うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

フリーゲーム「架谷野家の薔薇薔薇」感想

「優しく楽しくみんなは幸せに暮らしました」

どうして心はこう複雑にできてしまっているんだろうな前置き。

 

 

えー、今回はいさら座さんところのフリーゲーム架谷野家の薔薇薔薇」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

分岐ありのノベルゲーム。乙女ゲームらしい公式ではありますが、糖度は恋愛よりは人間ドラマというイメージです。人外いるけど。

 

ほんのりとネタバレしているところもあるので、察しの良い方は注意。

 

 

 

 

十字架とレースと薔薇と血液に彩られた画面

 

この作品、パっと目につくのはやはり美麗な立ち絵とスチルでしょう。

ハロウィンのお題にふさわしい、洋風でおしゃれなキャラデザの立ち絵がいっぱい。スチルにおいては、絶望的なシーンであればあるほどシンプルかつ心を穿つ構図のものが多いです。ダークルルの不穏なスチル2種に悲鳴をあげてしまったほどに好きです……。

特に私は十里亜の立ち絵が大好きなんです! 白ロリ(?)と言うのか、真っ白レースで構成されたまさに“愛すべき”見た目。甘えたいし甘やかしたい! 無邪気な笑顔も、笑っていない瞳も大好きです。

バニラ・ボニカの衣装も素敵ですよね。星と喪服めいたドレスとかわいいお帽子。コスプレ等で立体化しても映えそうだなー、なんて。

 

 

 

読めない共通理解が明かされる衝撃

 

さて、ストーリーのほうはどうかというと、かなり人を選ぶ類かと思います。

 

流血・ヤンデレ・お薬・狂気、などなどのダークな点についてはむしろ大歓迎なので良いとして。

物語構成がかなり独特です。初めのうちは謎に包まれた部分が多く、視点主のヒロインもお話の全貌を知っている前提で動いていくので、感情移入が難しいところも多いです。ルートや辿り着く順番によっては急展開に思えるところも。少なくとも私はエンド1つを見ただけでは頭に?マークが浮かびっぱなしでした。

けれども、本当の始まりはむしろエンド後! 全クリをしてからこそがこの作品の神髄だと思います。

序盤のコミカルさがうすら寒く思えるようなエンドが多く、またそれらを乗り越えるとただただ切なさが残る……これぞ鬱展開です。大好きです。

 

そんなわけで、謎やモヤモヤ、キャラ同士の暗号めいた会話を伏線として楽しめる方向けです。一方、明確な回答がないと気になって集中できないタイプの人は合わないかも。そういう意味で、人を選ぶ作品であることは確かです。

 

 

 

縋りつくほど心苦しい家族愛

 

そしてこの作品、恋愛というタグをつけようかどうかかなり迷いました。乙女ゲーらしい体裁で作られてはいるノベルゲームなのですが、個人的にはルートに関係するあの二人を“攻略対象”と言うのは語弊がある気もして、悩ましいところなんです。公式ではそう書かれているけれども。

なら何かというと、家族愛。この物語は痛々しいくらいの家族愛が根幹にあります。なので、あのルート分岐も攻略対象によるというよりは“外の人”“中の人”くらいな違いなんだろうなあと勝手に思っています。

まあダークルルやアガタお兄ちゃんはガッツリ攻略したいくらいの萌えを感じるんですけどね!!

軌道修正。

お話の全貌が見えてから、各エンドや冒頭を見直すと、たまらなくぞくぞくします。お話の巧妙さ、裏の暗さ。そして泣きたくなるような悲壮さがたまりません。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

世界観としては、吸血鬼・ハロウィン・現代日本とアメリカ・共同幻想など。ストーリーとしては、自分で色々と考えたり、予想をしたりしながら読み解くのが好きな方。不穏な展開ににやにやとしてしまう方にオススメです。

 

 

 

追記では、ネタバレ込々の感想など。

 

 

 

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フリーゲーム「ADELE-アデル-」感想

「立ち振る舞いからお里が知れる」

その発言で品位が知れる前置き。

 

えー、今回はカンテラの喫茶店さんところのフリーゲームADELE-アデル-」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

初めにお断りしておくとこのゲーム、「萌え属性やシチュとしては合う」一方で「話としては合わない」という印象でした。ゆえに、特に後半はかなり批判色強めです。ご了承ください。

