うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「本当の願い事」感想

「簡単だからといって重要じゃないとは限らない」
取るに足らないことも大事よね、な前置き。

 

えー、今回は「NOSTALGIC GARDEN」さんところのフリーゲーム本当の願い事」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。


分岐ありのサウンドノベルで、バッドエンドは基本的に鬱です。でもハッピーエンドはかなり毛色が変わって明るくなるので、読後感はすっきりするかも。
というわけで、特徴を挙げていくと。

 

 

すさんでいるけど熱い恋の形も楽しめるストーリー

物語は浅井編と渚編の二つに分かれていて、それぞれ視点が異なります。ブラック、と公式紹介にあるように、けっこう精神的にえげつない要素もあり。でも、恋愛ノベルの名に恥じず、しっかり恋というものに向き合っている作品だったと思います。


私が好きなのは断然浅井編でした!鬱展開が印象的、というのもあるんですが……耳年増で内面がウブなところがすごく、年頃の男の子って感じがして好きなんですよねぇ。

男子の衝動的な暴力性も上手く書かれていて、例のシーンには思わずこちらも息を呑みました。なるべく近寄りたくない、面倒くさいという考え方から、近づきたいけどぎこちない、どうすればいいかわからない、という風にシフトしていく様子は見ていてにやにやものです。


一方渚編、真相というか背景事情がわかったのは満足です。ただ、浅井編に比べるとどうしても渚が情緒不安定と言うか、ストーリーに動かされているような印象を受けてしまいました。嫌悪と好意がくるくる入れ替わり過ぎて、理由がわかりづらいというか。あと、メルヘンシーンに入り込み切れなかったところも。
でもやっぱり、あのハッピーエンドのためと思えば渚編も必要なんですけどね。

 

 

不良×優等生

初めは不良男子な浅井視点、2周目以降からヒロインの渚視点で物語を読み進めていきます。
渚を優等生って言って良いのかちょっと悩ましいところではありますが。「ちょっと男子ー!」ってツンツンしてるタイプの子と思ってもらえればわかりやすいかも? ……まあプレイするとそれだけじゃないことがわかるんですが、それについてはプレイして頂くとして。


とにかく、こういうケンカップルっぽい属性に萌える方は多いんじゃないかなーと思います。甘々いちゃいちゃ路線と言うより、ツンツンなのになんか気になっちゃう、みたいな感じ。自分の恋愛感情に戸惑ってる浅井の心情描写にときめきました。

 

 

グラフィックとシステム

既読スキップなどの基本要素はきちんと搭載してあって、特に不満なくプレイできました。あえて言うなら音量調整が欲しかったけど、吉里吉里はデフォルトだと無いみたいなので……。
立ち絵はなく、背景グラフィックとメッセージ枠でシンプルに読みやすい画面構成になっています。ですが、溜めに溜めておかれたぶん、顔つきスチルが出た時の衝撃はなかなかのものです。なので、イラスト重視の方も最後までやってみて欲しいなー、なんて。

 


まあこんな感じで。

 

あとほんの少しひっかかったのが、全編共通して「一応」が「いちお」表記になっていること。必読を見たところたぶん作者さんの癖だと思います。

いや本当細かすぎて自分でもおいおいとは思うんですがね……。

 

 

ネタバレ込みのエンド感想は追記に畳んでおきますね。

鬱展開、現代学園もの、三角関係などにピンと来た方はDLをオススメします。

 

 

 

続いてエンド感想を少しだけ。


ネタバレ注意

 

 

エンドについて

エンド2が大好きです。
いやあまさかこんなニッチな性癖をカバーしてくれる展開にここで出会えるとは思わずびっくりしました。倒錯的。作中の百花を見る限りだと気づくことは絶対になさそうだし、今後の危うい幸福が楽しみで仕方ありません。えへへ。

 

ハッピーエンドは想像以上にうまくまとまっていて、事前にどろどろブラックな心情描写があったぶん、よくぞここまで綺麗に終わらせた、としみじみしました。あと渚のキャラグラ可愛い。やっぱ黒髪女子はいいなあ。

 

浅井編をクリアしたあと、いっぺんゲームを中断して余韻に浸っていたので、いっそうエンドのちょっとホラーな感じが身に染みたのかもしれません。良い鬱展開でした!