うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

フリーゲーム「Defence Saviors(ディフェンスセイバーズ)」感想

「敵も味方も戦も正義もどこからともなく湧き集まる」

後付けの理由で世界を滅亡防衛する前置き。

 

 

えー、今回はStrayひろまさんところのフリーゲームDefence Saviors(ディフェンスセイバーズ)」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

面クリア型のタワーディフェンスゲーム。かわいいキャラをマップに配置して敵から拠点を防衛しようっていうあれです。

TD系のゲームはかくも懐かしまどマギ二次のブラウザゲーしかまともにやったことが無かった身なのですが、おかげで二度目の熱が来たくらいハマりました!

 

というわけで良かった点など。

 

ライトはさくさく、やり込みはがっつり

 

ライフの残量が残っている間はゲームを続行でき、うっかり敵の侵攻を許してもある程度許されるので、クリアだけならかなりライトな仕様です。実際、ファイナルステージまではけっこう余裕を残してクリアでき、お手軽な楽しさを味わうことができました。

で、本番が、そこからなんですよね!

いやあもう燃え上がったのがやり込み要素です!

ステージ7辺りまではそれでも上手いこと数回のチャレンジでいけてたんですが、ステージ8辺りで一度立ち止まり、ファイナルステージでは延々と試行錯誤の戦いでした。この難易度がたまらなく絶妙で、「あとちょっとでいけそう」まで導いてくれる感じがすごく気持ち良かったです。

ウディタ製なおかげでトライアンドエラーの履歴を撮りやすいのも良点。スクショ機能さまさまです。

 

 

全ユニットが“使える”嬉しさ

 

配置できるキャラの種類が1ステージごとに増え、ちょっとずつ取れる戦略が増えていくのもわくわくでしたねぇ。

厳密な意味での上位互換が一人もいなくて、被る特色はあっても捨てキャラはいないんですよ。例えば同じ敵の足止め能力を持つセイントとミスティックにしても、範囲の広さとスピード、コストの大きさに極端な違いがあるので、運用する場面がまったく異なります。どのキャラも遣いどころや見せ場があるってところがすごく素敵でした。

 

 

愛着の湧く可愛い立ち絵とドット

 

台詞やストーリーは全く無い本作、しかしキャラクターの個性は強く感じる作品です。前述したユニットとしての特徴もそうですが、一番のポイントはあの可愛いキャラグラフィックでしょう!

ステージごとに増えていくキャラ紹介の一枚絵からどことなくそのユニットのキャラ性が伝わってくる立ち絵が多く魅力的でして。キャラ萌え派の私のプレイが続いたのは間違いなく絵の影響もあると思います。

 

ドット絵もまた可愛いんですよね。デフォチップの改変?かなと思うんですが、あのちまちました感じが好きです。終盤はステージのコマいっぱいギチギチにキャラを配置することにもなるので、ちまちまいっぱい集まってるキャラ達がぽかぽか殴ってるのを見ると、こう、自然と応援したくなります。

 

同じ面クリゲー(notTD系)の前作『Healer's Yell』の時からさらにグレードアップし、今回はミスなしのパーフェクトクリアをするとおまけの一枚絵が見られるようになりました。これですよ、モチベが鰻登りってもんですよ!

あくまでこちらで察して膨らませるくらいのキャラ要素だったので、ストイックにやりたい方にも邪魔にはならず、ライトにプレイしたい方にはとっつきやすい形に収まっているのではないかなー、なんて。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

かわいい、お手軽、楽しい、熱い!

TD系入門に紹介したいくらい、ハマって楽しい良ゲーでした。タワーディフェンスに興味がある方、絵柄が好きな方、ちょっとした短時間でさくっと遊びたい方などに強くおススメの作品です。

 

追記では軽く攻略と言うか、使用感メモなど。

ご興味ある方は続きからぽちっとどうぞ。

 

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フリーゲーム「迷い込んだゲストは?」の感想

「言葉なんていらないし確かめ合う必要もない」

そして知らない間にずれていく前置き。

 

 

えー、今回はゆうあかり・こもれび・yuni-verseさんところの合作フリーゲーム迷い込んだゲストは?」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

攻略対象が近親の、男女恋愛ノベルゲー。舞台は現代ですがファンタジーな設定も含みます。

というわけで良かった点など。

 

