「バカバカ言ってくれるのだって愛情表現って知ってるからね!」
メンタル図太いと人生楽しい前置き。
えー、今回はNeruna.(ねくん)さんとうきうき雨季(6月)さんの合作フリーゲーム「かのえねのあけ」「ハム子とご主人」「今日もコトはナキ」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
作品相互に関連はなく、どのゲームからでも楽しめます。
また、どれも5~20分くらいで終わる乙女向け短編ノベルです。しかも、記事公開現在は一部非公開となっている(はず)です。
それもあってネタバレ全開な感想になります! 未プレイの方は要注意。
『かのえねのあけ』
https://www.freem.ne.jp/win/game/21739
[概要]
ブラウザまたはスマホのみ、DLなし、5分くらいの乙女ゲー。弟×姉、性悪お嬢様×女装少年。年越し、和風、一族跡取り問題、辺りがキーワード。暴力描写はありますが、雰囲気自体はカラッとしています。
シナリオは6月さん、絵はねくんさん。
[感想]
性格の悪いキャラとちょろくて騙されやすいキャラしかいません!
※ヒロインはどちらでもある。
いや~、こう書くとアンチみたいに見えそうでおびえてしまうんですが。でもここが魅力でもあると思うので、誤解を恐れずに申し上げましょうとも。なんだかんだでこういう関係性好きな方も多いでしょうし。
これ、攻略順によって感じ方が変わりそうだな~!!
私は庭から行ったんですが、予想外の暴言に「えぇ!?」と思っていたところ、空き部屋で「ああ……こういう背景事情があるならそりゃそうなるね……」と納得しました。
もし逆順でプレイしてたら、むしろ安心しちゃってたかもしれませんね。「おっ、この子意外と図太いぞ!」みたいな。
そう、メンタル図太いんですよ全員!
なので、気分は沈まず安心してそういう関係性として読めました。ブラックジョークラブコメっぽい読後感かも。
この短さの中にしっかりDV要素がフルで入ってたのも拍手ものでした。
謝罪強要、ガチの腹パン、君のためにやってあげてる感、見下していることを隠しもしない態度、などなど。弟が丁寧におまえは馬鹿だと言い聞かせてくるところも、支配欲が見え隠れしていてにやにやものでした。
いや~、おっとりした雰囲気のはかなげキャラが性悪なの、良いですよね!!
はつの性格は乙女ゲーとして見ると珍しい気もするんですが、この弟との関係性を考えるとすごく納得があります。
純粋培養な良家の美少女に、弟の持ち込んできた歪んだ思想が混ざって、ああいう味(みけと話してる時のナチュラルクズ感)が出るんだろうなあ。しみじみ。
このピュアに傲慢な雰囲気が、THEお嬢様感あって大好きです。
こういう性格面もそうですが、「一族の十二家が~……」といったこの作品の世界観説明など、一文でパッと伝わってくるテキストが素晴らしかったです!
お家事情、二人の関係性、どういう世界観なのか、これらを端的かつ自然にポンとわからせてくれるの、技量を感じて惚れ惚れしました……。
棘はままある、そこすらも深みがあってよく噛み締めたくなる関係性!
まとめるとこんな感じかな!
[一言]
「ああ~(察し)」となりたい方は庭から、「あ、わりと大丈夫そう」となりたい方は空き部屋からのプレイがオススメ。
『ハム子とご主人』
[概要]
ブラウザまたはスマホのみ、DLなし、数分で終わる乙女ゲー。ツインテールダウナーお兄さんと、とにかくご主人が大好きなネズミ少女。初詣に行くまでの日常会話。
シナリオねくんさん、絵は6月さん。
[感想]
ほのぼの日常会話でスッと終わるので、ノベルというより会話劇っぽいかも。こういう、片方がぐいぐい好き好きで片方があしらう感じの関係性、好きな方多いのでは~?
