うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「Will」感想

「君に作られた命でも、ぼくが作った意志だから」

何を感じるかなんて自由で良いんだよな前置き。

 

 

えー、今回は便乗 ◆rodt4vEAgU さんところのフリーゲームWill」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

ジャンルはモナーRPG。大型掲示板のノリが許容できる人向け。

この作品の時点で既に2ちゃんねるを憂うネタが出てきているとおり、10年以上超えた今となっては伝わらないネタもありはしましたが──それ以上に普遍的なテーマをそっと見せてくれる作品であるように思います。

 

というわけで、特徴的な点など。

 

 

 

遠くまでいけるマップと組まれた動線

 

一番の特徴だと思うのは、マップの広大さです。

一応、街へ飛ぶワープシステムもありはするんですが、それでも広い! 特に序盤はすぐSP切れして、アイテムをガンガン使っても次の回復地点の遠さに目の前がまっくらになりました。

基本的にマップが循環していて、ダンジョンA→街A→ダンジョンB→街B→ダンジョンAみたいな構造になっていることが多いので、目的地に迷うこともかなり多かったですねえ。なんというか、マップ構成がフリーシナリオ寄りな印象。どこにでも、どこからでもいける感じ。ただしストーリーが進行するまでは封鎖されているマップも多め。

 

といっても立て看板はかなり多めな親切設計。NPCに話しかければ次の目的地もある程度察せられます。複数の話題が出ている時はどちらへ行ってもお話が進行しますし、動線が組んであるおかげでフリーシナリオ苦手でもなんとか進められました。

 

ダンジョンも謎解きたっぷり宝箱たっぷりで、探索のし甲斐がありましたね! 一筆書きの例のダンジョンはかなり悩みました……。スクショ撮って逆算したのは初めてかも。腕が鳴る良きギミック揃いです。

 

 

 

心の赴くまま、動いてもらうRPG

 

前述のマップの広大さこそが本作のテーマに直結すると思うんですよね!

 

主人公フロイトのセリフは全てが選択式で、かなり無口主人公寄り。内情の吐露はほとんどなく、「次は○○に行こう」といった目的の提示すらありません。なので進む道は自然とプレイヤーが定める形になります。

相棒ウィルが誘導役を兼ねてくれているところもありますが……素直にうなずきがたい時も出てくるのは、プレイしてもらえばわかるかと。いやほんとセリフ回しが良い具合に胡散臭くて、でも見方によっては素直で、すごい良いですよね。

 

話が逸れた。ええと、本作はこの広い広いマップを時間をかけて進むことに意義があると思ってましてね。誘導はあれど明確に焦らせるようなワードはなく、自分で行き先を決めてよしとする形が、良いなあと思ったんですよ。心の赴くまま、意志のままに進んで欲しいというテーマに直結しているなあと思います。

 

 

 

死を見せ、意志を見せ、残るものを考えるストーリー

 

もう少しストーリーについて。

作中では死別のシーンが多く描写されます。しかし、それらの多くは主人公に直結することの少ない死です。酷いことを言えば対岸の火事、過去の事象です。

でもこの、「見せるので、考えてみてください」っていう雰囲気がなんかとても好きでした。プレイヤーによって印象が分かれそうだなーとも思います。自分からお話に入っていくタイプの人はぐっとくるだろうし、感情移入するレールが欲しい人は戸惑うかもしれないし。

私はたぶん後者なうえに、フロイトの物語だと思ってプレイしていたので序盤は戸惑ったんですが、フロイトの目をを通じてフロイトの中身をプレイヤーが感じ取ってくお話なんだと思うと、すんなり心に落ちました。

 

 

 

出会わずに済むかもしれないサブイベント

 

最速でエンドを見るのなら、某キャラとか某キャラみたいに、会わずに済むイベントや、行かずに終わる街がおそらく出てきます。

この、行かなくてもよいところへあえて行きたくなる動機が他ゲーと違ってて新鮮でした。他ゲーだと例えばキャラの絡みが見たいとか強いアイテムが欲しいとかの動機があると思うんですが。本作での私のプレイはちょっと違う形になったんですよね。

なんというか、ふらついてたら辿り着いたみたいな。

あんまり明確な動機が無くて、気づいたら辿り着いてて始まってたみたいな感じだったんですよ。ほんとに。で、前述の通りけっこう他人事にもなってしまうサブイベが多くて、結局そのキャラはどうなったのか、あるいはどんな存在だったのか、語られずに終わることもしばしばです。

 

あー、この感覚って旅だなーって思いました。

 

ウィルが言ってくれた通り、旅をしているんですよね。すれ違った人の内情も人生も全然知らないし、成り行きで事は起こったけど、それを追いかけてサブイベを続行させたり見届けれて良かったなあって思ったりするのは自由みたいな。

だから、淡々としてるけど、自然と足を延ばしたくなる作りでもありました。

 

 

 

使いきりのスキル習得とステータスアイテム

 

こはちょっと合わなかった点として

ステータスアップアイテムや術技を覚えるためのアイテムが手に入るんですが、まずこれらが全て使い切り。なので、育てる方向性を間違えたなーと思ったり、このキャラ使いにくいなーと思ったりしても取り返すのはけっこう時間がかかります。

めちゃくちゃお金が余るゲームだったので、それこそウリナラソードレベルの高さで良いのでステアップアイテムを買い直しできたらよかったなー、なんて。

 

一方で、ある程度仲間を好きにカスタムできると考えれば、楽しくもあります。

実際私はしぃとギコを使ってたんですが、二人を高火力アタッカーにして受ければ死ぬが先手で勝てるヒリヒリした戦いを挑むのは実に脳汁が出ました。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

モナー・AAネタという限られた界隈を舞台にして、生きる意味・生きる意志という万人に通ずるテーマを描いてくれる、独特な作品でした。

 

メッセージカードは是非、使ってみてくださいね。

 

追記では攻略まがいのメモなど。

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

フリーゲーム「Love」感想

 

 

 

 

 

ネタバレ注意。

 

 

 

主に封印武具の攻略関係。掲示板等漁っても見つけられなかった、あるいは忘れていたものだけメモしておきます。この記事を投稿する頃にはたぶん忘れてるので攻略質問は受け付けられないよごめんね!

 

 

・武具探しはフロイトの部屋に第二の扉ができてからがオススメ

 →それまでは入れないダンジョンが多くあるため

 →なんならアバター三人を倒してラスボス直前に探すくらいでもいいかも

 

オーパーツドール

 →首都の左の遺跡の右からウリナラタウンへ

  (いつから入れるようになってるのかは謎)

 →鍵入手してソラネーヨの上側の壁へ

 

・モンギコイベント

 →あちこち回ってたらとりあえず会えるし進む

 →ダットの空側の海底神殿(奥地は最強水魔法)

 →図書館の本棚にしれっといるので会話

 →霊峰の開かない扉の所で終了

 

・マンドク鳥の巣はモンギコのみ?

 最上部はなにも無いのかな

 

・チビフサくん

 →ねんねするイベントが起こるまでストーリー進める

 →墓場に入口がある(背景に同化して見過ごしがち)

 →マターリ平原からコロシアム