うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

納涼! 短編ホラーフリゲ8作品感想

「幽霊一体につきマイナス2℃の冷房要らず」

これからは電気屋より霊媒師の時代な前置き。

 

 

えー、今回はさくさくっと数分~1時間でプレイできるホラゲの感想を書いていこうと思います。作品はそれぞれ下記の目次の通り。

ホラー映画的なものから電波鬱系、胸糞、ほのぼのホラーまで。

 

 

 

 

『418号室』

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謎解き・追いかけっこ無しのホラー。

静けさと緊張感が満ちている一作で、わかっちゃいるのに驚かし演出には体をびくっと跳ねさせてしまいました。すさまじい。

 

探索のみでクリアできるので、難易度という難易度もありませんが、調べた時の反応が細かく変化していくのは良い感じに恐怖を煽られます。お話も私は見事に引っかかり、しかもプレイした時期がぴったり作中の時期だったのもあって、一人で「うおおお……!」と震えました。

 

エンドはどちらもホラーらしい余韻の残るもの。

私は飲まないほうのエンディングの方が好きです。達成感を味わうために何度も418号室を訪れては微笑む、ってなんだかすごく絵になりませんかね。418号室に泊まりたがる客、ということでまた新たな怖い噂になりそうなところもぞくぞくします。

かなり硬派な印象の残る作品でした。

 

 

 

『建設途中十四階』

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ミニゲーム有りの短編ホラー。考察するというよりはわからない部分をわからないまま楽しむ、洒落怖や気づくと怖いスレ系の怖さかも。

 

舞台が工事現場、という点がまず斬新。雨樋屋でなくシール屋~等々の専門職らしい用語を含め、主人公が現場の人間であるという絶妙なリアルさが出ています。

不思議なことが起こっている時にも、命の危険だからとすぐさま逃げ出すのではなく仕事現場に支障が出るから……などと考えてしまうあたりがとても現実的。この現実感が都市伝説めいたエンディングとよく噛み合っているなあと感じました。

 

グラフィックは特にドット絵が良かったですねぇ。メニュー画面のデザインや、タイトルロゴもシンプルにオシャレ。さらにタイトルコール、ここはまさに絵になる構図でほれぼれしました。

蓮コラちっくな化け物もぞわぞわした気持ちにさせられますし、ぬるっと落ちていくドットの細やかな動きにも痺れます。

 

難点はキャラの動きがかなりスローなところと、出入り口や調べるアイテムがわかりづらいところ。雑然と物が放ってあるマップは確かに工事現場らしいのだけど、特に階段周りは見えづらくて苦労したので、アイコン等が欲しいなと思います。

 

トマトジュースはずるい。

ところどころおちゃめなのもまた魅力な一作でした。

 

 

 

『サイレント』

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短編探索ホラーゲーム。

先んじて、まったく合わないゲームでした。なので酷評します

まず、操作性が異様に悪い。マップの切り替えポイントの配置とウェイトが悪くて滑りやすく、気軽に行き来ができません。アイテムは基本ノーヒントの虱潰し。虱潰しさせるならさせるで、アイテム以外にもちょっとした小話やミニイベントが欲しいですし、それがないのならはっきりここにアイテムがあると明示してもらいたいところ。

 

そのうえ屋外に出てからはマップ切り替え地点と行き止まりの判断がつきません。反復横跳びの人も、行き先を邪魔してるんだと思ってなかったので(単純にいたから話しかけようとしてた)、公園奥以外の行き先がわからずしばし戸惑った覚えがあります。「あっち行ったらやっとあたしの家だ」みたいな独り言でも入れてくれればずいぶん違うと思うのですが。 

 

極めつけはウェイトの長さ。意味深を装った無駄なウェイトが多すぎます。ver1.04でプレイしたんですが、これでも全体的にウェイト軽減が行われていた後とのことで、軽減してこれかと。

いやわかるんですよ、ホラーで間の置き方が重要視されているのも、リフレインで恐怖を煽ろうという手法も。なので、使いどころを決めて欲しいですね。

例えば、コマンドで足止めさせるタイプはウェイト軽めに、溜めたいタイプはウェイト多めに、沈黙はウェイトで表現するのではなく「……」+表情変化で表現、などにすればかなりプレイ感は爽快かつ雰囲気は損なわずに済んだかと。

 

物語もぽっと出のキャラクターが賑やかすばかりで、感動や恐怖以前に思い入れが抱けない感じ。

淡々としてる上に皆がわりと暴言を吐いたり冷たかったりするので、愛着が起こりづらいんですね。なので悲劇が起こったり事実が明かされたりしても、ふぅん、という感想です。

この「知るかバーカ」と言いたくなるプレイ感が、百合の「本当の友達」「理解して欲しい」という想いに対する皮肉である――と言われれば喝采ものですが。作中浮かぶ大半の疑問は解決されませんし、協会に来た人やカエルなどあれはいったい何だったんだという疑問が残ります。

 

モノクロームかと思いきや普通に色がつき始めたり、サイレントゲームかと思いきや普通にBGMが入ったり、一貫性がなくタイトル回収が行われなかったところも不満です。

同作者様の『Reincarnation』は最後までプレイしたら印象が底辺から良作に変わったゲームだったので、これもそのタイプかと期待したんですが、本作は合いませんでした。

 

良点は人形たちのキャラデザインとドット絵

某イベントで二人がぴょんとその場を去っていく時の姿とかすごくかわいかったし、「どうして……?」という不安感が上手く出ていて、あそこは良い演出でした。

また、エンドのフラグに応じてメニュー画面の百合の姿が変化していく演出も、プレイヤーにわかりやすくかつ見ていてぞくぞくできて素敵でした。

 