 

美麗なグラフィック

 

イラスト担当はこのブログでも何度か取り上げさせていただいたyuni-verseさん。元々存じていましたが、やはり今作でもまさに乙女ゲーらしい画風で、スチルと立ち絵も完成度が高かったです。ドアを開ける開けないとか、横になって見つめ合う二人とか、差分がストーリーに即しているスチルが多かったのも特徴ですね。

また、今回は双子がメインキャラということで、シンクロを感じるポーズや表情が多かったのがポイント高かったです。二人が並んで同じ「やれやれ」みたいな顔をしているシーンでは思わずくすっとしてしまいました。

タイトル画面やロゴなどもどこか透明感のある美しさ。シンプルながら世界観のあるシスグラでした。

 

 

言わずとも分かり合える距離感

 

一番好きなの、初めて千莉が登場するシーンなんですよね。

説明や描写は全部置いておいて、まず、二人が何一つ言わずとも全て理解して普通に日常会話をしてしまうあのシーン。ものすごくロマンティックなのに二人はそれを自然なものとして受け取っているところが、逆に強いつながりを感じさせられました。

このシーンに限らず、あちこちで二人が黙っていても分かり合うシーンが多く出てきます。この、自然体の絆がすごく、良かったです……!

ヒロインは名前入力可能ですが、この辺りの言わずとも繋がる感覚はむしろヒロイン≠読み手という感覚が強かったように思います。

 

ただこの「言わずとも」部分、合わなかった点とも絡むのが悩みどころ。詳しくは後述するとして、こればかりは好みによるところなんだろうなと思います。

 

 

ゲストを問いかける鬱展開

 

ネタバレなので詳細には語れませんが、なるほど納得のタイトルセンスなストーリーでした。激しいグロではないものの、ある意味心に傷をつけていくバッドエンドが多かったのも、読後の余韻が残って好きです。

 

 

続いて、合わなかった点や惜しかった点について。

 

 

設定の唐突さ

 

瑞希ルートの初周でベストエンドに辿り着いてしまったからというのもあるかもしれませんが、親の話はかなり置いてけぼり感がありました。ファンタジーと聞いてはいたのですが、まさかこういう、異能力ラノベが始まってしまいそうな感じの設定とは思わずおろおろしたのが正直なところ。脇役だと思っていたキャラが重要人物として終盤に急にスポットを当てられて、感情移入する暇もなかったというか。

無理に全てを説明しようとしなくても裏設定にして濁す等のやり方もあったんじゃないかな……。あるいは説明するならするで、その設定に関わる人たちを都合の良い鬱生成キャラとしてではなく初めからきっちり一個人として描いて欲しかったかなと思います。

 

導入もゴリ押し感がしばしば。母親や友達などサブキャラが舞台装置として動き過ぎていて、不快なモブとしか見えなかったので、末莉の執着?が理解しがたかったです。

確かにね、読み進めれば優しかった母親とか瑞希との過去話とか千莉がいない頃の家族のギクシャクとか、本編の影や過去で何かがあったんだろうというのは十分察せるんですよ。けど前提知識も何もない導入部分で見えない部分を前提にした話をされてしまっても、こちらとしてはぽかーんとするしかなくて、そこがかなり不満でした。

ここが前述した、「言わずとも伝わる」部分の弊害ですね。一長一短。うーん。

 

 

BGMの切り替えタイミング

 

BGM自体の選曲はとても良くて、どのシーンにもぴったり合っていたと思います。ただ、切り替えのタイミングがもったいないなあと感じるシーンがちょこちょこありました。コミカルシーンの中でシリアスな本音がこっそり漏れてフェードアウトするところなどなど。数ページ早めに切り替えたらもっと雰囲気が出ただろうなー、なんて。

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

シナリオ内に個人的には合わない点がありつつも、一部のシーンには輝くほど惚れ惚れするところもあった一作でした。双子ネタや鬱展開が好きな方向け。

 

 

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yuni-verse

フリーゲーム「春の霧雨」感想 

フリーゲーム「Paranoid ~addicted to you~」感想

ゆうあかり

(多作のため当ブログ右端検索窓から「ゆうあかり」で検索をどうぞ)

