。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

追記ではガッッッツリネタバレ感想です。

1万字を超えました。恐縮です。

クリアした方は是非スクロール先もどうぞ!

 

 

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フリーゲーム「savon」感想

「ぱちんと弾けて無くなるまでの、わずかな幸福を引き延ばすには?」

こっちの時間を遅らせてしまえたらいいのにな前置き。

 

 

えー、今回は柘榴雨さんところのフリーゲーム「savon」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

novelgame.jp

 

あなたを癒す、女性向けノベルゲーム。

短編ではあるんですが、作品のコンセプトを大事にしたくて、じっくり時間をかけて遊んでしまいました。選択肢はあるものの道中は一本道、エンディングはラストで決まります。

 

 

というわけで、良かった点など。

 

 

  • 間をたっぷり置いたマインドフルネス
  • 読むシチュエーションボイス
  • “私”に呼びかけてくるメタ構造
  • 気になる彼と背景事情
  • ▼ネタバレ▼
  • 演出について
  • 私のプレイ・道中の感想
    • ■名字なまえ
    • ■お風呂タイムの過ごし方
    • ■切なくもいじらしい彼
  • エンディング
    • ■特殊エンド3
    • ■特殊エンド2
    • ■特殊エンド1
    • ■共通エンド
  • まとめ
  • 同じ作者様の作品記事

 

 

 

 

間をたっぷり置いたマインドフルネス

 

初回プレイで感じたのが、ウェイトの長さ

シーンの切り替わりがとにかくゆっくりなんですよね。それこそ、バスボムが浴槽内で溶けていくのを見守るときのような静かな時間……。なので自然と、気持ちが急いていてもブレーキがかけられて、ゲームに入り込む気持ちにさせられます。

同作者様の他作品でのウェイトは自然だったので、これは意識してのものなんじゃないかな!?

“癒し”をテーマに挙げられているだけあって、それこそマインドフルネス(瞑想)にも似た感覚でした。媒体はゲームですが、ある意味、入眠用にも使えそうな気がします。

 

 

 

 

読むシチュエーションボイス

 

遊んでいて「シチュエーションボイス」を感じる作品でした。

いえいえ、CVがついているわけではないんですよ。ボイスなしの方が私も助かりますし。

ただ、展開とか作品の雰囲気とか……。乙女ゲームというよりは、ボイス台本?入眠ASMR?に近しいものを感じたんですよね。私もそっち方面に明るいわけではないので、かじった知識と偏見でお送りしてしまいますが……。

おそらく、向こうが頻繁にこちらへ呼びかけてくれるけど、こちらの立ち絵や返事は表示されないところが、そう感じさせている気がします。こっちの返答があるけどない前提で進められている感じ。

 

 

 

 

“私”に呼びかけてくるメタ構造

 

ゲームを起動すると毎回、パソコンのIDパスワードを入力する演出が始まります。画面上の時計が現実と一致していて驚き。そして、話の区切りごとに、浴室の彼のもとへ行くシーンが一人称視点で挟まります。

一言ずつで区切られているメッセージウィンドウも、話しかけられている感覚が強まって……。

自己投影?感情移入?するためのメタな演出が多く含まれているんですよね。前述の、プレイヤー側の個性は描写しない点についても、ある意味夢創作に近い技術のように思えますし。

 

より、物語に入り込みやすく。

キャラクターではなく、あなたが癒されるように。

そんな工夫をあちこちに感じました。

ちょっと驚く展開もあるんですが、こればかりはネタバレになるので追記に格納!

 

 

 

 

気になる彼と背景事情

 

さて、“癒し”がメインだと再三書いてきましたが、ノベルとしてのストーリーもきちんと用意されています。

かいがいしく尽くしてくれるこの男性は、だれなのか?

時々差し挟まる、回想シーンは何なのか?

少しずつ紐解かれていくストーリーパートのおかげで、「また明日も起動してみよう」と思える作品でした。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

誰かに癒してほしい方、ちょっと意外性のある乙女ゲームをやりたい方、じっくり静かな時間が取りたい方にオススメです。

 

追記ではネタバレ感想。

プレイ済みの方は是非スクロール先もどうぞ!

