「人の話を聞かないよりも聞いて無視する方が悪辣」
面倒ごとにはバカのフリしていきたい前置き。
えー、今回はうきうき雨季(6月)さんところのフリーゲーム「おまわりさん こいつです。」「おまわりさん こいつです。【改】」「ハートの乙女の一騒動」「サンタクロースにおくりもの」「チダマリ イン グランマハウス」「蒼い太陽のハロウィーン」「WAT」「ちゃんねる・ちょいす」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
ヤンデレギャグから血みどろシリアスまで、幅広い作風。短編がほとんどなので、匂わせる程度のネタバレを含みます。未プレイの方はご注意!
- 『おまわりさん こいつです。』(ギャグ)
- 『おまわりさん こいつです。【改】』(ギャグ)
- 『ハートの乙女の一騒動』(ギャグ)
- 『サンタクロースにおくりもの』(ほのぼの)
- 『チダマリ イン グランマハウス』(ダーク)
- 『蒼い太陽のハロウィーン』(ほのぼの)
- 『WAT』(シリアス)
- 『ちゃんねる・ちょいす』(ギャグ)
『おまわりさん こいつです。』(ギャグ)
[概要]
姉×弟、変態ネタ、どたばたギャグ。クリアまで数分のノベルゲー。道中に分岐はありますが、内容に変化はなく、全ての選択肢を通った後にエンディングの構成です。
[感想]
残念な美形とはまさにこのこと……。
主人公(ヒロイン)LOVEな面よりも、こいつらの性癖ヤベーぞ!な面の方が強めでした。ときめきや糖度よりもハイテンション変態ギャグの方がメイン。
一方、てっきりノリで押し通すギャグゲーだと思っていたので、ラストはおっと驚きました。この短編尺でも意外性を出せるのはさすが。
エンディング固定なところに、姉の譲れぬ想いを感じて楽しかったです。
あと、タイトル画面がBGMもキツめ美人な画像も両方好き。
[一言]
知らずにプレイしてしまったのですが、なんとリメイク版も公開されていますので、これからプレイしたい方はぜひ下記へどうぞ!
『おまわりさん こいつです。【改】』(ギャグ)
[概要]
上記のリメイク版。残念な美形が一人増えました! やんややんや。
[感想]
いや~、雰囲気も絵柄もガラッと変わってて驚きました!
リメイク前はポップでお手軽な印象だったんですが、こちらは背景にエフェクト?がかかってたり、色合いに統一感があったりして、垢ぬけた雰囲気でした。
立ち絵の等身も上がり、特に弟君は大人びて見えてドキドキ。でも、立ち絵のポーズや持ち物はリメイク前と共通なので、前好きだったところもきちんと残ってくれていて嬉しかったです。
新キャラの登場も自然でしたね!
おまけページのおかげで、より彼らの性癖や言動の業の深さがより深まったのも楽しかったです。やっぱり性癖>愛なところが好き!
[一言]
追加キャラや弟ルートの別展開もあるので、エンディングを見たら再度「はじめから」で、お見逃しなく。
『ハートの乙女の一騒動』(ギャグ)
[概要]
ショタおね、変態ネタ、ギャグ程度のSM。エンド分岐あり。全エンドを見ても5分くらいのノベルゲー。さくっと明るい一作。
[感想:キャラクター]
攻略対象は二人。天使のような愛くるしい見た目のアリスと、妖艶ながらも無邪気でかわいいハートのキング(以下キング)。
その中身はなんと、腹黒ショタとサドマゾショタ。
さらには主人公(ヒロイン)もキングを溺愛しすぎて変態行為に走るという、とんでもねえラインナップです。
アリスモチーフでヒロインの配役がサブキャラ(ハートのジャック)ってさりげなく珍しい気がします。一見、クール系美女なのでなおさら、残念度が増してよかったですね~。
前髪がぱっつんなのはキングの真似なのかな? だったら一途でキュート。
[感想:全体]
好きなのはキングルートですね!
