うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「ALICE×BOYS ~夢の国と少年達~」感想

「アリスの象徴は少女か理不尽か混沌かメルヘンか」

はたまた神経衰弱な前置き。

 

 

えー、今回はBananaKingdomさんところのフリーゲームALICE×BOYS ~夢の国と少年達~」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

乙女向けノベル。攻略対象多め、少年多め、1ルートは短めの雰囲気ゲー。

今回、酷評多めです。ただ、気に入らなかったというわけではなく、疑問に思うというか……惜しいなあという感じ? ともあれ書いていきますね。

 

 

少年要素は声とイラスト

 

シナリオで強く少年っぽさを感じたのは、三月ウサギとドードーくらいかな? アリスと年が近いからかもしれませんが、テキスト面ではあまり自分の思う美少年感やショタ感はなかったです。無意識の距離の近さがそうと言えばそうかな。でも、少年ゆえの無警戒さから出るのか、それともこの常識外れのワンダーワールドだからこそ起こるものなのか、好きだからか、みたいなところあるのでやっぱり要素薄め。この辺り、ガチで少年愛の方の感想も是非拝見したいですね。

余談、人の感想が気になる作品だったので検索してみたんだけど、レビューあんまりなかったんだよなあ。ふりーむにはあったのかな。今は撤退してるっぽいですが。

 

代わりにといってはなんですが、ボイスとイラストはすごく少年感強めです! 

イラストほんとすごいんですよ~! キラキラ透明感ある立ち絵もあれば、元気溌剌で素朴な塗りの立ち絵もあって、いや~眼福! 作中立ち絵の、アップと引きの使い分けも細やかでしたし。スチルでも身長同じくらいの子が多めで、見ててすごく和みました。

声ももちろんそうで、女性の少年声好きな方はもう大熱狂だと思います。双子のボイスの人が二人を演じ分けできてたら絶対堕ちてました。いやあぶなかった。

 

 

 

オートモードだと声はスキップ

 

オートモードだと喋ってる途中でも容赦なくボイスがスキップされます。なのできちんとボイスを聞きたい人は丁寧にタップまたはクリックで読み進める必要あり。

ここは需要がかなり分かれるところですよねぇ。ボイス興味ない人はオートでもバンバン飛ばして欲しいだろうし、逆にしっかり聞きたい人はオートでスキップされるならオートモードが無意味になると思いますし。ただ、せっかく大人数を起用してるフルボイス作品だから、やっぱりもったいないなーと感じてしまうかな。

そのわりに起動時のボイスはスキップできない辺りもちょっとちぐはぐ。

 

あ、でも、キャラごとのボイスオンオフを選択できる点はとても細やかで素敵でした! これ実装してるフリゲってだいぶ珍しいですよね。配慮が素敵。

 

 

 

ルートによっては知らない名前がたくさん

 

ルートによって別ではなく、みんなが集まって共同生活を送るので、個別ルートで突然知らない人物の名前が出てきたり、その人とすでに仲良しだったりする描写が始まることがあります。その辺の認識の齟齬をある程度ふわっと流せるプレイヤー向け。それだけでなく、知らないはずなのに知っている、というシーンはかなり多めです。

推奨の攻略順などは公式サイトにあるので、それを元にすると混乱は緩和されるかも。自分はCさんの攻略を参考にさせて頂きました。オススメ!

 

 

 

ハトアリだこれー!?

 

公式のreadmeに「『ハートの国のアリス』シリーズのオマージュと取られる表現が登場します」とあるので遠慮なく明言してしまいますが、「確かにね~」と苦笑はしました。必読に書かれているのは細かい要素だけなんですが、挙げるともっと出てきます。

  • 冒頭落ちるシーンの文体
  • 小瓶をとりあえずエプロンのポケットに突っ込む仕草
  • 主人公にはなりたくないという卑屈っぽいモノローグ
  • アリスというのはただの役名らしい
  • キャラとの交流で小瓶に何かが溜まる設定

等々。

また、「役割」「ルール」といったキーワードを強調する書き方も見覚えあり。いやーアリスもので配役を重視するやり方自体はあるあるですし、そこまでパクリというのはとんでもない暴論ですが。文体というか強調の仕方?まで近いとこりゃ確かにね~という感じ。本作は少なくとも本編中は、アリスと騎士以外そこまで役を強調する必要はなさそうに見えたので、なおさら。

 

最後までプレイするとオリジナル色も出てくるので、パクリとは違う気もしますが。

 

少なくとも、プロローグとなる1周目の描写一連はかなり既視感がありました。特にこの作品のアリスはどちらかというと無気力・自我を奪われているという印象なので、モノローグだけ卑屈なのがより強調されてしまっているように思います。

執筆順とかどうなんでしょうね? 1周目と白ウサギから書き始めてる気はする。ハトアリベースで書いてたけど、進めるごとにだんだん筆が乗ってきて独自の色味が出てきたんだろうなあと邪推できる感じ。

 

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

グラフィック重視で、難しいこと考えずに執着強めの甘いセリフをいっぱい聞きたい方向けの乙女ゲーかなと思います。

 

 

追記ではかるーくネタバレ感想。

 

 

 

 

 

ネタバレ注意

 

 

 

とりあえずゲーム内の描写だけでぼんやり考えた、考察、解釈など。

 

 

 

ペットや友人など関わった人がことごとく死んでいく少女・有澄

疫病神扱いされたり現実世界で行き詰ったり

『アレ』(悪魔?)に魅入られて涙や悲しみという感情そのものを忘れてしまう不思議の国へ、有澄はアリスとして現実世界のことを忘れてしまう

不思議の国の住人達と関わることで過去に出会って来た死を蓄積していく

一定の想い出が小瓶に溜まると有澄が現実の悲しみを思い出して悪魔に食われてしまう?

有澄を助けるために兄と兄の親友が奮闘、兄は現実から、親友は不思議の国からアリスのサポートを影で行う

兄が溜まった小瓶の中身を飲むことでアリスの配役に成り代わり、有澄は逆にアリスの記憶や不思議の国の出来事を全て忘れてしまう

兄が連れ去られそうになったら有澄が止めるために不思議の国へ飛び立って小瓶の中身を飲む

 

 

 

みたいな延々ループを繰り返してるのかなーと解釈しました。アリスルートendは最後の兄の成り代わりを奪って、悪魔に魅入られて消えることを選んだって感じ。