ハム子の見た目からさりげなく過去が感じられるのも闇深ポイントでにやにやしちゃいましたね。包帯とか、欠けた耳とか……。
なんで人型なの?とか、ペットなのか耳生えた人間?とか、その辺はもう、そういう世界観ですということで。
チューをせがむハム子がちゅうちゅう鳴いてるの、かわいかったです。ネズミだけに。
ご主人様も単に嫌がるんじゃなくてちゃんと理屈つけてあきらめさせるところがなんか好き。
オートモード無しですが、サクッと読み進めるだけではあるので問題ないかな。
選択肢分岐やエンド分岐もなく、なんなら起承転結やドラマティカルな展開もなし。それこそ新年のまったりした雰囲気の中、なんも考えずにゆるっと遊ぶのにぴったりな作品です。
[一言]
気忙しい年始のゴタゴタを、おばかなラブコメで中和しよう!
『今日もコトはナキ』
https://www.freem.ne.jp/win/game/22161
[概要]
ブラウザまたはスマホのみ、DLなし、15分くらいの乙女ゲー。天才毒舌ツンデレ弟×のんびりおサボりお姉ちゃん。廃墟、人類滅亡サバイバル、SF辺りがキーワード。
シナリオは6月さん、絵はねくんさん。
[感想]
駄目人間のくだりで「ん?」とは思ったんですよ~!
あと、運動音痴なのも真相を知ると「うわ~……!」となりました。運動苦手ならね、瞬発力もないよね、逃げられないよね。
この短い中にも伏線交えてくるの上手いなあ。
二人のパワーバランスの出し方がすごく絶妙で好きです!
だらだらなこと子がいざという時はお姉ちゃんしてるのが好きなんですよ~!!
なぎ君がまだまだ年相応で、不安定になっちゃうシーンがあるのも良い……。お姉ちゃんへの呼び方が変わるシーン、わかっちゃいてもときめかずにはいられませんて!
同時に、プレイヤーのストレスコントロールも上手かったですね~。
ずっとなぎ君頼りで休みたがること子と、頭の回転も発明も最強ななぎ君。でも、見てるこっちが不公平さを感じる前になぎ君がこと子へ暴言毒舌を容赦なく叩き込んでくれる。そして、なぎ君も完璧なわけじゃないから、実は不足が色々出てくる。そこをこと子がひょいっとなんとかする。
ちゃんと二人の得意分野が分かれてるの好きです。なぎ君はマニュアル通りにきっちりするのが得意そう。こと子はルールの隙間からねじ込んでうまいことやるのが得意そう。
色々わかった後だと、もしかしてこと子は計算づくなのかな?とか。
すぐ休みたがるのもご販食べたがるのも、なぎ君が倒れちゃったり自分の限界を忘れちゃったりしないために、みたいな……! 冗談が多いのは、気を張り続けて疲れがちななぎ君を和ませるため、みたいなみたいな……!
いやあでも、そうなると今度はこと子ができすぎだし、ちょっと違うかな?
あくまでこと子はだめだめおねえちゃんが良いな。お姉ちゃんとしてダメなんじゃなくて、ダメダメだけどお姉ちゃんだから良いんでしょうね。
二人の過去やこれからもすごく気になる一作でした。地上が滅んだ始め、シェルターでこと子を見つけた時のなぎ君は、どんなんだったんだろうな……。反応見たいけど見たいって言ったら可哀そうすぎるな……。
おまけでこと子がどうなったのがも察せられてにっこり。
根幹や過去は鬱展開ながらも、姉弟愛たっぷりの元気で明るい作品でした!
[一言]
とまあ、こんな感じで。
どれも短編なので、興味のあるカップルやお好みの舞台設定があればお気軽に是非。
ちなみに私が一番好きなのは、
「今日はコトもナキ」でした!!
この作品がきっかけでシナリオ担当さんの作品を全部追うことに決めたので、よき出会いができてよかったです……。