ついでに。公式の攻略はやや語弊があります。以下色薄めで伏字。

単純にひどいことを全部してもED4にはいけませんし、ひどいことを2回程度行っても普通にED1へ行けます。ED2とED4がひどいことを全てしたうえで「捕まるかどうか」で分岐すると認識した方が、回収しやすいかと。キーアイテムとひどいことを同じ項目で記載しているのでわかりづらくなっているように思います。

伏字終了。

 

ともあれ。荒んだ主人公とともに荒んだ気分になるプレイ感でした。

 

 

 

『死んだカエルに捧ぐ』

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エンド分岐有り、鬱展開、グロ

常に画面が赤黒く、文章表示もウェイト多めでヒントも少なく、難易度はかなり高め。ただこう、躍起になってエンドを目指すというより、こういった世界観が好きな人がたっぷりと電波を感じるためにあるような作品でした。

 

常にノイズ音が鳴り響く、この時点で既に精神をゴリゴリと抉られる感じです。断片的に見れる回想シーンで、かろうじて物語の大枠は理解できる……かな。

そもそも精肉工場が舞台なので、うん。進行上カニバリズムネタが必ず起こり、ホラーとしての演出は十分。演出なのかガチなのかわからなくなりそうなくらい真に迫ったヤバさが感じられるかと思います。

 

探索ホラーあるあるの電波な表現が多いのも、狂気に拍車をかけています。狭い空間で思い当たることを何度も繰り返したり、ランダム(ではないかもしれないけど起動条件がわかりづらい)イベントが起こったり、突然別マップに飛ばされたり。本編内でもちょっとネタにされてたけど、マリオネタ(さよならを教えてのループ感)も想起できる演出でした。もちろんそれだけではありませんが。

 

ちなみに恥ずかしながらエンド1つしか回収できていません。見逃がしやすそうな鉄パイプとカエルのようなものは手に入ったんだけどそこからがうーん。

ともあれ、ガチの狂気や電波を感じたい人向けのホラーです。

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

フリーゲーム「Seetate」感想

下記『びょーしにくちゃん』

 

 

 

『びょーしにくちゃん』

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電波鬱、グロ、虫、孕みネタ

ストーリーは一応ありますが、断片的であいまいな表現が多く、プレイヤーのほうで想像を膨らませながら読む感じでした。一通り読み終わると、唐突にゲームが始まります。

 

ゲームの発想は面白かったですね~。

プレイヤーはキャラを動かすという前提をガラッと崩してくれるところがまず斬新。さらにルール説明一切なしでプレイヤーに掴ませる、雰囲気重視なところも、電波ゲーとしては秀逸です。

プレイヤーが何をすればいいのか、気づけなければただびょーしにくちゃんの周りがいっぱいになるだけ。気づいても、結局びょーしにくちゃんがなるようになって終わるだけ。この救いの無さと、陰鬱なBGMと、ガサガサガサガサと湧いて出る蟲の不気味さがとても精神を削ってきます。

画面が暗転して、赤い文字?が出たらクリアでいいのかな。

「気持ち悪い」を見事に表現しきってる作品だなーと感じました。

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

フリーゲーム「Seetate」感想

上記『死んだカエルに捧ぐ』

 

 

 

『Rumor』

aug81074.nobody.jp

一本道、鬱展開。

操作はありますが謎解きや難しい探索は一切なく、いわゆる見るゲに近いプレイ感です。

メモのおかげで次の目的がわかりやすいのがありがたい点。オチを考えると村がちょっと広すぎて開放的に思える気もしますが、コンパクト過ぎると住んでる実感が湧きづらいという難点もあるので、一長一短ですね。

 

初めは温かな家族愛の物語が繰り広げられ、おやこの作者様の作風にしては珍しいなあなどと思っていたのですが……なるほど、救いようがなく鬱展開でした。

タイトルから展開はぼんやりと察せられるものの、噂の根幹、おおもとの原因が不明なところも不気味さに拍車をかけてるんですよね。父のことか、OPの怪我のくだりが誇大化されたか、このどちらかかなと考えてはいるものの。たとえ何だったとしても関係なく、悪し様にこじつけられてしまうのだろうなー、なんて。想像がつくだけにおぞましさが募ります。

 

ちなみにマップチップやキャラチップはデフォルトのものが多め。ただしぞわっとくる良い演出が一か所あったので、それだけでもグラフィック面は大いに評価したいです。

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

下記『幸せなエミリー』

 

 

 

『幸せなエミリー』

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一本道、鬱展開、操作有。

謎解きはありませんが、次どこへ行けばよいかは少し詰まりがちかも。まあでも探索ホラーフリゲってそういうものかな。

 

印象的なのは、再生ボタンや早送りボタンの演出です。ゲーム中ずっとビデオの中にいるみたいなあの表現がすごく独特で、良い意味で心がざわざわしました。得体の知れない不安感よ。

ずっと時系列が表示されるので、回想やお話の流れが理解しやすいのも良点ですね。エラーになっている時は精神世界や演出上の描写なんだなということもわかりますし。

 

お話自体は、自傷行為の話。不穏の芽がだんだんと形を成していき、嫌な予感はするけれどプレイヤーには止められない、このやるせなさが実に心地よい鬱でした。前向きになったところで叩き落とすのがまたえげつない……。

キャラグラに変化が起こったり、マップチップが一転したりするところも、がっつりホラーでグッド。クリア後のタイトル画面の虚しさがたまらなくなります。あと診察台に寝かされている、例の、あれが並ぶマップ。とても狂気が深くて好きです。

家族愛、一途な狂気、自傷行為などにピンとくる方にオススメ。

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

上記『Rumor』

 