 

同じ作者様の作品記事

 

 

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フリーゲーム「TO:NORTH」感想

「あなた以外の誰もあなたを責めてはいない」

だからもっと苦しくなる前置き。

 

 

 

えー、今回はVODKAdemo?(紅狐)さんところのフリーゲーム「TO:NORTH」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

realkeythefox.itch.io

 

エンディング1つ、クリアまで30分ほどのレトロゲーム風アドベンチャー。

どうしても南に行けない探索ゲーです。

 

 

正直ネタバレがすごくもったいない、ゲーム体験自体がものすごく独特で楽しい作品なので、ちょっと気になっている方はまず遊んでみることをオススメします!

併せて、本記事では序盤でわかる範囲のゲーム内のギミックなどについてネタバレをしてしまいます。ご承知おきを。

 

 

というわけで、良かった点など。

 

 

  • プレイヤーは“わたし”を動かすAI
  • 南に行こうとすると……?
  • ドットでレトロな画面構成
  • 細やかな反応と探索ポイント
  • ▼ネタバレ▼
  • 自分のプレイについて
  • エンディング
    • ■ENDは1種類
    • ■誠実な言葉の使い方
  • 公式サイトのあとがき
  • まとめ

 

 

 

 

プレイヤーは“わたし”を動かすAI

 

ゲーム開始時の主人公からの呼びかけ。

ここで早くも心をグッと掴まれました!

プレイヤー≠操作キャラクター、なんだけれど、操作するのはプレイヤー。あなたの立場はここだよ、とわかりやすく示してくれる感じが遊びやすかったです。

 

また、冒頭の注意書きのとおり、本作は心が辛くなるシーンも含まれます。こうしてプレイヤーが主人公と距離を取れることは、気持ちの面でも遊びやすさに通じるのかもしれません。

とかいいつつ、感情移入ドバドバしながら遊びましたけれどもね!

 

 

 

 

南に行こうとすると……?

 

ストーリーの魅力を強く勧めたい本作ですが、ネタバレになるので追記に格納するとして。

マップなしで引き返せないゲームは、それこそ雪道ゲーなどでよく見ますが、マップありで引き返せないゲームというのはかなり新鮮でした。

 

南へ行けないという縛りの中で、アイテムを集めるためにはどうすればいいか。ちょっとだけ頭をひねるのもゲームとして楽しかったです。

といっても難しいことはなく、何度でもノーリスクでやり直しなので、そこはご安心。

やっちゃダメと言われるとやりたくなる心理もうまく活用されている作品だなあ、とニヤリ。

 

 

 

 

ドットでレトロな画面構成

 

グラフィックも音楽もレトロゲームを思い起こさせる雰囲気です。

色数が絞られているおかげで、某演出が映えるんですよねえ。うわっ、と声が出る。良い。

ゲームが公開されている場所も、もともとそういうデザインなのか作者様が調整されたのかはわからないんですが、平成の携帯ゲーム機の画面が思い浮かぶようなサイズ感でした。マップの全部が見通せない感じって言ったらいいのかなあ。

 

 

 

 

細やかな反応と探索ポイント

 

ゲームを進めるために必要な探索は絞られているんですが、そこ以外にも反応ポイントがたくさん仕込まれています。

ふっと興味でエンターを押したときの「ここにも何かあるんだ!?」というわくわくですよ! ザワッとする演出も良かったですし。終盤はそれらが伏線になってくれるので2度おいしい。

やることは明確に、できることは幅広く。

こういう細やかな作りの作品大好きです。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

プレイ時間こそさくっと遊べる短さですが、満足感も余韻もじんと残り続ける良作でした。

 

追記ではネタバレ感想。

ストーリーの核心も含め、伏字なしでネタバレです。

プレイ済みの方は是非スクロール先もどうぞ!

 

 

 

 

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フリーゲーム「妖精の雑貨屋さん」感想

「通りすがった、それだけを物語として流すには?」

外に意識が開いていればなんでもきっと吟じられる前置き。

 

 

えー、今回はれーえさんところのフリーゲーム「妖精の雑貨屋さん」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

 viprpg2017gw.x.2nt.com

 

 

VIPRPG、見るゲ。GW祭2017提出作品。

「百合っぽい」シリーズの続編ではありますが、メインとなるカップリングが別なので、別記事で分けて感想を書いていきますね。

 

 

シリーズ順で追いたい方はこちら

 

 

 

 

 

 

美麗で幻想的なマップ

 

やっぱり真っ先に注目したいのはマップの美しさ!

