うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

フリーゲーム「四塞の恋事」感想

「どれからでもいいと言われると逆にとっても悩む」
けど結局全部おいしかった前置き。

 

えー、今回は児戯ズムさんとゆうあかりさんところの共同制作によるフリーゲーム四塞の恋事」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

ジャンルは乙女向けノベルゲー。

小粒でぴりりと辛い4作をまとめたヤンデレ短編集です。
“あの”二サイトの共同制作と聞き、喜びのあまり立ち上がってしまったのは私だけではないはず。いやー今回も期待を大きく上回ってくれる良作でした。

 

 

というわけで各話の感想を。
ネタバレ匂わすところもあるのでご注意を。

 

【メッツァペラタ】

実はプレイし終わるまでこちらがゆうあかりさん全担当のシナリオだと思い込んでいました。違った! でもこういう取り違えをしてしまうくらいお二人の息がぴったりというか、雰囲気にまとまりがある気がします。
相手の無邪気な一面が行動に表れていて、人より格上の立場としての傲慢な一面が口調に表れている印象。この二面のギャップにずぶずぶ落とされるお話でした。

 

 

【少女の瞑目、男の謀略】

この話がいっちばん大好きです!!!
「お嬢呼び」「爪噛み癖」「エセ敬語」そりゃもうツボでした。あのね、本当大好きなんですこういうキャラ。惚れます。謀略の言葉にそぐわぬ丁寧な絡め取りっぷりも悶えました。
それに、あの「バカ」ですよ。たった一つの「バカ」にこれほどの表現の幅があるのかと。詰まった想いに痺れました。ヒロインも本当、一途で“バカ”なんですよねぇ。とっても好きです。
衝撃的な真実にガツンと頭を殴られるタイプの鬱展開も好きですが、こういうゆったりと薄氷の上の幸せを噛み締めるタイプの鬱展開も萌えるんだよなあとしみじみしました。この生活を延々と続けてほしいです!ほのぼの()!!

 

 

【少年陛下は本気なようです】

末恐ろしいヤンデレショタに翻弄され――るかと思いきやヒロインのほうが強かった!? いやーあの展開には驚かされました。
最強メンタルのヒロインもいいものですね! 女の子らしく悩んだりへこたれたりするところも見せつつ、踏ん張る時は思いっきり喝入れて開き直る、この強さに惚れ惚れでした。

 

 

【失望世界の虚心希望】

冒頭からハードモードな中、さらにずぶずぶと落ちていくお話でした。
他作を多くプレイしている自分としては、「ああいつものゆうあかりさんだ」と安心できるところもあり。あとこれはちょっと変な楽しみ方かもしれませんが、ほんのり民俗学っぽい萌えを感じるところもありました。
聖女キャラや、心折れるシーンはよきものですね!

 


とまあこんな感じで。
ヤンデレ好きにとってはまさに宝箱な一作でした!

フリゲサイト「和製オフィーリア」BL作品感想

 

「二人だけの世界とは同一体に限りなく近い」

ベン図書こうぜベン図な前置き。

 

 

えー、今回は和製オフィーリアさんところのフリーゲーム「rainline」「夢の通い路」「或いはアイラブユー」「黒猫know」「黒猫芝居」「dogs.1」「dogs.2」「カムパネルラ」「lima」「崩壊LSD」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

で、以前こちらのサイトの感想記事を上げた時も書きましたが、どうもこちらのサイト様は移転(閉鎖?)されたようです。

この記事の原本を書いたのがなにせ一年前なので、DLをちょこちょこ推奨したり熱く語ったりしていますが、現在はおそらくDLできません……。

 

以上ご了承のうえでお読みいただければ幸いです。

 

 

 

 

 

『rainline』

 

[概要]

私がプレイしたのはver2.1です。readmeの履歴を見たところ、どうやら前のバージョンだと色々システムが異なっていたらしいんですが、このバージョンでは選択肢ありのビジュアルノベルと捉えて良さそうです。ドロドロ心理描写が魅力のBLものでした!

 

[ストーリー]

Sの自殺に関わっていた可能性のある5人が、2日間の軟禁生活を送ることになる……と、あらすじはこんな感じになるかなあ。サイトの紹介文的にサスペンスな犯人当てものが来るかと思いきや、心理描写を中心に彼らの関係性の謎が解き明かされるような展開になってました。が、それが悪いかと言えば全然そんなことはありません。

ピュアな恋心とドロドロした嫉妬、その他いろんな感情が一人称で綴られていくのは読んでいてとてもぞくぞくしました。

 

 

[キャラクター]

単体だと花村君がお気に入り。なんというか、表面上まともそうに見えて実は不器用な生き方してるようなキャラクターが好きなのです。

Sの奇行自体は噂で語られることが多くて、メインとして彼が動く時はしっかりしてる描写が多かったので、どうしても正気の時の印象が強いです。でも、こうしてまともな状態をたくさん見られるほうが「なのにどうして」といった感情が芽生えて良いのかもしれません。

 

で、BLゲーなのでせっかくですしカプ萌えもしたいところ。ビビっと来たのは見崎×本庄ですね!!執着エンドにはやられました……誰も報われなさそうな展開がとても好き……。

エンディングでは凛のエンドが好きです。ラストの台詞がずるい。あれは惚れざるを得ない。本庄の心情を考えると実に複雑ですが、それもそれでぐっときます。また、おまけでの、身体とこころについての独白も印象的でした。

 

 

[システム・グラフィック]

シンプルなカットインが入ったり、キャラ名が章名になっていたりして、視点変更はあるものの読みやすくなるよう配慮がしてあります。おかげですんなり読み進められました。

周回するとOPがスキップできるのもありがたいですねー。内容は前述の通り心理描写メインですが、群像劇に近い構成も楽しめるかと思います!

拝見したところ、一部でかの有名作『こころ』をモチーフにしているようなのですが、いかんせん私はあの作品を理解しきれていないので……好きな方が読めばさらに魅力が増すのかもしれません。

 

 

[一言]

複数人の想いが絡み合うようなドロドロストーリー好きな方にオススメ。

 

 

 

『夢の通い路』

 

[概要]

ラストに分岐があるものの基本一本道なBLノベルゲー。絶望して身を投げかけた小説家志望の主人公と、不思議な少年が出会うお話です。切なくて儚い雰囲気が印象的な一作でした。

 

[ストーリー]

挫折や落ち込みがリアルで、けっこう身につまされるところがあります。あはは……。

この手の話は結局夢を取り戻したよやったー、な展開になりがちですが、この作品はそこを軽視せずにきっちり一度落としてくれるのが好印象でした。また、選択によってはどちらとも取れる帰結をしてくれるので、現実はシビアだよ派も夢を見たいよ派も満足のいく内容だったなあと思います。

初めてあの鶴を知ったのですが、いやー、ロマンがあって良いですねぇ。テーマがわかりやすく、読みやすい短編でした。

 

 

[グラフィック]

攻略対象、と言っていいのかわかりませんが、相手は少年ということで可愛らしい雰囲気の絵柄がよく似合ってます。うっかり手を出すと(年齢的な意味で)危ない感じもあって実に良いです。

 

 

[一言]

はかない幻想系がお好きな人向け。

 

 

 

 

『或いはアイラブユー』

 

[概要]

ver1.0をプレイ。分岐選択一切無しの一本道BLノベルです。属性としてはヤンデレ×クーデレ、な印象を受けましたがどうなんでしょう。とにかくヤンデレがいます。やったね!