 

 

『部屋を越ゆるもの』

sayusayu.hatenablog.jp

 

最後はちょっとだけ雰囲気を変えて、ほのぼの寄り、エンド分岐ありの探索ゲー。

ブラウザゲーでしたがふりーむだとDL変換が聞いてくれたのでダウンロードしました。ありがたい。

 

クトゥルフ神話を題材とありますが、目星やオカルト技能などのシステムもあり、実際のところはクトゥルフ神話TRPGを題材にしている印象です。クトゥルーならではの宇宙的恐怖も少なく、全体的にギャグな雰囲気

 

先に不満点を書いてしまうと、用意されたものを用意されたとおりに回収していく流れが単調でした。謎解きや探索というよりは落とし物拾いっぽい感じ。

また、せっかくSAN値(元気度)があるからには利用したかったなあと。一時的発狂を再現するのは難しいかもですが、それこそエンド分岐に関わったり、元気度の初期値を2から始めてなくなるとゲームオーバーみたいにすると緊張感が出る気がします。

ただこのゲーム、クトゥルフの緊張感や無力感を味わうというよりは「はじめてのお手軽クトゥルフ」みたいなほのぼのした雰囲気が売りだよなあとも思っていまして。そこを思うとこのくらいの難易度のほうがいいのかも。

 

良かった点はTRPGの技能要素の表現です。どことなくキャラステータスが想像できるのも楽しかったですね。サミーラはオカルト(30)くらいかなーとか。

かわいい幼女(8歳)二人のコンビ漫才や助け合う姿も見られるので、見ようによっては百合かもしれません。マイペースとみせかけたスパダリ月属性×警戒心低めの元気な太陽属性のCPはいいものだ!

 

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

特に好みと合ったのは『幸せなエミリー』『418号室』です!  じっとりとした感情、大事にしていきたいね。

フリーゲーム「チェックメイト」感想

「盤を降りてもゲームは続く、王か指し手が止まるまで」

サレンダーの声が待ち遠しい前置き。

 

 

えー、今回はBlu Lunetta(ブル ルネッタ)さんところのフリーゲームチェックメイト」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

舞台もキャラも異なる二編のノベルが収録された、一本道ノベルゲーム。サークル作品ということにはなっていますが、個人的には全く味わいもテーマも異なる、合同作品に近い印象でした。

 

 

というわけで良かった点など。

 

圧倒的演技力のボイス入り

 

台詞部分は全てボイスあり、side:white(以下白編、blackは黒編)においてはまさかの地の文まで通しでフルボイスな豪華仕様です。何よりも感嘆したのがこのボイス担当様の演技力でした!

先に読んだのは白編だったのですが、てっきり複数人で読んでるんだと完璧に思い込んでいたんですよ。なので、エンドロールを見てぎょっと目をむきました。まさか、あの多役を!一人で! いやはやもう絶句です。素晴らしい。役名が何行も重なる中で声優欄は一行だけって、すごく気持ち良いですよね。

 

台詞部分には演技を乗せつつも、無理な女声を出すのではなく、低音ながら女性のセリフとして読んでいる感じがとても聞きやすかったです。無理がなくて、自然と沁みる感じ。朗読と演劇の中間を意識されている印象でした。

私は演技力より活舌を重視しがちなのですが、この点においてもパーフェクト。とにかくね、聞きやすく感情が乗りやすい、最高のボイスでした。

 

 

 

童話風な白編と、ミステリ風な黒編

 

まず、ストーリー面から。

両編とも、別の味でありながらかなり印象的な終わり方でガッと心を掴んでいってしまうお話でした。読み始めの時は「どちらも黒では」あるいは「どちらも白では」と感じるんですが、読み終えるとその色にとても納得がいくんですよ。かなり面白い読後感でした!

ネタバレになってしまうところは追記へ格納するとして。いやあ本当に、どっちの色も大好きです。チェスから派生するイメージを絡めていくのが上手なんですよねぇ。

 

次、グラフィック面。

キャラがシルエット表示で白と黒が基調なのは共通ですが、印象はかなり異なります。白編は絵本のように柔らかなタッチ、黒編はミニキャラでかわいいタッチ。似た要素なのにかなり違うように感じるのも、複数作ならではの楽しみ方かもしれません。

 

 

 

惜しかった点

 

少しもったいないなと感じた点もあるので、挙げておきますね。

 

 

・白編、オートモードと行ごとの溜めの噛み合わせが悪い

 

一行一行でボイスが区切ってある件について。行終わりの空白が短いので、オートモードだとかなり聴きづらかった点が気になりました。普通のノベルゲであれば、オート送りをこちらで調整すれば済む話なので特段なにも書かないのですが……。

本作は「通しで収録」という言葉があったのでとても引っかかってしまったんですね。せっかく、あの長さを通しで(!?)読んだというのに、わざわざ一行ごとに区切ってしまうなんて! これは実にもったいない、いっそボイスドラマ的に流しても良かったのではないかと切に感じます。

 

 

・黒編、匿名性が薄い

 

少年も秘書もお嬢様も、皆が皆個性的でかつ、黒編は白編と違ってあの世界全体のお話ではなく特定個人にスポットを当てたお話であると感じました。なので匿名性を持たせる必要をあまり感じず、もやもやと。せっかくスチル等であんなにかっこいい外見が見られるのなら、立ち絵有り名前有りで進めるほうがむしろ感情移入できたのになあと惜しく思いました。

公式ブログを拝見するに、衣装等々にもこだわりがあったようですし……。ブログを見に行くくらいには気に入った作品なので、なおさら惜しかったです。

 

 

 