 

おまけ含め全クリまで1時間かからないくらいの短編ホラーゲーム。注意書きにある「ヤンデレ」という単語や、召使いという響きに釣られてDLしました。

というわけでまずは良いなあと思った点から。

 

 

独特の操作キャラドットとメルヘン怖いマップ

 

まずドット絵に驚きました。あまり見慣れない形のキャラチップだなーと。蟹移動はご愛敬ですが、等身高めのドット自体は好きです。

マップもまた可愛らしく、あちこちに落ちているお菓子やぬいぐるみ類はついつい調べたくなる魅力がありました。

そして何よりぞくぞくするのはあの地下マップですね! 地下でいいのかな、あの落とされた先のところなんですが……。

ガラッと変わる雰囲気や、某イベントをこなすとまるで責め立てるかのように並ぶあれらこれらに泣きそうでした。やっぱりホラーはこうでなくては。

 

 

多様なイラスト群

 

興味深かったのは色んな絵師さんを起用されている(らしい?)こと。メニュー画面、起動画面、立ち絵、エンドロール、どれも異なるタッチの絵柄でした。ファンアートを取り込んでいるのかも? アンソロジーっぽい豪華さは楽しかったです。

起動画面のイラストが一番お気に入り。

 

 

オリジナル曲とパートボイス

トゥルーエンドに辿りつくと、オリジナルのIA曲が聞けます。元ボカロ民な私にこれは嬉しい。

余談ですが作業用BGM作ったくらいにはVOCALOIDハロウィン曲タグ好きです。

さらに、キャラクターにはパートボイスも付いていて、要所では台詞を臨場感込めて喋ってくれることも。どの方も走り気味の読み方ではありましたが、何よりもあの例のヤンデレさんの狂いボイスと脅すような呼びかけボイスには実に興奮しました。ありがとうございました。

 

 

 

 

さて一方、ちょっとこれはなあと思った点も正直に書きます。

 

 

 

アデルが舞台装置に徹し過ぎている

一応、主人公の位置付けでありタイトルにもなっているアデルちゃんですが。彼女の動き方がどうにも合わないなあと感じました。なんというか、行動理念や傾向が見えてこない子だなあと。

付与されているのは“心優しき箱入りお嬢”という属性だけで、あとはストーリーを動かすためにただ“喋らされている”“動かされている”ような印象でした。

具体的な点についてはネタバレも含むので追記にて。

 

 

あと一歩が足りないラストシーン、雰囲気に入りきれない展開

個人的に、ヤンデレって読者や相手を圧倒させるくらいの狂った雰囲気こそが魅力だと思っていまして。そういう意味で追いつめられる展開自体は良かったのですが、他キャラがその異常さに冷静なツッコミを入れてしまったことでプレイヤーが我に帰ってしまうところが多かったように思います。

また、これも具体的な点は追記に隠しますが、せっかくの盛り上がる狂気シーンや衝撃シーンに対してキャラの反応が薄かったり後に残らなかったりして、「あれ?」と思うこともしばしば。

テンポの良さは大事だとも思うのですが、この作品はストーリー自体の重厚さや複雑さを魅せるタイプではなくキャラ推しのタイプだと感じたので、なおさらこの辺りの心理描写はもうちょっと盛り上がりが欲しかったです。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

謎解きは易しめ、ノーヒントで理不尽なところもありはしますがメタ読みまたは総当たりでなんとかなるレベルなので、攻略自体は楽かなあと思います。エンド分岐もそれらしい匂いを漂わせる選択肢やアイテムが出てきてくれますし。

 

 ハロウィンな雰囲気が楽しめる、グラフィック重視ゲーかなと思います。

追記からは上記のとおり、ネタバレ込みの感想など。

 

 

 

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フリーゲーム「ハンスとグライフ」「ヴァルターの憂鬱」感想

「子どもは親の慰み者」

手玉に取られてたまるものかな前置き。

 

 

 

えー、今回は水中庭園さんところのフリーゲームハンスとグライフ」「ヴァルターの憂鬱」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

前者が本編、本編の別キャラ視点な番外編です。

 

 

 

「ハンスとグライフ」

 

分岐ありの短編R-18BLノベル。「ヘンゼルとグレーテル」を意識されている作品とのことで、兄弟愛や女装ネタが多く含まれます。

 

