前置きをすっ飛ばして「新説魔法少女」感想記事の後編!
今回はどこまでもネタバレ全開な、ストーリー&キャラクター感想編。
未クリアの方は前編であるこちら↓
shiki3.hatenablog.com
↑の感想記事をご覧くださいませ。
というわけでさっそく、以降は追記に格納!
伏字も何もなく完全にネタバレしているのでお気を付けください。
※ネタバレ注意!
ストーリー・キャラクター
エンディング
タイトル回収が気持ち良い……!!
エンディングはやっぱり、“掴み取った”という気持ちが大きかったですね……。強敵が絶望的な強敵として数値化されているからこそ、勝ちを噛み締める喜びもひとしお。
プレイ中は正直、ここまでハッピーエンドになれるとは思っていなかったので、とても驚かされました。身近な居場所を守りたい一心で戦ってきた彼女たちだからこそ、架橋町の名前にかけて物語が閉じるのもまた、達成感があって良い……。
きちんと死は不可逆のままなところが大好きです。言いたいこと全部千代子ちゃんが言ってくれる。
苦しいシーンも感動シーンも多かったですが、遥ちゃんとの背中合わせのあの最強技が一番泣いたかもしれません。引きずるって意味じゃなくて心に留めるって意味で、千代子ちゃんと遥ちゃんはずっと一緒でいてほしいな……。
比較する二人
千代子と唯
この二人ってたぶん意図して対応するようなキャラになってますよね……?
内面もそうですが、見た目も黒髪ストレートロングで近いなあと。
プレイ初期はやっぱりもちろん、遥と千代子がシンメトリーに手を組み合う物語だと思いながら進んでいたので、唯もまた千代子と対応する関係になるとは驚きでした。
序盤からこういう構想でストーリーを組んでたのかなあ。開発秘話とかも見てみたいものです。
千代子
・あたたかな家庭→事情を話せばわかってもらえる
・敵でもなるべく助ける
・ルールや時間にルーズ
・学力低い問題児
・弱ると自分を壊していく
・自分の信頼した相手だから手を止めずに成し遂げる
唯
・悲惨な家庭→事情を話したところで変わらない
・敵には容赦しない
・規律は守る
・学力高い優等生
・弱ると他者を律していく
・自分の信頼した相手には手を止めてためらう
二人とも、自分独りになっても戦う覚悟があるし自分の街を守るっていう正義感があるところは共通なので、なおさらグッと唇を噛み締めたくなります。似ているけど歩いていく道はまったく違うんだ……。
ヒーロー気質と王様気質……? ちょっと違うかな。うーん……。
本編では唯が孤立していきますが、学校では千代子が嫌われ者であるように、どっちが正しいってわけでもないんですよね。環境や見方による。ここも多角的で好き。
葉子と琴音
序盤は天才と秀才みたいな比較がされていたかと思いますが、終盤の絡みは少なめに。葉子の糸がふつっと途切れちゃったのが大きなターニングポイントなんでしょうね……。
琴音
・観察から分析して知識の引き出しから取ってくるのが得意
→サボっても巻き返せるのでダラダラすることもある
・誰からどう見られようとあんまり気にしないので、コミュニケーション不和を起こしやすい
・自分本位なのでメンタルが強い
・友達(伊万里)の存在が自分ではどうにもできないので弱点
・これから何が起こるのか予測できるし、対応する自信もある
葉子
・経験則から予測するのが得意
→時間をかけた蓄積が必要、「(琴音に対して)もっと効率的に……」となる
・人の目線を意識しているので、期待に答えることもできる
・他者本位なのでメンタルが弱い
・友達(米子)の存在が自分を支えてくれるので強み
・これから何が起こるのか予測できるが、対応できるか不安
こうしてみると、能力は比肩してるけど芯の部分が全然違う感じ、なのかな……?
