うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

フリーゲーム「ドライエック」感想

「何十の目が向いていたって、あなたがそっぽ向いてちゃ意味がない」

君だけが欲しいなんて寂しすぎるな前置き。

 

 

えー、今回はへもへもさんところのフリーゲームドライエック」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

主要人物3人の視点で進む、恋愛ノベルゲーム。非乙女向けとありますが、女性向けではある気がしています。

というわけで良かった点など。

 

 

鬱の一歩手前で踏ん張る、ままならなさのお話

 

まず書いてしまうと、衝撃的なシーンがかなりあります。ドロドロと底意地悪い感情も描かれていますし、リアルさにウッとなるシーンもあります。

が、驚かされることに、読みやすいという印象もありました。読んでる側のストレスを最大限に軽減したうえで、彼らの物語と心の傷へスポットが当てられている感じ。鬱展開って多かれ少なかれ心に刺さる部分があると思うんですが、他の鬱作品によく感じる「理不尽さ」「話を聞かない苛立ち」がほとんど無かったんですよね。

これは香枝ちゃんの功績が大きい気もします。彼女が言うことを言えずに泣き寝入りしてしまう性格だったら、鬱よりも怒りのほうが強くなって(もちろんそれも別の楽しみ方ができますが)、フラットな気持ちで彼らを見つめられなかったんだろうなと……。香枝ちゃんがぐっと腹に力を込めて物を言える子で本当に良かった。

 

また、「読者を虐めてやろう」「コイツにこんな酷いことをやってやろう」みたいな厭らしさもなく、あくまで「ままならない」「やりきれない」からこそ起こる酷い行為が多かった気がします。前者に振り切ると鬱というよりB級ホラーな楽しみ方になるので、少なくともこの3人を中心とする物語には合わなかったかなと。だから、作品の方向性を決めてしっかりと留めるところは留まっている作品だと強く思います。

 

まとめると、シリアスや鬱というよりは、人間ドラマ。

バランス感覚がすごく良い作品でした。

 

 

 

嫌なものを直視させることを躊躇わないスチル

 

前述の通り、あの3人の内情を丁寧に描いている作品なので、キャラの気持ちが折れかける展開も誠実に書かれています。

その手法としてかなり効果的に使われているのが、スチルと立ち絵!

香枝の例の黒背景なシーンとか、礼への初めてのおねだりのシーンとか、もうね、呻きました。心に刺さる、辛い……!

でもこうやって目に見えて、ある意味滑稽な辛さが突きつけられるからこそ、感情移入もしやすくなるし、キャラを身近に感じる気持ちが最高潮になるんだと思うんですよね……。

こういった暗い部分も余すところなく光を当てて見せつけることで、逆に、その後の変化もしっかり見せてくれる手法だよなあと思います。隠したまんまじゃ光るものも見えなくなる、みたいな。

 

 

 

視点の違い、見え方の違い

 

導入の3視点がもう凄いんですよね!!

詳しくは追記に隠しますが、プレイ前とプレイ後で印象が全員ガラっと変わりました。なんだろう、当然そうまとまるしかないんだけどその過程は彼らにしかないものだった、みたいなところが素敵なんです。伝わるかな。伝わってくれ。

印象が二転三転するけど、キャラの根幹の性格自体は変えたくたって変えられないものだから、一本筋に見えるんですよねぇ。3視点というのもありますがそれ以上に、読んでいるこっちの見え方も変わる不思議な感覚を味わえました。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

いつも以上にふわっとしたことしか語れていませんが、巧妙で素敵なお話なのは確かです。便宜上一応ヤンデレ分類タグも付けますが、もっと違う恋の話という気もしました。

 

現代日本、妄信と葛藤、好きな人への執着と他者への無関心などにピンとくる方へ。

 

 

追記ではネタバレ込みの感想など。

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

フリーゲーム「はしばみ色の瞳の中は」の感想

フリーゲーム「××をください!」感想

フリーゲーム「MerryMerry」「モタモタバレンタイン」感想

 

 

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フリーゲーム「幽獄の14日間」感想

「挨拶に付随する自己紹介は時に喧伝であり果たし状である」

差し出した右手で頬を叩く心意気の前置き。

 

 

えー、今回は喘葉の森さんところのフリーゲーム幽獄の14日間」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

広義ならRPGなのかもしれませんが、いわゆる勇者魔王物とは全く違いますし、ローグライクとも違う感じ。かといって拠点とバトルを繰り返すボスラッシュともまた異なるプレイ感。この手のゲームのジャンル名って何なんでしょうね?

ともあれ、限られた日数と限られた資源で装備を整え、ボスを倒すのが目的のリソース管理ゲーです。

 

あちこちで名前を聞く名作ですし、まあ詳しい説明はレビュワーさんに任せるとして。私はのんびりいつも通り、良かった点などあげていきますね。

 

 

情報提示はしっかりと、理解はプレイを始めてから

 

ゲームは基本OPやチュートリアルから入りがちですが、このゲームは即操作可能の状態でスタートします。

さて何をするべきか?

私はまずメニュー開いてセーブから始めるタイプなのですが。とりあえず基本情報からと思ってメニューをいじくって、ふと見た主人公ステータスのあの一文ですよ。震えました! あれは「とりあえず動かしてみて」というメッセージだと受け取ったんですけどね、それをあの文章で伝えてしまえるのがもうかっこいいです! 文才。あの文があるのとないのとで序盤の不安の軽減力が段違いでした。素晴らしい!

そんなわけで、ある意味どんなチュートリアルよりも雄弁かつお洒落なチュートリアルを受信できたのが真っ先に挙げたい良点でした。

 

一方で、コストやリソースが重要な作品だからこそ、説明も見やすい位置にしっかりと書き込まれています。ただ、序盤のオススメな動き方やどういうプレイングが良いかはあくまですべてプレイヤーに一任されています。

このね、言い過ぎない説明具合もまたイーブンで良いなあと思うんですよね……!

