「名前は覚えずともよいが、存在は覚えようとせずとも焼き付くだろう」
圧倒的個性をドカーンでバキーンだ!な前置き。
えー、今回はPixel_Note(三條)さんところのフリーゲーム「ナントカ三術将」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
キャラを召喚させつつストーリーを読む……うーん、ADV?シミュレーション? なんか面白いゲー!
ふりーむからだとDL版のみですが、上記のサイトからいくとブラウザ版もあるのでスマホの方も是非。
というわけで、良かった点など。
速攻で納得のタイトル回収
まず述べたいのがこのタイトル!
響きが良くて覚えやすく、「三術将」のいかめしさと「ナントカ」のふんわり感が絶妙。私なんかはこのタイトルを見て、なんだこれ?と興味を惹かれたプレイヤーなわけですが……同じような方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
そして作中でのタイトル回収のタイミングがまーた気持ち良いんだこれが!
ゆる~い雰囲気とシリアスでカッコイイ雰囲気が混じり合うストーリーにも、ぴったり合っている最高タイトルでした。
かわいく興味深いエレメントたち
召喚→ストーリー→召喚を繰り返していくのが本作の流れ。召喚はキーとなる石を選んでワンタップ、実質ガチャ。
これ上手いなーと思ったのが、登場するエレメントのみでなくその数もランダムなところです。単純に1エレメントだけ登場するのなら「外れ」「当たり」だけになってしまうんですが、数が増えることで、「今回はたくさん来てくれたなあ」とか「いっつもこの子はこの子と一緒だなあ」みたいな感想が生まれてくれるんですよ。機械的な作業じゃなくて、しっかりと楽しみに繋がる良い仕様でした。
さらには、召喚できるエレメントも多種多様。このデザインがまたどれも可愛いこと可愛いこと! 最高位のエレメントもどことなく愛嬌があって、ゆるかわ?ゆめかわ?な感じに和みました。
繰り返しも楽しくなる着せ替え要素
目を見張るのはオプションの多彩さ。
セーブデータのアイコンを選べれるゲームってめちゃくちゃ良くないですか!?!? 今はメアト回っぽいからメアトにしとこ~、とか、シリアスだからイグニスにしておこう……とか、気分で変えられるのがすごく楽しかったです……。あと私はストーリー見返すためにセーブデータ分けるタイプのプレイヤーなので、お話の転換点が一目でわかるのも本当に助かりました……!
メニューのデザインも、色変えのみでなくモチーフ変更まである丁寧さ。いやもう感服です。
デザイン性のみでなく、召喚の演出スキップなど、利便性として嬉しい要素もしっかり搭載してくれているのがありがたかったです。
加えて、BGMの豊富さにも注目したいところ。これはストーリー進行によって切り替わる仕様なのですが、このBGMのチョイスがどれも熱いこと熱いこと! 特に終盤は、画面は同じでゆる~い雰囲気でも、BGMが代わるだけでどことなくその緊迫感を感じるような効果を感じました。
デザインもBGMも変わることが、あのなんとも夢中になるプレイ感につながるんでしょうねえ。
戦闘はないけどガッツリRPG世界!
戦闘こそありませんが、本編内の描写だけでも熱いバトルや変化球の状態異常など、色々なRPGらしい世界観を感じました。
そもそものOPからして、三術将の登場の仕方がそれぞれ違ってて大好きなんですよね~。どういう能力持ちなのかを知るとなおさら、「だからこれなのか!」という興奮があって楽しかったです。
突然能力やアイテムを出してくるのではなくて、日常パートで先出しすることでプレイヤーに印象づけておいたり、エレメントと関連付けしてあったりするところがとても良い! 読みやすいし、作品世界への没入感も高まりました。
エレメントを集めると読める図鑑に対してのコメントも、彼らの生活や、この世界での日常がほんのりと伝わってきて楽しかったです! 図鑑が読みたくてエレメントコンプしたまであります。異世界の日常、みたいなものを見たい方は垂涎ものかも。
とまあ、こんな感じで。
あちこち凝ってて、引き締めるところは引き締めて、でも基本はゆるくて明るくていっぱい楽しい! そんな感じの一作でした。
追記ではネタバレ感想
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ネタバレ注意!
本項目では区別のため、ムウとジーンという書き分けをさせて頂きます。
ジーンについて
まず大前提として、あのストーリーはものすごく熱かったんですよ! 三人が華麗な連携を見せてくれたのも、三術将の能力が大活躍してたのも、その能力の活かし方が独自性高くて斬新なのも。
ただ、一か所だけ引っかかっていたところがあります。
ジーンのことです。
あのエンディングを見ると、ムウってだいぶジーンとキャラが違う……? 喋り方が違う、ように見えたのですが……。
やっぱプレイヤーとして、主人公とは愛着の湧くキャラクターなわけでして。あのうさん臭い敬語も、自信家で傲慢なキャラも、なんだかんだですごい私好きだったんですよね。だから、あのエンドは率直に言うと寂しかったです。
続編で報われたりするのかなあ。でも展開的に難しそうだなあ……。
ムウからすればジーンが成り代わりなんですけどね。悪役幹部が主役のゲームを謳っているからこそ、主人公が悪役というのはまさに一番大きなポジションですし。
それに、あのドンデン返しは気持ち良くもありました!
その他気になる点について
メアトの過去については結局ぼかされたままだったので、ここも気になります。続編に期待! 常に眠たそうにしているのも、自室以外に何か別のところで大きな魔力を使っているみたいなことありそう……。
イグニスにしても、図鑑のクリアのセリフが気にかかるところです。もしかして元執事さんだったり……?
あと魔王様についても気になりますね! お姿とかネーミングセンスとか。わりとゆるいのも許してくれそうだし、ユーモアのある方ではありそう。
好きなライブラリ
バーニング:一貫した生態と初見イメージのちぐはぐさがすごく「生物」って感じがして好き
マリン:えっジーンさん抱きしめたいんですか? あれを抱きしめる想定をするジーンさんがかわいいな……
エネツイン:かわいい見た目でこういう、若干自我がふやふやになりそうな不気味さが好き
ティンキー:速攻で嫌がることをするジーンさんが小憎らしいし、それを無言で流す大人なイグニスさんとの対比が面白かったです
よくよく読むとジーンさんけっこう寂しがりなんだなとか、困ってる人ほっとけないタイプなんだな、とか感じられてとても趣深かったです。
この辺り期待しつつ、続編へ進んでみようと思います!