 

余談ですが、強い情や執着があるとついそう見てしまう私は、黒編がBL要素を持っているように感じます。そっちに目覚めている方はよりオイシイ萌えを感じられるかもしれません。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

色々と書きましたが、ボイス重視の方や、秀逸なオチのお話が気になる方、チェスや裏表がテーマの話にピンとくる方は是非。

 

追記ではもう少しネタバレに踏み込んだ感想を書きますね。ご興味ある方はどうぞ。

 

 

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フリーゲーム「セカイノミカタ」感想

「人を人たらしめる要素は二つ脚で歩けることではない」

証明のために車椅子を出してみた前置き。

 

 

えー、今回はSuGicomさんところのフリーゲームセカイノミカタ」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

一本道のミステリノベルゲーム。ふりーむ紹介文の「すべてが誰かとつながる」通りの一作です。

そしてとにかく美しい一文が多い。一つ素敵な言い回しがあればそれだけで幸せになれる私のような人向けです。

 

 

 

というわけで良かった点など。

 

 

日常ミステリから群像劇へ

 

一応お話は章ごとに区切られていますが、チャプター選択等はなく地続きの一本道です。

それでも分けられているのには明確な理由がありまして。

ずばり「日常ミステリ短編連作」なんですよね! 一章ごとにちょっとした謎かけが用意されて、そして主人公の傍らには頭の回る探偵役がいて、各章内では解決しない一匙の謎がラストで一気に表題作へとつながっていく感じ。

ノベルゲームと小説の書き方は異なるとよく聞きますが、本作は小説の構成をノベルゲームの文体でやっているような印象でした。これがまたすごい楽しいんだ。

 

そして、最終章を越えて真相編では視点主すら変更されます。回答編になると形式が変わるのもすごくミステリっぽいイメージ。

そもそも「絶対に嘘をつかない」というキャラクターが用意されている時点でミステリ叙述トリック万歳ですもん。大好きですこういうの。

 

元々この方の作品は『ドブネズミアクターズ』から入ったんですが、あの作品で感じていた秀逸な群像劇要素はすでにこの処女作から始まってたんですねえ。私、群像劇書ける方ははちゃめちゃ頭がいい方だと思います。

 

 

 

透明感と圧倒的オーラを感じるグラフィック

 

すごいな、と思うのが、キャラのカリスマ性をしっかり立ち絵で判らせるところ!

本作はけっこう登場人物が多く、どのキャラにもオリジナル立ち絵がつけられている豪華仕様です。そんな中でも、どことなく人を引きつけるタイプのキャラがぱっと見てわかるんですよ。カリスマオーラ。さすがです。

立ち絵だけでなく、フォントやメッセージウィンドウにも注目したいところ。使われているフォントが独特で初めは読み慣れなかったんですが、次第に慣れた頃にはこれこそが本作の雰囲気を表しているなあと思うなどしました。なんだろう、透明感とか、おしゃれでピュアな感じがものすごくタイトルに合うんですよねぇ。

 

 

 

必ずどこかにある胸を打つ言い回し

 

とにかくこの作品で一番熱く推したいのが、文体、美文名文です。

あのね、読んでて思わず手が止まる一文がほんとうに多いんです。はっとする。ああこの言い回しだなあ、この言い方が一番言いたいことにぴったりとハマるなあ、と思う。大好きなんです。グラフィック描けて筆力もあるってもう最強ですよね。

 

例えば作中で繰り返し使われる、マスクの掛け方の理由。推理とはどのようにしてなるのか。引用したいけどもったいない、でも言葉に出して沁み渡らせたくなるこの感じ!

私みたいに合う人は必ず心のあちこちを文で揺らされます。ストーリー構成ではなく言い回しでここまで揺らされた作品はとても久々で幸せでした……!

 

 

 

キャラクターの語る思想

 

少し漏らしたように、キャラクターは親近感のある人から人間離れしたカリスマキャラまで様々です。中でも私が好きなのは嘘の付けない彼でした。この作り物っぽい性格の彼もクリア後にはかなり人間らしく見える不思議。

どのキャラも、初めの内はそれこそよくいる誰かという感じなんですよねぇ。ですが、読み進めるうちにどんどん深層が覗けて、親しかったはずの人が致命的に理解しえない誰かになったり、あるいは理解出来るからこそ意外な一面を持っていることに驚かされたりします。とても独特な感覚でした。

 

語られる話も、喫茶店のちょっとした不思議から、警察沙汰の事故、宗教的思想と段階を踏んでどんどん話は重たさを増していきます。順を追ってのめり込ませるのが上手い。

 

その中で私、各キャラの思考の語りがすっごく好きなんですよね。運の悪さの話や、生き方死に方、ヒーローになるということなどなど。色んな考え方、思索が好きな方にはぴったりだと思います。

推理とはどのような道筋で作られるか、の宝のあの一文が大好き……。

 

 

 

 

難点として

 

真相を見逃しがち

 

読み終わったら???編へ。プレイ予定の方は要チェックです。

いやあ、単純に私が見逃しかけちゃったんですよね。はっはっは。本編がきちんと区切りをつけて終わるからなおさら誤解しがち。でも、???編でこそ見られる諸々があるのでやっぱりここが見逃されるのは惜しいなあと思います。

???はそれこそ起動画面に組み込んでしまうほうが、見逃し防止になるんじゃないかなー、なんて。システム関係で難しいのかな。

 

 

コンフィグがない

 

音量、オートモード、文章速度などなどノベルに欠かせないシステム面がどれも調整できません。できない、はず? 少なくともReadmeには載っていません。

Aキーを押せばオートにはなりますが、ページ送りと文字送りが同じスピードなので体感速度はかなり早め。文字を読みなれた人向けかなと。

自分で文章を咀嚼しながら読める、と言い換えることもできるんですけれどもね。

 

