うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「終極のヨル」「つばさヘブン」「夕夏プールサイド」感想

「沈む時も病める時も分かち合って逝きましょう」

光より闇を知ってこそ絆が生まれる前置き。

 

 

えー、今回はcream△(乃花こより)https://nohana-no3.jimdofree.com/さんところのフリーゲーム「終極のヨル」「つばさヘブン」「夕夏プールサイド」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

それぞれ繋がりはなく、単品で楽しめる作品です。どれも短編ノベル。

 

 

 

 

『終極のヨル』

www.freem.ne.jp

 

[概要]

千文字で構成されている掌編ノベル。全クリ数分一本道。千文字喫茶参加作品。

 

[感想]

荒廃した世界観と神話的な雰囲気が楽しめる作品。スチルが一枚差し挟まれるんですが、この色、瞳の美しさがずっと印象に残るお話でした。

ティラノ製なのでノベルゲーとしてはシステム不足を感じますが、そもそも短編ですしエコな作りだと言えるのかも。さっと読み終わってまた余韻を噛み締めるように繰り返し始められるところも、作品のオチとうまくかみ合っていて素敵。

 

[一言]

退廃、神話、教訓話のような雰囲気が好きな方向け。

 

 

 

『つばさヘブン』

www.freem.ne.jp

 

[概要]

30分強1時間未満くらいのノベルゲー。エンド分岐有、終盤の選択肢総当たりで回収可能なので難易度は易しめ。ヤンデレとクズ。

 

 

[感想]

 

人様のキャラを罵倒するのは躊躇いがあるんですが、本作は紹介文とキャラの名前からして公式でクズなので遠慮なく言えます。

本作はずばり、ヤンデレとメンヘラとクズ! 

そしてご都合鬱なファンタジー設定! 

総括としては、お手軽にドロドロ愛憎と流血描写を楽しめるB級ホラーでした。

 

不倫要素を推しているとおり、メニュー画面で罪悪感が掻き立てられるところがグッド。良心はあるけど自分が一番かわいいという、生々しい中途半端さとクズっぷりも小粋です。

血がゆっくりと溢れてくるようなスチルや、ハッピーエンドのラストがオープニングとリンクしている点など、演出もしっかりこだわられていた印象。

肝心の世界観設定、例の彼女の神様的な能力などについては疑問が残るので私はどうも物語に入り切れなかったですが、それはそれと割り切れる人ならより楽しめるかと思います。

 

 

[一言]

可愛くて色気たっぷりの女の子の凶行にわくわくしたい人向け。

 

 

 

 

『夕夏プールサイド』

www.freem.ne.jp

 

[概要]

ヤンデレBLだけど赤い描写はなくて破滅願望な感じ。10分強くらいのエンド分岐有ノベル。分岐はラストの選択肢だけ。

 

 

[感想]

 

今までノベルツールを使われている作者様だったのでツクールMV製だったことに驚き。文字送りや回想などがないのは変わらず手間ですが、選択肢の直前でセーブを挟んでもらえるのはすごく有難かったです。

 

注目したいのは、マップの夕焼けの演出! ちょっとしたシーンではあるんですがカメラの使い方が良くて、一瞬で終わる青春の儚さみたいな演出を感じるんですよ……。おまけ部屋もそうなんですが、あえてツクールを選択したからこその良さもしっかりありました。

ストーリー自体はどちらも、結末は違えど彼らにとってはハッピーエンドな気がしています。あの選択肢のほうがTRUE、二人が分かり合ったからこその結末というのがまた深読みできてよいですね~。

あと、全体的に彼らが学生だからなお響くお話だなあと思います。なんていうか、学期末とか学校が変わるとかってすごくセンチメンタルになるじゃないですか! まだまだ先があるしやりようもある、と周りから言ってしまうのは容易くて、渦中にいるとどうしようもなく焦っちゃう感じ。あの感覚がよく出てて素敵でした。

 

 

[一言]

ふっと消えてしまいそうな雰囲気のBLを味わいたい方向け。

 

 

 

 

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