ルールの提示は公正に、演出は黙して雄弁に、プレイスタイルは任意に。無駄の無さが気持ち良かったです。

 

 

手ごわく見えてカジュアルに楽しめるノーマルモード

 

ある程度は手探りで進むこのゲーム、初めはランダムで出てきた強敵にボコっとされたり逃げ出したりでなかなか敵が倒せず、かなり手ごわさを感じていました。

が、実際終盤になってみると、案外すいすい進んで楽勝だったり。余裕ぶっこいて残り4日くらい余らせてクリアしちゃいました。私はかなり初期に金聖霊が来たのもあるでしょうが……。

 

カジュアルは序盤の厳しさが後々さくっと解決する爽快感と、全体的な作品のテンポの良さが存分に感じられるモードでしたねぇ。ある程度の運要素は絡みますが、まごついて躓いてもまだ余裕のあるコスト設計はありがたい限りでした。

 

 

考えなしだと詰み目前のハードモード

 

そして、ハードモードに手を付けて気づかされます。今までのカジュアルモードはルール説明に過ぎなかったのだと……!

中でも「HPが半分しか回復しない」という点は説明を見た瞬間に無理じゃないかなと及び腰になる程度には恐ろしい文言でした。

けれども、ここを1日目からうまく解決できるニクイ手段と演出が用意されています。なので戦略ゲー苦手な人も一応、試すだけ試してほしいなー、なんて。

 

そうそう、ハードモードで異なるのがシステムだけでなく、ストーリーやキャラにも影響していることもポイントですね!

これを考えると、ノーマルモードはライトユーザー向け、ハードモードは本領発揮という感じでしょうか。少なくとも私にはハードモードからが本番でした。死にまくったなあ(喜々)!

 

さらにはこれを超えるやり込み要素として、エクストラモードも完備されています。やろうと思えば何時間でもプレイできるし、ストーリーで満足したら一区切りでもOK。クリア画面ではリザルト画面も表示されるので、死亡ゼロや残り〇日プレイなど、各自のルールで縛る楽しさも味わえます。

ルールとコストはきっちり管理されているけれど、そのルールの箱の中での遊び方は自由、という印象でした。

 

 

すてきな名前をつけてね!

 

主人公含めキャラクターに個性的な名前はなく、初めは「○○の聖霊」という簡素なデフォルトネームがついています。シンプルに進みたい方はそのままで、キャラ愛が強い方はお好きな名前をお好みで。

名前をつけるという工程が入ることで、「この子は自分の」という感覚がいっそう増して、ご主人様呼びもすんなり受け入れられたように思います。

 

あとこの名づけの時に感じたのが、キャラグラ・立ち絵の秀逸さでした。こう、ぱっと見てキャラ属性が伝わる良い立ち絵なんですよね! 私はキャラの外見に合わせてフィーリングで名前を付けたいタイプなので、話し始めて以降もイメージ通りで嬉しかったです。

他の名前つける派の人の名前も見てみたいなあ。

 

 

明るく闇をチラ見せする聖霊達の会話

 

キャライメージがあると述べた通り、キャラ同士のお喋りは軽快で面白いんですよねぇ。システム燃えだけでなくキャラ萌え派の私みたいなプレイヤーもドハマリできたのは、やはりこのキャラ会話が魅力的だからでしょう。

裏の読めないミステリアスちゃんがド天然さんに翻弄されたり、主のために一生懸命でも攻撃的か内省的かで随分と態度が変わったり、キャラ同士が絡むからこその違いや個性が伝わってくる会話が多かったです。

 

キャラ面だと、黒ちゃんと白ちゃん、ネガネガ青関係、学霊全般のチャラチャラアップテンポ会話が特にお気に入り。

展開自体はハーレムですがいちゃいちゃ全振りなわけでもなく、ほどよく不穏で闇深設定が見え隠れするのも好きなポイントでした。主人公は基本渇いた距離感なのもグッド!

 

なお、同作者様の他作である『カリスは影差す迷宮で』のころから見られた、重厚な世界設定構築力も健在です。会話のあちこちに出てくるキーワードは解説されることもあればされないこともあり、けれどもみんなの話を聞いていくとなんとなく全貌と設定が見えてくる良い塩梅でした。

こちらの頭がパンクしない程度の、知ってると深みが増すくらいの世界設定が一番心地いいんですよねぇ。会話の長さも長すぎず短すぎずで、なんというか本当にテンポの良さが重視されていたように思いました。

 

クリア後のおまけに会話回想があるのもめちゃくちゃ嬉しいポイントです!

他ゲーではセリフ差分回収に何周もすることがあるので……わかってらっしゃる……。ありがたさでいっぱいでした。

 

 

ハッと驚く衝撃のストーリー

 

最後に語るべきはストーリー面。

システムが重視された作品だと思っていたので、まさかストーリーのオチがここまで強いとは思っても見ませんでした。

かわいい女の子達ときゃっきゃしつつ、ストイックにレベルを上げていくゲーム……に、収まらないのがこの作品のクオリティの高さです。エンドロールの呆然っぷりよ!

書き過ぎると全てバレになりそうで躊躇われ、しかし高らかに主張したいこのジレンマよ。これからプレイを考えている方は、是非とも驚かされてほしいところです。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

  • リソース管理系の戦略ゲーが好きな方
  • 色んなおっぱいかわいい子ちゃんにご主人様扱いされたい方
  • 説得力もある驚きのストーリーに興味が湧いた方

などなど、ポイントを突いて多方面におススメしたい、独特の中毒性を感じる一作でした!

 

追記ではネタバレ込みの感想など。

 

 同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

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フリーゲーム「MILK」感想

「零しちゃったら洗えばいいよ」

だから涙も弱音も吐き出して良い前置き。

 

 

えー、今回はGreen PochetteさんところのフリーゲームMILK」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

エンド分岐ありのフリーシナリオに近いRPG。ちょっとしたサブイベントや合成要素など、脇道に逸れながら進むのが楽しい一作です。

 

このゲーム、キャッチコピーも好きなんですよー!

「事態はとっても深刻、でものんき。」

まさに作品を一言で表しているなあと感じます。

 

世界観が一部過去作と共通しているので、『cocoa』辺りはやっておくと理解が深まるのかも?

せっかくなので以下では過去作もちょこちょこ話題に出しますね。

 

 

 

というわけで良かった点など。

 

 

ほのぼのに大匙1杯のシリアス

 

人類どころか生き物が全て滅んだ世界、という舞台がお気に入りです。

探索を進めると色々と“生きていた”跡が見つかります。誰もいない廃墟、食べかけで放置されたままのお皿、壊れた樽や放置された爆薬など。こういう、物言わぬところでしんみりと終わりを感じさせる雰囲気が好きでした。

 

そんな中、いい味を出しているのが意外なほどのんびりなサブイベントです。たまたま出会った皆が手を取り合って、ちょっとした助け合いコミュニティを作ってる優しい雰囲気。

ラーメンイベントのわいわいやってる感じが好きです。

 

あと、うさちん!