 

謎が謎のまま残ることも

 

あの人が宗教を設立することになったきっかけや、トレードマークがリュックの理由、某人物の相似、宝がボトル拾いに誘われた理由など、一部の謎や関係性についてはあまり明示されていない……ように感じます。

タイトルに関わる部分は回収されますし読後感も良いので、あくまで私の挙げた点は舞台設定・マグガフィンと割り切るべき点なのかも。でもこう、本編に登場するほとんどのものに関係性が備わる精緻な作りをしていたので、やっぱり明かされない部分は気になってしまうかな、と思います。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

まとめると、システムは少し難ありですが、それらを全無視して飛び越える勢いで文章が好きな作品です。ストーリー構成も練られたうえの読みやすさを感じるので、気になった方は是非。

 

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

shiki3.hatenablog.com

フリゲサイト「ゆきやどり(仔竜/壺竜)」4作品感想

「壊してはまた突き詰めて、崩してはまた敷き詰めて」

着実によりよきものへ進んでいく前置き。

 

 

えー、今回はゆきやどりさんところのフリーゲーム「Ash Snow -白の双子と赤き星-」「エクスシアの翼」「Monotone Clover -いつか咲く、機械の花-」「ドラゴンクレイドル」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

気づいたら公開停止になっていた作品や、ウディフェスに名残のあった作品が主になっています。なので、感想もいつも以上に私用です。

すでに『AshSnow Eve』で語っているところも多いので、これから手を付けたい方は過去記事を先に見て頂けると幸い。

 

 

 

 

 

『Ash Snow -白の双子と赤き星-』(RPG

 

現在公開中のリメイク後は『AshSnow Eve』にて。

バージョンをかなり持っているのでどれがいつどうなったのか不明なんですが、とりあえず同じタイトルでグラフィック面が一度更新されています。

レトロゲーっぽい雰囲気? システム含め全体的に全く異なるものになっているので、かなり新鮮でしたねぇ。

 

ゴリ押しできるかと思いきや、アイテム制限の関係でやりきれないバランスもグッド。余談ですが狼絵のクエストのギミックにしばらく気づいていなかったので、アイテム数を拡張できたのは最終戦の直前でした。はっはっは。セルフ縛りプレイ。

 

バトルモーションが多めで見てて楽しいのは共通ですね。初期のスノウの戦闘開始時モーションがかわいくて好きですが、SEと動きの音ハメやアッシュの戦闘開始時モーションは顔グラ変更後のほうが好きかも。

どの世界線でもアッシュがデレてくれるのにニヤニヤしました。アッシュの扱いやフルールの性格はこっちのほうが好きかなー。でもアッシュの口調はEve派だなー。

 

色々バージョンがあるとつい比較してしまいがちですが、どのバージョンにも光るものがあるのは凄いなあと思います。正当に進化しつつ、どれも単品として楽しめる感じ。

 

 

 

『エクスシアの翼』(RPG

 

現在公開中のリメイク後は『エクスシアの翼_亡国の凶星』にて。

本筋のストーリーや纏め方はこのバージョンのほうがすんなり読めて好きかも。でもリメイク後のカナリアちゃんは可愛いので捨てがたい。それにサロスの「あ!は!は!は!は!」は断然リメイク後ですね!

そうそう、ソイルの顔グラの凶悪さがガチで笑ってしまいました。ふふ。これは確かに子どもどころか大人も逃げてしまう。良いと思います。

グラフィックはどことなくプレステを思い出させる感じ? アイテム所持数も増えて、白の双子~から前進した感じが見受けられて楽しかったです。

 

 

 

『Monotone Clover -いつか咲く、機械の花-』(ノベル)

 

リメイク版は無し、のはず。とても良い話だしグラフィックもキュートだしコミカルな掛け合いも楽しいので、是非また公開されて欲しいですねぇ。終盤の熱い展開もカッコイイしロマンが詰まってて大好きです。

ウディタ製ノベルにつきものの、オートモード・セーブ機能無しな不便さが無いと言えば嘘になります。が、周回プレイ時はスキップ可だったり攻略が同梱されていたりする点は親切でした。

 

  • 表ルート:「じゃあマスターは人間じゃない」の論法が大好き。
  • 先生ルート:ある意味クロエバッドルートかも……と思いきや安心の展開。クロエを無かったことにするのではなく、表に色々追加されていく感じが仲良しで素敵ですよね。
  • 裏ルート:ここにきて風呂敷が広がった!? ハルトマンと言えば色々ありますが、「不屈の男」が一番近いのかなー。EDのサニーが歌ってる演出良かったです。

 

再生モードで一枚絵が見れてびっくりしました。嬉しいおまけお見逃しなく。やっぱりこのイグノラントやこの作品みたいな絵柄が好きです。

さりげなく他作品ネタもあって笑いました。いいよね。

 

 

 

『ドラゴンクレイドル』(RPG

 

現在公開中のリメイク後は『ひとりぼっちの竜の神話』にて。

リメイクによるパワーアップを一番感じたのは本作な気がします。よくぞここまで! すごいなあ、正統派に進化していって良作をどんどんブラッシュアップしていくタイプの作者様は、本当プレイしていて応援したくなりますね。

 

基本、二人のノリは安定。やっぱりリメイク後はどれも舞台設定に切り込んでいってストーリーを広げている感じがしますね。神の座を奪うというのはそれだけでロマンがあるので、流れはドラクレのほうが好きですが、お話の締め方はやっぱりどちらも光ります。幕の閉じ方がやっぱり上手いんだよなあ。