百合っぽい恋』でも登場した妖精さんの住処を舞台に、木漏れ日と湖が映えるマップがたっぷりと堪能できます。BGMも民族調な選曲が混ざっていて素敵。

でっっっかい木造建築でちっちゃい妖精さんたちがふよふよ飛び回るという、このシチュエーションだけでもうロマンですよね……。好き……。

 

 

 

 

動き回るキャラチップ

 

顔グラの表情変化、動きだけでありありと内心が伝わってくるドットアニメーションなどなど、キャラの動きもかなり豊富で見どころたっぷりです。

中でも個人的に強く主張したいのが、キャラの視線!!

それぞれキャラチップがちゃんと、お話してる相手の方を向いてるんですよ。特に座ってるときがわかりやすいんですが……。この演出、相手の目を見てお話してるんだなあってのが実感できて大好きなんです。

 

さらに本作、なんとバトルシーンもございます!

そしてその演出がまた、熱い! 強い! かっこいい!

百合を見に来てクレアスに沸き立つことになるとは思ってもみませんでした。バトルアクションがかっこよすぎる……! 闇魔法剣士って、いいよね……!!

 

 

 

 

心温まる百合物語

 

さて、バトルがあるとは言ってもストーリーはほのぼの温かい路線です。

メインCPはドナ子とドワーフ。「百合っぽい」シリーズの画面端でちょこちょこ登場したりしてはいたものの、私は二人とも(記憶が確かなら)今作で初めて出会いました。ちょっとしたいさかいから始まる二人ですが、エピソードの最後にはとってもにやにやできるかわいいカップリングです。

ドナ子の一人称が「どー」なの、かわいい~!!

 

サブCPとして「百合っぽい」シリーズでおなじみの子たちも登場します。今回は二人きりではなくて、カップル同士の交流がちょっと見られて、そこも面白かったですね~。彼女たちがあの町で生きている感じ……。

 

 

 

 

短編ではなく章形式

 

「百合っぽい」シリーズに慣れてる方向けに相違点も書いておくと、本作は短編連作ではなく、章形式です。1つの長い話がエピソードごとに区切ってある感じ。

メニュー画面を見れば一目瞭然ではあるのですが、念のため。区切る長さは「百合っぽい」と近しいので、読むときのテンポは近いと思われます。

 

 

 

 

押して楽しいX or SHIFTキー

 

こういう特にストーリーには関係のないお遊び要素、好きです。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

甘酸っぱくてほのぼので、ちょっとクスッとできる勢いがある、かわいい百合ゲーでした!

 

 

 

 

同じ作者様の作品記事

shiki3.hatenablog.com

 

 

SEPTET(ぬぬぬ様)SS3部作感想

「幸せに生きられるに決まってるだろ、このアホ面を見ろ!」

気を抜いていられる場所を持ってる証拠の前置き。

 

 

えー、今回はSEPTET(ぬぬぬ)さんところのWeb小説3部作の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

septetgame.wixsite.com

 

全編ほぼセリフのみで進むSS。

SSというと界隈によって意味が異なりますが、ここではショートストーリーではなく、スレ形式小説を指します。

中身はしっかりがっつり長編です。

 

起承転結も用意されていて、シリアスもギャグも鬱もハッピーも全て味わえます。

相互につながっているので、気になる方は初めから順番にぜひ。

 

 

 

 

 

 

紹介

 

もともとこの作者様はフリーゲーム作者様として存じ上げていたんですが、小説も公式サイトに公開されていたので手を付けました。

結論、面白かった~!!

読んで良かった、やっぱりこの作者様の作るちょっと厳しい世界と優しい心が大好きです。

 

さてフリゲ好き向けにご紹介するんですが、本作はなんとなく『らすぼす養成はいすくーる』のノリが近かったように思います。世界観も勇者魔王モノ。

好きな方は合うはずですし、逆もしかり。

 

普段はフリゲしかやらない方、ノベルはちょっとなあと抵抗のある方も、セリフだけなら読みやすいのではないでしょうか?