二人ともが止まるに止まれないまま脳内麻薬ドバドバハッピーになってる感じが、愉快で良い……。サドマゾばんざーいってなります。
一方アリスルートは、ヒロインの矢印がしっかりキングに向いているぶん、ちょっとアリスが不憫かも? でもツンデレはあっさり報われちゃうよりワアワア言い合う方が似合う気がするので、展開としてしっくりきます。何より、ときめき度は高い! 乙女向けっぽい!
画面もメルヘンゴシックなかわいい雰囲気。
初めの選択肢が立ち絵に被らない位置で表示されたのも、ひっそり丁寧さを感じるポイントでした。
[一言]
当人たちが幸せならそれでオッケー!なノリが楽しめる方向け。
『サンタクロースにおくりもの』(ほのぼの)
[概要]
家族愛、恋愛未満、ほのぼのクリスマス。全クリアまで3分くらいの短編ノベル。選択肢1つでエンド分岐。
[感想]
いやもうとにかくサンタ二人の立ち絵がかわいいんじゃ!!
サンタとブラックサンタ、赤黒でまず見栄えが映えてる! そして、髪型や袖のデザインなどシンメトリーなところはありつつも、対称にこだわりすぎず、共通の色味なリボンをつけたりしているところもかわいい!
元々絵柄が魅力的な作者様ではあるんですが、特に今作はキャラデザのセンスをひしひしと感じましたね~。それこそ創作っ子好きな方にはたまらないんじゃないのかな!?
内容は明るくほのぼの。おっとりお姉さんとやんちゃなショタと家族愛の話。
鬱も不穏もなく万人に楽しめる作品かなと思います。
選択肢の表示の仕方が好き!
[一言]
かわいいショタを堪能しながらまったり過ごしたい方向け。
『チダマリ イン グランマハウス』(ダーク)
[概要]
赤ずきんをモチーフとした、ブラックジョーク会話劇。選択肢でエンド分岐あり、5分くらいの短編ノベル。
[感想]
グラフィックがとにかくかわいい~!
立ち絵も、デフォルメグラフィックも、どっちもとにかくかわいい!
背景画像がただの室内ではなく、主要人物と家の間取りというTHE事件現場検証なのも味があります。喋る時に背景のキャラ駒がぴょこんと跳ねて主張するのも、見やすさとかわいさがWで良きです。
そして、ブラックでキレッキレな会話の数々!
人様のキャラに言うのはちょっと恐縮ですが、いやー、全員が清々しいほどのクズでして! 唯一の選択肢ですらも自己弁護に走ってるところがこれまた笑いを誘います。
かわいい見た目で皆さらっとえげつないことを言うから、ギャップがすごくてもう。
メイン要素ではなさそうとはいえ、ほんのり恋愛っぽいフラグも立ちはします。みんなキュートな外見で中性的なので、その辺お好きな方には刺さるかと。
かく言う自分も、猟師のキャラデザ大好きです!
[一言]
ブラックジョークやダークなユーモアが好きな方向け。
『蒼い太陽のハロウィーン』(ほのぼの)
[概要]
ハロウィンでウキウキな少女に仮想をさせよう! エンド1つ、数分でクリアの着せ替えミニゲーム。
[感想]
是非、ノベコレの紹介ページを見に行って頂きたい。
主人公(10才)というなんかやましい気持ちにさせられる文!
「不必要なまでに奥深い世界観」なる潔さ!
これを事前に見てるかどうかでだいぶプレイ感が変わる気がしています。実際、「オープニングで出てきた二人は……?」となったので、内輪ノリだと事前に書いてあるのはとても親切だなと。
むしろファムの見た目が好みすぎて、ここもっと!となったのはご愛敬。
ちなみに私のようにもっとこの世界やキャラを見たくなった方は、ここに行くとハッピーになれるかも。
本命のお着換えは、もう、大満足でした!
セット衣装はもちろん可愛いですし、あえて外した選択肢にしてもキマる組み合わせがあります。髪色まで弄れるのも嬉しい!