というわけでさっそく魅力的な点など。

ほんのりとネタバレを含むので気になる方はご注意ください。

 

 

 

耽美な絵柄と独特の画面構成

 

絵柄は少女漫画風、って言っていいのかな。後半の淫靡な雰囲気にぴったりの絵柄です。

特に素晴らしいと思ったのは某スチルの、グライフの身体つき! あまり体型にこだわりは無い派だと自分では思っていたのですが、彼らの境遇を感じさせるこの貧相さにはやられました。言葉なくして語ってくる悲壮さ、実に良いものです。

 

他、背景にカットイン風の小物や家具等の画像が入るのは新鮮だったかなあと。さりげなく雰囲気が出る構図でした。

ただ画面構成という意味だと、引きの立ち絵が離れすぎているように思えて気になったところもあり。腰元にメッセージウィンドウが来る感じの乙女ゲに慣れているせいもあるかもしれません。

 

 

 

想い合いを利用される鬱展開

 

ストーリー後半の展開が本当に好みでした。

萌え的な意味だと「いいぞもっとやれ」って感じでしたし、感情移入的な意味だとどんより辛い鬱展開な感じでした。とても楽しかったです。女主人ありがとう。行為を強制されるうちにどんどん目覚めていく過程が丁寧でぞくぞくしました。

前半でお互いの依存を描き、そして不穏な空気から怒涛の濡れ場に展開するというこの、二人をきっちり閉じ込めていく感じが良いです。

特に宿へ入ってからは、濃密で息切れしそうなほどの空気が読むこっちにまで伝わってくるようでした。異常な状態で頭が淀んでいく感じ、好きです。

 

 

 

 

とまあこんな感じで、お話もグラフィックもしっかり押さえてある印象。

一方、引っかかった点として挙げたいのがウェイトの長さ。

私は短編ゲームでも細切れにプレイしてしまうタイプなので、起動のたびに待つのがちょっと手間だったり……。光溢れるあの雰囲気は素敵だと思うんですけどね。

 

ともあれ、性癖にぴったりと合致する良作でした。

 

 

 

 

 

「ヴァルターの憂鬱」

 

続きまして関連作品について。

 

こちらはタイトル通り、本編でサブキャラだったヴァルターが主人公。兄の立場では決して見れないであろうグライフの一面を覗き見ることができます。

ぶっちゃけてしまうと本編のエンドロールで見れるアレがそのままノベルゲ化された感じでした。個人的にはむしろその先が見たかったかなとも思ったり……贅沢な要望ですけれども!

こう感じてしまうのはエンド2が特に好きだったからかもしれません。

 

 

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

耽美・鬱・共依存。これらのワードにピンと来る方にオススメです。

追記ではネタバレ込みの各エンド感想など。

 

 

 

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明るめヤンデレノベルフリゲ感想

「暇な時こそ過激なものを摂取して脳を活性化させよう!」

愛isスーパードラッグな前置き。

 

 

えー、今回は連休の中日ということで、短編フリゲをさくさくっとまとめての感想です。短編ばかりなので筆量もゆるめ。

作者様はそれぞれ別、もちろん相互の関係性もありません。

一応、「明るめ・甘め」「ヤンデレ」「ノベル寄り」で統一したつもり! あっでもバッドエンドのある作品も普通にあります、大好きだからね仕方ないね。

ヤンデレ未満やギャグちっくなネタヤンデレもいますが、そこはご愛敬で。乙女ゲ多めですがこれおススメだぜってギャルゲのご紹介も適宜お待ちしています。

 

 

 

 

 

 

愛して!勇者様

タイトルが公式ページとバナーとベクターとで異なりますが、とりあえずベクター表記より引用。

短編ノベルゲー。選択肢も総当たりで全エンド見られます。ジャンルとしては、なんだろう、ギャグヤンデレ

主人公の勇者さん視点で、ぐいぐい押せ押せで迫ってくるヤンデレ姫を上手いこと言いくるめるゲームです。

冒頭の文章にまず笑ってしまいました。メロスw

怖さが際立つタイプのヤンデレが最愛の方にはちょっと物足りないかもしれませんが、掛け合いが面白くて笑ってしまいました。ベストエンドの、「扱いがわかったらかわいい~」って台詞に超共感です。あれが一番ツボだったかもしれません。

エンディングの一枚絵もどれも可愛かったです。

さらっとプレイできてニヤっとできちゃうゲームなので、ヤンデレに抵抗がない方は是非どうぞ!