ライバルみたいな扱いで進むのかと思いきや、自然と道がそれていく感じも、なんだかリアルだなあと思った覚えがあります。
終盤はむしろ葉子とひよりに似た面が見られるかも。リーダー扱いされるけど実は虚勢だしサポート気質なところ、ね……。
朔也と祐樹
語りたかった、二人とも女グループに男一人の弄られポジション! 二人とも好きですし、二人とも違った味があっていいなあと思います。
朔也
・漢らしさ→空手、女子を率先して守るスタイル、純粋な力としての男らしさ
・女々しさ→惚れた弱みでどこまでもヘタれる、弄られても言い返すより避ける、強さがある故のやり返すとやりすぎるからやらないみたいなヘタレさ
・殴り返せるパワー(空手)を持ってるから負けないためにそもそも戦わない(自分が折れる)
祐樹
・漢らしさ→譲れない一線はきっぱり守る、大事な人は何がなんでも守る覚悟がある、胆力としての男らしさ
・女々しさ→周りに配慮して譲る、自分より相手の要望を叶える、優しいが故に男性として見られなくなる感じ
・殴り返せるパワーがあまりないから負けてもいい、なので強敵にも立ち向かえる(時々ビシッと言い返す)
みたいな印象。二人ともあんなプリティフェイスなのに、全然違って見えますね……。
他にも、他者排除型ヤンデレの栞と崇拝型ヤンデレの要、などなど……。
取り上げたらもっと深みのある関係性はいっぱいあるはずですが、とりあえずはこの辺で。恋愛関係や友達関係だけでなくて、こういう一見無関係そうなところにむしろ深みがあるの、すごいキャラ造形だなあとしみじみ。
全員取り上げたいくらいに個性的なメンツではありますが、断腸の思いで特に語りたいキャラだけ。
千代子
序盤は彼女のコマンド挑発の意味について考えてしみじみしていました。
挑発持ちユニットと言うと、よくある生意気キャラが相手を馬鹿にするとか騎士がいざ尋常にと宣言するとか、そういうシーンを思い浮かぶんですが……。千代子がどちらにも当てはまらない感じ。
もしかしたら第三者視点で「この子トロくてバカ正直でいちいちカンに障る」みたいに疎まれているところがコマンドとして現れたのかなあとか。そして氷核取得を経て、自己犠牲精神の文脈が乗っかるようになるみたいな……。
「庇う」じゃなくて「挑発」なのがね。いやまあシステムとして庇うだと誤解が起こりそうという理由も大きいと思うんですが、ちょっとしたファンの妄想として、色々と味わい深かったです。
遥
被弾グラフィックがブチギレなの本当に好き。千代子より短気ですよね、彼女。いざという時に手が出るのが千代子の方だからあっちが目立ってるだけで、内心の荒波は多そう。
告られたから付き合ったけどなんか別にな~、自分の時間欲しいしな~、みたいな感じ、わかりすぎて笑っちゃいました。生々しい……。
でも遥ちゃんのすごいところは部活でも先輩としてちゃんとしててクラスでも浮いていないところですよね。たぶん彼女の根っこの部分ってけっこうオタク気質というか……こだわり強くてやや個人主義なんじゃないかなと思っているんですが。自己紹介文の通り、ここをマイルドにして周りと協調できてるの、えらいな~と思います。
ここはド偏見ですが、あんまり興味ない集まりにも一応ちゃんと参加はするけど(あ~今の時間があればレベリングできるのにな~)とか考えてそうなイメージ。何なら彼とのデート中ってこういう感じになってそう。そして申し訳ないなって反省する感じの。
ここまでいくともはや二次創作かもですね……ははは。
唯
みんな好きになるキャラじゃん知ってる。みんなは主語が大きい! はいすいません! 私は好きです!!
やっぱり胸が熱かったのは「ワールドイズマイン」ですよね……。あまりにも哀しい。お姫様とか言ってる場合じゃない。もともとその合理的な思考が気に入っていたんですが、このシーンでさらに好きになりました。
世界とか時間とか、ただ過ぎ行くだけで味方になってくれないものというイメージの強い概念を、あえてこれだけが私の味方になってくれたと表現するの本当に……。泣くしかない……。
唯の味方になってくれる子たちだっているじゃん、と言いたくなりつつも、その子たちが現実として彼女に適切な環境や法律上問題のない安息を与えられるわけではなく、また与えられたとしてもその時点で対等になれなくなってしまうという。頭良いからわかっちゃうよね唯はね……。
痛々しくて、心に残ります。
見た目も性格も性能もむちゃくちゃ好きです~!!
加入した時から一目惚れってくらい好きでした。
まずもうスキル名が美しすぎる! だって「夜の虹」「昼の花火」ですよ!? 良い……。でけえ大剣振り回すのもロマン! 最高!!
