うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「うろおぼえ魔法少女」「夜景」「ポラライザ」「きみはウオズミハルタじゃない。」感想

「できると言われたらやってみたくなるよね?」

技術の進歩を楽しむには最先端を駆けるのが一番な前置き。

 

 

えー、今回はKIJI-N-CHI(kiji)さんところのフリーゲーム「うろおぼえ魔法少女」「夜景」「ポラライザ」「きみはウオズミハルタじゃない。」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

 

どれも短編ノベルゲーム。相互に関係性はないので、気になるお話からどうぞ。

一部、文字入力や選択肢などを含む作品もあるため、詳細は各作品の概要にて。

 

 

 

 

 

『うろおぼえ魔法少女

www.freem.ne.jp

 

[概要]

キーボード入力有りの一本道ノベル。クリアまで数分、ただしネーミングに悩む人はプレイ時間無限大。

 

[感想]

なんもかんも忘れた魔法少女たちにプレイヤーが天の声で助言していくという、この発想がもう素晴らしい! 好きなキャラの名前を入れるもよし、思い付きに任せて好き勝手暴れさせるも良し。地の文がもう面白いので、狙って面白くするのが逆に難しいまであります。

 

ただ設定を入力していくだけでなく、ストーリーもしっかりご用意されています。「うろ覚え」だからこその面白さや、意外と綺麗に収まるオチなど、読み物としても楽しかったです!

立ち絵なしでBGMも一曲とにシンプルなつくりですが、それでも印象を強く残してくれる作品でした。むしろ立ち絵がないことによって自由度が高まっているというのがこれまた斬新。

 

なお、クリアすると入力した各種設定をフル活用した歌詞が画像データとして出力されます。これが一番嬉しい! みんなのプレイ記録が見たくなるフリゲは良いゲームだ!

 

[一言]

とんちんかんな物語を導きたいあなたへ。

 

 

 

 

『夜景』

www.freem.ne.jp

 

[概要]

全部で1000字、短編一本道ノベル。写真を見ながらじっくりと文章を眺める一作。

 

[感想]

一見すると男女の静かな恋愛小説……と見えますが、よくよく考えると若干薄ら寒いものを感じました。夜景が好きで、夜景に恋してるからこそ彼女に恋をするという。彼女の彼女らしさはいらない点が、こう、徹底した不気味さを感じます。

テキストに文字数縛りがあるのか、そのぶん表示文字数はかなり絞ってあります。さっと読んで終わりにさせない工夫なのかなー、なんて。一方で背景画像はかなり豊富なので、見飽きない、それこそじっくりと夜景を遊覧しているような感覚を味わえました。

 

[一言]

ラストに「夜景3」とあったんですが、1と2もあったんでしょうかね? 何度か起動し直したもののテキストに変化がなかったため、謎は謎のまま……。

 

 

 

 

『ポラライザ』

novelgame.jp

[概要]

最大16人の男性との恋愛を切り取るノベルゲーム。1プレイ数分、全エンド見て数十分、BGMなし。

 

[感想]

 

まず特徴的なのが、やっぱりシステム! あちこちで男との縁を得つつも、プレイヤーはただただ傍観者であり続ける感じが斬新なプレイ感でした。男女恋愛ノベルではあるけど、乙女ゲームとは一線を画しています。

初めこそゲームの構成がわからず戸惑ったものの、とりあえず追って行けば辿り着くということがわかってからはすんなり進められました。左の選択肢を選べばフラグ継続、右を選べばフラグが折れるというわかりやすさも好き。

まあただやっぱ、名前だけだとパッと覚えられん! テーマ上、人物を写すわけにはいかないのかもしれませんが。人の名前覚えるのが苦手な私みたいなプレイヤーさんは、一人を一途に追うことをおススメします~。

 

お相手の男性は年上も年下もいますが、全体的に“大人の恋愛”を感じる作品です。恋愛の着地点がセックスになることも多く、事後とわかる隠喩に初めはぎょっとさせられました。

未成年は徹底して守られる辺りもなんか、こう、おお~……と。そこ以外はけっこう貞操観念ガバい描写もあったのでなおさら、譲れない点なんだろうなあと。

「好きだ、付き合おう」といった告白シーンが全く無いのも特徴的。それこそあとがきにもありましたが、カシャ、と写真を撮って、並べて、その過程はこちらが想像で補う感じ。見ようによっては、どこかの誰かの恋愛を要約しただけのものとも言えてしまうので、淡々と進むお話が合わない方には向いていないかも。

 

恋愛の縁の結ばれ方や口説かれ方も様々なので、誰がOKで誰がNGかでそのプレイヤーの価値観が測れそうだなーとも感じました。立川先生が一番好きです。

 

 

[一言]

短編連作の恋愛小説をよく読む方向けじゃないかなー、なんて。

 

 

 

 

『きみはウオズミハルタじゃない。』

novelgame.jp

 

[概要]

推しと恋人にならないノベルゲーム。色んな技術を使用したギミックが発生するので、できればスマホプレイ推奨。

 

[感想]

 

ゲーム起動時に表示される通り、ティラノスクリプトの様々な機能が実装されている作品です。音声入力、カメラ認識、youtubeへのジャンプやゲーム内動画再生などなど……。

私はPCプレイ&カメラマイクなしだったので、実際の機能はほとんどスルーしてしまいましたが、それでも本編は十分に楽しめるのでご安心ください。

ゲーム制作をされている方々にも嬉しい参考になる作品なのではないかなー、なんて。

 

VTuberが主役のノベルゲーも昨今増えてまいりましたが、本作は「推しのデータを収集してAI化する」というヤベーこじらせファンの紡ぐ物語というのが斬新。倫理観よ!?

この時点で生理的にムリーという方もいらっしゃると思うんですが、最後の最後にちゃんとそこら辺の引っかかりは解消される作りなので、落としどころとしてはまあまあ。

AI絵生成とか、人力歌ってみたとか、その辺りに抵抗のない方向けと思われます。

 

推し活は推しの応援を通じて自分の成長や後押しになる……。

ここが同じくVTuberにハマっている者としてとても共感できました。

 

ウオズミハルタでなければこの子の存在意義はない、が、完璧なウオズミハルタになることが求められているわけでもない。この絶妙なファン心理の表現も共感しやすかったです! 推しているが思い通りになってほしいわけではない……。

ノベルコレクション(作品公開ページ)に「癒し」のタグが入っているのもなんだか納得でした。

 

[一言]

日々に疲れている方や推しがいる方へ。

 

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

どれも斬新な技術や切り口が多くて、オッと驚かされることの多い短編ゲーでした!

 

 

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shiki3.hatenablog.com