 

 

 

クイメレカ』現在配布停止中

 

ギャグです。ヒロインちゃんの冴えてるつっこみと会話のテンポ良さにやられました。

初プレイではもちろんノーマルエンド。どんな人が出てくるのかと思ったらまさかの展開でした。次に、紹介ページの攻略を見つつバッドエンド。腹抱えて笑いました。しかもちゃんとヤンデレってww うっかりきゅんとしそうになりましたよハッハ。

個人的には、執事クンが好みです。そうだよ敬語好きだよ!

なんだかんだで、一番笑ったのはおまけのキャラクター紹介かもしれません。いいわあ、あの言い切りっぷり。

明るくて楽しいお手軽ゲーでした。

 

 

 

カスミ・ロード

総プレイ時間5分ほどの超短編ノベルゲ。百合。

ツイッターで流れてきてヤンデレと聞きDL。

どうやら今後製作予定の作品のプロローグになるらしく、この作品だけ見るとよくある王道ヤンデレ。この作者様の作品に触れるのは初めてだったので、惜しいことをしたなあというのが一番の感想でした。別作から入るべきだったかも。

ショッキングピンクとハートで構成されたスタート画面はなかなかに躁ヤンデレって感じがして良かったです。あと、口がωに近くなってる時のカスミの立ち絵は可愛かったです。

 

 

 

少女の不思議な一日

ヤンデレお兄さんに付きまとわれたり殺されたりするほのぼのギャグ怖ノベルゲー。ようじょゲーだと思ってDLしたんですが、立ち絵等も含めロリ要素は少なめ。

選択肢多めではありますがそのぶんエンド数も多く、ほぼ総当たりでコンプできます。大半は暗転して血糊での死亡シーンとなりますが、そういうの好きな方はパターン集めてみると面白いかもしれません。

戒さんはあれだけ頭固そうなのに「性転換して彼女もいるから大丈夫」な言い訳が効く辺りなんというかなんだかなあw まぁお馬鹿ヤンデレと思えば需要はありそうです。おまけエピソードは会話も設定も色々と不自然なので、ゆーき君はほっといてファーストキス云々で事を起こしちゃったほうが良かったのではーと思わなくも。

さくっと気軽にテンプレヤンデレ楽しみたいなら、という感じの一作。

 

 

 

 

 

バレンタインの正しいしつけ

『うつむき少女』等でおなじみoffoffoさんとalalakaさんの共同作品。

今回も安定のヤンデレでしたが、攻略対象が「寂しいと死ぬ」でおなじみ兎をモチーフにされているらしく、ヒロインの男らしさもあいまってかなり可愛い系男子です。ちまたで話題のメス男子とやらはこういうキャラが当てはまるんだろうか…? とりあえずヤンデレとメンヘラが混じり合ったキャラな印象でした。

なのに本当、顔(というか立ち絵というか)はかわいいんだよなあ!ピン止めしてる男子はずるいですよね。画面構成も含め、グラフィックの乙女な雰囲気づくりもばっちりです。

 

ストーリーのノリとしてはときめきよりギャグの要素が強いかも。特に某エンドはハイに暴れた後さくっと病むので、あまりの勢いの良さにびっくりでした。

名前欄の色味からして男女逆じゃないのかと突っ込みたくなる一方、これだから良いんじゃないかという叫びもどこからともなく聞こえてきそうな気もします。

 

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フリーゲーム「ミノルカブルー・アンブレラ」感想

フリーゲーム「赤ずきんくんとおおかみちゃん」感想 

フリーゲーム「うつむき少女~みんなまとめて病みなさい~」感想 

 

 

 

 

ショコラケージ

ハッピーバレンタイン。1周目でノーマル、2周目で本性、なヤンデレ好きおなじみの形式です。

 

ストーリー上惜しかった点はいくつか。例えば病みの片鱗を見せてからが駆け足だったので、個人的には「そんなはずない、たまたま雑貨屋さんで見かけただけだよね……」的な自分に言い聞かせるための言い訳を考えてそれを打ち砕かれるような数文があると旨味が増えるなあと思いました。アナザーストーリーも、“高校三年の2月”という時期設定を生かして、もうちょっと別れを意識させて焦りとヤンデレ行為を結びつけるとより説得力があったかも。あと、友人ちゃんはせっかく出番も多いことだし序盤から名前を出してもいいんじゃないかなー、なんて。

上手いところもしっかりあって、冒頭の友人の動機付けが急だと思っていたんですが、伏線として見事に回収されて膝を打ちました。なるほど!