固い単語を選びつつゆるい喋り方をするのがすごいツボなんですよね。「さようか~」のゆるさがほんっと好き。なんかすごい好きです。

で、ゆるゆると進むかと思いきや…………なシナリオも有り。のんびりしたテンポになじみかけたところだったので、ドカンと鈍器で頭を殴られるような衝撃がありました。でも、こうやって優しさだけで終わらずに、鬱展開も踏まえて、まったり笑える雰囲気が好きだなあとも思います。

 

 

自由度の高いマップ

 

前々作の『Espresso』でもあったフリーシナリオ風のマップが、今作はさらに強化されています。目的地もやるべきシナリオもきっちり明示されるのですが、そこへ行く道のりは自由な感じ。あちこちうろついたら見覚えのある場所に着いている、お散歩みたいな感覚が楽しかったです。

迷子になりやすい私のようなプレイヤーのために、いつでも見られるマップがついているのも嬉しいところ。方角形式ではなくマス目形式で描かれているのもわかりやすくて助かりました。ワープポイントが多いのも良いですよねぇ。

 

選べる道筋が多いのに加えて、探索ポイントが多いのも好きでした!

あちこち探索してちまちまアイテムを拾い歩いていくRPG大好きなんですよ~。室内の家具や草原の草花など、マップチップもこまごまと凝っていて、色々見て回るのが楽しかったです。

サブイベントやスキルに関係するアイテムは吹き出し表示で見やすくなっているので、探索が苦手な人でも一通りのアイテムは集められるのではないかなー、なんて。

 

 

自分のおうちとステータス振り分け要素

 

プレイヤー独自の色を表現できる要素が多いのもポイントです。

例えば、お部屋の模様替えシステム。いくつかあるタイプから自分の好みを選ぶのも、出来上がりがどうなるのか見るのもドキドキしました。種類が豊富なのも楽しいところ。

初めは名前の響きから錬金術インテリアを選んだんですが、色々見た後だと森インテリアが好きかもなあと思います。ある程度物があって落ち着きもあるお部屋が好き。

 

また、レベルアップの概念が無い代わりに、ステータスを割り振れるのも自由度の高さが感じられる点です。アイテム制なので、一応やろうと思えば縛りプレイもできちゃったり。自分だけでなく仲間のステ振りができるのもポイントですね。

 

前々作の『Espresso』ではフレーバー要素だった主人公の性別が、今作ではがっつりイベントやエンドの違いに絡んでくれます。性別差分があるとついつい見たくなりますよね。楽しかったです。

 

 

集めて作って一手間かけたくなる合成システム

 

cocoa』の感想で「枝豆の筋取りが好きな人は合いそう」という伝わるのか不安な例えをしてしまいましたが、今作ではその筋取り作業が実際に組み込まれています。やったぁ!

いや、字義通り枝豆を作るわけではないのですが。

 

あちこち歩いてアイテムを集めてきて、合成で物を作ってみたり。強化素材は糸紡ぎの機械で加工してから初めて使えるようになったり。畑に種を撒いておいて、探索して帰ってきてから収穫したり。そういう、経営ゲームっぽい要素が組み込まれているのが楽しかったです。自分の手で復興してる感じが楽しかったなあ。

ちまちま色々集めたり増やしたりするのって、なんかいいですよねぇ。

余った素材をリサイクルできる機能もあって、作り損や集め損がほとんどない、あるもの全部を使い切れる気持ち良さも味わえました。

 

 

変わった画面演出

 

さて、グラフィックが独特のゆるいデフォルメタッチで可愛らしいのもポイントなのですが。

グラフィック面で特筆したいのは画面の使い方です。

登場してきたボスの攻撃が、なんとゲーム画面に直撃しちゃったり! 次はどんな壊され方をしちゃうのかなと不謹慎ながらわくわくしてしまう楽しさがありました。

あと、エンドロールの入れ方も大好きですねぇ。ああいうのされると不覚にも泣いてしまいます。

しっかりゲームをしている一方で、演出は映画っぽかったといえるのかもなー、なんて。

 

 

 

惜しいと感じる点

 

一方気になる点としては、

  • 一部ステータスに差がありすぎる
  • アイテムの種類に対して使う機会が少ない
  • 元凶の設定

辺り。

 

まずはステータスから、私は2周してざっくり「物理型」「魔法型」で作ったのですが、いかんせん魔法型が弱くなってしまって参りました。腕は攻撃も防御も上がってくれるので固くて強いアタッカーになってくれる一方、頭は攻撃とMPなので魔法を唱える前に倒されちゃうんですよねぇ。強いボスは物理寄りと言い換えてもいいのかな。

 

現状は腕ステが体ステも兼ねている感じだと思うので、

腕:物理とHP 頭:魔法とMP 体:防御全般

にしていたら魔法不遇感は薄れていたかなと思います。

 

次にアイテムについて。装備品は「やかましいキノコ」が一強なのが少し惜しかったなあと思います。『Espresso』の時はキノコ自体が弱かったので複数行動も納得だったんですが、今作だとデメリットがほぼ無いうえにけっこう発生率が高いので、ちょっとバランスブレイカーかも。

逆に料理は効果が少し薄かったかなあと。ただ、時限式なのはすごく斬新で面白かったです!

 

ラスボスについてはネタバレを避けられないので追記にて。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

一部大味も感じられますが、全体的にゆるーい雰囲気のゲームなので、らしいと言えばらしいかも。マップ等のシステムはかなり親切ですし、難易度も易しめ。

イラストや世界観が気になったら是非プレイしてみて欲しい一作でした。

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

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以下はネタバレ有り注意です。

 

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フリーゲーム「孤独勇者の冒険譚」感想

「はじめましてと名前で告げる粋な心意気」

ストーリー進行度がわかってわりと好きな命名法な前置き。

 

えー、今回はアトハさんところのフリーゲーム孤独勇者の冒険譚」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

ちょっとしたエンド分岐ありの、基本一本道RPG……です。はい。

そしてこちらのゲーム、どう記事を書こうか悩ましい作品です。

つまり、わかるだろう? 伝わってくれ! 