フリーゲーム「詩歌を嗜むRe」感想

「気が向いたその心の揺らぎを声帯で響かせて」

生きがいではなく嗜み程度に留める前置き。

 

 

えー、今回はアンカルジアさんところのフリーゲーム詩歌を嗜むRe」の感想をつらつら書きますね。レビュー要素は珍しく欠片も無いです。

 

VIPRPG、ノベル寄りのいわゆる見るゲ。もしもシリーズではなく全くのオリジナル世界観なので、初めての方でも大丈夫。ただ直接的なエログロ過激描写は多いです。

 

で、普段なら良かったところを語る流れなんですが。

なんだかこのお話、本当に濃密で、言葉にした途端にプレイした後の感動とか思ったこととか震えた気持ちとかがボロボロ零れていってしまいそうなくらい、すごかったんです。詩歌とタイトルにある通り、もう語るを越えて歌う、気持ちをそのまま表に出すのがしっくりくる作品でした。

だから語らずにプレイしてみてくれ、って一言で片づけたくなる作品ではあります。

 

 

とりあえずネタバレしない中で要点を挙げるなら、

 

  • 間の取り方とテーマの連想を上手く利用した演出
  • 妙なるシーンチェンジと緩急の取り方
  • 台詞一つ一つに込められた伏線、構成力
  • キャラクターの熱い想い、感情

 

辺りでしょうか。やっぱり抽象的になっちゃうなあ。

AIやアンドロイドが人と混じっていく展開や、誰かと誰かの別れのシーン等にグッとくる方は合うと思います。

 

 

一方で、VIPRPGによくあるグレー具合や序盤のハイスピード下ネタ絶好調っぷりなど、人を選ぶ点も確かにありはする作品です。

そうなる理由はあるんですけどね。終盤良くなるからと無理強いをして響くものも響かないのは本末転倒なので……。

とりあえず、タイトルにかなり求心力のある作品ですし、触れてみて温度に耐えられるかどうか試してみるのが良いんじゃないかなー、なんて。

とにかく熱いメッセージ性のある作品でした。

 

 

……と、ここで終わる予定だったんですが。

何か書いておかないと、この溢れ出る気持ちが無くなってしまう気がして辛いんですよね! だからどこから切り出したもんかなあと思って、悩んでいるその間にもどっか行ってしまいそうな気がしたので、もう勢いで書くことにしました。

なのでいつも以上に読みづらい長文です。

たぶんネタバレになるところも書きます。

なので後は追記に格納。気になる方は下記クリックで。

 

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フリーゲーム「Savior's Tale -Promise of Meeting Again-」感想

「その身に名を冠することで死に様さえも示してみせる」

晩御飯が楽しみな前置き。

 

 

えー、今回はStrayひろまさんところのフリーゲームSavior's Tale -Promise of Meeting Again-」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

一本道でバトル重視の方向けの短編RPG。ベタついてはいませんが、女の子ばかりという意味では百合っぽくも見れるかも。

 

というわけで良かった点など。

 

 

行動順が鍵のオリジナルバトル

 

ターン制ではありますが、敵→味方のキャッチボール式ではなく、敵の行動に割り込んだり連続攻撃ができたりする形式です。この手のバトルってなんていえばいいんでしょうね? よく出会うシステムだけども、うーん。

ともあれ、バトルとしてはかなり戦略が重視される熱いシステムでした!

初回プレイではノーマルで進むつもりでしたが、森を抜けた辺りで物足りなくなってハードへ引き上げ。一人死んではリカバリして生死5歩手前辺りで走り抜ける、ちょうどよい難易度でした。

ディレイを仕掛けてSPを上手いことやりくりして、敵に何もさせないまま封殺できた時といったら、興奮で脳汁だらだらです。ふふふ。

 

 

設置タイプの後続スキルと運要素

 

あと面白かったのが、「サンダーレイン」「ヒールウィンド」など、発生直後のみでなく数ターンにかけて効果が継続する技でした。こういう罠っぽいスキル好きなんですよねぇ。

サンダーのほうは対象がランダムなのも楽しいところ。思わぬところで効く一撃にギリで命を救われたこともありました。この辺は、最後に加入する仲間のランダム行動でも感じたことですねぇ。きっちりかっちり詰将棋ではなく、ある程度運要素が混ざっているのがちょうどよかったです。