特にこの作品は第七の世界が終わりいずれかの世界で再び原初の神の座に竜が……という考え方も、まあ、無理やりであちこち矛盾するにしてもできなくはない気がして、妄想が捗りました。

お話の受け方の幅が広がる、プレイできてよかった作品です。

 

余談ですが、「この戦いが終わったら~」「誰と?」のくだりが地味にエグくて息を呑みました。時々出てくる容赦の無さも好きです。

 

 

 

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フリーゲーム「エクスシアの翼 -亡国の凶星-」感想 

フリーゲーム「イグノラントメイガス」感想

フリーゲーム「ひとりぼっちの竜の神話」感想 

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フリーゲーム「ラナのアトリエ エターなるラナ」感想

錬金術金策のために生まれた合理的なシステム」

マジカルトリュフで大富豪な前置き。

 

 

えー、今回はにょいぼうさんところのフリーゲームラナのアトリエ エターなるラナ」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

タイトルで誤解しがちですが、意外にもアトリエゲーではありません。初見お断りになりがちなVIPRPGの中では珍しく、説明が親切でストーリーも読みやすい、初心者にもおススメしやすい中編RPGでした。

祭りページからだと見逃しがちですが、掲示板に攻略情報の書かれたテキストファイルが同梱されている最新パッチがあるので、お見逃しなく。

 

 

というわけで良かった点など。

 

 

端役気味のキャラが主役級

 

まず完全私の主観なんですが、仲間キャラのチョイスがかなり意外でした。他もしもゲーだと端役になりがちなキャラが前面に出てきてくれる感じ。アラマキが相棒キャラというのが意外でしたし、偽惚やバイソンさんも補佐役なイメージがあります。まだ弟子五郎はスタメン感ありますが、ダーブラはけっこう作者さんによるかも。

サブキャラを好きになりがちな私としては好みのキャラがいっぱいで、それだけですっごく嬉しかったです。編成画面がすごく黒紫! 大好き!

 

タイトルにラナと銘打たれていますが、どのキャラにも軽い見せ場や面白い掛け合いがあって、キャラを大事にしながらお話が作ってあるなーと感じました。

偽惚とバイソンさんの頭脳労働役って感じがかっこよくて好き。あそこにダーブラを入れるのもまた良い対比になって上手いですよねぇ。

 

選択肢やバトルの勝敗によってワンシーンに会話分岐が起こるなど、軽い小ネタの凝りようも素敵でした。私の選択の関係で、いつでもサイを迎えにいくバイソンさん、ラブ。

 

 

 

フラットな扱いのオリキャラ

 

VIPRPGおなじみのキャラとは別でオリキャラが複数人登場します。このオリキャラの扱い方がちょうどよかったんですよねぇ。しっかり定期的に登場して印象づけつつ、ギャグやほのぼのなイベントを含めて上手いこと憎めない敵キャラになってる感じ。

いくつかの思惑が上手いこと収束していく流れも、読みやすくて楽しかったです。知的さを見せつつも、熱い情で絆が集まっていく構成、良き。

 

開発室で顔グラがなくて~等々書かれていましたが、皆受け入れやすいキャラでちゃんと個性が出てるところも良かったですし、むしろ顔グラなしでここまですんなり受け入れられる土壌を作ってるところこそ興味深かったです。ラナたちの丸い態度も一躍買ってるんだろうなー、なんて。

各キャラの使ってくる技からも個性がわかりやすくて、戦ってて楽しかったです。リットーさんトランプ使いそう、わかるわかる。

 

 

 

ぱぱっと作って即使用!

 

素材アイテムさえ用意しておけば、量産していなくてもその場で作ってその場で使用出来ちゃいます。ノーウェイトなのがとても嬉しかった!

ラナが錬金する時のモーションとSEも好きなんですよね。ちゃちゃっと作っちゃう感じが楽しくって好きでした。バトル中限定ではありますが、手持ちのリソースが一目で見れるのもプレイしやすかったです。

 

錬金はラナの専用コマンドということで、主人公的な差別化がしてあるのも嬉しいところ。錬金アイテムがかーなーり高性能なものばかりなので、自然とラナが大活躍でした。

某イベントで強化された後もついつい錬金ばっかりしてもらうなど。私の好きなメンバーがミルミ・五郎・バイソンさんの超火力組だったからかもしれません。

ミルミの無双とバイソンさんの圧倒的強キャラ感が大好き。

 

 

 

街のあちこちにレシピとサブイベント

 

初めて訪れる街には必ずサブイベントが用意されています。宝箱の影から察せられる隠し通路など、見つけると嬉しい要素でした。

サブイベント自体はこう、よくあるおつかいクエストなんですが、素材になる錬金アイテムを見つけるっていう見せ方がなんか好きなんですよねぇ。錬金術っていう本作のラナの個性が感じられて。

ヒントでピンとこなくても、緑の!マークがついてくれているおかげで、虱潰しも可能です。特にコーヒーメーカーで悩まされたので、いやはや力業万歳でした。

マップはちょっと迷子になりがちでしたが、後半になればなるほど敵がわさわさ湧いてくるのは賑やかで楽しかったです。せっかくだから雑魚吹っ飛ばしもしたかったなあ。

 

レシピを見逃してもトゥルーエンドには行けるので、精神的にも気楽にプレイできました。攻略テキストと共にコンプしましたけどね!