加入時の「宇宙の一部って感じがして切なくてちょっと好き」というセリフもあいまって、もう大事にしようと心に決めたキャラでした。
加音ちゃんと同時出撃させると、会話がちょこちょこあるのもかわいい……。だからこそ、終盤のイベントでぼろぼろになる加音ちゃんの悲惨な立ち絵が際立って、良い……。
ほにゃほにゃした平和主義なところと、根性見せて大切な人を守る覚悟、両方を持っているところも魅力的だなと感じます。
琴音
上記でもちょっと語りましたが、能力は器用なのにコミュニケーションは不器用そうなところが愛嬌を感じて好きです。反対意見を押しつぶすんじゃなくて、あーじゃあもういいよってふらふら~っと去っていきそうなところが、まさに風。マイペースな生き方を心地よく思うからこそ、人にも押し付けないのかなとも。
守るものがあると強くなれるタイプな気がしていますが、逆にピリピリした雰囲気も高まってより人が寄り付きづらくなりそうなので、一長一短なのかな。
伊万里に振り回されたりくんずほぐれつしたりしていて欲しいです。
香・リリー・朔也
香とリリーは単体で登場するとたぶんかなり苦手なキャラなんですが、二人がお互いにほどよく弄りあったりしてくれるおかげでマイルドに受け入れられました。朔也が混ざることでさらにガツンと言う時と言わない時のバランスが生まれて良き。
特に香は遠距離アタッカーとしてとても重宝しました。削りで使うことが多かったのでレベルは上がりづらかったですが、かなり使いやすかったです。
キャラとしても、敵から逃げちゃうシーンは特に好きでしたね~。ごまかさずに弱い面がしっかり描かれているキャラは、叩かれるだろうというリスクを背負ってでも生々しさや奥行きが生まれるので素敵です。
リリーと朔也の外見って、金髪銀髪&赤目青目ですごく対照的ですよね。二人並んでると美男美女だな~と感じます。かわいい。
祐樹と忍
様々な百合や愛憎や友情が飛び交う本作ですが、一番ぶっ刺さったカップルがこの二人です。
良い! 弄りまくる忍が、たまに祐樹に叱られちゃうの、良い! ちょっかいかけにくるのは忍なのに、祐樹のほうが強く意識してそうなところも、すっごくすっごくすっごく良い……!
エピローグで忍ちゃんからモテたいと思ってそうな祐樹のいじらしさにもうにっこにこしました。早くくっついてほしいしなかなかくっつかないで欲しい~! うおお~~!!
『ハーチウム』のシュティとヤンニックでも大騒ぎしましたが、やっぱりこの作者様の描かれる恋愛関係、本当刺さります。助かる。
祐樹が「忍ちゃん」呼びなの、むちゃくちゃかわいくて大好きです……。
栞
第一声「にぃに」でもう好き。
ツインテ妹ヤンデレキャラとかそりゃ好きです。彼女が暴走するばかりだと苦手になってたかもしれないんですが、にぃにが手綱を握ってくれたので好きな面だけ摂取出来て助かりました。
THE脳筋なキャラでユニットとしても使いやすかったです。とりあえず突っ込ませてぶん殴る。移動力もあるので困ったときにあちこちへ走ってもらってました。MP自動回復のおかげでサブヒール係もこなせるという、いやあ有能!
ひより
加入が遅めだったこともあって少し影にいるイメージですが、内面のギャップが光るキャラですよね。
芯はちょっとシャイで臆病なのかなーと感じています。烈への反応もそうですし、姉御って持ち上げられつつもどうしようと困惑しているところもそう。周りに求められるから無理しちゃうけどでもでも、みたいな。
喧嘩番長が実は乙女って王道で良いですよね。好きです。
ユニットとしては、オートリフレッシュ持たせてひたすら超遠距離から拳飛ばす係でした。強敵はそもそも接近したくないので、彼女の無限拳は本当に心強かったですね……。素殴りでそこそこダメージが出せるのも嬉しい。
おそらく本来はクレーン救助係として使うキャラなんだろうと思いますが、まあまあ、こういうプレイもできるよってことで一つ。
烈
彼目線で物語が書かれると、すごく王道にラノベやなろう系の系譜をたどることになるんだろうなと感じます。
学校一の不良な主人公が、友達が化け物になるのを目撃し謎の事件に巻き込まれ、力を持たないなりに奔走し恩人の娘と手を取り、不思議な力に目覚め、事態を収めて元の日常へ──。
すごい、もう彼視点でドラマが生まれている。
なんならヒロイン候補もひよりと千代子とテロメアと、変化球でカウントするなら遥で、複数いますしね。
それでも烈君を長々書ききらずに多視点のうちの一つくらいに留めてあるのが好きです。
気づけばずいぶんと語ってしまった。
クリア直後の興奮で書き連ねましたが、語り足りないところもまだまだあります。印象に残ったシーンも好きなマップもね。
ただ本当に際限なく続いていくので、あとは「最高の名作なので合いそうなら是非プレイしてみてね!」で留めておくこととしましょう!
それでは、長文にお付き合いくださりありがとうございましたっ。
shiki3.hatenablog.com
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新説魔法少女+
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