「いつか許せるときがくるでしょうか」
時に甘えてしまいたい前置き。
今回は、Planetarium(ぷらねたりうむ)さんのフリーゲーム「銀の欠片と柘榴の実」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
年齢制限と、色々な注意書きを見て頂ければわかると思いますが、鬱展開が含まれます。
結論から言うと大変私好みでした!!! 最高! もうありがとう!!
ただ、ネタバレを隠して感想を書くとなると肝心なところがいっさい語れない作品でもありますw
というわけで、いつものような感想は追記に全部隠してしまうことにしました。
追記ではネタバレ全開です。が、ネタバレは絶対見ずにまっさらな気持ちでプレイした方が楽しめるはずの作品です。ので、既プレイの方のみどうぞ。
同作者様の他フリーゲーム感想記事↓
ネタバレ注意
ストーリー
一週目は、恩人と過ごすうちに少しずつ恋心を温めていくほのぼのラブストーリーです。まあ、注意書きを見た感じ、何かあるんだろうなあと悟りはしたのですが……まさかあそこまで好みな展開だとは!もうたまらん嬉しいです。
ヤンデレが色々と弄って好き勝手する話は、ヤンデレ乙女フリゲーの中でもメジャーになってきました。きたよね? きたと思います。けど、この作品はそれだけじゃなくて、アフターケアまでしっかりしているというか、真実を知って崩壊してしまった後どうなるかまで書いてくださっているのがすごく魅力的です。
あと、“思い通りにできるけどしない”“憎いけど離れられない”といった愛憎要素を物語に取り入れているのもたまりませんでした。
ユリウスさんがここまでやらかしている以上、完全なハッピーエンドはないものと思っていましたが……ヴィック寄りのエンドがことごとく鬱展開好みでどうしようかと思いました。素敵。
キャラクター
エマさん
自分の魅力に気づいていないというか、三人称視点で見ると天然性魔性の女なんだろうなあと思います。序盤の大人しい系、中盤のおてんば系、エンドの冷徹系とかなり人格が(主に彼によって)歪まされている人ですが、それでも根本は一貫しているキャラクターだなーと感じました。怯えるだけじゃなく啖呵切る辺りとか。思わず惚れかけました。
初めのうちは何故村に帰りたがらないのか疑問だったんですが、本能的なものでユリウスから離れるとまずいと警鐘が鳴っていたってことと思うと納得。設定も上手いです。
ユリウス
葛藤するキャラクターはいいものです。あと、根暗で初なタイプの片思いって最高です。ここ掘り下げてくれて本当嬉しかった。
敬語キャラってのもツボですし、いやあ、かなり好みでしたねぇ。あと、作中の開き直った時のやさぐれっぷりが大好きなんです。エンド4・5辺りの台詞回しもすごく好きです。前作「退紅」の時も感じた文章力が今回もびしびし冴えてて凄かったです。
ヴィック
彼が連れ去ってくれるエンドもあると信じていた。
普通の乙女ゲーだと彼の方がメインヒーローな気がしますが、むしろそれを狙ってたんでしょうねぇ。ことごとく救いがないのはエマさんより彼のほうかもしれません……。
BGM、起動画面
全体的にBGM選曲のセンスも好みだし、何より起動画面や台詞ウィンドウのデザインの変わるタイミングなどもぞくっとして良かったです。真実を知ってしまった感、好き。なのでやっぱり変更後の起動画面の方が良いなーと思います。
おまけ
ハンター生活でまた一本見たいくらい萌える設定でした。
憎むのも疲れる、というのが印象的です。実感とまではいかないけど、わりと共感できるところが……。あのエンドに行くにはユリウスに好感度ちょっと振ってる関係もあるかもしれませんねぇ。
エンド1の名前が解放されるのも嬉しかったです。よく見ると、立ち絵とスチルで描き方違うんですねぇ。ざかざかしたタッチというか。
見たいエピソードをがっつり補完してくれる良いおまけでした。
とまあ、こんな感じで。
とにかく好みで満足でした!!!