 

[感想]

ラストの陰鬱な雰囲気がとても良い! とにかく一番はこれです。

他に向けて開いていた朔多が、物語が進むにつれてどんどん司と二人きりの方向へ閉じていくのもたまりませんでした。破滅しか予想できない二人ボッチいいよいいよ~。

気になったところとしては、回想シーンが地続きなので過去形に見えなくて違和感があるくらいでしょうか。背景画像とか画面の色味を変えると良さそう。

日常パートの、だらっと軽薄に見えて実は凄いことを喋っている、あの何ともいえない雰囲気も良かったですねぇ。独特な淡々感というか。これはやっぱり司のキャラによるところが大きいんだろうなー。

案の定、司がすごくお気に入りです。

何回も読み返したくなる一作でした。

 

[一言]

鬱展開やヤンデレ、暗い雰囲気が好きな方にオススメ。

 

 

 

『黒猫know』

 

[概要]

過去作品を2作まとめたシリーズもの、とのこと。愛され主人公のBLもので、ゆるーい日常と意外な真相が楽しめます。

 

[黒猫歌舞伎1]

こちらは中学生編。初めは、今までの作者様の作品と違ってほのぼのな雰囲気だなーと思っていたのですが、真相の毒にやっぱりなと頷かされました。欲を言うなら、飛鳥の蝶よ花よな扱いに異常なものを感じるので、彼が人間らしく見えるようにもうちょっと敵対して欲しかったなあというところ。自然と庇いたい・守りたい体質に見せたいのはわかるんですが、うーん。

それでもストーリーはやはりビターに良くて、真相とサブタイトルががっちり嵌まって思わず膝を叩きました。上手い!

 

[黒猫歌舞伎2]

一方小学生編。1のほうで気になっていた事故の話かと思いきや、まったく別の方向でトラウマを受け付けられる話でした。事故自体はおまけの後日談として収録されているので、気になっていた分嬉しかったです。本編とおまけを合わせるとなかなかのボリュームかと。

通常ルートはリアルにありそうな学級騒動で、当時を思い出してしみじみしました。八戸さんみたいな子、本当いますよねぇ。あるある。そしてトゥルーエンドでは、ちょっと置いてけぼりになったのは確か。どうも兄サイドのお話が別作品としてあるようなので、その伏線と思っておいたほうが良さそうな感じでした。

 

 

[キャラクター]

 

飛鳥:

総受け主人公の中でも姫扱いされるタイプ。態度だけは徹底して自己犠牲に走っていて、思考も極端にお人よしなのが気になります。事故のせいかと思いきや、おまけエピソード後編を読む限りけっこう最初っからこんな感じのご様子? 色々ルーツが気になるキャラですねぇ。

水島:

推しキャラ。長髪の理由がたまらんかわいいです。

田中:

唯一の癒し。あほのこ設定なりにけっこう難しい言葉も知ってるのがまた、漫画の知識からっぽくて面白い。

中尾:

共感したくなるキャラ。前述しましたが、やっぱり憎悪に振りきれてほしいです。けど葛藤する君が一番輝いてる気もする。

栃:

対飛鳥のみ姫キャラ化するツンツンさん。生きにくかろうなあと思います。

兄:

溢れ出るラスボスオーラ。こちらも弟同様態度が極端なので、サイドストーリーが気になるところ。

橘先生:

初めは「あの言動で先生ってのは無理がある」と失礼ながら思っていたのですが、ラストで見事にこの不満が回収されて土下座しました。甘かったです。申し訳ない。これまた過去の色々が気になるキャラ。

 

他、サブキャラモブキャラにも皆立ち絵がついているのに驚かされました。丁寧だー。

 

[一言]

主人公総受けやほのぼのとシリアス両方楽しめる方向け。

 

 

 

『黒猫芝居』

 

[概要]

『黒猫know』の次作、高校生になった飛鳥達の話。今回はなんと3つもの事件を解決に導くということで、長さも重みもたっぷりな一作になっていました。個人的には、一つ一つの事件で良い具合に一区切り入れられてプレイしやすかったです。

 

[ストーリー]

まず、見どころとして挙げたいのがミステリ研の暗号!

単純にアナグラムだったり人から話を聞いたらすぐわかったりするパターンではなく、実際にメモなり何なりに書かないと解けない暗号です。資料を見比べて推理していくのもまた、ミステリって感じで燃えましたね~。

ちなみに私は中尾君の力を借りました。ありがとう、君がいたから解けた。

 

さて、心理描写のほうも良い具合に愛と執着と依存がどろどろと詰まっていて大変萌えました。特殊エンドの、明らかに闇の方向へ突き進む感じがとても好き……! 主人公の飛鳥や栃だけでなく、サブキャラ同士の因縁があったり、逆に後日談でのほっこりエピソードがあったりするのも良かったですねぇ。登場キャラが多いぶん、色んなところにドラマを感じられました。

これに限らず、三つの事件が一つの点に収束していくストーリー構成も実に良かったです。BLでメインとされる心理描写だけじゃなくて、大元の物語もきちんとしているのが好印象でした!

 

 

[キャラクター]

今回は登場キャラが多いので、気になった子だけ。好きな部分も批判もごたまぜなので、ネガティブな感想見たくない人はスルー推奨

 

青戸:

淡野先輩は飛鳥よりむしろ村上のほうに頼ってるみたいだし、攻撃するなら村上に対してじゃないと筋が通らないのでは……? と、思っていたのですが。あくまで自分の手を汚したくはないタイプに見えるし、柊を動かすためなら多少対象がずれても飛鳥に行かざるを得なかったのかなあ。というかミス研さえ壊れれば別にいいやって感じ…?うーん。行動思考はちょっと理解しきれていないんですが、表飄々裏どろどろなキャラは好きです。あと立ち絵の隙のない笑顔が良い!