 

で、ピンポイントにターゲット層へ向けて記事を書きたい気持ちもあるのですが、やっぱりネタバレ無しで書きます。もうこう書いてる時点でバレてる気もするんですけどね!

 

 

というわけで良かった点など。

 

 

動く起動画面

 

まず目につくのは起動画面なわけですが、「動いた!」瞬間にこにこしてしまいました。

草原にタイトルロゴ、シンプルで初心者向けな画面を見せつつ、さりげなく技術力は感じる面白いタイトル画面だったなーと思います。アレの後も、BGMに合わせてじわじわ積み重なっていく緑がまさに草の一言。ああいうのすごくおちゃめで好きでした。

 

 

プレイヤーとキャラの境目を突くストーリー

 

お話の構造も興味深かった点でした。

抽象的な書き方をしちゃうんですが、キャラをプレイヤー側にぐっと引き寄せておいて、また引き離して彼らの物語を描いていくような感じ。初手のインパクトを引きずるのではなく、また新たなターニングポイントを置いて、章ごとに見え方も変わっていくストーリーだったなあと思います。

それで全部やり終えて、ラストの話やすべての展開を見直してみると、確かにあのお話は「あの人」のためのストーリーなんですよねぇ。バラバラなようで一貫し、最後に繋がるまとまりの良さが素敵でした。

 

ちょっとした掛け合いが楽しい探索要素

 

きらきらんと光るポイントをエンターすると、スキットのような掛け合いが見られます。あれがすごく楽しかったです! 基本的に時限式のものはなく、見逃しても後で回収に来れるのもありがたい点。

また、宝箱のみでなく、ちょっとしたオブジェクトに掛け合いが入っていることもあって、探索の手が捗りました。こういうところで仲間のほのぼの仲良しさが出てくるの本当良いですよねぇ。

あるあるwと言いたくなるお約束も多くて、くすくすしながらプレイしてました。

たーるっ!

 

 

さりげないところで嬉しいシステム

 

エンターキー押しっぱなしでダッシュ、キャンセルキーでメッセージスキップ、SHIFTキーでバックログなどなど。あると嬉しいけどなかなか見かけないシステムがしっかり搭載されていて、めちゃくちゃプレイしやすかったです!

こういうところが行き届いていると本当プレイヤーとしてはありがたいですよねぇ。

 

バトル

 

バトルはけっこうピーキーな設定だったと思います。

独特なのは、バトル開始時はSP半分から、という点ですね。しょっぱなから大技を繰り出すことはできませんが、MP1になって戦闘を終えても次戦闘では半分まで回復しているのである意味スキルを使い放題な設定でもあります。戦闘難易度も中盤辺りまでは易しめなので、常にテクニカルな戦略を求められるというよりは決め手の使いどころだけ考えるのが吉、というくらいのゆるさでした。ほどよい感じ。

 

あと、バフを積んだら大火力というのも必見。

重ね掛けして大火力、この爽快感たるや! 元は2桁のダメージがガツンと飛んで4桁ダメージ、いやあわかってらっしゃる! めっちゃ好きですああいう設定。ぶっ壊れにならないよう、ラスボスも全力で挑んでくるのがまた楽しかったですねぇ。

 

 

 

難点としては、

 

 

圧倒的なSP不足

 

好きだったバトル面ですが、一方思うところもあり。ある程度ステータスに縛りのあるバトル自体は好きなんですよ。リソース管理的な。

ただ、ユナの高火力魔法はSPの関係でほとんど使えなかったので、もうちょっとマナヒールの威力を高めたり防御でSP回復したりしたら嬉しかったかなあと思いました。アイテム係になるのはちょっと切ない。

ここバランスが難しいところだろうとは思うんですけどねぇ。ユナが強すぎるとバトルが崩壊するでしょうし。一部のイベント会話を見るに、ユナは冷遇不憫キャラでもあるようなので、仕方ないかなあと思いつつ。

でも斬新で面白いバトルシステムだからこそついつい、もう一声!を求めてしまいます。

 

 

(ヘビー)ゲーマー向けの展開

 

これは難点ではなく、ターゲット層の明確化として挙げます。

「初めてRPGをプレイするぞ」という方や「フリーゲームってホラゲしかやったことないでどやってみようかな」という方にはまず向いていない作品です。ここは申し訳ないけど、断言しても過言ではないと思う……。

逆に、家にRPGソフトが複数本あるかなという方にはお楽しみいただけると思います。

 

PC内にフリゲ用のフォルダを作っているあなたならパーフェクトに客層入りです。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

ゲームが好きな方、一部独特のバトルにチャレンジしてみたい方、二転三転するストーリーが好きな方、ツボや樽は調べずにいられない方へおススメしたくなる一作でした。

 

 

以下、追記ではネタバレ込みの感想など。

 

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フリゲサイト「エンディング・エラー」5作品感想

「誰も異常を唱えないなら正常とみて差し支えない」

結局相対で決めてしまうのが楽な前置き。

 

 

えー、今回はエンディング・エラーさんところのフリーゲーム「終わる世界とあなたと私」「箱庭ネオテニー」「ハロウィンナイト・グリッチ」「ハロウィンナイト・グリッチSweet」「クリスマスのしあわせなおうち」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

 

どれも短編の男女恋愛ノベルゲー。攻略対象は近親で、ヤンデレや病みが多めの乙女向けです。

昔にこの作者様の処女作『完全バッドエンド』をプレイさせて頂き、ずいぶんと間が空いて他作も一気プレイしたのですが……ぐぐっと進化した個性的な作品がぞくぞく作られていて驚きでした。継続は力なり!

 

今回取り上げる作品に相互の関係性はありませんが、同じ作者様ということで併せて取り上げてしまいますね。記載はプレイ順。

 

 

 

都合上、「このキャラがヤンデレ」「こういうシーンがある」くらいのネタバレはしてしまうので、新鮮な気持ちでプレイしたい方は要注意です。

あと大半の作品に年齢制限がついているので、DLの際はそちらもご確認のほどお願いします。

 

 

 

 

 

終わる世界とあなたと私

 

魔王兄×シスター妹、ダークファンタジー。サブキャラはショタ多め、ほんのりとショタコンモナー要素。

 

 

目を引く瞳

すごくピンポイントなんですが、あの瞳の描き方がすごく好きでして!

