「かわいいだけで終わらせてたまるもんですか!」
搾取してくるお前もお前もお前も思い知れよの前置き。
えー、今回はCHARON(ねこふじかおる)さんところのフリーゲームおよび無料アプリゲーム「つきみぷらねっと」「フルボッコようちえん」「うつろにっき」「ゆめみメランコリイ」「クビトリさらさ」「ヘンゼルとグレーテルDS」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
それぞれ繋がりはなく、単体で遊べます。ただ、前提となる他作品があるフリゲも一つあるので、そこは概要に注記しておきますね。
全てのゲームに共通する特徴は三つ!
- かわいい女の子のグラフィック
- ヤンデレ
- 底意地悪いタイプの鬱展開
です!
『つきみぷらねっと』
[概要]
ティラノ製ノベル。数分。余命わずかの主人公と、月から来た君。
[感想]
切なくて一途でちょっとダーク、な掌編でした。良くも悪くも雰囲気重視。文字表示やちょっとした演出がだいぶスローテンポなのが個人的には難点。ですが、物語にのめり込むだけの間や演出を作ろうとしているのかなーとも思います。
個人的には願わないエンドが好き。もっとドス黒い何かがあるはずでしょ、と言いたげなところがこの作者様ならではの味だな~と思います。何も願わないということはつまりつきみちゃんはいらない……と考えればより虚しさが際立つ気がして、TRUEを踏まえるとなおのこと好きです。
[一言]
かわいい女の子と終末を迎えられるゲー。
『フルボッコようちえん』
[概要]
ウディタ製ノベルゲー。十数分。幼女に罵倒される。『みことにっき』既プレイ推奨。
[感想]
幼稚園児という舞台設定を利用してプレイヤーをメタ的に罵倒しにくるゲーム。
期待していたのはリアルないじめシーンや幼稚園ならではの展開などだったので、期待外れではあります。が、こうして期待外れと呟いていた時点でことみちゃんの罵倒が綺麗に刺さるので、メタゲーとしては良い作りです。
同作者様の他作品キャラクターがちょこちょこ登場しますが、明確に既プレイ推奨なのは『みことにっき』だけかなー。また、プレイ済みでもぼんやりと謎は残るので、どんでん返しっぽさを楽しむものと割り切っておくほうが良い気がします。
BADエンドもあれはあれでことみの救済と言えるのかも。人を罵倒する時は自分が言われて一番傷つく言葉を選びがち、という説が頭をよぎる作品でした。
[一言]
キモオタ君今日も生き延びて恥ずかしくないの~?www を楽しめる方向け。
『うつろにっき』
[概要]
アプリで遊べる、ヤンデレノベルギャルゲ。選択肢で分岐有、オートセーブ有り。キャラはボイス付きで、CVは有名VTuberが担当されています。
[感想]
いやー、元々私はふわっとVTuber追ってる人なんですが、聞き覚えのあるお名前が載っていて驚きました。フリゲとVのコラボとはたまげたなー。
見た目や喋り方は声担当のVに合わせてる感じですが、名前や性格は別物です。声劇っぽく見えるかも。なお、活舌も演技力も満点です。さすが。
お話としては、クズ主人公×一途ヤンデレちゃん。恍惚とした病み一枚絵もあって、王道ヤンデレゲーって感じです。そのぶん、独自のストーリーを期待するとちょっとズレるかも。
着目したいのは演出かな。ボイス付きならではのやり口や、タップを挟んでしみじみと恐怖を感じさせるやり方が巧みでした!
[一言]
アプリでさくっとヤンデレ美声を楽しみたい方向け。
『ゆめみメランコリイ』
[概要]
ティラノ製ノベル。数分。猟奇ヤンデレ。
[感想]
readmeにある通り、突貫工事の作品とのことでストーリーは雑。やりたい猟奇シーンやヤンデレシーンのために、諸々が都合よく吹っ飛ばされます。雑な射殺許可からのお涙頂戴はもはやギャグ。切断に気付かないのもさすがにギャグ。ただ例のバッドエンドはこれがやりたかっただけだろ案件で吹き出しました。
といってもグラフィックはやっぱり可愛いですし、ゲス顔もキチ顔もしっかりあるので、それらを堪能したい方はささっとプレイできておいしいとこだけ取れて良い感じかも。
なおフルボイス版もあります。CVはこれまたVtuberさん。個人的にはまったく合わない声でした。あまとろボイスと活舌悪いのとはまた違うんだよなあ……。逆にリスナーの方は嬉しいコラボなのかも。
[一言]
顔か声が好みなら結局はおいしく頂けるよねな感じ。
『クビトリさらさ』
[概要]
ティラノ製ノベル。数分。グロ切ない系。
[感想]
お堅い文体ながらちょこちょこ言葉が崩れるので、読み物としては微妙。でも雰囲気作りはすごく良いです。どのエンドでも結局ああなるの、なかなかに業が深くて好き。
達観した毒婦っぽい雰囲気と、一人で雪の中孤独に過ごす女性と言うもの寂しさ、このアンバランスさが良かったですね~。谷間の描き方も絶妙で好き!
メリバエンドのほうはちょっとよく考えると釈然としませんし、あの後さらさが一人になるのかなと思うと寂しくもありますが……。雪の中だと腐るのは遅そうだし、身体だけでもあるなら……みたいな感じなのかなー、なんて。
[一言]
民話ホラーっぽさと色気のある爛れた雰囲気にピンと来るなら。
『ヘンゼルとグレーテルDS』
[概要]
ティラノ製、ノベル型のクリック探索ゲー。妹との恋愛要素あり。
[感想]
・黒いグリム童話
しっかりホラゲーしてる~!! というのが第一の感想。
ここまで一連プレイ順で感想を記載してきたんですが、小粒でジャンキーな感じの読み物が多かったので、ここにきて高クオリティなものがお出しされて嬉しかったです。これだから作者様追いはやめられないんだよなあ。
メタネタが飛び出てくるところは世界観壊してて個人的に合いませんが、エンド分岐のフラグがわかりやすくてプレイヤーに親切なのは良点。
・探索が楽しいマップ移動
探索と言っても途中までは一本道。ですが、道中にちょっとした会話がたくさん仕込まれているので飽きることはありません。慕ってくれるかわいいかわいいグレーテルと戯れるもよし。セリフの裏に仕込まれている闇にぞわぞわするもよし。
やろうと思えば探索はガン無視して先へ先へ進めるので、お急ぎの方もプレイしやすいかなと思います。もったいなくはありますが!
・緩急の付け方が痺れるエンド
複数のエンドが楽しめる本作。ただのパターン分岐ではなく演出の違いにも凝られているところが素敵でした! 特に私はグレーテルが笑いかけてくれるあのエンドが好きですね~。じっくりと時間を取ってくれるぶん、鳥肌モノでした。
今回の主人公は他と比べるとやや気概がありますが、特定の場面ではドヘタレクズ化するところも安定のお味。ヒロインが主人公好き好き大好きなのは言わずもがなです。グレたん呼びかわいいんじゃ~。
[一言]
エロあり鬱あり、まさにダークサイドな童話。
とまあ、こんな感じで。
オススメするなら断然、『ヘンゼルとグレーテルDS』。
といってもこの作者様の売りはかわいいグラフィックとわかりやすいヤンデレ演出にあると思うので、とりあえず気になる女の子がいたらそこからプレイするのが良いかと思います!
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