 

 

2周目限定ひみつのモード

 

ストーリー自体はかなり簡素な王道で、最低限あればいいというくらいに収まっています。なのでお話やキャラ重視の方は少し物足りないかも。けど、倒した敵キャラに話しかけると反応があるなど、ニヤッとできるポイントがあるのはグッド。

そして、この作品ならではの真価を感じるのは2周目以降のひみつモードでした! 良いですよねぇこういうギャグなノリ。

バトルとしても、1周目とは違った戦い方を要求されることがあり新鮮でした。

 

 

カットインが熱いグラフィック

 

顔グラフィックは素材屋さんから借りているご様子。

先に後作『Healer's Yell』をプレイしていたので、あの子の原型はここにあったのかーと思ったり。

SP100の奥義スキルにカットインがあるのもかっこよくて良かったですねぇ。通常攻撃で倒せる時でも、ついラストアタックを奥義で決めたくなってちまちまSP溜めをしちゃったりしました。バトルの物語は自分で生み出すもの……!

ただ一点惜しかったと思うのは、HPMP等の表示欄がちょっと小さくて見づらいところかな。ヒール・サンダー・敵のロックなど、設置スキルが被ると行動順が見えなくなってしまうことを考えると、致し方ないところはあるのかもしれません。

 

 

とまあ、こんな感じで。

バトル好きでハードに燃える方や、封殺ゲーが好きな方にはかなりオススメ。

 

また、難易度イージーがある他、アイテムは基本余るうえうっかりお金を使い切っても案外なんとかしてもらえちゃうので、バトルは苦手だけど好きっていう方でも楽しめるかなと思います。

 

 

 

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フリーゲーム「スタゲット」感想

「ああ世の中クソばっかりだ、もちろんあたしも含めてな!」

とっとと死滅するのが世界平和な前置き。

 

 

えー、今回は永遠の文芸部さんところのフリーゲームスタゲット」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

ラストに分岐あり、基本は一本道ノベルゲーム。

主要人物は可愛い女の子で構成されていますが、作風はくそったれの社会に泥を塗りたくって唾を吐きかける風刺系ノベルです。

 

前作前々作があり、今作がシリーズ完結編(と思われる)扱いの作品のようです。

ふりーむ等にシリーズ物の記載が無かったためうっかりこの作品からプレイを始めてしまったのですが、前作の概要は本編で軽く触れてもらえるので、未プレイでも安心です。私はプレイ後に気になった単語をググって初めて前作があったことを知りました。やっちまったい!

 

というわけで良かった点など。

 

 

固定観念と怒りに満ち溢れたストーリー

 

読んでいて何度も感じたのは、とにかく怒りでした。

単純に登場人物達が常に苛立っていることや口の悪さもありますが、それ以上に注目したいのは作中叩きつけられる意見のとんでもない狭さです。

 

誰もが一度は感じた事のあるであろう、社会の理不尽さに対する怒り。どいつもこいつもバカばっかりだと言いたくなる気持ち、マスコミ=悪、人に合わせてへらへらする居心地の悪さ! 

実際こういう完璧な悪ってなかなか居てくれなくって、逆に居てくれれば殴ってすっきりするからいっそ居てくれと言いたくなるんですが、そこはまあさておくとして。

作中の文は、固定観念と偏った物言いに溢れています。登場人物が成人しているとは思えないほど幼稚な考えもバンバン飛び出ます。都合の悪い反論はことごとく見えていない、固定観念を一人で強固にしていくような文体です。

 

が、だからこそ、この作品を推したいんです私は!

なんでこの作品はこんな偏った語り口なのか?

決まってます、皆そりゃもう、めちゃくちゃ怒ってるからです!

