うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「怪奇!ルサルカ彗星館“潜”」感想

「水槽もさすがにサメは勘弁してくれと申しております」

客を守るはずが割れて害する前置き。

 

 

えー、今回は白黒ステラリウム(黒木静)さんところのフリーゲーム怪奇!ルサルカ彗星館“潜”」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

クリアするだけなら3時間、おまけダンジョンなど含めるともっと膨れ上がる中~長編RPG。水族館を舞台に少女たちが深海生物たちと戦います。

 

www.freem.ne.jp

 

同作者様の別作品「恐怖!ムルムル遺伝症“廻”(以下ムルムル)」とも繋がっており、作品世界の時系列としてはルサルカが未来、制作時期としてはルサルカが前作の扱い。片方をクリアするともう片方に特典が使える形なので、プレイはどちらからでもOK。

 

 

 

 

というわけで、良かった点など。

 

 

 

海は生命進化のるつぼ、足元広がる大宇宙

 

海中水族館、迷子の少女、怪しげなメカクレキャラ、一般開放されていない地下実験フロア……!

この辺りの要素やタイトルのノリからパニックホラーを予想していたんですが、実際は宇宙や人間の進化の道筋を示す広大SFストーリーでした。……そう考えていいよね? いいはず。

 

ストーリーの柱は2本。主人公ノアの過去話と、宇宙的恐怖生命体です。

主人公ノアの回想は、セリフ中心のストーリー仕立て。

作品の舞台となる星の命運を賭けた儀式や怪物については、アイテムを集めて図書館で一読できます。

 

どうしてか自分でもわからないんですが、キャラの個性を見せる明るいシーンもあるはずなのに、なぜかすごく淡々としている印象でした。ノアが理屈屋だからってわけでは決してないと思うんですが……なんでだろう?

伏線はしっかりしており、感情を揺らすというよりは、色々な設定が繋がっていくストーリー構成自体を楽しめます

 

 

 

読んで楽しい魔物図鑑

 

さらに驚きなのが、戦闘中でも倒してなくてもこの図鑑を参照できること! 1ターン消費さえすれば弱点を突いて戦える、というのはかなりありがたかったです。全画面でじっくり落ちついて読めるのも嬉しい。

FFで言うところのライブラがそのまま図鑑になってる感じ。

 

 

 

ステータスは自分で選ぶ

 

レベルアップごとに自分で好きなステータスに数値を割り振れる、だけではありません。

なんと本作で振り分けるのはステータスの「上昇率」。すぐに反映するのではなく、レベルアップすればするほど、こちらのカスタムが影響する仕様です。序盤は所要経験値が低くてレべルが上がりやすい=影響を受けやすいので、プレイヤーの初手が彼女たちの運命を決めるといっても過言ではありません。

降り直しができないという心理的な怖さはありますが、やはりそのぶん、極振りして高火力ぶっ放せるロマンは素晴らしいもの! あくまで上昇率のみを弄るので、キャラごとに最低限のステータスは保証される点もありがたかったです。発想が面白いな~。

 

 

 

敵のスキルをゲット

 

敵が使ってきたスキルをそのまま使えるようになるアイテムが手に入るのも、楽しかったです! あの時苦しめられた技でやり返すぜふはははー、みたいな。

味方のバフができるが敵のHPも回復してしまう、など、ちょっとトリッキーなスキルもあり。使えるキャラの制限がないので、スキルの自由さがさらに増していくのも面白かったです。

 

 

 

装備によって変わるコマンド

 

面白いのが、装備によって戦闘でのコマンドが変化するところ。

「通常攻撃」が複数種類に分かれるんですよ。武器は魔力依存か攻撃力依存か先行か後攻か、防具はMP回復かHP回復か攻撃防御か魔法防御か、などなど……。

組み合わせ次第で多様な戦略が取れて面白かったです!

 

キャラのグラフィックが変化するというちょっとしたお楽しみ要素も搭載されています。かわいい!