 

 

 

惜しかった点

 

不便だったのはこちらもシステム面、ちょっとしたところの歯がゆさが気になるシーンも多かったです。

 

  • バトル中の対象選択時にHPMPが確認できない
  • 錬金の個数指定中に今いくつ作れるかが確認できない
  • 武器レベルをまとめて上げられず店主との会話からやり直し
  • メンバー編成とキャラ入れ替えが別操作

 

まとめてしまえば、1動作が1クリックでできない&見たい情報がその場に無い、というのが不便だったかなと思います。ただ自作戦闘で自作メニューで~ということを考えると、情報を確認する手段が別枠で存在してるだけでもありがたくはあるんですけれどもね。

 

あと、戦闘開始時やマップ切り替え時のウェイトがかなり長めだったかなあ。どことなくもっさりとしたプレイ感はあったかもしれません。

 

でも前述のとおり、戦闘モーションは動いて回っての賑やかさが素敵なので、堪能できると思えばいいかも。 

 

 

とまあ、こんな感じで。

自作戦闘を楽しみつつ、しっかりテーマに沿った物語を味わえる、明るい一作でした!

フリーゲーム「ひとりぼっちの竜の神話」感想

「俺達がアダムとイヴなら愛の結晶が生まれるはずだな!」

さくさく子孫繁栄敬老長寿を願う前置き。

 

 

えー、今回はゆきやどりさんところのフリーゲームひとりぼっちの竜の神話」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

お話自体は一本道、収集要素はがっつりの短編RPG。気づけば一気にクリアしており、特にマップ探索の熱中度が高い作品でした。

 

 

というわけで良かった点など。

 

 

仄暗い舞台をコミカルな会話で駆け抜ける

 

主要人物は主に男女二人、仄暗い世界観で世界は緩やかに衰退しかかっている――けれど会話はとっても明るくコミカルでセクハラネタあり。同作者様の他ゲー、『AshSnow Eve』でも似たことを語りましたが、本作も近しい感じの雰囲気です。

ボケとツッコミがいい具合に入れ替わるのも飽きないところ。

私のように暗いもの好きな方は全体的に退廃としている世界観に惚れこむでしょうし、明るいのが好きな方は道中の漫才に笑いながら進められると思います。

 

 

 

ミニマムなマップと遊び心のある隠し通路

 

独自性が光るのはマップのサイズ。視点がかなり遠めで敵シンボルも宝箱もかなりミニマムに見えます。特に妖精の巣はちまちましててとってもキュート。

それでも意外なことに、かなり見やすくて歩きやすいマップなんですよね! 動線が二つくらいに絞られてるからかなあ。

行けそうで行けないところに宝箱があったり、マップの一か所だけちょっと他と違っていたり。隠し通路があるんだぞとしっかり示してくれているところも、イジワルではなく遊び心だという信頼がおけてとても楽しかったです。アリだー!!

 

 

 

集めたい探したい、やり込み要素

 

マップと併せて注目したいのが収集要素の数々です。称号、会話イベント、合成レシピなどなど盛りだくさん。道中のあちこちにこれらのイベントマークや宝箱が置いてあるので、進むばかりのダンジョンマップも目新しい気持ちで楽しく進められました。

優しいなあと思ったのは称号について。確率を狙わないといけない収集要素が苦手なので、閃き技の制覇は称号の条件から除外されていてとても心が軽くなりました。ありがたい………。

 

中でも注目したいのは会話イベント!

メニュー画面に収集度合いが表示されるので見逃していてもある程度察せられる、とてもありがたい仕様でした。さらには会話が読み返せる機能付き! こういう回想機能もRPGにはまだまだ珍しい印象が強かったので、予想外の喜びで飛び跳ねました。

緑色の!マークは妹さんの話ってことで共通なのかな? 前述の通り漫才が明るくて数も多いので、つい全部見たくなる魔力があります。

 

 

 

ぽこじゃか閃いてガンガン使う術技システム

 

術はたくさん使ってレベルを上げることで、技はたくさん使ってランダムに閃くことで、どんどん増えていく仕様になっています。普段もったいない症候群の私ですが、本作ではリソース考えずに連発して進みまくりました。

戦闘終了時に、レベルアップやら閃きやらでぽこじゃか吹き出しが増えていくのがもう楽しくって。むやみやたらと敵シンボルを全て屠るの、あるあるですよね。

 

合成で簡単に回復アイテムが造れるのも良いバランスだなあと思います。一気に10個ずつ作るなど、量産しやすいシステムになっているのも助かりました。特に私は確率閃きを信用していない人間なので、術主体で戦っていたのですが、そうなるとマナがいやあ枯渇するのなんのって。

ぽこじゃか作ってパクパク食べてガンガン進む! 

そんな二人がどことなく想像できるのも微笑ましいかも。

 

 

 

時には幻想的に、バトルでは爆発的に動くドット

 

前述に一部被りますが、ミニチュア的な見た目も伴ってとにかくマップが見ていて楽しかったです。賑やかな妖精達もそうですが、塔から続く幻想的な風景もとても好きで……。逆十字の通路を進んであの頂上へ辿り着くという設計にとてもロマンを感じます。

何より、滅びた町からオープニングというやり口がもう好きなんですよね。荒れた街路とか、割れた瓶とか、人の生活が終わって草が茂ってる感じとか、丁寧で素敵でした。

あと、エンディング、スタッフロールに入る直前の構図が本当に大好きなんです。セリフと併せて、もう、わかっちゃいるけど泣いちゃう。

 

さて、感動的な一方で、熱い絵もやり遂げちゃうのがまた見どころです。そう、バトルモーションです。他作品でかなり動き回るグラフィックを見せてくれるのは重々実感していたのですが、本作も飛び、蹴り、跳ね、突っ込み、爆発する、実に賑やかなバトルを見せてくれました。