柊:

前作ですごく好みなタイプだなと気になってはいたのですが、いやはやここまで大活躍してくれるとは。とても嬉しかったです。青戸と話してる時は気を許してる感じというか、ちょっと口調が砕けてるのも良いですねぇ。前日談のねちこい感じもたまらんです!

飛鳥:

自立する、一人でやっていく、と言っている割にやっぱり相変わらず周りの気を引いてばかり。何かとトラウマが多い子ですが、無理とわかっているくせにむやみにぶつかって人を気遣わせるくらいなら、きっぱり無理・駄目と諦めて別の手段に移るほうがよっぽど自立してるよなあと思うのですがいかがなものか。一人でやらなきゃ!が空回りしてる未熟さを書きたかったのかなあ。ほっとけない危なっかしさが飛鳥の可愛さってつもりで描写されてるのはわかるんですが、飛鳥の優しさや可愛さを表現するシーンが何かとカマトトで当てつけがましく見えてしまうので、色々と打算的に感じてしまいます。構成や描写として感じざるをえないというか。萩原先輩がその辺ガツンと言ってくれるかと思ったけど消化不良。持ちあげられ損するキャラだよなあと思います。

栃:

前までは頭脳面で役に立ちつつも飛鳥に守られる側という印象が抜けなかったんですが、夜間部や律さんなど彼だけで築いた世界がいつの間にかできていて驚きました。知らぬ間に巣立っていた……。純粋に栃の成長は嬉しいです、めでたやめでたや。ちょっとずつ栃なりの人間関係を広げてってくれるといいなあ。

水島:

特殊エンドおめでとう。時が経つごとに彼氏力を増していく感じがしてどきどきします。努力家な面も描写されてはいたけどやっぱり元々ハイスペックでもあるよなあと思ったり。特定力がすんげぇ。

律さん:

何故かさんづけしてしまう。一・二を争うくらい好きです。あの物静かな雰囲気も良いですし、それに反してわりとおちゃめだったり、苦手な物から逃げる子どもっぽさがあったりするのが可愛くて、グッときます。栃に勉強教わってるシーンがさりげなくお気に入り。

 

[一言]

栃・水島推しはとにかくやって損無し、それ以外の方も惹かれるところがあるなら試しに一つの事件だけでも解決してみてはいかがでしょう。

 

 

 

 

『dogs.1』

 

[概要]

上記で取り上げた黒猫シリーズの、サイドストーリー的なシリーズ。黒猫シリーズと違って読むだけのノベルなので、初めてでもとっつきやすいかと思われます。たぶんこっち先でもすんなり読めるはず。

 

[ストーリー]

黒猫のほうからミステリ要素が薄まってどろどろ心理描写要素が濃くなった印象です。閉じた関係に亀裂が走る様な感じ。事件そのものはとりあえず収束するものの、随所に見られる綻びや不穏な伏線に心躍る一作でした。次作に絡む伏線があるのも、またシリーズものならではですね。

弟側と人数や構成は似ていながら、しっかり別の関係性を作り上げているのが良かったです!

 

 

[キャラクター]

主人公の陽琴がかなり男前でしたね!

ダイレクトに犬に見立ててる文章が多いのもあいまって、トップブリーダーのような貫録でした。弟と違って自分でできる範囲で行動してるし、好感持てます。こう、ペットを飼う時には自分が面倒見切れることを保証したうえで~的な言葉が思い浮かびました。

他のメインキャラだと海野がお気に入りですねー。誰に対しても傷つける形しか取れないのが切なくも可愛いです……。

続いて久生もお好き。基本、依存体質の子に萌えます。内気なのかと思いきや、けっこうグイグイ来てくれてこれはこれでグっときました。

 

 

[一言]

犬とご主人様的なものにピンとくる方向け。

 

 

 

 

『dogs.2』

 

[概要]

上記のシリーズ2作目。こちらも読むだけノベル、ミステリより人間関係のごたごた中心。

 

[ストーリー]

今までは一応一作できちんとオチがついて完結している感じだったと思うのですが、今作だけは次回に続くって感じの終わり方でしたねー。どうやら次の3で犬シリーズは終わりだそうなので、クライマックスに向けた伏線になるのでしょう。

1のほうで仕込まれていた目戸についても回収されて、さらにこの作品で入れられて――と、かなり伏線やフラグに凝ってる印象でした。次でどう回収してどう締めるのか気になるところです。

 

 

[キャラクター]

陽琴:

な、なんだか弟化してきたような……? 1での、恩と感じさせないくらいきっぱり人助けする彼が好きだったのですが、今作ではまたあの作為的な人の良さが出てしまっていて残念でした。わざとらしい自己犠牲や鈍感っぷりがもうぶりっこ甚だしくて!もったいない!……まあ兄弟だし本質としては書かれたいのはむしろこっちなんでしょうね……。

岡本:

名実ともに彼氏ですってやったね!いや、岡本自身は飛鳥からの矢印をそこまで求めてはいなさそうに見えるので本人としては不本意かもしれませんが、でも嬉しいです。

久生:

デレ度と積極性が増して、傍に控える形からグイグイ押せ押せになった印象です。可愛い。

海野:

変わらず暗い方向に生き生きしてて好き!飛行機エピソードとても微笑ましかったです。

未影:

こういうキャラが内側のどろどろを解放する展開が大好きです。大好きです。

 

[一言]

どういう形に収めるのか、次が気になるシリーズです。でした……(追記)。

 

 

 

 

『カムパネルラ』

 

[概要]

読むだけ短編さっくりBL。幼馴染とか約束とか、少年期の成長につれて変わっていく人間関係とか、そういう感じ。

 

[感想]

まさにメリーバッドエンドでした。うむ。

独白で語られていく感じのストーリー、きついところもなく、前半は淡々と沈んでいける感じがします。で、ラストは今までのがぱぁっと報われて幸福感溢れてます。

状況として考えると紛れもない悲劇で切なくはあるんですが、全体的に夢見心地な雰囲気だったので、つられてふわふわとした思考になって、二人とも幸せならいいよな~と思うなど。寝る前とかに読みたい一作です。

 

[一言]

お前がいないと生きていけない、系が好きな方向け。

 

 

 

 

『lima』

 

[概要]

読むだけ短編さっくりBL。演劇、俳優、ハッピーエンドなどがたぶん反応ワード。

 

[感想]

少し不思議系で心温まるストーリー。もちろん読んでる途中でもあの俳優の正体は想像つきましたが、それでもつい主人公気が多いなあと思ってしまったのは許して欲しいですw

ノベルをベタ打ち移植してる感あって改行少なめ、オートモードだとちょいリズム合わなくて読みづらいかも。

終わり方が好み。同じ道を歩むわけではないけど一緒にいる、っていうのは個人的にとても好きな形なので、良い具合にまとまってくれて安心しました。

 