ふりーむの紹介スクショを見た際、ぱっと目を引くあの瞳に惹かれて気づけばDLボタンを押していました。焦点は合ってるんだけど人らしからぬというか、魔や狂気を感じる描き方というか……絵の技術は門外漢ですがとにかくすごく好きでした。

 

 

使いどころの難しいBGMに合う名シーン

タイトル画面の素材曲といい、けっこう使いどころに悩む個性的なBGMが多用されています。が、これがめちゃくちゃ合うんですよね!

シスターだからといってシンフォニックな曲を持ってくるのではなく、ちょっと変わり種を上手く取り入れていて、「ここにこの曲を持ってくるとは!」というセンスが光る選曲でした。

 

 

どこまでも闇と狂愛を忘れないストーリー

鬱展開だけでなくメリバや流血シーンもあり、ヤンデレと言えばこれ、の基本をしっかり押さえてくれた印象です。明るいエンドであっても最後まで闇を忘れない姿勢は実に素晴らしく、無害そうなサブキャラでもちらっと病みが見え隠れするこだわり具合でした。

中でも例のセリフ! 伝わらない! 

あのね、事態をややこしくしていたのは~みたいなあのセリフがすっごく好きなんですよ!! 素晴らしい、あの一言をあのシチュエーションで見られただけでもこのゲームをプレイした価値があった、素晴らしいありがとう……! 萌えました。

 

個人的には二人で二人の世界を創世してそのまま全てが滅んで欲しいなあと思います。お先真っ暗っていいよね、安心。

あと某エンドの、一言でさっと青ざめさせてくれる感じが大好きでした。

 

 

合わなかった点

キャラクターが現代のオタクっぽくなるノリが苦手なので、主人公のギャグモードはちょっと合わなかったところかも。

でもハート目な表情や、不穏の流れをぶった切ってコメディに走って「ええ!?」とびっくりさせてくれる展開自体は楽しかったです!

そして合わなかった点というわけではないんですが、聖職者らしさや清廉潔癖さを求めるとちょっと期待とずれる気もします。ここは紹介文通りなので大丈夫だと思いつつ、これからプレイする方向けに念のため。

 

 

総括一言

お兄様に世界を滅ぼす勢いで愛されたい方、そのお兄様を凌駕する勢いで我が道を行きたい方向け。

 

 

 

箱庭ネオテニー

 

エイプリルフールだ、嘘をつこう! あらすじと注意書きのギャップでなんとなく察せられるタイプの、周回前提ヤンデレものでよく見かけるあのジャンル。このジャンルなんていえばいいんでしょうね。

ネタバレ一切触れずにプレイするのが楽しいと思いつつ、うまく隠しながら書ける自信がないので、特に閲覧注意です。

 

 

うつつの世界とぼやけた瞳

このゲームもまたスクショからDLしました。そしてこれまた目の描き方がいいなあと思ってDLしました。いや、違うんですよ天丼じゃないんですよ。きちんと上記の作品と違った描き方がされていてこちらはメルヘンパステルな色合いが魅力的なんです。

アリュームの焦点がぼやけたような瞳がすごく、良いなあと思います。暗喩的で。ニドのほうもこう、吸い込まれそうな瞳でドキドキ(意味深)しますし。なんだか宇宙っぽい、し、ニドは宇宙人みたいだと揶揄されるのも似合いそうで、こちらの心が辛くなります。好きです。

 

 

一歩踏み外せば違う展開・ミルフィーユ構造のストーリー

選択肢とエンドがかなり多く、かつ導入部分に集中しているところも特徴的。特に初回プレイ時は、軽快な会話の裏に隠し切れない棘にとってもぞくぞくしました。

エンド分岐の方法もある意味皮肉っぽくていいですよね。少し選択肢を変えるだけでどんどんはがれていく感じ。ふふふ。

 

この手のやり方って緩急の付け方が重要だと思うんですよ。本作はそこを上手いことやり切っている作品だなあと感じました。

そのポイントはニドの態度かなあと思います。フラットなんですよね、彼。無理に甘やかしたり誤魔化したりしようとせず、僕は当然ここにいてこういうことをしている、というような態度。根本の考え方がそうだと思い知らされる感じ。凄い。

足場がぐらつく夢見心地を存分に楽しめました。

 

 

目で見てわからせる演出力

改めてグラフィックの話に戻るんですが、このシナリオをより味わい深くしているのはやっぱり作者様のグラフィック力のたまものだと思うんですよね。

『完全バッドエンド』の頃から起動画面のオシャレさ等に見惚れていたんですが、それらのセンスがここにきて大いに猛威を振るってプレイヤーをこう、こう、おおお……!っとしてくれるような。ぱっとシーンの変わる演出がもう最高でした。

アリュームの普段のポーズがものすごく良いんですよねぇ。初回プレイ時は自傷癖もちなのかと思っていたんですが、色々終わってから、なるほどあの手元はあれが気になって弄ってるんだろうなと……気づいたらぞっと鳥肌でした。そ、そういうことでいいんですよね? 伝わるかな? エンド6もそうですが、深読みできる諸々が仕込んであるの大好きです。

 

 

ネタバレ感想

↓白抜き伏字ここから

各エンドのタイトルが好きですねー! 一言コメントも黒くて好きです。鬱展開はこういうどうにもならない余韻が好き。

 

本編はアリューム視点だったのと状況が異常だったのであまり感じませんでしたが、おまけ話ではアリュームの天然魔性っぷりにうわぁ……となりました。特にHOPEで感じたんですが。ニドにそこまでさせてしまったことを悔いたり申し訳なく思ったりするのではなく、ニドが怖い・過保護・離れたいと思うあたりけっこうアリュームも勝手だなあと思っちゃうんですよね。いや、ニドがおかしいのは大前提としても!

