うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲームサイト「ゆうあかり」7作品感想

「捕らえた後は逃げ道一つ、捕らえる前は無限大」

捕まえるまでのほうが楽しいねな前置き。

 

 

えー、今回はゆうあかりさんところのフリーゲーム「天体宮の守人さん」「終末のトリヴァール」「終末のトリヴァールafterdark」「落花恋恋」「ロコロッカ-da capo-」「秋灯デザイア」「メイライ・キディ」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

どれも短編~中編の乙女向けノベルゲー。ギャグだったり地獄だったり作品によって色は違えど、基本的にはヤンデレものです。

 

作品一覧はこちら↓

 

 

『天体宮の守人さん』

 

【概要】

ほのぼのギャグ寄りなヤンデレ乙女ゲー。ストーカー疑惑の腹黒敬語男×健気な天然毒舌家少女で、ファンタジーお役所な世界観です。

 

【感想】

この作者様のゲームをプレイする度書いている気もしますが、相変わらず、システム画面や背景のテクスチャ加工技術がハイクオリティでしたね!青・星な感じで統一されていて、常にきらきら綺麗な画面でした。

さて本筋の恋愛要素、こちらもがっつり病みや暗躍っぷりを見せつつもほのぼのしていて微笑ましかったです。応援したくなるヒロインって良いですねぇ。某エンドの流れにはがくっと力が抜けると共にへらっと笑いが漏れました。やはりナシュ様のピュアなお人柄が成せる技かな!かわいい!

世界設定だけ見るとかなりファンタジー寄りかなあと思いますが、ここにSNSやお役所仕事な機構を取り入れているおかげかすごく独自の色が出ていました。短編長編問わず、息づく舞台を作るのが上手です。

というわけで、安定のクオリティに加えて、目新しさも垣間見える一作でした!

 

【一言】

血や流血は苦手だけどヤンデレは好きという方や、年齢差恋愛がお好きな方に。

 

 

 

 

『終末のトリヴァール』『終末のトリヴァールafterdark』

 

【概要】

この作者様恒例、残酷エイプリルフールゲー。乙女向けノベル。カニバ、聖女、神殿等にピンと来る方へ。

 

【感想】

病んだイケメンに余すところなく追いつめられる聖女が見たい!

そんなニッチな需要を満たしてくれる良ゲーでした。シスターとか聖女とか、清らかであることを求められている女性って良いですよね。あと、現実逃避すらも許されないって素敵過ぎません?

攻略キャラは、シスコン・メンタル弱めエゴイスト・最強立場のラスボス、とまあ恒例の面々。ファンタジーな要素もヒロインをより追いつめるスパイスとして輝いていました。性的な意味でも生命的な意味でもけっこうグイグイ迫られます。

 

というわけで好きなエンドはWorstEndです! もうね、あの、上下関係を教え込まれる感じがね。ラズさんも一番報われてる気がしますし。おめでとうございます。もうこれで怖いことないよ!やったね!

後日談をまとめた番外編、アフターダークのほうではカレルの話がお気に入りでした。あえてあの呼称を要求される辺りに彼の歪みをひしひしと実感させられて好きです。

 

要所要所でスチルではなくカットイン(?)が入るのも雰囲気があって良かったです。両手を組むあのイラストが出た時の衝撃といったら。やっぱり聖女様はおいのりポーズが似合いますね!

 

【一言】

病んだイケメンに身も心も愛されたい人向け。

 

 

 

 

『落花恋恋』

 

【概要】

ほのぼの切ない、和風乙女ゲー。回りくどいデレ高め師匠×しっかり者の勤勉少女、とうっかり屋さんなマスコットキャラ。

 

 

【感想】

 

神様師匠シリーズとのことで、別作品と世界観は共通していますが、必要な説明は全て作中で行われるので単品で遊べます。ただ某エンドのエピローグではゲスト出演するキャラがちらほらいるので、他作品をプレイしていないと「?」となるかも。

 

ちょっと心情描写が説明的過ぎるところや、回想が文字だけで省かれてしまってギャップを感じる前にデレられて「あんなに冷たい人が優しい態度を!?」な展開に共感を抱きづらかったところはマイナスに感じたかなー、なんて。

けれど、お茶のくだりが何度もさりげなく組み込んであったり、序盤に家族との軽い不満を描くことで真白の進路に違和感のないシナリオになっている点はグッドでした。

 

真白がしっかりさんで、グダグダっとなりそうなところはすっぱり切って「そこはわかっているので教えてください」と直球に入れるところも読みやすくて良かったです。信頼があってこそ言えるんでしょうねぇ。

おまけストーリーの黒い設定等は安定の味わい。

 

グラフィック面では、ふよふよ動く月太が可愛かったですねぇ。月太はトラブルメーカーではありますが、月太はきちんと謝れるし明るく騒げるかわいい子で安心でした。あとヒロイン真白の透き通るような髪色がとても美しかったです。

着物の柄等はあんまり詳しくない私ですが、翠火様は西洋風な外見と和柄がいい具合に組み合わさっているキャラデザだなあと思います。

テクスチャ等で、見た事のある和室なのにどこか違う、みたいな異世界らしさが出ているのも素敵でした。

 

 

【一言】

切ない路線の和風乙女ゲーが気になる方向け。

 

 

 

『ロコロッカ-da capo-』

 

【概要】

過去公開されていた『ロコロッカ』のリメイク版。ぬいぐるみ×シスター(語弊)。システム自体はノベルですが、塔の中をぐるぐる回りながら悪魔退治を目指すという雰囲気はホラーADV風です。

 

 

【感想】

 

