「これは墓石じゃない、卵たちがいるだけだ」
そうと信じて温めているだけで幸せな前置き。
えー、今回はプロキオンさんところのフリーゲーム「未完成パーティー!」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
クリアまで5時間超ほどのRPG。選択肢ありですがエンドは1つ。
キャラのセリフはほぼなく、ストーリーは大筋でさらっと楽しめるくらいの、バトルメインな作品です。
というわけで、良かった点など。
最大HPを削って進むすごろくマップ
本作最大の特徴であろうシステムが、すごろくマップ!
サイコロを振るたびに主人公の最大HPが削れていくえげつない仕様です。しかも進む歩数はランダム。ひぃ。
ただ、減った分は戦闘でのレベルアップで補えますし、HP増加アイテムも店に売られてはいます。最低限の救済措置はご用意されておりますのでご安心を。
「寄り道はしたいし、見えてる宝箱は開けたい! でもサイコロ振りすぎると死ぬ!」そんなジレンマを味わえるのが楽しかったですね~。
で、ここでかなり嚙み合わせ悪いのが、主人公の職業について。
職業選択制自体は楽しくて好きなんですが、いやあ、実質は戦士一択。
私は魔法職を選んでいたので、もともとHP低い&進むごとにHP減るのコンボでかなり厳しい戦いになっていました……。レベル上げようにも上がる前にもう倒れてる! はっはっは!
でも、主人公の外見を選ぶときの案内キャラのセリフは好きです。あのちぎって投げたような言い方、ツボ。
未完成の仲間たち
まず、仲間はダンジョン内で手に入れるアイテムで解放されていきます。よって、運が悪いとなかなか仲間が増えないまましばらく突き進むことも。
そのぶん仲間の数がむちゃくちゃ多いんですよ! これがまた楽しくって!
未完成とある通り、本作のキャラ達には設定とステータスしか用意されていません。セリフも一つあるか無いかくらいです。でも、スキルや弱点属性、何よりその外見でどことなーく「こういうキャラなのかな」という想像ができちゃいます。
見た目で使いたくなるキャラもいれば、スキルが有用だからと使っているうちに愛着が沸くキャラもいて楽しかったです。
このキャラは探索用? 戦闘用?
パーティはよくある4人構成。加えて、控えに4人おいておくことができます。ただし控えに経験値は入りません。
ここで面白かったのが、マップスキル!
これは各キャラ固有のもので、自動でパラメータを上げたり、マップ上の障害物を壊して最大HPを節約したりと、かなり種類が多様です。中には「歩くたびにお金が手に入る」なんていうものも。本作、お金がわりと手に入りづらいので地味に有用なんですよね……。
このマップスキルがあることで、ただ控えに入れるだけでもうまみがあって、より色んなキャラを使ってみたくなりました。
そこそこ大味の鬼畜バランス
バフデバフ、属性攻撃、状態異常など、基本的な要素が出そろっているコマンド選択バトル。RPGの戦闘としてはかなりベーシックな作りなのですが……。
ダウンロードページに明示されている通り、敵は強めです。そして戦闘バランスはかなり大味です。
ですが、これが仕様とのこと!
ならば、立ち向かうのみ!
全滅しまくった私の辿り着いた最適解としては、ひたすら防御、でした。防御→TP溜める→必殺技使う→防御、の繰り返し。これで大抵は負けません。
時間はかかりますし、かなり作業ゲーにはなります。が、これもまた良い味。これはこれで楽しかったです。
プレイしやすさを考えてあるシステム
いつでもノーリスクで拠点に戻れて、再開する時もマップの進行具合は保たれたまま。仲間が集まるまでは難易度高めですが、ゲーム開始時の説明は画像付きでわかりやすかったり、道中の店は良心的なお値段だったり、細やかなところはとても親切でした。
敵やHP管理が厳しいぶん、システム周りが丁寧。遊び続けようと思えるのはこういうところのおかげだなと思います。
とまあ、こんな感じで。
ボリュームしっかり、独自要素あり、でも小難しくなく気軽に遊べるRPGでした。
追記ではネタバレ感想。
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ネタバレ注意!
キャラクター
特によく使用したキャラについて軽く触れておきます。
そのキャラを解放できるかどうかは前述のとおり運次第なので……ご参考と記録程度に。
フラン・アルロット
わかりやすい高火力!
火属性に耐性のある敵にはからっきしなので使いどころは限られましたが、愛着もあって使い続けました。私は魔法使いひいきなので!
詰まっていたボスで彼らに入れ替えると簡単に進められる、なんてこともあって、低レベルでも頼れるキャラ達でした。
ノア
初めに仲間になりました。確定なのかな?
回復もできるしタンクにもなれるし火力もこなせる、なんならマップ上の障害物まで壊せるオールラウンダー。しばらくは彼と二人旅でしたがそれでも十分なんとかなる強キャラでした~!
ロイ
回復役として起用。自力でMP回復できるので、継戦能力がかなり高かったです。蘇生もこなせるのが助かる。
パースリー
ロイが来るまで回復役になってもらっていたのと、見た目がバリ好みだったので起用していました。この見た目で武人とかではなく商人なのが気になるな~。
シャロン
アイテムが集まった瞬間から、ずっと控えに入れていました。お金は我らの生命線! あとピンク髪好きなのでシンプル好みだったのもあります。闇魔法使いだし戦闘でももうちょっと使ってあげたかったかも。
ユーリィ
スキルがあまりに強すぎて!
ちなみに、彼女を連れて最終ダンジョンのなんか強い気配を倒すと使えるスキルが増えていきます。1ボスにつきその属性に対応するスキルが一つ。これ偶然見つけたんですが、もしかして他のダンジョンにもあったのかしら……。
レイナーゼ
スキル強すぎその2。
物理も魔法も無効化というのはなかなかに最強ですよね。笑う。
困ったらこの子をいれておけ、と言いたいところですが、運よく仲間にできるか不明なのが悩みどころ。
デューク
赤髪なのに氷属性という意外さで使用。
必殺技に凍結付与がついてくるところが大変助かりました。しかもけっこうボス相手でも効くんですよね、凍結。
ストーリー
ほぼないと書かれていたんですが、実際は意外性があって楽しかったです。褒められてブチ切れる犬、まさに創作者の葛藤を表していて実に好き。
よくあるストーリー展開と言えばそれまでではありますが……。でもこの作品で来るとは思っていなかったので思いのほか刺さりましたね。習作だとばかり思っていたけれど、しっかり一つの作品だったなあ。
クリア後の浄化されたマップ演出も含め、ストーリー面も実は好きです。
と、こんな感じで。
『ミスト』などこの作者様ならではの小ネタもあって、ファンとして楽しめる作品でした!