 

こうして自分の創作物をジャンル縛らずホームで全て公開してくださっている作者様、本当にありがたいです。応援しやすいし追いやすい!

 

 

と、ご紹介はこんな感じで。

以降、読んでいる前提での感想です。

ネタバレもバンバン挟みますのでご注意を!

 

 

 

 

▼ネタバレ▼

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

幼女「待ちくたびれたぞ勇者」

 

[概要]

 

鈍感善人勇者×クーデレお人好し魔王。

虐げられた過去や孤独の恐怖など、シリアス展開はあるものの、「いやもうこの勇者ならハピエンまっしぐらだろ!」と信じさせてくれるパワフルさもあってサクサク読めました。良い王道!

 

 

[印象に残ったシーン]

 

特に好きだったのは地下牢での乱戦

「あ、今RPGにおけるあのコマンドを選んだんだろうな」みたいな、なんとなし皆のステータスが察せられる戦闘描写で楽しかったです。戦う彼らの姿もゲームのパラメータも両方目に浮かぶよう。いいねいいね。

 

魔女と竜人の殴り合いも好き~……。

お互いがお互いの言い分を頭でわかったうえで、どうしても納得いかないからあえて片方に偏って、お互いが殴り合うことで中道を目指せるという……。

孤独だと絶対にできない解決方法だな~と思うから、仲間の存在がいっそう感じられたし、二人とも「相手が言わなきゃ自分が言ってたけどただ気持ちの整理がつかなかった」と自覚しているのもすごく誠実

謝り合える素敵関係だった……。

子どもっぽいけど大人な二人だよね……。

 

ルーラの日数制限や魔王の結界など、便利魔法には代償が用意されている世界観も丁寧。

代償の解決策や作中時間がちゃんと管理されていて、読みやすいけどなんでもありではないバランスが受け入れやすくて好きでした。

 

 

[一言]

善人ばかりじゃないからこその善性の話、いいよね……。

 

 

 

 

勇者「百年ずっと、待ってたよ」

 

[概要]

 

公式の作品紹介ページにある通り、がっつり容赦なく鬱展開

苦労人で頑張りやな彼×全力投球で彼の支えになりたがる彼女。

『幼女「待ちくたびれたぞ勇者」』の前史ですが、読む順番はこっちが後でOKのはず。

 

 

[印象に残ったシーン]

 

純度の高い悲劇、大好きです……。

すれ違いによる鬱シーンが多いんだけど、どれも回避しようがない筋書きだったところが好き。短絡的な誤解ではなく、納得がある。「しょうがないよなあ、でもどうすれば……」と思いを馳せたくなる良き鬱でした。

 

悪者ってそんなわかりやすく決まってるわけないんだよなあ……。

ちゃんと最後まで勇者に優しい人もいるからこそなお、真実味があって痛い。

 

 

ラストの繋がり方がむちゃくちゃ美しかったですね……。

「手紙を読み上げる声」っていう表現で確かに「ん?」となったんですよ。ちょうど読み流せるくらいには自然でしかし気に留められるくらいにはがっつり効いてくる伏線。うまい!

 

他にも色々な謎や伏線回収がばっちり。

勇者が名前を思い出すくだり、勇者の瞳の色、抜けなかった魔剣……。

鬱展開だからもちろん心は痛むし手も止めながら読んだんだけど(もちろん良い意味で)、一方で文体としてはすごく読みやすかったし気持ち良かったのは、構成が巧いからだと思います。

 

思えば、手紙を持っていた人たちに面影を感じたのも、ラストの輪廻転生につながってるんだよな。

本当に構成が美しい……。

 

 

[好き箇所引用]

 

この作品特に刺さったシーンが多かったので、一部だけ引用。

問題があれば教えてくださいませ……!