無印のプレイ当時はけっこうベガって強気なイメージがあったんですが、プレイし直してみるとけっこう当惑があって、狂った状況に流れ流されてる悲劇のシスター感が強くて良かったです。

セイリオスとの年齢差にもびっくり。おまけ話等々見ていると確かにセイリオスはこう、自分の陣地を作っておくことで安定を求める感じが強くて納得はいくんですけどね。長男気質の人は開拓者な印象があるので。

そして、大きく変わっているのがぬいぐるみ。思い出の品で留まっていたあの子をああもえぐく上手く調理し切るとは、いやはや、何年経っても暗くて良く効く展開を生み出してくださるなあと感じました。

背景やタイトル画面はガラッと雰囲気が変わっていましたが、無印はまるで残酷童話みたいな雰囲気ダカーポは荘厳と血だまりの惨劇みたいな雰囲気があって、どちらも味わいがあって素敵だな~と思います。

 

 

【一言】

前作プレイヤーさんも違いを愉しめる、残酷恋愛喜劇。

 

 

 

 

『秋灯デザイア』

 

【概要】

現代日本風、兄妹。強制的に合意させれたり脅迫されたり性的虐待されたりする中学生女子が見られます。

 

 

【感想】

 

本ブログで取り上げている同作者様ゲーの記事の多さからして、私がファンなのは言わずとも知れるかと思うのですが、本作は他作以上に精神的DVやパワハラ要素が強かったなーと感じました。

で、色々考えてみたんですが、おそらく作者様のよく描かれる展開と中学生・実兄という設定の噛み合いが異様なほど良すぎるんですよね。中学生の逃げ道なんて学校or家庭になりがちで、しかも相手は家庭内の権力者、親は友達感覚タイプで愛は感じるけど頼りにはならないとくればもう、逃げるには極論しぬしかないよなあみたいな。

他作品は舞台や展開がファンタジーだったり、あるいはじわじわと囲い込む過程があったりするのでそこまで感じなかったんですが、本作は初手で詰んでたのでかなり精神を削られました。

イジメを受ける女の子萌えという需要自体は大いにあると思いますし、女の子を精神的にリョナりたかったり、脅迫されてる子の涙目差分が好きだったりする方にはとっても嬉しい作品だと思います。いいよね。

 

シナリオの「昔はこうじゃなかったのに」とお互いが想いあっていてすれ違うところはすごくにやにやできました。鈴ちゃんもお兄ちゃんが好きという描写をきちんと入れてくれていたので、強く出られない点自体も納得はいきます。心理描写で整合性取っていくの上手ですよねぇ。

 

あと見どころは、おまけページのギャップかな。ガラッと変わる明るい雰囲気やキャラからのツッコミなど、胸糞系の鬱展開が続くぶん、工夫されているんだろうなあと思います。

 

 

【バレンタインパッチ】

こちらは期間限定の小話が楽しめるパッチ。涙目スチルも見れるしどんどん言質を取られていくし珍しくも強気に気持ち悪いと言い返す鈴ちゃんも見れるし、本編が気に入られた方は嬉しいパッチだと思います。

 

 

【一言】

ひたすら追い詰められて追い詰められたい人向け。

 

 

 

 

『メイライ・キディ』

 

【概要】

この作者様恒例、残酷エイプリルフールゲー。乙女向けノベル。お姫様と竜、従兄、孕ませ等にピンと来る方向け。

 

 

【感想】

 

チェルシー(ヒロイン)は15歳、一方で攻略対象は成人済みと長命の龍人。ヒロインの年齢自体はロリと言い難い、と思うのですが、年の差や周囲の態度からしてものすごーく「おにロリ」の波動を感じる作品でした。

姫という立場やしきたりの関係で、結婚という響きがひどく生々しく響くのも印象的です。したこともない大人の夜の知識を聞きかじっているし、襲われかけたらその意味を理解はしてしまう。幼げで純粋なチェルシーの内面に反して、与えられる展開がひどくエグくて素敵でした。それこそ、政略結婚という響きすら生ぬるく感じるほど。言ってしまえば孕ませを強要される感じが、ものすごーーーーく気持ち悪くて好きです。

心的にグロテスクなものをきちんとエグい描写と共にお出しされるの、逆に作者様の倫理観が信頼できて好きなんですよね……。

 

イケメンに逃げ道を奪われる展開はもちろん健在。

脅しつけ方やトラウマの植え付け方も個性が出てましたねー。人の道徳がピンと来てなさそうなユーリのほうは、自由にさせて自学自習で恐怖を身体に覚えさせる方針。人の輪の中で自分を殺してきたレフィのほうは、人質や脅迫で優しい優しいチェルシーの心に訴えかける方針。どちらも育って来た環境を思えばこその展開で、とても納得感がありました。

チェルシーにあえて「言わせる」描写が多かったのも好きポイントです。特にユーリルートのバッドはもうたまらんでした。

なんか、これは性癖暴露になってしまうのですが、他に逃げ場がないし無理やりなのにあえて声に出すことで一見同意みたいに見えるの、めちゃくちゃ暴力って感じがして良くないですか。最悪の行いで大好きです。

 

言ってしまえば、どうあがいても絶望!

ルートによっては性的な気持ち悪さも、グロ的な気持ち悪さも両方味わえて、実に好みなヤンデレメンヘラ電波ゲーでした。

タイトルの由来が一番好き。

 

 

【一言】

エログロ絶望と丁寧な精神的拷問を見たい方向け。

 

 

 

 

 

と、こんな感じで取りあげて参りましたが!

個人的な好みは下記の通り。

 

  • グラフィック→天体宮の守人さん
  • 追い詰め方→秋灯デザイア
  • 全体的な完成度→メイライ・キディ

 

でした!

 

 

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shiki3.hatenablog.com