[一言]

雰囲気重視の方向け。

 

 

 

 

『崩壊LSD

 

[概要]

パズルありの狂気幻想BL。考察したり、話を自分の中で組み立てたりするのが好きな人向け。

 

ミニゲーム

パズルが難しかった!です! いえ、慣れてる人や手番計算が得意な方は楽なんだと思うんですが、私はどちらかと言うと言語系のパズルのほうが得意なのでかなり時間をかけてしまいました。というか、その、恥ずかしながらこの作品全クリできていません……。おそらくLルートだと予想はつくのですが、行き方がわからない……! クリア済みの方の攻略を切実に求めてます。

 

 

[システム]

システムと世界観がかなり嚙み合っていて、まさに“ADV”だなあと感じました。ストーリー重視でもギミックに手を抜かない、そんなノベルゲームが大好きです。

夢うつつな雰囲気が終始漂い、狂った世界を二人だけで行進し続けるこの世界観がたまらなくツボなんですよねぇ。選択肢を選ぼうとすると……というギミックには本当心臓を掴まれたような思いでした。

背景画像やセーブ画面、あちこちにメッセージ性が込められていて、また章ごとに画面デザインも変わるのでどこまでも飽きません。図書室の、夢十夜めいた断片が好きでした。彼の世界には先輩しかいない……。

セーブできるシーンが限られているぶん、章ごとのスタートやリセット、クイックセーブなどの機能が充実しているのも良いところ。回想や再チャレンジがしやすいのはとても助かりました。

 

 

[ストーリー・BL面]

いじめられっ子×飄々とした先輩。狂信じみたキャラは良いものです。先輩が好きだからできない、というのと、先輩が好きだからやってみせる、というので揺れ動くさまが最高でした。人殺しは眼中外であり先輩を害すること一点が引っかかっているというのも狂気じみていて萌えます。

私は閉鎖空間でヤンデレが延々と迷い続けるような展開が大好きなので、まさに理想でした。

時系列も夢も現実も妄想も全てがごちゃ混ぜになって断片として散りばめられているので、それらを紐づける楽しさもあります。自分がどこにいて何を読んでいるのか、混乱しつつも多幸感でいっぱいにされるこのプレイ感覚はまさに麻薬的で悪夢のよう。夢中で最後まで読みふけった一作でした。

 

[一言]

斬新で狂気的で夢見心地、二人にしか通じない世界が満ち溢れている一作。

 

 

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

shiki3.hatenablog.com

shiki3.hatenablog.com

フリーゲーム「狂骨」感想

「恐怖は目と目の隙間から来る」

ホラーの雰囲気作りってかなり難しそうな前置き。

 

 

 

えー、今回は凍土博覧会さんところのフリーゲーム狂骨」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

ウディタ製の短編ホラーゲーム。追いかけっこあり、謎解き難易度は高め、音で脅かすタイプの仕掛けはありません。じわじわくる不気味さを堪能するタイプのホラゲです。

というわけで魅力的な点についてあげていきますね。

 

 

 

セピア色と旧字体が織り成す明治の世界観

 

まず一番に見て頂きたいのが注意書き!

いやぁreadmeや取説に目を通すのは当たり前なんですが、こういうところから既に雰囲気が出てると没入感が違いますよね。

他にも、常にゲーム画面を覆うセピア色、少し胡散臭い宣伝混じりの張り紙、掲示物の文字順が反対なところや婚約者云々の設定と言い回しなどなど。あちこちに醸し出される明治らしい雰囲気にぞくぞくしました。

 

 

 

妖怪好きには涎もののギミックや引用

 

かの鳥山石燕大先生の妖怪図が引用されているように、妖怪好きならニヤリとくる場所がたくさんあります。雰囲気作りとしてだけでなく、謎解きのギミックになっているのがまた好ポイント! 風の神の仕掛けに気付いた時はテンションが上がりました。

なお、ゲームの必読等には書かれておりませんが作者様が京極夏彦ファンを公言されている通り、こちらの作品は「京極堂シリーズ」の影響がかなり強く見受けられます。が、単なるオマージュに留まらず、しっかり“ホラーゲーム”らしい味を出してあるのが本作の素晴らしいところ。これは前述したギミックに加えて、あの静かに襲い来るようなOPを見れば伝わるんじゃないかなと思います。

 

 

 

真相の影を色濃くする断片情報

 

さらに興味深いのが情報の落とし方。

新聞記事や博物館の説明書きなどの事実関係と、日記などの思わせぶりな文章が組み合わさって、最後にガチリとピースがはまってくれます。もうこれが気持ち良くって! 探索した分だけ見返りが出てくる感じで嬉しかったです。

また、作中で操作キャラ変更や視点切り替えが起こる時もあるのですが、別視点中も各キャラが動いて物語が進行しているのがわかるのも面白いところ。それぞれのタイムラインとか作ってみたら楽しそうだなあ。

あ、と言っても群像劇のように複雑になっているわけではなく根幹はシンプル、身がまえる必要はありませんのでご安心を。

 

 

 

 

一方惜しかった点としては、

 

 

 

 

一部ストーリーの展開

 

京極堂シリーズ好きな自分としては、一部の真相や後日談があまりにそのままに感じられて少しだけ残念でした。でも、前述の通りお話の全体像はかなり骨格のしっかりしたものです。それこそ未読の方は全く気にならない点かと思います。

 

 

 

もう少しを求めたくなる音響面

 

まずキークリック音、これがデフォルト音なのが非常にもったいない! 視覚面と内容面で良質な不気味さを醸し出しているぶん、ここも是非こだわって欲しかったところ。

そしてBGM、曲自体はお洒落なものが多かったんですが、博物館・明治時代・校舎などの印象とはちょっとズレがあるように感じてしまいました。序盤は和テイストなものから選んでも良かったんじゃないかなーと思いつつ、明治の洋風文化を意識してあえてやってるのかなあとも思いつつ。

 

ぐだぐだ書きましたが、雨音の使い方や最後の間に入った時のBGMが流れるタイミング、あれは本当震えるほど素晴らしかったんです。だからこそ、贅沢ながらもう少しと言いたくなってしまいました。

 

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

セピアで明治な世界観や、妖怪のどことなく不気味な雰囲気、細かな情報が繋がっていくストーリーなどに惹かれる方へオススメです。

最後に、ネタバレ込みの感想をほんの少しだけ追記にて。

 

 

 

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フリーゲーム「Complex Labyrinth」感想

「気にする姿が一番かわいい」

成長を見込めなくさせていく罠な前置き。

 

 

 

えー、今回はAntiCさんところのフリーゲームComplex Labyrinth」の感想を書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

ジャンルは短編乙女向けノベルゲー、選択肢分岐でエンドは10種類。ヤンデレな展開もあります。やったね!