 

”祈りも願いも努力も他人への献身もことごとく踏みにじられてしまう様とか、最初から最後まで救いようのない筋書きとか、

 そういうのって意地悪な目で見て楽しいって感じるんじゃなくて、どうしようもなく悲しいけどそれと同時に、ただ美しいんだ”

 

私はバッドエンドも大好きな人だから、美しいと言ってくれるのがとても優しい視点でありがたかったです。

 

 

“「ああ神様っ!!! 神様!! 私たちの尊き創造主様!! いつかあなたも殺しに行きます!!」”

 

この文章そのものもそうですが、それ以上に、ここを読んだ時の気持ちを併せて記録しておきたいのかも。

これが彼女から発せられる絶望も衝撃的だったし、次作を思うとこれをもしかしたら聞いていたかもしれない鍵守の心境も複雑だろうし、いろんな意味で痛みが満ちていて好きでした。

 

 

[一言]

 

この話が一番好きかもだし、狩人さんの結末が特に好きかも……。

 

 

 

 

勇者「世界崩壊待ったなし」

 

[概要]

 

シリーズ完結編。

ラストの2文が魂に刻み付けたいくらい美しい。

過去作も含めて全部通して読んだからこそ感じ取れる美しさなので、ぜひ順番通りにどうぞ。

 

 

[感想]

 

基本的に私が固定カプ厨なので、序盤でNTRの波動が出ていたのは実は苦手でした……。メタ要素が入ってきたり、別世界でドンパチしたりするところも。

でも、だからこそ後でネタバラシされたときにはすっきりしたし、ああいうドタバタを乗り越えたからあの結末に辿り着けたんだとも強く感じます。

 

「物語は必ず私たちのそばにいてくれる」っていうあたたかさが本当に染み入ります。キャラクターを個人として大事に扱っている作者様だなあと……。だから鬱や痛みもちゃんと響くんだろうし。

前2作も十分満足度の高い作品でしたが、それを超える作品がお出しされて、もうお腹がいっぱいです。なんて幸せなんだ。

 

作者って絶対的な存在だけど、でもキャラクターだってけっこう思い通り動いてはくれなかったりするし、意外と何でもしようと思ったってつじつまが合わなくなるよね、みたいな。

そういう、「作者の全知全能の隙間に生まれた子たちが命って呼べるんじゃない?」って感じがしました。

 

 

1作目が人と魔族の未来を作る話、

2作目が人と魔族の過去の話、

3作目が人と魔族がを生きていく話……。

時系列もきれいに整ってて大好きです。

 

 

ピンポイントな感想だと、魔王様がずっとかわいかったですね~。

荒くれに威風堂々ド正論パンチしかけたうえで、背筋を伸ばして敗走することになったシーンが本当に好きです。情けないはずなのにかっこいい。

魔王様は何でもできるわけじゃなくて、それこそ対人関係や気持ちの整理は苦手だったり、魔力特化型でできないことも多いのが好きだなあと改めて感じました。

 

創った人は、みんなが助け合ってやっていく世界を求めたんだろうなあ……。

 

 

[妄言]

 

男女カプが増量されてて嬉しかったです!

 

ここは二次創作でやれ案件なので、折り畳みにて。

 

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竜人×姫のラブコメ後日談、読みてぇ~!

姫が(心身に損害のない程度の蓋を開けてみればちょっとした理由で)誘拐監禁されてプッツンくる竜人さんが見てぇ~! バリバリヤンキーモードでカチコミかけた先では姫があっさり問題解決してて犯人とのほほんティータイム交わしててほしいし、それで我に返った竜人が顔赤くして大騒ぎになってほしいです。

 

読みたいよ魔女ちゃんどうしたらいい!?

「おもしろそー! あたしも読む読む」「他人事だと思って……」「だって他人事だもーん」「ほう、例の彼とはどうなんですか?」「誰?」「向こうから花束もって全力ダッシュで駆けてきている鎧姿のあの彼ですが」「モブにあるまじき体力! じゃ シュッ」マジョサーン……

読みてぇ~……。

 

つい妄言を吟じてしまいましたが、なんかもう彼らが自由に脳内でしゃべりだしてしまうくらいには、本当にキャラが生き生きしている作品でした!

 

 

[一言]

 

君の描いた物語が君を助けにくる、そんな展開を信じたくなった人へ。

 

 

 

 

余談

 

フリゲ関係のオンラインイベントの際に、作者様がエアスケブを受け付けていらしたので、怖れながらリクエスト申し上げました!

 

 

快く描いて頂けてとってもとっても嬉しかったです!!

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

とってもキャラクターが生き生きしていて、世界もどっしり息づいている素敵な作品なので、気になった方は是非!

 

 

 

 

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