もう、冷静な反論とか根拠づけの調べ物とかできないくらい、自分の中で煮えたぎるものを無理やり言葉にしてガンガン固めてゲシゲシ蹴り飛ばしてやらなきゃ済まないくらい、怒ってるんです。怒ってる最中に周りのことなんて見えるわけが無いし、視野狭窄固定観念も当然です。

 

上から目線でお説教臭く語るんじゃなくて、渦中でひたすらもがいている。誰もが子どもの頃に感じて、そして色んな視点や考えを知って忘れていく怒りを、あえて真正面立ちはだかって叩きつけている。それがこの作品だと強く感じます。

この爆発的な感情が作品に昇華されているのは凄いなあとしみじみ。

 

 

大人になっていく悪ガキたち

 

ハイクオリティの立ち絵も必見、その中でも特に注目したいのが、キャラ達の服装でした。

もちろんこの作品が今記事を書いている現在と比べて2年前であることも加味すべきではありますが、皆の服装が若すぎるんです。りこはまだ童顔で得してるキャラかな、でも主婦があの恰好はうわあと思う。中でも特に可奈子の服装がすごく子どもっぽいんですよね、あの服は10代後半~20代前半って印象。少なくとも25歳には若すぎる気がします。

これ、彼女たちの自意識が全く大人になりきれていない示唆だったら面白いなあと思いました。

年ばかり過ぎていくのに考え方や生き方は子どものまま、社会に対してどうしようもない理不尽と憤懣を重ねていって、とても物分かりのいい大人にはなれそうもない……そんな感じ。

 

グラフィックだけでなく、最終章に辿り着くための選択肢もかなり毒が効いていて楽しかったです。「ここをプレイヤーに選ばせるか!」という驚きがあり、いやあ、実に身を切られる思いで選びました。

 

 

疾走感と爆発力のある名文

 

作中の比喩や、捲し立てるセリフの切れ味が凄まじかったです。多少支離滅裂なんだけど伝わるパッションとか、とにかく怒ってる時ってこうなるよなあとリアルに感じるやり取りとか。

なんだろう、冷静になると噴き出しちゃうんだけど言ってる当人は真剣にガチ切れしてるセリフがすごく上手でした。やっぱり作品全体が怒ってるんだよなあ。

 

頭ちょん切ってバスケットボール~のくだりと、トイレットペーパーを自分で買わなきゃいけない時期がくるんだよ~のくだりがほんっとう好きです。こういうキレッキレのセリフが聞けるのはフリゲだからこそだよなあと感じます。

往来で人を脅し上げたりカフェで騒いだりするのにためらいがないところも、突き抜けて反語的な描写だなー、なんて。

 

 

絶望と胸糞の狭間

 

あと上手いなあと思ったのが、「幻滅」の描写です。

一番わかりやすいのは皆大好き玲奈ちゃんのシーン全般ですかね。なんだろう、信用とまではいかないにしても、好きだとかこの人なら少しはましなはずだとか、ぼんやり感じていた最低限のラインをやすやすと踏み越えていく大人たちへの絶望や憎しみがそりゃもう煮凝りのように叩きつけられます。あっけなさと容赦のなさが素晴らしいところ。

そしてここでもやっぱり「どうだ酷いことをしてやったぜ!」というイキリではなく、「ああもうやってられるか、どうせこれがお好みなんだろう!?」という逆説的な怒りを感じます。

何より、そうせざるを得ない虚しさですよ。逃げ道がない、昇華の仕様がない、我慢しろというのはふざけろ説。普段はダウナーな鬱のほうが好きな私ですが、この作品の物事全てに殴りかかるような鬱もかなり気持ちがザワザワして、作者の熱を感じて良いなあと思い直しました。

 

 

ファンには嬉しいおまけセット

 

なんとEDはオリジナルのボーカル曲で、それが二曲も楽しめる豪華仕様。

バッドエンドの曲がすごくかっこよくて好きなんですよー! ああいう曲調なんて言うんでしょう、クサメタルまではいかないけど、ゴシックロック? クリアしたけど今後もいっぱい聞いていきたい所存。

この他おまけセットとして、壁紙サイズのタイトル絵と他作品のボーカル曲も同梱されています。ついつい過激なテキストばかり見てしまいますが、グラフィックや音響面も確かに水準の高い作品でした。

ボーカル以外の曲にしても、こういう現代ものの作品でああいう民族調やちょっとメロディアスなBGMをチョイスするのは珍しいなーと思います。センスが良い。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