フリゲではありますがZIP解凍のタイプではなくインストールが必要な作品なので、ちょっと初めの一歩は踏み出しにくいかも。けど、数時間でコンプが可能なお手軽ボリュームなので、気になった方は試しに、なんて。

 

というわけでさっそく魅力的な点など。

 

 

新米成長物語をメルヘンで包んだ独特の世界観

舞台は童話の世界ですが、童話の登場人物を“役者”に見立てていたりヒロインが“マネージャー”に近い立場だったり、お話自体はどちらかというとお仕事ものの印象が強いかもしれません。

特にお仕事中のヒロインの動きがリアルで印象的でした。ちょっと要領が悪いんだけど、事前に準備できるところでは有能さを見せるこの感じ。ヒロインの得意な面と苦手な面とが両方伝わってきて好印象でした。

特に要領の悪さは自分にも思い当たる節があり、苦い顔になるところもありつつ……w 共感はできて感情移入しやすかったです。

勿論、ファンタジーらしい設定や異種族ならではの小ネタも随所に出てきているので、メルヘン要素もばっちり。ドイツ系の料理が多かったのもさりげなく雰囲気が出てて良かったです。

 

 

それぞれの抱くコンプレックスをときほぐしていくストーリー

キャラごとのエピソードとしてメインになるのが、人種による差別や偏見など、タイトルにもなっているコンプレックス面。それに加えて共通ルートでは、ヒロインの家柄やストーリーテラー協会に関わるちょっとした事件が絡んできます。

全体に一本筋の通った話があるおかげで、共通ルートのまとまりも良くてすっきりした印象でした。口説かれたりときめいたりと乙女ゲーらしい糖度も含みつつ、根本のストーリーも重視されているのが素敵。こういう、共通ルートでお話としてハラハラドキドキさせられる作品は久々だったように思います。

 

  

 

美麗でまさに乙女ゲーらしいグラフィック

そしてまず目を奪われるのがグラフィック面! キャプチャ画像やスクショを見てDLしたという方も多いのではないでしょうか。

特にヨシュアは見た目がお話のキーになることもあって、細かな瞳の変化が見ていてとても楽しかったです。キリアがしょんぼりすると耳まで凹むのもきゅんときました。

立ち絵やスチルだけでなく、おとぎ話な世界観に合わせたクラシカルな枠やシステム画面なども、さりげなく魅力的な点の一つです。

 

 

 

驚きのフルボイス

なんとサブキャラまであますところなく声が入っている豪華仕様でした。メインのキャラについてそれぞれ感想を書くと……

 

ルゥは弱気なシーンでも元気いっぱいな声だったので、ちょこっと力が抜ける時もありましたが……一貫した演技をしてると思えばむしろ凄いのかも。

ベルは初め聞いた時かなり声が低くてびっくりしたのを覚えています。優男っぽいふんわりした声なのかと思っていました。が、これがあるからこそ彼のコンプレックスにちょっと繋がるような気もして妄想と共ににやついたりも。

 

ヨシュアの中の人はとっても上手でしたねー! 文字で表示される口調はどれもお上品ですが、そこに棘を含ませるか優しさを含ませるかの表現が絶妙でした! 特にデレ期の時や心配してくれている時のボイスは何度でも聞きたくなる甘さで、もう……! まさに聞き惚れました。

 

ここまで書いておきながら、実は真っ先に脳内再生されるのはキリアの「ルゥちゃーん!」だったりします。作中でいっぱい名前を呼んでくれるおかげで、自然と印象に残ったのかなーなんて。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

他にも、ボイスの聞き直し機能やクイックセーブ等のシステム面も行きとどいていて、クオリティの高い一作でした。キリよく綺麗にまとまっているので、グラフィック重視の方やきっちりした作品をお求めの方にオススメします。

基本は明るめですが、バッドエンドがほんのりヤンデレちっくだったりするので、そういう意味でもオススメ。

 

追記ではネタバレ全開の感想など。ご興味ある方は右下よりどうぞ。

 

 

 

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フリーゲーム「My gray hugger-muger」「昨日森口が死んだらしい」「asylum」感想

「観客がいなければ彼らの物語は知られず終わっていた」

そして知られど結末は変わらない前置き。

えー、今回はハラワリさんところのフリーゲーム「My gray hugger-muger」「昨日森口が死んだらしい」「asylum」の感想を書きますね。一部レビューぽいかも。

どれも短編のノベルゲーで、単品で楽しめます。うす暗い世界観が好きな方向けのラインナップです。

 

 

 

 

『My gray hugger-muger』(男女・近親相姦)

[概要]

兄から妹への濃厚な想いを描いたノベルゲー。一本道ながらプレイには2時間少々かかりました。18歳以上推奨とあるように、性的な描写も含みます。かなり近親ネタが好みの方ならもう、激しくオススメしたくなる一作でした。

 

[シナリオ]

とにかく、描写と話の流れが丁寧です。手をつなぐ、兄としての境界線に気づかされるシーンと、「良かったな」と言ったあと部屋にこもるシーンでは思わず息を呑みました。単に心理描写を重ねるだけじゃなくて、仕草や耳鳴りなどの感覚の描写も合わせている辺りが凄いなーと。こういう文書けるようになりたいものです。
で、しっかりした描写力に加えてもう一つ挙げておきたいのが会話のテンポです。
家族間とか友人に対してとか、作中の会話がすごくリアルなんですよね。それこそ御近所で聞けそうな感じの。現代ものの会話シーンって、ラノベ調やら台本ふうになりがちだと思うのですが、ここまで日常感あふれるだべりっぽさを出せるのは流石の一言です。
あと、間の使い方が上手い!終盤の感動シーンでは、語り過ぎない「うん」に全てが込められていて、とてもじんときました。

 

[グラフィック]

この手のはコラージュって言い方でいいのかな、色んな色が滲んで混ざって、しかもその加減が絶妙で、お洒落な雰囲気が出ています。クリア後のおまけページがBGMも相まってすごくかっこいい……!
シーン切り替えで出てくるタイトル字とその背景が、ストーリーの行く末を暗示しているようで、それだけでどきどきしました。
なお、立ち絵こそありませんが、代わりにスチルでキャラクターの外見が確認できます。ふみちゃんが想像以上に活発な見た目でびっくりしました。和氏が追い詰められてぐるぐるしてるところのスチルが印象的です。