 

立ち絵やスチルにはときめきまくりでした。いやもう、スチルがめちゃくちゃロマンティックなんですよね! キラキラした瞳とか花とハートと星がよく似合う雰囲気とか。チョコを差し出すあのスチルがもう大好きです。

初め、ちっちゃいサムネを見てチャイナ服なのかと思っていたのですが学ランでした。そりゃそうだ。これがまた画面デザインやバレンタインの雰囲気に合うんですよねぇ。

グラフィック重視の人向け。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで!

この中だと特にお気に入りは『愛して!勇者さま』でしたねぇ。やっぱりヤンデレはかわいい!!

連休に重たい愛をお求めの皆さんに、ちょっと気になる一作があればぜひDLしてみてください。

フリーゲーム「さよならモガリ」中盤まで感想

「私は私がいなくとも別に構わないが、あなたはどうだろうか」

頼むから同じであってほしいという手酷い前置き。

 

 

えー、今回は。

ついに。

ついに、

ついについに、

来ましたよトバリシリーズ新作「さよならモガリ」!!!

 

討伐隊のころから本当めちゃくちゃ好きなシリーズでしてトキシンREでもうベタ惚れして一時期のTwitterがトバリ長文で埋め尽くされてしまってでも好きすぎて逆にどっから手をつけていいのかわからずなかなか感想文を書けずにいたこの、このトバリシリーズ最新作ですよ。超嬉しい。クッソ嬉しい。泣いた。タイトルセンスがもう素敵ありがとう。生きていける。

聞いてくれてありがとうアロエリーナ、落ち着いたような気がする。

 

そんなわけで、まず基本的に当ブログは

  • 自力クリアした後で書いた感想文を投稿する
  • 投稿はクリア順(だいたい週2回更新のつもりなので最新記事は1年前にクリアしたフリゲ)
  • Twitterのような脳みそ直流回路文ではなく一応冷静さと体裁を最低限人間並みに整える

というのを意識しているのですが、今回ばかりは思い切りぶち破って興奮のまま書こうと思います。

 

ちなみに私はブラウザプレイより圧倒的にDLプレイをしたいタイプなので、この記事が”序盤だけ”となっているのもそのせいだったりします。10月中旬ごろ予定でDL版が出るらしいので、その時あらためてやろうかなって。

後から手をつけるのに先にやっちゃったのは堪えられなかったからです。

最愛ゲーの新作やぞ。やらいでか。ひゃっふぅ!

 

 

 

 

そもそもトバリシリーズって?

 

まずは前提、『さよならモガリ』について。

10/1現在はRPGアツマールからブラウザゲーとして遊べます。

https://game.nicovideo.jp/atsumaru/games/gm4558

 

前述のとおりトバリシリーズ(と勝手に呼んでいる)作品群『トバリ討伐隊(以下討伐隊)』『トバリドトキシンRE(以下トキシン)』に続く3作目となります。前作前々作がRPGだったのに対し、今作は純然に探索特化のADVです。

新規獲得を狙った作品~といったコメントを見かけはしたのですが、やっぱり個人的にはせめてトキシンをプレイしてから手を付けることをおススメしたいところ……。

 

といってもぶっちゃけどっから入っても良いシリーズな気がします。

ここが好きなところでもあるので決して変えてほしくはないのですが、このトバリシリーズ、わりとどの作品から入ってもわからない部分はわからないんですよね。トキシンから入ったらナギのネタバレになるだろうし、討伐隊から入ったらイースの重要ポジ具合に戸惑うだろうし、モガリから入ったらまず3人の関係性がわからなくて混乱するだろうし。

気になった作品から手をつけるのが一番ですね、はい。

 

とりあえずこのシリーズは、明確に「このキャラはこうだった!」「なっ、なんだってー!」っていうジェットコースター式の作品というよりは、作品の雰囲気とセリフの端々から色々な想いを汲み上げていくタイプの作品だろうと思っています。

そしてそこが好き。大好き。

 

 

 

 

 

多数の探索ポイントと反応会話

 

というわけでようやく『さよならモガリ』を語っていきましょう。

私は2章で止まっていますが、とりあえずメインストーリーを進めるだけであれば進み方はかなり楽です。手当たり次第オブジェクトを調べていくだけで埋まりますし、難しい謎解きはほぼほぼありません。

が、もちろんそれだけで終わらないのは前作プレイ者ならわかるはず。

 

そうなんですよー、前々からめっちゃ好きポイントだった鬼探索が今回もあるんですよー嬉しすぎか!

