「完璧になれないから都合よく演じてみよう」
いつかそれが欠片でも本物になれればいい前置き。
えー、今回はエムアイネットさんところのフリーゲーム「レクイエム」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
死後が舞台の短編SRPG。
ほんのりとおねショタ。
前作「死後の世界に触れた彼女は(以下:シゴカノ)」と世界観は共通です。システムも変更点はあるものの、前作と通じるところがあるので、既プレイ推奨かも。せっかくなので、前作と軽く比べつつ綴っていきますね。
というわけで、良かった点など。
召喚制のユニット
まずシゴカノとの変更点から。
シゴカノでは召喚できるキャラは一人だけでしたが、今作はメインキャラ全員がユニットを召喚することができます。さらに、ユニットが常駐するためのコストがカットされました。召喚したユニットは置きっぱなしにしておくのがヨシ。そのぶんマップへの展開の仕方もかなり変わりました。
よって、シゴカノの時と違って速攻よりもじっくりユニットを大事にしつつせん滅するような戦法が求められます。この辺りはけっこうガラッとプレイ感変わりましたね~。
それに合わせてか、補助能力持ちのユニットもかなり増えました。長距離狙撃ユニットも。ひえーん!
間接攻撃持ちをどう攻略していくかがカギになっていたような気がします。
何よりこの変更点、この作品の設定がより忠実にシステムへ再現されていて好きです! 死霊は常に霊力を食い続ける、という点に着目していたシゴカノも好きですが……。今作は悠斗の存在をこの設定でうまく組み込んだなあという感じがしました。
どちらもプレイ感が違うので、総括どっちも好きですね!
能力に個性の出るユニット
召喚できるユニットがキャラによって異なるので、自然と運用の仕方がそれぞれ変わります。ここがそのまま、色んなキャラやユニットをまんべんなく使って、それを通じて敵の行動パターンも学べるというレベルデザインにもなっているように感じました。
ネタバレになってしまうかなとも思うので、詳細は軽く追記にて。
ただ、ここは一長一短だなと思うところもあり……。
以下、違和感のあった点の感想になりますので、良点のみ読みたい方は次項目へどうぞ。
まず、誠一の登場。ストーリー上も膠着してしまうミカと悠斗の中を取り持つ役として出てきたのかな、と思いはするのですが……。ただ便利に話を進めるためだけの人、という印象になってしまいました。
また、それまで視点のなかった佐々木楓と優実がプレイアブルユニットになるのも、どうしても唐突に感じられます。この辺はやっぱりシゴカノのほうが自然でしたねえ。
といっても、キャラが増えること自体はゲームの広がりとしても楽しかったです!
マップ攻略に幅も出ますしね。特に優実は遠距離キャラなのでとても好みでした。
ボリュームアップに合わせた難易度
本作で用意されている難易度は四段階。私はノーマルでプレイしましたが、どのマップも序盤の動きさえ誤らなけばさくさく進める難易度でした。
前述の通り、敵を全滅させていくのが基本戦法になるので、ボリュームもシゴカノと比べてかなり増しているように思います。なので、高難易度でプレイする予定の方は、短編とはいえがっつりプレイ時間を確保しておく方がいいかも。マップ攻略中はノーセーブなのでね。
なお、各ユニットの能力や範囲もシゴカノと比べてより見やすくなっています。操作方法が常に画面上へ表示されててすごく助かる!
ひねくれてるけど善良な主人公
作品の前半はミカ、後半は悠斗が主人公のような印象を受けますが……。とりあえずミカを中心に語るとして。
シゴカノが善人同士の救い合いのようなストーリーだったのに対して、本作はやっぱりミカの性格がかなり雰囲気を作っていたなあと思います。根っこは善人なんだろうけど擦れちゃったんだろうなというキャラクター。その性格が周りに褒められる形ではなくて、出会う死霊とのエピソードや本人の啖呵などから自然と感じられるのが好きでした。
悲壮なエピソードがちょっとこう、上っ面っぽく見えてしまったのはネックですが……。鬱展開好きな私だから気になるだけで、このくらい作り話な雰囲気の方がライトに多くのプレイヤーへ届くのかもしれません。本作の物語において重要なのは、過去受けた仕打ちよりもこれからの二人の話ですしね。
また、世界観や舞台としては、ECや優実などもポイントですね。描写は控えめながら、シゴカノの時系列がしっかりと今も続いていることがわかります。
なんだろうな、シゴカノの方が連載を前提とした短編読み切りって感じだったので、連載決定を見れたような満足感がありました。この例え伝わるかなあ。
ともあれ、今回も優しさとおねショタの物語です。やったね!
とまあ、こんな感じで。
シゴカノからよりボリュームも難易度も広がった一作でした!
追記では軽くネタバレ込みで、諸々のキャラの所感など。
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ネタバレ注意!
ミカ
バリバリ攻撃特化の紙装甲。
攻撃受けたら死ぬから攻撃受けないように移動阻害がある、という、わかりやすいキャラ。
序盤こそ本人も召喚ユニットもガンガン突っ込ませて脳筋できていたものの……。移動阻害無効スキル持ちのランサーなどが登場してからはすっかり後衛になってしまいましたねえ。とりあえずキツネとショットを大量召還する係。
でも悠斗に守られるお姉ちゃんという構図が、そのままストーリーの展開にもつながっていて気持ち良かったです。
悠斗
タンク、紙装甲のミカたちを守るキャラ。として設定されていると思うんですが、ナイトの攻撃力もほどよくあり、実際はタイマン近接の王となってました。ナイトの防御力が十分あったので、カースドールやタートルを使う機会は少なかったです。
誠一
第二のアタッカー。ミカの不足しがちな殺意攻撃を担う形で運用したかなかな。とりあえず喚んどけって感じで、最強格のファイナスを召喚するのが主な仕事でした。
佐々木楓
機動力があるキャラとして設定されてるのかな……? 油断するとぱたぱた倒れてしまい、いまいち上手く運用できなかった子です。私がよく使うユニットと敵との属性相性が悪かったのもあるんだろうなあ。
優実
遠距離特化。ショットとアヌビスを延々と召喚し続ける係になってました。どうしても手数を増やすのが一番みたいなところあるのでね……。できたらシゴカノの時みたいに、本人もガンガン使ってあげたかったかも。
と、だいたいの使用感はこんな感じ!
それぞれキャラにコンセプトを感じるのってやっぱ良いですねえ。楽しかったです!