「神の恵みは天から降り注ぐ」
返礼はいかにして逆流させるべきかな前置き。
えー、今回は牧場の牛肉さんところのフリーゲーム「やさしい雨はいつ降る」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
VIPRPG、数時間くらいでクリアできる一本道やるゲ。デフォ戦。
ワンモアプレス風と説明にあったのでググったところ、弱点突いたらスタンする例のあれとのこと。当方はデビサバ民故エクストラターンの印象が強い……。
ともあれ、良かった点など。
シリアスをブレイキングしていくストーリー
もしもワールドに振り続ける雨、はたして誰が原因か?
導入はこんな感じでサスペンスちっくですが、蓋を開ければ拳でさくさく各勢力にカチコミをかける流れになります。ノリはVIPRPGらしいですが下ネタは抑えめ、ある程度勢いで進められる感じ。それでももしもワールド前提ではあるので、ある程度キャラを知ってる人向け。
主人公はデイジー。起動画面のキャラが操作キャラ。ところどころでふっとシリアスになりかけますが、きちんとブレイキングされます。様式美。
興味深いのが、デイジーの内心がなかなか表現されない点。ここすごく上手いんですよね。いつものノリだと思って進むからこそ、「そういえばどうして」という原点回帰の気づきがあって面白かったです。
シリアスをあえて壊しつつも、お話の芯やタイトル回収はきっちりやり遂げてみせる、プレイ後爽やかな良作でした。
デフォ戦士入門編な難易度
敵の弱点を意識したり状態異常を試してみたりする必要はありますが、難易度自体は“やるゲ界隈の中で考えると”ほどよく易しめだと思います。
雑魚戦全逃げしてドーピングアイテム縛りしてもボスは倒せましたが、初見だとちょっと負けることもあって、私としてはプレイしやすい感じ。ボス戦前に敵キャラがヒントを出してくれるので、理不尽な初見殺しもありません。デフォ戦慣れしてない方の入門編に丁度よい難易度じゃないかなー、なんて。
極力シンプルに削り落とされた装備品など、尺の長さに合わせてシステムが簡略化されているところもプレイのしやすさに繋がっているかと思います。装備品の耐性パズルがあるかないかでかなり体感変わりますねえ。
変わった人選と入れ替えやすい編成
タイトル画面見た時、人選謎だなーと気になってはいたんですよ。で、ノックアウトが好きだったのとこの作者様の他作品が楽しかったのでDLしました。
実際プレイしてみると人選は結局謎なままでしたが、魔王様以外はあんまり操作キャラとして触ったことのないキャラばかりだったので、新鮮で楽しかったです。
性能としても千差万別で面白いんですよね。特にトルネードとスパークが楽しかったなあ。この二人はデイジーが光弱点を突くのに忙しくて回復に手が回らない時にぴったりなんですよ。特にスパークのコスパは凄い。
体感として、魔王様が女兵士の上位互換に感じたり、終盤は耐性の関係でノックアウトが手放せなかったり、使いやすいキャラとそうでないキャラはいたと思いますが……。
それでも、経験値が常時平等に入ったり、いつでもどこでも入れ替えができたりするところはすっごく助かりました。大人数パーティは色々試したくなるもんですよね!
ちょっとした探索要素と会話差分
探索面も細かく色々要素が設置してあって楽しかったです。目的地がわかりやすいマップで、かつ探索も楽しめるっていうのはなかなか貴重。餡軍のバルコニーに出ると雨が降る演出も、さりげなくすっごく情感あって大好きでした。
ボス戦後は倒した敵とお話できるようになっているのも見どころの一つです。アグネファイアかわいいね。あと演奏し続けてるザック達がさりげなくめっちゃ好き。
色んなところに賑やかしのキャラが配置されているので、マップ自体も華やか明るくて好きでした。カニカニ。
最後少しだけ、合わなかった点として。
・おつかいイベント
会話イベントとしてもストーリーとしてもテンポが悪くなっていたように思います。
・敵HPの多さ
マカラカーン&オールブレスでも強化してもなお消化試合っぽくなるボス戦がちょこちょこあったので、特に強敵は最大HPをもうちょっと少なめにして欲しかったかなーと感じます。それか敵の攻撃をもっと激しくするか。ただ、ほどよい戦闘難易度が本作の良さだとも思っているので後者は合わないかな……。
といっても本編のボリュームから考えると些細な点で、全体的にさくさく楽しく遊べた良作でした。
とまあ、こんな感じで。
- 状態異常などで敵を封殺する戦いが好きな方
- 有無を言わさずさくさく敵をぶっ倒したい方
- 茶化しても最後は綺麗に締めるお話が好きな方
向けの作品でした。
PC熱はマジで気をつけようね!!!
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