だからといってアリュームが嫌いというわけではなくて、むしろ、守られることしか知らないお姫様というキャラ像がよく見えるお話でした。こういう、本人は決して悪くないんだけど責任転嫁しようと思えばできちゃう構造のお話好きなんですよね……。何かがどうにかなればなんとか幸せになれたかもしれないのに(ならない)(運命の摂理)(人の業)って感じが。

 

敬語好きの私は断然ヤフェト派で、エンド9、裏で軋みをあげている崩壊間際のアリュームの末路も含めて大好きなんですが、エンド3のエンドリスト一枚絵も好きです。

……アリュームが暗い方面に壊れかけてる展開が好きなんだろーか。

↑ここまで。

 

【ググったメモ】

Sandplay:なんでお砂遊び?と思ったら箱庭療法がsandplay therapyだそうな

Agony:苦しみ悶える

Emancipator:解放者

Defloration:花を摘む、散らす

Wreckage:難破船? 残骸?

 

 

総括・一言

ヤンデレやダークメルヘン好きには是非ともプレイして欲しいところ、俺敬語キャラおいしかったです。

 

 

 

ハロウィンナイト・グリッチ

 

ハロウィンしようぜ姉さん! 異形・傷跡・トラウマ持ちヒロイン・身体改造など。

 

 

ニッチな性癖を満たす外見設定

サウィンがピアスざくざく指してて、単純なニードルタイプじゃなくリングタイプまで混ざっている時点でどことなーくそんな気はしていたのですが。案の定、身体改造ネタがありました! やったー!

ここが大きく取り上げられるというわけではないんですけども、そこらだとまだまだ見ない設定なのでテンション上がりました。苦手な方はそれこそスクショのピムたちのツギハギ痕で避けられますし、そのぶん興味もった人をとことん引きずり込む感じで嬉しかったです。

 

スウィードみたいに、筆談等の独特の方法でコミュニケーションする必要のあるキャラも好きなのでどちらの攻略対象にも性癖のツボを押された形でした。とんとんボードを叩く癖の描写が本当好きでして! 某エンドではあれがめちゃくちゃ上手い演出になっているのも素敵です。さりげなくプレイヤーに癖を覚え込ませる工程、大事ですよね。

 

 

君のせい/じゃない、俺のもの/じゃない

攻略対象が二人明確に出ており、二人の態度が真っ二つだったのも印象的でした。オラオラ系(メンヘラ寄り)ヤンデレが好きな人、草食系(だけどやることはやる)ヤンデレが好きな人、どちらも楽しめるかと思います。

ヤンデレが複数人出てきても行動原理がきちんと二人とも違うので、よりキャラの深まりが出ているように感じました。スウィードが揺らぎなく「自分への罰」って言ってたセリフがすごく、おお……って思ったんですよねぇ。そしてサウィンの某エンドと比べてさらに深くうなずくなど。

安易なテンプレ台詞ではなく、そのキャラがこういう考え方だから出てくる、というようなセリフが多くて、とても好感が持てました。

最後の選択肢でぴたっとBGMが止まるのも上手い演出。

 

 

 

ぼくら死なないアンデッド

ただし心臓を潰すと死ぬ。

というわけで、普通の現代ものだとお目にかかれない、なかなかゴアいエンドが多かったのも見どころでした。共通ルートでゴアって単語の出てくる乙女ゲーは初めてプレイしたかもしれません。いいね。

私エンド5が本当もう倒れ伏して寄声あげるくらい好きなんですよ!!!察して!

かわいい……あの男かわいい……健気なかわいさが好き……。鳥肌たつ余韻が好き……。あとエンドのおまけの「誰でもできる!簡単講座!」なノリがえぐくて好き……。

断面やモツはでませんが、流血の範囲を数歩超える程度にしっかりしたグロスチルが出るので、苦手ラインがグレーゾーンな人は注意かも。

 

 

総括一言

サウィンに猛犬注意のステッカーを貼りたい。

 

 

 

ハロウィンナイト・グリッチ SWEET

 

ハロウィンしようぜ二人きりで! 異形・傷跡・嫉妬ヤンデレなどなど。上記作品の続編、もとい短編番外編。

 

 

より詳しく知れるハロウィンタウン 

エルデルのような新キャラクターの登場により、作品の舞台であるハロウィンタウンについてもう少し詳しく知ることができる番外編です。サウィンだけがおかしいんじゃない、全員ろくでもないハッピーイカレタウン。こういう悪役然とした舞台設定好きな人きっと多いですよね。私も好き。

 

また、これらの背景を通じて、前作では振り回され役として終わった主人公であるピムも、明言はされないながら少なからずヤバイ歪みがあるのだろうと察せられます。

サウィンを受け入れている時点で……辺りかとは思うんですが、無自覚な狂人って属性だけでなかなかに妄想が膨らみました。

 

 

糖度高めのストーリー

前作では、脅されたり不穏だったり、想いを通わせ合う前に殺傷沙汰が始まる感じでしたが、今作では糖度たっぷりの乙女ゲーな展開になっています。私個人としては前作の雰囲気を強く推したいですが、展開はマイルドに愛は過激なヤンデレを楽しみたい……という方にはむしろこちらのほうが良いのかも。

 

 

コスプレネタと黒いスウィード

で、ここはちょっと合わなかったところになるのですが。

個人的に女装ネタは苦手なので相いれなかったのが一点。総受けハーレムより攻略キャラをとことん深めて欲しいのでおまけストーリーが苦手だったのが一点。

あと、スウィードは前作でピムの意志もある程度尊重しつつこらえきれない愛があふれてしまうヤンデレだと思っていたので、今回の暗黒微笑押せ押せな感じは少し合わなかったです……。が、前作の頃からああいう条件だと強気に~ってセリフはありましたし納得はできます。単純に前作のエンド4のスウィードが好きすぎたので、私がこだわって盲目的になっているだけかもなー、なんて。

 

 

総括・一言

前作序盤の軽快にぶっ飛んだ会話や明るい雰囲気をさらに味わいたい方向け。

 

 

 

 

クリスマスのしあわせなおうち

 

ポップな見た目と注意書きのギャップでなんとなく察する第二段。

 

 

叱られない子どもの世界

おうちの皆はりりりちゃんのことが大好き!

りりりちゃんは良い子なので、もちろん叱られることだってありません。誰も怒ってくれません。誰もりりりちゃんと本当の意味で向き合ってくれません。

この感じがすごく心に刺さって好きでしたー!

