「潔く弱点を宣言する、その心意気やよし!」
男の戦いと見せかけてただのドMだったらどうしような前置き。
えー、今回はM無月(おでん)さんところのフリーゲーム「プッシュ! 四天王」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
VIPRPG、下ネタあり感動もあり。操作有りイベント中心→デフォ戦→見るゲ。一周目は十分程度、二周目以降全エンド回収で一時間ちょいくらい。これでなんとなしに察してしまう方いたらごめんなさい。
というわけで、良かった点など。
作品傾向のネタバレはするのでご了承あれ。
周到に攻め立てる乳首アタック
とにかく乳首! どこまでも乳首! そして触れる時は素早く的確に!
こう書くとアクションゲーみたいに見えてしまうな。全然そんなことはなくコマンドバトルというかデフォ戦なんですけれども。
乳首ネタでインパクトを出しつつも、擦りすぎず、ここぞというところで燦然と乳首を思い出させてくれるところが楽しかったです。出オチのような本作、出オチだけで終わらせず、きちんと段階を踏んでありとあらゆる乳首プッシュを考えられているところもポイント。
わかりやすい誘導と納得の展開
誘導はかなりはっきり明示されています。てっきりただのネタゲーだと思っていたので、念押しが多かったのは意外だったんですが、二周目の存在を知ってから納得しました。
天丼って言うのかな、すごくこう、ギャグのお約束をきっちり踏襲してくれるんですよ。四天王を撃破する順番がそのまま起承転結に繋がっていて、かなり楽しくプレイできました。
三戦目で「なにぃ!?」と一緒になって思わず叫ぶなど。楽しかったです。
個人的にはこれ自由度出す必要あったのかなー?と思いはするものの、一本道がやらされてる感あるタイプのプレイヤーがいるのもわかるので、最大限の譲歩なのかも。なんて。
見るゲーADV要素と戦闘の混在
普通にストーリーを見るだけなら、さくっとプッシュしてサッと見ておしまいの良ネタゲー。しかしながら、それだけで終わらせるのはもったいない!
まず戦闘中の会話差分から。選択肢総当たりするのが実に楽しかったです!
全部見ようとすると当然倒されるんですが、即再戦できるので全閲覧はスムーズ。というか面白いから普通に全部見た。ナス戦では会話を見る前に倒してしまったので、改めて確認してから倒すくらいには楽しみました。
続いてデフォ戦について。二周目から、あるいは誘導を無視してからはガッツリデフォ戦ゲーが始まります。ストーリーや出オチを楽しむはずが、戦闘もなかなかテクニカルで唸りました。ここにきてむしろ撃破順をどうしようか悩まされるという、このレベルデザインも好き。
さらにはここからまた、見るゲへシステムが戻ります。この見るゲやるゲの切り替えが違和感なく飲み込めるのは、見るゲというジャンル名自体が存在してるVIPRPGならではだな~、なんて。
心温まるようでいてギャグで締めるストーリー
さて、この作者様といえば『煙の魔女勝手に救済』や『盲目少女と王子様』など、シリアスとギャグを調和しつつハッピーに〆る見るゲが有名かとも思うのですが。
その要素、あります。マジか。完全に不意打ちだったのでぎょっとしました。しかしこの方カップリング好きやなあ。
だくねすと五郎、自分の中ではかなり異色な取り合わせだったので、新鮮で面白かったです。
でも好きなキャラはライト。良い具合に愛憎こじらせてるというか、皮肉だしダークだし報われないくせに一途な馬鹿なところがめちゃ好みでした。最後の最後で扱いがアレなのもすごい好き。ちょっと良い話になりかけてもそうは問屋が許さないところに、なんていうか、物語の善悪のバランスの良さを感じます。
熱血でシリアスなんだけど、ギャグが勢いよく差し挟まるからうっかり笑ってしまう。このおとぼけっぷりが逆に、素直にハッピーエンドを信じさせてくれる。そんな印象の一作でした。
とまあ、こんな感じで。
まとめると、どこまでもゲームとして飽きない構成の一作でした!