  • 社会に感じる理不尽にしばしば怒りを感じる
  • ことの真相を探し求めずには居られない
  • 風刺と皮肉に塗れた毒っ気のあるテキストとエンディング

等々にピンとくるならプレイしてみてほしい一作でした。

フリーゲーム「ゼン・ザイ」感想

「焚火も心も、燃やすには燃料がいる」

後悔の花火を上げることのないようにしたい前置き。

 

 

えー、今回はGrrrrrrrrさんところのフリーゲームゼン・ザイ」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

最後に軽いエンド分岐がある、ツクール製RPG

以前記事に書いた『フライ・ド・チキン』(以下前作)の続編です。なので当然ながら今作プレイの前に前作クリアを推奨。前作が長編だったのに対し、今作は1時間程度の番外編です。

 

エトリエ新年企画なるものに参加された作品ということで、お正月にぴったりの一作。しっかりと前作の味もそのままに、彼らの新しい夜明けが楽しめます。

 

というわけで良かった点など。

 

 

ほろ苦い展開の先にあるストーリー

 

ぶっちゃけるとストーリーはラストの選択肢で分岐します。

私は先に暗い方を見たんですが、こっちはこっちで前作の雰囲気が出てますし、このオチもどことなく皮肉っぽい構図になっていて好きだなーと思います。しこりの残る鬱展開って好きです。

明るい方はまさにお正月な読後感でした。なんだろうな、前作もそうなんですけどやっぱり距離の取り方が上手いんですよね。当然のようにキャラ達が分かり合っていて、シビアな目線で話すんだけどプレイヤーを突き放さない感じが良いよなあって思います。

 

前作で土エレメントさんのイベントにしんみりと感動した身としては、ここにスポットを当ててもらえて嬉しい気持ちでした。

 

 

さらに見せ場を作りやすくなったバトル

 

短編ではありますが、相変わらずバトルはなかなかの手ごたえ。しっかりアイテムを拾って、積極的に武器防具をそろえるのが吉です。

また、前作で気になっていた痒いところが全面的にカバー・改良されているのがとても好印象でした!

 

真っ先に目に付くのはヘビメのコスパアップですね。前作でスキルにアイテムと多額の資金が必要だったヘビメですが、今回は「ヘビメマシン」なるノーコストで盲目やら高火力全体攻撃やらをぶっ放してくれる素敵アイテムを開発してくれました。強キャラ待ったなし!

あと、SP不足でお茶をがぶ飲みしていたイマラもローコストな使用感に。テンさんは中段攻撃がなくなり、二分の一から弱点を選ぶというプレイヤーに優しい仕様になってくれました。クサマは代わり映えしないイメージですが、元々縁の下の力持ちなポジションだったので、相変わらずで嬉しいです。

前作と違ってパーティメンバーの入れ替えはできませんが、短編ですしちょうどよい省エネ具合かなと思います。メンバーが私の前作スタメンと一致していたので違和感がなかったというのもあるかも、なんて。

 

直接的にバトルと関係があるわけではないんですが、売買用のドロップ品のアイコンが共通で、前作と比べて売っても良いものが視認しやすくなっていたのもグッドな修正点でした。

 

こういう、続編で着々と成長されてるクリエイターさんって見ててどんどん応援したくなりますよねぇ。「これだよこれ!」という感じがして楽しかったです。

 

 

さりげなくクスっとくる会話イベント

 

そしてこちらも良さは変わらず、ちょっとした会話イベントがあちこちに仕込まれています。

柵があるところの門番兵さんやイカなど、ただの進行不可ポイントを無理だと一言で切るのではなくて、ああいうユーモアに変えちゃうところが良いですよね。

ツボだったのは焚火会話でした。二か所とも違う!w

短編であっても細かいところにきっちりイベントを仕込んでいく、その姿勢が好きです。

 

 

 

疑問点としては、何故かボス戦直前のセーブデータが同梱されていることですかね。エンド分岐回収用なのかな?