バトルだとドットが大きくなるおかげでとくと味わえるんですよね。

演出として好きだった戦闘中会話も健在。「蒼い月が恐ろしいか」のセリフが詩的で印象に残っています。優しさに溢れた終末……。

 

 

 

惜しかった、合わなかった点

 

個人的に合わなかった点もあるので、そちらについても正直に。

  • スキル数が豊富過ぎる
  • 本編の重要キャラに愛着を持ちづらい

この二点ですね。

 

スキルこと術技については、単純に覚えるのに必死で、覚えきってしまうと実際あまり試行錯誤して使う機会が少なかったという点が少し惜しかったかなあと思います。とはいえ、すでに書いた通りどんどん新しいスキルを覚えていくのがとっても楽しかったのも確か。ここはジレンマだなーと思います。

 

重要キャラは、はい、例の後半出現する二人です。

ちょっとここ以降ネタバレ掠る気がするので要注意です。

本当に私の主観が駄々洩れるところなんですが。先に出会った方はどうしても立場上警戒してしまうし、次に会う方は仲の良さを感じる前に違った方向へと話が進んでしまったので、主軸となるはずの存在に思い入れが持ちづらかったんですね。

先に出会う方は、設定上あそこでしか出会えないのも致し方ないとしても、ラストに繋がるならやっぱり好感を抱けるイベントが欲しかったところです。お話の中途で例の話を実際に回想シーンとして挟んじゃうとか。でもテンポの良さも売りだと思うからなあ……うーんうーん。

次に会う方は、例えば住処でちらりと人影を見せてみたり兎が何故か数匹消えてどこかへ行ったり程度の伏線はあっても良かったんじゃないかなーと思いました。ちょうどあの場所って初めて到達する時は特にメインイベントも起こりませんでしたし。よね。よね?

 

しかしここの項目伏字ばかりで読みづらいですね。追記に格納したほうが良かったかも。

ともあれ、設定やOPの語りが非常に良かっただけに、惜しく感じるところでした。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

後半余計にぐちゃっと書きましたが、軽妙な会話と探しがいのある収集要素のおかげでかなり熱中したのは確かですし、コンプして愛を溜めるくらいにはやり込みました。なので総括してやっぱり楽しかったです。

 

ハマれるRPG、退廃の舞台設定、暗くなり過ぎないストーリー、竜、のじゃロリ、クールな変人等々にピンとくる方へおススメです。

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

フリーゲーム「AshSnow Eve」感想 

フリーゲーム「エクスシアの翼 -亡国の凶星-」感想 

フリーゲーム「イグノラントメイガス」感想

フリゲサイト「ゆきやどり(仔竜/壺竜)」4作品感想

合同フリーゲーム「シュトラールと少女」感想

「親善大使たるもの不眠にも異文化にも負けず立ち向かうのです!」

せめてマイホームは残して欲しい前置き。

 

 

えー、今回はhalfさん主催の合同フリーゲームシュトラールと少女」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

男女恋愛ノベル、各ルート一本道。豪華乙女ゲー製作者様方による、合同誌ならぬ合同ゲー。共同制作というのとも少し異なり、各自の短編がより集まって中編のボリュームになっているという、アンソロジー的な作品です。

 

というわけで良かった点など。

まずは共通で言えるところから挙げていきますね。

 

 

登場キャラが全員異種族

 

人型なので人外というと語弊があるかもしれませんが、羽根・耳・尻尾・ウロコなどなど、その手の趣味の方にはたまらない作品かと思います。

異世界トリップなオープニングから始まり、色々な文化の違いや感覚の違いが感じられるのも興味深いところ。しかも書き手様が複数人なので、色々な設定を幅広く楽しめました。

意外なキャラ同士が仲良しだったり、ルート外での彼らの生活がほんのりと感じられるのも面白いところ。それぞれの個性をどう生かすかという試みを感じられた気がします。

 

 

共通の背景と基本設定

 

そのうえで、どのルートにも共通して統一感を感じられたのは、やはり背景画像やBGMのおかげかなと思います。中には「この方と言えばこれ」と言いたくなるような個性のある作者様もいらっしゃるのですが、突飛なルートはなく、どれも持ち味を最大限に出しつつも調和のとれた短編集に仕上がっているなあと感じました。

プロローグとエピローグが共通で、ある程度方向性が定まっているおかげかもしれません。過去、人間と妖精たちは戦争をしていたというハードな設定もありますが、基本的にはほのぼので前向きな話が多かったかなーと思います。

 

 

各ルート4話、スチル1枚構成

 

だいたいの骨組みも共通で、番外編等の違いはあるものの、大筋は4話でスチルが1枚ついてくる構成となっています。このスチルの使いどころにもまた個性がありましたねぇ。

シーン区切りで一話が終わるルートがほとんどなので、ちょこちょこ中断しながら隙間時間でプレイする派の私にはとってもありがたい構成でした。

ただ難点、今何話目なのかがわからないのがちょっと不便。常に画面表示で何話目か表示してくれたらより有難かったかなーと思います。それこそスチルも1枚だけだから表示されていても画面の邪魔にならない、はず。

 

 

 

と、共通する点はこんな感じ。

初めから作者名は開示されているので、興味のある方のルートだけ拾い読みすることもできはします。

が、私自身作者様を知らなかったけれどすっかり惚れてしまって以降ファンになったルートもあるので、個人的にはやっぱり全クリをおススメしたいところ。

 

 

追記ではネタバレがっつりで、各ルートの感想を書いていきますね。

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事は、おそらくありすぎるので割愛。ご興味ある方は、(PCの場合)右柱の検索窓から作者様のサイト名でご検索くださいませ。

 

では、以下はネタバレ。

 

 

 

 

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