露出多めなので、未成年が色気のある格好は……となる方は注意かな?
私は遠慮なく無知シチュとして楽しみました。不健全でごめん!
よくあるコスプレらしい衣装だけでなく、作中キャラを意識した服や、ハロウィンらしい悪魔角などが揃っていたのもポイント高かったです。
[一言]
着せ替えゲームを楽しみたい方、仮装やグラフィックが好きな方向け!
『WAT』(シリアス)
[概要]
堕落した聖職者たちのクリスマス。エンド1つ、5分くらいの短編ノベル。公式曰く「文字付きイラスト」とのこと。しっくりくる言い回しですき。
[感想]
彼らの物語はすでに始まって終わった後であり、後日談のワンシーンを覗き見させてもらえる──。そんな感じの読了感でした。
キャラクター紹介やPVに近い印象かも?
ズーム演出がオシャレで印象的だったからかな。
文章がカッコイイんですよね~……。
第三者視点で、どことなく美術館の絵画の解説っぽい……。
メインとして登場するのは三人。少女、少年、男。この三人はどういう人間でどういう関係性か、パッとわかるうえに、含みを持たせて読み手に察させる言い回しが知的で好きです。
熱い起承転結といったものとは違うベクトルの作品ですが、足を止めたくなる、何か黒い染みが一つ残るような雰囲気が居心地よかったです。
読み終わってもピンとこなかった方は、作者様のTwitterのネタバレ画像を見ると少し余韻が深まるかもしれません。
WATキャラクター設定🍷 ネタバレです #WAT_6
— 6月☠️ハロウィンゲー公開! (@tikuwa_ss) 2022年2月22日
本編:https://t.co/oHvRL9soc5 pic.twitter.com/b3TfbMTHCH
[一言]
ダークファンタジーな雰囲気や悪役sideの物語が好きな方向け。
『ちゃんねる・ちょいす』(ギャグ)
[概要]
引きこもりゾンビ娘の進路を決めよう! エンドたくさん、総当たりでコンプ可能。全エンディングを見て15分くらいの、周回前提短編ノベル。陰キャオタクギャグ。
[感想]
お父様がクライちゃんを甘やかしまくるの、好きすぎる~~~!
元々メカクレキャラが大好きなので見た目がまず大優勝。そしてクライちゃんへのお砂糖対応で最強になってしまいました。
おまえが好きだからとかでなくてまず「人間は弱いから」っていう理由が出てくるところも、THE人外で、好き……。
どのエンディングでもとりあえず全肯定してくれるのも、安心があって好きでした。
クライちゃんはまずボクっ娘だったことにびっくり。そして、清々しく自分の欲に忠実な甘やかされガールなのにもびっくり。でもこの正直さが魅力的!
それこそ昨今(2023年現在)はこういう、だめだめな女の子が主役の創作物も増えて来てて良いですね……。自己肯定感は低そうなのにガッツはありそうな、このアンバランスさが好きです。
ぎゃらりーも嬉しい機能でしたね!
エンド数に合わせて衣装も髪型も豊富だったので、見返せてハッピーでした。クライちゃん視点であろう一言コメントが見れるのも良い!
ちなみにコンプした方は、コンプリートロゴで見れるおまけもお見逃しなく。あれのおかげで色々と、こう……背徳感?罪悪感?のようなものが……。本人(?)たちが気にしていないからなおさら、はかどりました!
セーブ時に音以外の反応がなかったので不安だったんですが、後から見たらきちんと記録されてました。どうもクイックセーブ扱いっぽい? そもそもセーブ自体不要なくらいにはお手軽プレイできる作品ですしね~。
二回目以降のプレイではさくっとオープニングスキップもできるようになっていて、とても遊びやすかったです!
[一言]
恋愛エンドの意外性が、彼らの関係性を明確に表現していて好きです。
とまあ、こんな感じで。
ヤンデレ、人間×人外、家族愛(支配関係)等々をたっぷり浴びれて楽しかったです!
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