私はメイド服が使いやすかったのでそればかり着せていましたが、キャラの性格を考えるとネルには制服がいいなとかノアにはドレスがいいなとか、色々妄想が広がりました。キャッキャッ!

 

 

 

高難易度ゆえの難点

 

ここからは遊びづらく感じた点を3つだけ。

 

・アイテムの反応ポイントがシビア

調べたい箇所のきっちり真ん中に立たないと反応してもらえない他、キラキラ光っていない箇所も紛れているので、移動調整が大変でした……。

移動スピードを変えるアイテムが実装されているのは、この辺りの不便さを緩和するためなのかなー、なんて。

ダッシュ速度がキー1つで変えられるところはすごく遊びやすかったです!

 

 

・ランダムダンジョン生成バグ

階段の上にアイテムが生成されることが多かったのがひとつ。加えて索敵範囲の広い敵がここに登場するのがひとつ。結果、1フロアにアイテムと階段と敵が密集して登場して詰む、なんてこともありました。たはー。

ただ、第2の試練を突破した時点で第5・6のボスを倒しに行けたので、もしかしたらあのまま第4の試練であるランダムダンジョンはスキップしてラスボスにいけるのかも……? 気になる方がご検証どうぞ。

 

 

・マップ全貌が確認できないワープや開閉ギミック

マップなしでのワープ×開閉ギミックは辛すぎぃ!

アナログなマッピングをするのが好きな方もいらっしゃるとは思うんですが、せめてマップ全体を見れるシステムが欲しかったです……。

 

 

ゲーム自体の高難易度設定は嬉しく思う方も多いはずなので、個人的にゲームデザインとは別で支障があったと思われるところを挙げさせて頂きました。

とはいえ、ウディタの仕様などはさっぱりわからん素人の意見ですのでね……! 大目に見てくださいませ。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

けっこうダークな展開や病んでるサブキャラも多いんですが、雰囲気自体はカラッしている作品でした。

歯ごたえのあるバトルをお求めの方や、海の生き物が好きな方に。

 

 

追記ではネタバレ感想。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ注意!

 

 

 

 

 

 

キャラ育成や装備など

 

初期ステータスを見て、おそらくノアが魔でネルが物理だろうと推測してステ振り。序盤はノアがステッキでぶん殴り、ネルはファルシオンと応急手当。

終盤は敏捷がとにかく重要だったので、ルカが敏捷上げ&両手に双子装備になりました。

 

MPがほぼ死にステータスなのは残念でしたねー。

MP攻撃がえぐいのと、強技のMPコストが3桁台なので、MPを上げても大してうまみがないという……。ここは戦闘バランスに直結するので、緩和しすぎるわけにもいかないでしょうし、難しいと思いますが。

そのぶん、ステッキが全て魔力依存攻撃になるのはものすごくうれしかったです! MPが無くても活躍できる魔法使い、良い……。

結果としては魔・攻のアタック極振りで安定だったなと思っています。

 

クマノミの習性」はルカから一生外せなかったです。自動復活がないと終わってた戦闘がいったいいくつあったことか……。倒される前に倒せスタイルができたのもこの状態異常(バフ?)のおかげです。ありがたやー。

 

 

 

ロリタコとメイドイカ

 

ラスボス以外で苦戦したのは圧倒的にこやつらです。テクニカルなバトルでしたね! 楽しかったー!!

撃破はだいたい47レべルくらいだったかな?

まず装備で調整しないと全員敏捷値が負けており、主にタイダルウェイブで全滅しておりました。あーらら。

続いて水耐性を付けて挑んだところ、「死にたくなる言葉」で倒されるという。こっちは紙防御なステータス振りだからね、仕方ないね!

