「隠さないで全部見せて、無いなら無理やり生み出して」
丸裸にしたその先まで味わいたい前置き。
えー、今回はfunyara。さんところのフリーゲーム「或るマゴコロ」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
VIPRPG、読むだけ短編、いわゆる見るゲ。VIPRPG2022夏作品。やみライ+サイコアーティスト。
もしもキャラが使用されていますが、魔法具現化などの設定はなく、初めての方でも楽しめるはずです。
なお、どうしても隠しながら書ける自信がなかったので本記事はネタバレが大いに含まれます。
致命的な部分は追記に隠しますが、ほぼ答えを書いてるようなもんになっちまいましたので、初見の方は是非何も見ずに突っ込んで「ハウワーーーッ!?」とデカい声をあげて頂きたく存じます。
というわけで、良かった点など。
この写真はどうやって……?
ストーキングされるやみっち! ウオオ! この時点ですでにテンション上がっちゃってごめん!!
と、煩悩はさておき。「なんちゃって無理矢理ミステリー」と称されているとおり、本作は推理モノのような体裁から始まります。
パソコンに送られてくる、帰宅途中や自宅の写真……。しかし覚えはなく、自室に通すのは大親友のスイだけ。しかも、やみは脅されるに値するだけの、とある悪事を抱えており──?
不気味が一つ明けたと思えば謎が一つ増え、読み終わるまで驚かされ続ける良作でした。
わかりやすい図解!
見ていて楽しかったのが、謎解きの図解シーン。
カメラを壁に埋めるには? レンズを見えないように偽装したのでは?
疑心暗鬼のキャラたちの推理が、テキストだけでなくわかりやすい図と動きを交えて表現されます。おかげで、一緒になって頭をフル回転させるような没入感が味わえました。
DrillGirl。
ラスボスと見せかけてハヒィ……なサイコパス
個人的にぶっ刺さったのがメインキャラの1人であるティアス。
サイコアーティスト自体はVIPRPGの敵キャラなどで出会っていたものの、キャラ付けされてるのは初めて拝見しました。語尾カタカナの闇商人なんてそんな好きになっちまうに決まってる~~~!
なんと顔グラは自作とのことで、「かなり差分がありましたけども!?」とこれまた驚かされました。二回ほど行われる全力謝罪が最高に好きです。
激重どろどろ憎愛百合
ネタバレ:ヤンデレ百合鬱展開
拝みました。年の瀬にプレイしたんですが最高に情緒がぶっ壊れて、良い余韻と共に深夜を迎えました。もうこういうこじれにこじれた話大好き。ありがとうございました……。
とまあ、こんな感じで。
やみっちとライチが好きな方、鬱展開に心潤される方、サクッと遊べるどんでん返しが見たい方にオススメです。
追記ではがっつり遠慮なしのネタバレ感想。
ネタバレ注意!
ティアス
ティアス、サイコパスと見せかけたうっかりギャグ顔リアクション芸人枠で最高でしたね~!!!!
マジでこういうキャラ好き。たまらん。
もともと百合ゲーという前評判だけ知っていたのもあって、彼もてっきり女だと思い込んでいたので、「紳士」という単語でギョッと目をむきました。男だった! ありがとう!!
終盤は陰鬱になる物語をギャグ顔とリアクションで和ませて、ストーリーに緩急付ける役としても活躍していた印象です。やみライの愛に慄きまくってたのマジで面白すぎる。俺らの代弁者。ありがとう。
やみライ大正義なのはもちろんわかってるんですが、ティアスとやみっちの関係性にもニヤニヤさせて頂きました。やみに壊れられると困る(実利的な意味で)スタンスで、今後とも傍観者だったり二人と突っついたりする役として絡み続けてほしいなと……。
思っていたんですよねエピローグを見るまではね。
はっはっは…………。
ともあれ、百合に挟まらないがちょっかいは出す男として実に良き塩梅でした。
あとがき部屋
自由行動できるってなったらプレイヤーはまずメニュー画面開いてセーブするところから始まるじゃないですかあ……。
見透かしたかのような顔グラと名前欄が追い打ちをかけてきたんですよねえ……!!
いやあもう最高でした。ガチ泣きしました。
「あは」が出るたびに震えていましたが、最後の最後まできっちりこれで締めてくれるの本当好きです。
ちなみに私の解釈としては、消えたのはスイだと思っています。
蛇足だとは思いますが流れとしては
ライチがスイに与える情報は取捨選択できる→今まで隠していたやみっちの悪行を全部スイにバラす→スイの名が呼ばれる(スイが苦しむとやみっちは知ったうえでやってると証明される)→伝聞でも現実でもやみっちの悪行を実感し逃げ場がなくなる→スイは苦しいものを捨てて存在しているが彼女には苦しいしか残らなくなったので消えた
このような。
正解かは知らん! 私の受信した世界線を許してほしい!
プロローグ
見返してギャーーーッと叫んだのが、冒頭のやみっちの照れ顔!!
初見時は「まったくもうこの子は」みたいなほのぼの友情顔だと勝手に解釈していたんですが、見返してそりゃもう悶え苦しみ歓喜乱舞いたしました。
考えてみれば本編ではほとんどスイと一緒にいるので、やみっちが素の表情を出せるシーンってほぼゼロなんですよね……。やみっちが心の中ではあんな感じできゅんきゅんときめいてるんだと妄想すると、いやあ、もう、はかどりました。
結末のえげつなさが二度輝くよ……。好きだ……。
電話の音とか、読み返してみるとかなりきっちりと伏線が張られていてほれぼれ。
「あれライチじゃなくてオリジナルネームなんだ珍しいなー」と思いながらプレイしたんですが、ここも見事に回収されて最高に気持ち良かったです。
語りたかった好きポイントはこんな感じ!
お互いを壊し合いながら高まっていく愛憎百合ゲー、最高でした!!