なんだろう、子どもの癇癪とディスコミュニケーションな選択肢を選び続ける彼の、致命的な相性の悪さがすごく好きなんですよね。どこかの家庭でありえそうなバッドコミュなのに、どこの家庭でもあり得てはいけないことが起こっているギャップもまた深みがあって良かったです。

あと単純にりりりちゃんがすごく私の理想とする少女(悪)(悪ではない)(自分が一番なだけ)なのも感動でした。

 

 

弱気な攻略対象

上記の通り、今までプレイして触れてきたヤンデレの皆さんがどなたも押せ押せゴーゴータイプだったので、この手のタイプのキャラは新鮮でした。私は卑屈がちなキャラが好きなのと、片目隠れが好きなのですごく私得な感じです。

セットにすることでりりりちゃんの魅力がさらに増すのも見どころ!

 

 

エンド4

ネタバレなので熱くは語れませんがこういう、正常を伝える人がいなくて箱庭の中で不気味がすくすく育っていくような展開、大好きです。

また、このエンドに限らずですが、お風呂場の背景画像にきちんと色がついているのも細かくて素敵でした。

 

 

総括・一言

シンプルに病み度が高く、心がほどよくえぐられる良作。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

まとめると、

 

  • 入門編『終わる世界とあなたと私』
  • キャラ萌え『ハロウィンナイト・グリッチ
  • 演出賞『箱庭ネオテニー
  • 嗜好がぴったり『クリスマスのしあわせなおうち』

 

な感じでした!

 

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

shiki3.hatenablog.com

フリーゲーム 「僕とあの子の箱庭絵本」感想

「良い子はおうちで幸せに暮らしたのです」

出ると悪い子になってしまう気がした前置き。

 

 

えー、今回は馬鹿げたホノオ。さんところのフリーゲーム

「僕とあの子の箱庭絵本」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

 

いやあ、とにかく世界観とテキストがすごく好みなゲームでした! 

探索重視の一本道RPG

物語が胸を打つ、ほどよい長さの一作です。

 

 

というわけで良かった点など。

 

ぬいぐるみたちとプリンセスのお話

 

一応、系統としてはダークメルヘンなのかな?

鬱シリアスで、時には血みどろだったり陰鬱だったり暗い執着だったりも交えつつ、最後には綺麗に輝いていく印象でした。お喋りするぬいぐるみや、少年少女と人外キャラ、お菓子で回復したりお料理できたりするシステムなどにピンと来るならきっと合うはず。

幽霊も狂信者も農家も木こりもいます! やったね!

 

一方で、「いいえ」ループや人の家のタンス云々、MIDIチップチューン曲?などなど、昔懐かしなRPG要素もしっかり踏襲してくれていたのも楽しかったです。

 

 

文体を変えて様々に語りかけてくるテキスト

 

「読まなくてもいいけれど読むとぐっと深みが増す」文章が非常に多かったなあと感じます。

 

筆頭はサブキャラのセリフですね。物語が進行するごとにセリフが変化していくのですが、それぞれのキャラごとにテーマを感じる内容でした。哲学的な疑問も混ざっていて、あちこちでふと手を止めて考えさせられるお話だったように思います。

 

あちこちの探索ポイントの反応文もそう。同じ鏡でもバリエーションがあったり、ベッドの持ち主によってクスッとなる一言が入ったりして細かいなあと。

主人公視点の「○○するのはやめておこう」みたいな意思表示の文と、「君はこの先の空間に拒まれていると感じた」みたいなゲームブック風の文とが使い分けされているのも上手かったです。

また他にもラクガキ帳やオルゴールなど、ちょっとしたところに響く一文があって、本棚の中から本を選ぶ時のようなわくわくがありました。

 

 

あちこちで補給しておうちを彩る収集要素

 

探索ポイントが多く、前述の通り反応文もまた詩的で美しいので、あちこち調べるのがとても楽しかったです。例えば同じ窓というオブジェクトでも、調べる場所や時期によって文章が違うんですよ。この細やかな差分が本当に好きでした。

 

また、探索で手に入るアイテムが多いのも嬉しかったです。実用性も兼ね備えている感じがお得で素敵。戦闘の難易度はそう高くないので集めなくても詰むことはありませんが、つい蓄えたくなるこの感じが楽しかったです。

幼少の頃の宝物って野原や公園で手に入れたもんだよなあ、としみじみ。

探索で手に入れたアイテムを使用するギミックも多く、そういう意味ではADV風な進行方法だったようにも感じました。

 

そして、お家ですよ我が家!

ただでさえおうちを買えるRPGってだけでもわくわくするのに、色々と置けるのがもう嬉しくって! 空っぽの箱や籠に自分の手で置く物を選ぶ、置いたらドット絵がにぎやかになっていく、この工程が「私のおうち」って感じで本当大好きでした。拠点を作り上げていくこの感じ。わくわくがいっぱいですね!

また、プレイヤーの愛着に加えて無限補給ポイントが出来上がるという、ゲーム効率として利点があるのもポイントです。

 

 

細やかなドット表現とスタイリッシュなキャラグラ

 

寝る時に目を閉じる動きと、起きた時に目をぱちぱちする動きがすごく好きなんですよ。さりげない丁寧さが素敵。お泊り会の選択肢には小躍りしたくなりました。

他にも、噴水を調べたら吹き出すギミックとか。ジーザスがお座りしたり怯えたりでよく動くところとか。チイのおうちからダンジョンに潜る時、二人がひょこひょこ付いて来てくれるところとか。冗長にならないよう、歩く途中までのところでシーンが切り替わってくれるのも良いですよね。

 

あと、キャラデザインとしては初めにドドを見た時、足元がきっちりケモノしてて思わず唸りました。立つと踵がグッと引き上がっているあの歩行グラ、まさに「わかってらっしゃる」と言いたくなるデザインで実に良いです。

 

ステータス画面などで見られる全身絵や、顔グラもかなり個性的です。ぬいぐるみキャラにこういうかっこいい絵柄をハメるのは新鮮でした。これはこれで味があって好きですねぇ。カインについても、無口気味の主人公ってぽやんとした表情の印象があるので、凛々しい顔つきで意外でした。思わず惚れそう。

 

 

言わずして物語る敵キャラ

 