 

[一言]

近親ネタが大丈夫なら是非やりましょう。嫉妬、独占欲、家族愛、背徳的などがキーワードです。

 

 

 

 

 

『昨日森口が死んだらしい』

 

[概要]


20分ほどで終わる短編ノベル。選択肢はあるものの一本道で、淡々と皆の噂話を聞いていく感じのゲームになります。公式サイトに「「ん?」と思いながらプレイするのが正解です。」と書かれておりますが、まさにこの「ん?」が面白いゲームでした。

 

[ストーリー]


とにかく、タイトルの通り。これが全て、シンプルイズベスト。
地の文はほとんどなく、ほとんどのシーンが「噂話」の形で語られていきます。学校の閉塞感と言えばいいのか、その無神経さがぐさぐさくる良質なつくりです。
勘の良い人は真相まで一気にわかってしまうかも? でも、わかっても冷めることはなく、むしろいっそうどんよりとした気分でゲームを楽しめました。
改めて読んでいると色々伏線もあり、最後で「ああ、なるほどな」と納得できる、良いまとまりっぷりです。

 

[世界観]


画面や音楽なども、お話に合わせて全体的に暗い雰囲気を漂わせています。鬱展開らしい、気だるい感じがたまりません。聞くのはあくまで噂話だけなので、観客というか、盗み聴きする第三者な気分でプレイできるのも新鮮でした。

 

[一言]


さくっと短編で、どんより暗い、なんとも言えない読後感が魅力の一作です。

 




『asylum』(BL・病院)

[概要]


非人道的な内容を含むBL一本道ノベル。おまけ含めフルコンプで1時間くらい。BLとありますが、告白や性的接触はありませんので、ブロマンス系が好きな方だとかなりぐっとくると思います。注意事項を読んで大丈夫そうなら是非やって頂きたい、とても好みの一作でした。

 

[シナリオ]


主人公の、ぼんやりと退屈な病院生活から話は始まります。プレイ中は何気なく読み進んでいましたが、負の衝動がほとんどなかったこととか、単に退屈って読めてしまう時点でよくよく考えると相当――。うん……。
色がついた、と言えばいいのかな。彼が訪れた時の、世界が開ける感じがすごく好きです。
じわじわなつく感じと、彼の寂しげな笑顔が忘れられません。この手のうす暗い雰囲気と箱庭世界なもの大好きです。

 

[キャラクター]


とにかく主人公がお気に入りです。なんといえば良いのか、ああいう無垢な感じの受け好きなんですよね……。ひな鳥の擦りこみができるタイプというか……。
彼、の方も穏やかのピリピリの差が激しくてきゅんきゅんしました。いや、作中で彼と会う人はほとんどが憎むべき相手とかその関係の人なので、態度の違いも当たり前っちゃ当たり前なのですが。主人公以外は興味薄なタイプだと萌えるなあと勝手に妄想。
サブキャラクターもほどよく存在感がありましたし、良い動きしてるキャラが多かった印象です。

 

[おまけ要素]


アフターエピソードは絶対に読むべき!!!
と言い切ってもいいくらい、最高に萌えました。
主人公視点で進んでいる時は、感情豊かで子どもらしくて可愛いなーと感じていたのですが……立ち絵を見てひゅっと息を呑みました。まさかそんな顔をしていたなんて……。主人公を見た時の彼の気持ちが今さらになってひしひしと感じられます。そりゃ見た瞬間寂しい顔もするよね……。
お名前が???の研究員さんは、辞書をくれた人なのかな? 研究員が病状について説明している時、さりげなく、「あれが原因ではないと思うんだが~」みたいに自分の責任から逃れようとしていたのがなんだか印象的でした。そこかよって思われるかもしれないんだけどそこなんです。罪悪感持ってるからこそああいう言い方しちゃうんだろうなーっていう。それで彼がイラっときたんだろうなーっていう。なんだろう、あそこでモノローグとか入れて長々せずに、あの一つのやり取りでぽろっと本音が零れ出た感じを出せるの本当良いよねって思いました。
読んでいる時に気になっていた、カタカナ混じりの表記についても補足があって納得です。

 

[予備事項]


asylum:保護施設、亡命 
phobetor:ギリシア神話関係。悪夢を産む。
morpheus:ギリシア神話関係。意味のある夢、というか、比較的理解しやすい現実的な夢を産む?
タイトルがぴったりすぎて震えました!

 

 

 

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VIPRPG6作一挙感想

「ごた混ぜの中に規則性を見出して」

こじつけが強い前置き。

 

えー、今回はVIPRPGからいくつか、感想のみをつらつら書いていきますね。普段の記事と比べて雑感メモな感じ、まだVIPRPGはそんなに触れていないので、暗黙のお約束に突っ込んでたら申し訳ないです。

ラインナップは以下の通り、さくさくと。

 

 

 

『白昼夢チルドレン』(RPG

夢の世界冒険RPG。独自の戦闘画面がかわいい。

[ストーリー]

鬱展開を経つつも前向きに終わるストーリー。夢や仮想現実の話は、「都合の良い世界を見続けるなんて間違ってる!現実見ろよ!」で結論付けられるパターンが多いけど、これは夢も現実の中にあるって感じで、一方的に否定していないのが良かった。

[戦闘]

見てて楽しい。ひたすらウェポンを使ってたけどラスボスでようやくガードが一番使えることに気づいた。ミミ子もうちょい働いてくれぇ、と思いつつも憎めないんだよなあ。

[探索]

ダンジョンの分かれ道がわかりやすくて、宝箱のためにいちいち長い道を戻って~みたいなことをせずに済むのですごく有難い。細かくアイテムが設置されているのも助かる。逆にドリムを全然使わなかったけど。

[その他]

めっちゃエラー吐かれると思ったらこっちで用意した.exeのバージョンが古かっただけだった。

教室の夢の演出が超好き。怖い。日常がちょっとずつ歪んでいくぞくぞく感やばい。サイレンスどうやるのかなーと思ったら意外な演出だった。あれはあれで面白い。

知ってるBGM多かったけど選曲がわりと謎。

鳥の声で目覚める演出が最高だった。

 

 

 

『もしも短調なゲームだったら』(ADV)

もしもシリーズ、を短調ついでにギャグ鬱にしたゲー。

[感想]

デフォルトのOP曲にうんうんと頷き、かけたところでガクッと倒れた。今さらだが私の初めてのもしもシリーズがこれで良かったのだろうか。

冒頭の鎧二つどっちもコメントが違ってたり、女連れとそうじゃない時とで宿の台詞が変わったりしてて、出オチで済まさない凝りっぷりも素敵。グサっとくる台詞とメタギャグとが噛み合っててもう笑うしかねぇ。

最後に必ずといって良いほど入る毒々しい一言の切れ味が素晴らしかった。

10分もあれば一通り回れるので気になったらやってほしい。

 

 

 

リナックス×メビウス』(RPG

無色の世界に飛ばされた二人が色を取り戻すために戦うRPG

[ストーリー]

斬新な設定と、VIPネタで色付けしたハイテンションさと、王道の起承転結がすごく面白い。先の読める展開もあったけど、だからといって良さを損なうことはなく、むしろ期待通りの前向きな方向に話が進んでくれる安心感があった。やっぱ勇者はこうでなくちゃね!