これからプレイするつもりの方は、うっかりラストから見てしまわないようご注意を。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

前作が気に入った方はこちらも是非、プレイしてみてください。

 

フリーゲーム「Doki Doki Literature Club!」感想

「皆で楽しく過ごしたいってそんなに難しいこと?」

取り合う君さえいなければ平和だったかもしれない前置き。

 

 

えー、今回はTeam Salvato.さんところのフリーゲームDoki Doki Literature Club!」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

上記リンクは全て英語ですが、検索してもらえば日本語ページにもたどり着けます。日本語名でよく見かけるのは「ドキドキ文芸部!」「ドキ文」、あと略称として「DDLC」かな。

 

いわゆる海外ゲーの、ギャルゲちっくな選択肢ノベルゲームです。

この記事を書いている現在は公式での日本語パッチの話が出ているようなので、この記事が投稿される頃にはきっとパッチが公開されているかもしれません。何なんだこのブログは。

ともかく、私は非公式日本語パッチでプレイしておりますのでご了承ください。

 

あと、あちこちで騒がれているので回避も難しいかとは思いますが、

ネタバレなしでプレイするとより楽しめるゲームです。

なので本記事も閲覧注意です。ネタバレ配慮はあんまりできていません。

 

 

というわけで良かった点など。

 

 

女の子らしいスチルと立ち絵

 

ギャルゲーと言えばまずはグラフィック。見てわかる通り、かなり力が入っています。通常の立ち絵もさることながら、スチルの気合入れっぷりは必見!

特に、プレイする人に寄っては一番見る時間が長くなるであろう幻想的な背景のスチルがありまして。あれが私大好きで、もうきっと忘れられません。

 

それに、スチルになると皆がとたんにキラキラ輝いて乙女度が増すんですよね。見てるだけでときめくってもんです。塗りとかが違うのかなあ。

一目で可愛い!と思う子と、見れば見るほど吸い込まれていきそうな子がいて、描き分けが上手いなあと感じました。

 

こういうハイクオリティな立ち絵やスチルが、後半であっと驚く形に変化していくのもポイント。視覚的な演出がまさに突出している一作です。

 

 

ギャルゲーのお約束を逆手に取る展開

 

ネタバレ注意書いたのでもう明記してしまいますが、ギャルゲーをプレイし慣れていれば慣れているほど深みにはまります。

選択肢からここぞのタイミングでのセーブなど、こちらの動きが完璧に読まれていて震えました……。

重要なのはシステム的なギミックだけで終わらないところ。キャラクターの反応もまさに、いやまさにでして……。どういう反応でこちらのどういう感情が引き出されるのか、作者様の掌の上にいるような感覚でした。

とりあえず、ゲーム起動時の注意書きは大事。ぎょっとしますのでね。

 

 

ためになる執筆アドバイス

 

ギャルゲーな面や、驚きの展開が話題を呼んでいる本作ですが、タイトルの「文芸部」要素も忘れてはいけません。

まず、プレイヤーが疑似的に作った作品に対して、部の皆が批評をしてくれます。そこからぼんやりとみんなのスタイルが見えてきて、創作で譲れないことやお互いの表現技法等々がわかるんですが……これがまた興味深いんですよ。まったく真逆のスタンスの部員がいたり、1回目と2回目で変化してると皆がポリシーを語ってくれたり。

はては「言葉で伝える」ということの意義に至るまで、けっこう踏み込んだお話が聞けました。

 

また、某ルートからの一対一の長い長いお話のターンでは、哲学的だったり厭世的だったりなお話も飛び出してきます。萌えだけでなく、しみじみと聞き入ってしまうセリフが多くあるのも注目でした。

 

 

絶妙で読みやすい翻訳

 

文章がすんなりと頭に入ってくる訳です。

……これって翻訳ゲーとして最上級のクオリティだと思いませんか!?

 

文化として慣れない表現はあったとしても、文章として致命的に読めない文は一つたりともないんですよ。感動。

それに私、作中でサヨリが「ハグ」って言葉を使ってるのが凄い好きなんです! 

機械的に翻訳するのではなく、ところどころに元の言葉の名残を残そうという気持ちが伝わってきてとても素敵でした。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

最も魅力的な点が最もネタバレというこのもどかしさ。伏字無しの諸々は全部追記に格納しておこうと思うので、既プレイの方は引き続き御目通し頂けると嬉しいです。

 

とりあえず、意外な展開・一途な女の子・鬱展開などにピンとくる方向け。

プレイ自体は一応数日でクリアできるかと思いますが、私は数週間──数か月──今もそこそこ──引きずりました。なのでお時間ある時に是非。

 

 追記はネタバレ注意!

 

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