お話としても衝撃的なシーンが多いんですが、何より心を抉られたのは敵キャラでした。

なんというかね、見た目からして心を刺してくるキャラが多いんですよね……。特に最終ダンジョンではラクガキ帳を眺めながらしみじみと感じ入るものがありました……。

こういう、メインのテキストだけでなくて、零れ話的に一目見ただけで察せるストーリーを組み込んであるのも巧みだなあと思うんですよ。

一方で、ほのぼのとさせられる敵も多いです。そのほのぼのの理由もよく考えてみると、やっぱり思わされるところがあったり。

そんなわけで、ラクガキ帳を集めておくと物語の理解が深まって楽しかったです。

デッサンドールファイターのコメントが好き。

 

 

惜しかった点

 

どうかなと思ったところも素直に書いておくと、

  • 状態異常の種類に対して使う/治す機会が少ない
  • アイテムを使用するタイミングが少ない
  • テレポテトの範囲が狭い

辺りでしょうか。

 

アイテムが多く手に合いるしいろいろ作れる、これ自体はとっても楽しかったです。一方で、せっかく色々作ってもあまり使う機会が無かったのは惜しいなあと思いました。

状態異常も併せて考えると、もうちょっとバトルの難易度を高めても良かったかも?

ただ物語重視なのもわかるので、戦闘をこのままいくなら回復量を減らす方向に行ってもいいかもしれませんねぇ。実際、雑魚からほどほどに逃げても進められる難易度はお手軽でやりやすかったです。

 

あと、テレポテトはリレミト系じゃなくて本拠地ワープにしても良かったかも。元締めの皆さんの位置が微妙に遠い時があったので……。

といっても、村とダンジョンはクリアするとワープでぴょんと行けるので基本的にはユーザーに優しいシステムでした。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

ダンサンブルな動きをするお店の皆さんが好きでした。

 

箱庭世界、少年少女と人外、ダークメルヘンなどにピンとくる方へおススメです。

追記ではネタバレ込みの感想など。

 

続きを読む

フリゲサイト「HACKMOCK」ハロウィンゲー3作感想

「かぼちゃ祭りにかこつけてとりあえずいちゃついておきましょう!」

微笑ましいのでもっとやっていただきたい前置き。

 

 

えー、今回はHACKMOCKさんところのフリーゲーム「ハロウィンベルを鳴らして」「嘘つきハロウィーニアス」「ハロウィンの夜のマージナル」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

それぞれ「ロイヤルベルを鳴らして」「嘘つきジーニアス」「午前0時のマージナル」のハロウィンゲームになります。これらの作品を知らないと何がなんやらなので、この作者様のゲームはやってる前提で書いていきますね。やってない人はレッツプレイ。

 

Twitterでハロウィン特設ページへのリンク付き呟きを拝見して一気に3作品DLしました。お祭りゲームでもやはり作りは丁寧、長さは短くともスチルもしっかり入ってるお得なスピンオフです。

 

というわけで一覧から。

 

 

『ハロウィンベルを鳴らして』

 

本編をプレイしたのが確か3年以上前だったのですが、久々に見たユーリは相変わらず元気いっぱい芋いっぱいでした。かわいい。

攻略キャラごとに、糖度の高いエンドとほのぼのギャグなエンドの2種類が楽しめる形。普段がギャグなぶん、不意打ちのときめきに倒れそうでした。これぞ乙女ゲー! 特にセナの甘いエンドはラストのセリフにやられました。

あと、「このアイテムは絶対アキバル様だろうな」と確信をもって選んだら案の定でにこにこです。

セーブデータ無しでロード画面を選んだ時の父上様が可愛かったり、OPをさくっとスキップ出来たりと、本筋の乙女部分以外もしっかりした作りでした。

 

 

 

『嘘つきハロウィーニアス』

 

アプリゲちっくの縦長な画面におっと驚かされたところで、まさかの、まさかのでした……これだと何一つ伝わらない!

えもふり?Live2D? 技術は謎ですがあそこまで滑らかに動くとは驚きです。中でもエンド1だったかな、ちょっと小首を傾げる仕草が被るととにかく可愛くって。距離が近いわおそろいだわ可愛いわ。 

二人の足音SEがそれぞれ違っていたり、放っておくとページ送りアイコンがじんわり変わっていったりするのも凝ってて素敵でした。

 

相変わらず彼は大嘘つきだし彼女はややネガティブで可愛い。個人的にはもうちょっとロッテちゃんのそばかすが見えたらより嬉しかったり。あとはクラウスの「ロッテ以外はどうでもいいけど」という態度が端々に見えるのが萌えました。「子どもなんか」ってセリフの「なんか」部分がすごいツボです。

 

お話としては、第三者視点の乙女ゲーというところが新鮮でした。主人公に投影するタイプのプレイヤーさんはちょっと戸惑うかもですが、少なくとも私はめっちゃ、めっちゃ肌に合う演出具合でした。

可愛いカップルを見守れる、この、おいしいポジションね!のろけご馳走様でした!お幸せに!!

 

ここの項目だけ文章量が多いことからわかる通り、すごいお気に入りでした。エンドは3つなのに気づけば13周してしまい過負荷で強制終了させてしまったくらいにはお気に入りでした。かわいかったです。

 

 

 

『ハロウィンの夜のマージナル』

 

おっきくなってる!!

ということでショタじゃなくなったけど二人の関係は相変わらず。鈍感師匠と恋愛対象として見てほしい弟子のもだもだが伝わってくる良い短編でした。

忘れちゃいけない悪魔様や、ちょっとした謎解き要素も。攻略なしでも大丈夫なお手軽具合ですのでご安心。

そして、嬉しい立ち絵お遊び要素もエクストラに搭載です。やったね。私、この作者様のヒロインの驚きテレ顔が好きなんですよ。伝わるかな、「どえぇ!?」って感じで汗だらだらしつつ照れ照れしてる顔。ペコラでもよく見れたあれです、あれ。なので赤面顔堪能できて幸せでした。

 

 

とまあ、こんな感じで。

どれも明るくときめく、原作好きにはとっても嬉しい番外編でした!

DLし損ねた方はハロウィンの時期をお楽しみに。とってもかわいかったです!

 

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

フリーゲーム「恋するペコラはまちがえない」感想

フリーゲーム「嘘つきジーニアス」感想

フリーゲーム「午前0時のマージナル」感想 

フリーゲーム「ロイヤルベルを鳴らして」感想 

フリーゲーム「HELLO×APRIL×WONDER」感想