メビウスはタイトル画面から男の子だと思ってて、初登場シーンで女の子かなって思ったんだけど一人称俺だったからやっぱり男の子だなって思って、メニュー確認したら女の子だった。つまり女の子二人旅だ。百合だ。かわいかった。

ダーエロの欲望内容が具体的にえろい。

 

[戦闘]

毎回の戦闘ごとにHPが全回復するシステム。そのぶん、魔法にけっこうウェイトがかかってる。

自分でカスタムして魔法を覚えさせられるのは楽しかったけど、ちょっとした装備入れ替えでバーストした時にセットし直すのが面倒だったかな。初めの数ポイントを光に振ってたから、装備で補える分わりと無駄になっちゃったのもさみしい。けど、不都合を感じたのは本当にここくらい。システム面詳しくは後述。

ボスの難易度はけっこう高め。魔法のセットとか防御のタイミングとか舐めてると死ぬ。大抵一回は死んだ。けど、状態異常とかしっかり使うの好きな人は楽勝だと思う。道中にヒントもあるし。敵がクトゥルーしてたのは作者の趣味かね。

 

[探索]

とにかくマップ作りが最高。

無駄な行き止まりがほとんどなくて、謎解きも素直に従えば楽に進める。物語中盤の、普通ならだれてきそうなところでアクション要素が入るのも素晴らしい。ラストダンジョンの発想はもう拍手喝采もの。色を取り戻した後に開く宝箱も、サブイベントシステムと噛み合っててすごく良い。リゲインカラーの感動はやっぱあのマップあってこそだよなあと思う。それに加えて、キューブや素材などの収集要素があるのも楽しい。

信頼ポイント、後半余りまくってこれどうすんだと思ってたらきちんと使い道ができた。素晴らしすぎか。

 

[その他]

ザコ敵ぶっ飛ばし、アクションで心折れた人用の救済措置、ダンジョン一瞬脱出、テレポーター、あらすじ確認アイテム、アイテム素材箱、詰み防止の7時、ラスボス前のイベント終了後にいったん区切りをつけてくれる、などなど。挙げだすときりがなくなるくらい、めちゃくちゃプレイヤーに優しいシステムが多い。あらゆるプレイ上のストレスを全て省いてくれたと言っても過言じゃない。ありがたい。

エンドロールの3人組の動きに不覚にも笑った。あとスライムの名前凄いな! 色んな意味で感動した。

 

 

 

 

『ひだまりピクロス』(パズル)

その名の通り、ピクロス(お絵かきロジック)に特化したパズル。RPGツクールだけどパズル。

[ストーリー]

一切無し。黙々とピクロスに集中できる。一通りクリアすると褒めてくれたり嘲笑されたりする。ひだまりスケッチ知らなくても全然問題ない。

[システム]

とにかく膨大な問題数、なんと300超え。クリアまで50時間くらい余裕で飛ぶ。中断セーブができるほうもあるので、暇を見つけてちょこちょこできるのが良い。絵は色々だけど、アニメ系中心で、少なくとも過激なエログロとかブラクラみたいなものは無いのでご安心。shiftを押すと元絵の解説が出るのもひそかに楽しい。

キーのすべりやBGMなどを細かく調整できて大変助かる。ストレスフリーと言っても過言じゃない。プレイ中のアイコンが変えれるのも嬉しい。私は撫子派。

[その他]

パズルゲー好きな方、黙々真摯に楽しみたい方、ピクロスに興味ある方はやって損無し。

 

 

 

 

 

『クッキーのクッキー☆』(パズル)

ヨッシーのクッキーパロディで対戦型パズルゲームRPGツクールだけどパズル。

 

[ストーリー]

東方キャラクターの三次創作で、元の二次創作のネタを知らないと東方だけ知っててもよくわからない展開になることがしばしば。ただ、VIP独特のノリだらけなのであんまり検索はオススメしない。ストーリー良く分からなくても全然支障はない。基本的にぷよぷよ地獄前の漫才みたいな感じ。

 

[グラフィック他]

ロックマンな画面に不覚にも吹いた。

元の二次創作から取ってきているらしくボイスあり、画像も可愛いのが多い。スキルを使うと入るカットインもかっこいい。効果音のせいかミスティアうどんが忘れられなくなってしまった。

カットイン中も操作はできるのでやろうと思えばスキル発動中にクッキーを消すこともできる。画面が暗闇状態になってもクッキーの配置さえ覚えていれば対処可能。パズルもので強制フリーズタイプの技は嫌いだけど、このゲームはやろうと思えばずっと操作し続けられるので嬉しかった。

各スキルのバナー画像が可愛かった。

 

[システム]

クッキーを消すことでスキルが発動、というのがまず面白い。

スキルを意識してない時はガンガンやられてこれ無理ゲーじゃねってなったけど、回復スキルを一番上にしたらわりと安定して勝てるようになった。要はスキル大事。イワナばっかりだとやられる。バフデバフを甘く見ても死ぬ。

王塔を昇る、というサバイバルモードに近いものもある。セーブ回数限られてるの勘弁してくれーと思いかけたが、終盤になると白玉も黒玉もめっちゃ余ったのでただ私が貧乏症なだけだった。

ちなみに最上階だけまだクリアできていない。唐揚げつらい。

 

[その他]

なんだかんだと熱中してしまった良い対戦ゲーム。一時期は目をつぶるとクッキー詰められたあの正方形が出てきてたくらいだった。

というかツクールでこれをやろうってのに脱帽。

ヨッシーのクッキー好きで独特なノリが好きまたはスルーできるなら是非是非。

 

 

『いただきます』(ノベル)

電波ゲー祭りの名に恥じぬ電波ノベル。考えるな感じろ、いややっぱり考えろ、な感じのゲーム。

[ストーリー]

話がちっとも通じない、と見せかけて、終盤になると意味のわからない会話達の意味がわかるようになるのがすごい。なんでこんなタイトルなのか、という疑問も最後まで進めれば見事に繋がってくる。最高。