もう少しバランス寄りにしていると楽なのかもしれませんが……二人の猛攻がえぐいので押し切っちゃった勝ちなのかなあ。とりあえず、殴る属性さえ間違えなければなんとか押し通れます。通しました。おっしゃあ。

 

 

 

ラスボス

 

ちなみに本編クリア時はLV52前後。

私はステータスが極端だったのもあり、特に第三形態からの攻撃は一撃食らったら必ず死んでおりました。復活状態が切れたら終わり! ノアのぬくりあ(ニュークリア)が先か、倒れるのが先か!

宝石も10個くらい余っていたので、素直に使ってレベルを上げてから挑めばよかったんですが。高い山を越えたくなってしまい、つい。わはは。3回くらい挑みなおしました。楽しかったです。

 

 

 

ストーリー

 

スクラップブックを読むに、心象とその主はイマジナリーフレンドよりももっと濃厚な繋がりを持っているのかなと思うんですが……。

カップルもびっくりのねっちょりした関係の心象たちもいるんでしょうかね? 他の例も見てみたかったなー!

私は先に図書室へ行って読みながら遊んだのでまだ飲み込めたんですが、そうでないプレイヤーさんがこの心象の設定についていけたのかはちょっと気になるところ。もしかすると「ムルムル~」の知識が前提になっているのかもしれません。

 

メインキャラのほとんどがネルを認知していたので、彼女の正体にあまり驚かなかった、というのもあるかな。

ただ、高次元存在となったネルの穴を補うように(おそらく)シエラも心象に目覚めていたというあのオチは、すごくカッコよかったです! 因果ってロマンがあっていいよね……スタンド使いはひかれあう……。

 

ルカの正体もトリッキーで好きです! 主からそんなに離れて行動できるんだね、なるほど……。

エリックがどうしてもアーカイブ中心の存在になってしまい、影が薄くなる分、ルカがラスボス戦の盛り上がりを担ってくれたように思います。パーティ加入の流れもカッコよかったです。起動画面で一枚絵もらってるのも納得。

余談ですが、ルカだけ顔グラが真正面を向いているのもなんだか印象に残って好きです。

 

 

 

サブキャラクター

 

牛馬犬の三角関係、やべー。

うっかり出来心で手紙を見たらトンデモないこと書いてて笑いました。ヤンデレどころの騒ぎじゃねぇぞ!

かわいい動物さん、って雰囲気な見た目なのでなおさら、ドロドロした関係性がギャップで生々しく感じました。えげつないよー……。

NPCの話もよく聞くとちょっと嫌味言われてる人がいたり、悲惨なことがあっても流されたりしていて、なんだか全体的にシビアな作風だったなあと感じます。見た目は可愛く中身は硬派。

 

 

 

恐怖! ムルムル遺伝症“廻”

 

前述の通り、私はムルムルより先にルサルカをプレイしております。そして、とあるマップでネタバレになると止められたので突入はしていなかったり、まだ手を付けていないおまけダンジョンがあったりしたんですが……。

とりあえずそこは触らずにいったん中断。ムルムルを遊んでから、再びルサルカに戻ってきました。

 

(ムルムルの感想記事は後日投稿予定)

 

結論から言うと、第4層にあるムルムルのパスワードはカジノの解禁のみでした。

カジノの演出がムルムルのネタバレになるから伏せられているだけで、特にストーリーには関係なし! がーん。

 

ただ、ムルムルをプレイするとノアやネルのその後がどことなく、察せ、なくもない……?

どちらかというとムルムルで感じていたもやもやがルサルカのおかげで少しだけ収まったような感じでした。どの順番でプレイしてもスッキリ度はあんまり変わらないような気がしています。

 

 

 

クリア後ダンジョンも一通り攻略完了。

過去ボスたちとの軽い会話イベントは見られるものの、物語の核心に迫ったり膨らませたりするエピソードはなし。どちらかと言えば戦闘好きの猛者プレイヤー向けのおまけでした。

 

ただ、あのクリアリザルトの達成感はシンプルながら無限大!

遊びつくしたな、と満足できるおまけで嬉しかったです!