シチューぐーるぐーる。

[システム]

お話の中で電波を受信して、選択肢の代わりに手に入れた電波を使って会話する。斬新。取り上げる電波のチョイスがまた妙に断片的だったり詩的だったり機能的だったりしてて絶妙。

短い章が積み重なってできていて、分岐する章が一目でわかる。難易度は低めだし、エンド回収もすぐできると思う。一つの章が短めなのもプレイしやすくて良い。キャラクターの独特の論理とか口調がツボで、ついつい決まった章を繰り返してプレイしてしまうことも。

[その他]

4章で、語句解説や色が無いことに引っかかってたんだけど、やっぱりあの章は病気で倒れていた間の夢ってことかね。あの演出は正直そこらのホラーよりぞっとしました。

 

 

 

以上。

夏の陣やらウディコンやらで今年の夏も短くなりそうです。

フリーゲーム「人工女神」感想

「罪悪感をスパイスにそれぞれ舐め合い盛り上げて」

最終的に指先で倒れちゃう前置き。

 

 

 

えー、今回はSUGAR STARさんところのフリーゲーム人工女神」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

キャラエンドありの悪魔召喚シュミレーションゲー。コレクションアイテムも多めなのでプレイ時間は人によってかなり変わるんじゃないかなー、なんて。

 

この作品はこの作者様の他フリゲに大きく絡む、シリーズ第一作といっても過言ではないものです。しかしながら運要素も強く、ぶっちゃけると一度は詰んで投げてしまっていました。

 

それでも! 今まで何度もブログで取り上げさせて頂いたように、こちらの作者様のイラストもちょっと闇なシナリオもほんっとう常々大好きでして。どうしても諦めきれず、この度もう一度やり直してみたところ、無事に全エンドを見ることができました!やったー!

 

というわけで喜び勇んで堂々と感想文を書くことができます。ふふふ。

 

では前置きが長くなりましたが、魅力的な点など。

 

 

 

 

○○向けの垣根を越えたシナリオ

まず、一番に目がいくのはゲーム中でパートナー代わりとしてほとんどの時間を一緒に過ごすキャラ・羽林でしょう。タイトル画面を見れば分かる通りサキュバス的な魅力のある女性です。他にもたくさんの顔グラありな可愛い女の子悪魔がいて、ハーレムエンドもあり。ここだけ見れば男性向け一直線と言いたいところです。

 

ところが、この表面に反してエンディングは半分以上がBLものです。マルチエンディングで一応女性とのエンドもありはしますが、それらはほぼノーマルエンド扱いです。デフォルメ可愛い雰囲気や箱庭世界のおままごと風なシステムも女性に好まれそうなイメージがありました。

 

というわけで何向けとも言い難いところ。あえて言うなら雑食向けかなー、なんて。

ゲーム中何よりの刺激とご褒美になるであろう“交魔”が全てを表してくれているような気もしますね。エロゲっぽい雰囲気で男女無性関係なく皆といかがわしいことをする――これがモチベになりそうならきっとプレイして損はないはずです。

 

 

キャラの魅力が深まる交魔

せっかくなので交魔についてもう少し。数行ではありますが、つい身体が熱くなる台詞回しやギリギリアウト?なスチルなど、小粒でよくキくイベントです。ゲーム中盤にならないとできないのもまた、中だるみを抑えるのに向いていてグッド。

登場時と交魔後で印象がガラっと変わるキャラもいて、するのとしないのとでは魅力が出違いです。

たった数行で的確に萌えどころをついてくれる辺りは「レグルスの箱庭」の頃からおなじみの魅力ですねぇ。今回は顔グラありのキャラに会うため手間暇をかけるぶん、喜びもひとしおでした。

 

 

 

かわいいデフォルメキャラと楽しい模様替え

 

このゲームの虜にさせられた一番の理由はやっぱりここ。グラフィック面です。

操作が始まってまず姿を見せるデフォルメの羽林ちゃんにときめいた方は絶対多いはず! 召喚で現れる悪魔達もデフォルメされている子が多いので、悪魔図鑑を埋めるのが捗りました。

また、羽林はなんと衣装替えもできちゃいます。彼女の忠実っぷりを考えると意外と貞淑な衣装の方が似合うのかも……?

主人公も同様、特に彼は私が好きな片目隠しのキャラなのでなおさら見た目いじりが楽しかったです。

キャラの立ち絵だけじゃなく部屋の中も模様替えができます。拠点が一か所なのに身飽きることが無かったのはこのおかげ。周回ごとに色合いを変えてみるのもわかりやすくて良いかもです。帰ってきてふと見るとぬいぐるみが増えていた時は驚きましたw 

 

 

 

 

一方、ちょっと不便なところも確かにあります。

 

 

 

運任せのストーリー進行フラグ

次ステージの出現が運任せだったり、ランダム決定される天気が特定の時でないとイベントが起こらなかったりと、ストーリー進行のため必須な要素に運が絡むことがたいへん多いです。なので、プレイするなら覚悟のうえで、あるいは完璧クリアを目指さず摘まみ食いするくらいの気持ちでやるのが良いかもしれません。

一応すんなり進めば170日辺りでエンディングへと向かうこともできるのですが、初回プレイのときはなんと500日超えても洞窟の次の場所へ向かう道が出て来ず、このせいでしばらく投げてしまっていました……。とはいえ、エンド回収で5周ほどした中ではどれも170~200日辺りで問題なくエンドへ進めていたので、初回のケースがよっぽどレアだったんだろうとは思いますw

 

 

 

無駄が出てしまう召喚アイテムとステータス

雨の日にやることが少なく、どうしても知力が上がり続けることになります。50あれば十分なのに周回していると200超えることもしばしば。一方で防御力はほぼ死にステータス、真っ先に攻撃力を上げないと序盤はまともに進むことも難しいというバランスです。

また、1つのアイテムに対応する悪魔は1種類だけなので、どれだけレアなアイテムでもダブリはぶっちゃけ不必要です。棚の肥やしです。

 

というわけで、ステータス・アイテムの点はどうしても作業ゲーといわざるを得ませんでした。レアの確率がものすごーく低いようなので、コンプはそれこそよっぽど時間に余裕のある人でないと難しいんじゃないかなと思います……。

 

 

とまあ、こんな感じで。

魔術師、悪魔、闇堕ち、贖罪などのキーワードにピンと来る方向け。作業ゲー感や雑食向け嗜好など人を選ぶところもありますが、鬱エピソードや可愛いキャラグラも含め、やっぱり自分は好きな一作でした。

 

 

 

追記ではネタバレ込みの一言感想など。

 

 

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