ちらりと見える壁でなんとなく察しがつく隠し通路、別に調べなくてもよいけれどという控えめさでちょこんと設定されている思い出話などなど、エンターキーが今日も熱く小気味よい音を響かせてくれました。

 

ヴィルの会話からどことなく人となりがわかるのも、キャラ解釈が深まってとても嬉しい。さらにはイースとグレゴ周りの過去はトキシンREでも垣間見える程度だったので、ここでがっつり回収できて良かったです。知りたかったんだ君たちのことが。

 

 

 

別れを語る繊細で厳かな雰囲気

 

 起動してまず見られる祈りの言葉と、そこから察せられる繊細な雰囲気に、思わず息を飲みましたよね。もうあの世界観が好きだって何十回も言ってる大好き……。雰囲気づくりの魔術師……。

不思議な響きのキーワードや、キャラの気になる反応をまずポンと提示して、プレイヤーの興味をグイグイ引き込んでいく作品構成は健在。本当は1章だけで我慢しようと思いながら2章までフルマラソンで進んだのもここが上手だったからに他なりません。たまらん。

 

特に2章の展開は、起承転結という意味でも、ヴィルのキャラの深まりという意味でも、本当に必見でした。あれ?と思うピースがぱちりと嵌る気持ち良さって良いですよねぇ。

これ終章クリアしたらまたTL荒らし長文マンになるやつだなって思います嬉しすぎ……デザートを最後にとっておくタイプの我……。

 

何か語ろうとするとネタバレになるタイプのあれだと思うので、

とりあえず仄暗くて物悲しい終わった話を見たい方向けだと思います。

 

 

 

わかりやすい目的設定と無駄のない鍵作成システム

 

トキシンREのころから見慣れた、右上のアイテムアイコンと淡い色使いの場所表示も継続です。

あれ見た瞬間に「トバリやってるぅうううう!」って当時の懐かしさが思い出ぶっわぁして一度手を止めてしまいました。どんだけ好きなの。重くて申し訳ねぇ。

ともあれ、今作は小目的が提示されるほか、ストーリーのメインアイテムもわかるようになっているので、とても進行しやすい親切な作りでした。

 

また、面白いのは鍵の材料を自分で選べるところ。

探索ゲーに鍵はつきものですが、単純にぼとぼとあっちこっちに鍵を落とすのではなく、細やかな物とそれにまつわる話を見られるうえに使い終わったら鍵にできるという、この一石二鳥な発想がたいへん斬新でした。

うっかり鍵の材料にして暗号が見られない、というのもありうるのかなとも思いますが。この辺りはクリアしてからの検証になりますかねぇ。

 

詰まないようにマナを定期回収できるポイントが設定されているところもありがたかったです。

 

 

 

見入るスチルと気になる立ち絵

 

シリーズであっても毎作立ち絵を変えてくださるこの作品、例に漏れず今回も新しい装いの皆さんが見られます。

本当、立ち絵の表情変化もめちゃ好きなんですよね……。今回は特にヴィルとグレゴがそこまであからさまには感情を表に出さないタイプなので、それでも伝わる小さな変化にニヤニヤしたり考えさせられたり。さらにはイースの表情がかーなーりシニカルで、そこもグッときました。

あとヴィルのテレ顔がやっっっっっっっっっっっっばい良さなんだよなぁ!いえーい!

スチルの美しさももちろん必見、というのはもうタイトル画面でわかりますよね。儚さというか、はっきりとした画風なのに壊れそうなステンドグラスみたいな雰囲気を出せてるのが、本当すごいなあって思います。

 

余談、絵の良さを語る時にすごいなあとしか言えないのが常々もどかしいので勉強を一考すべきかもしれない。

 

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。いつも以上の乱文失礼。

途中までだし本当に各要素もほぼほぼ回収しきっていないのですが、それでもこれだけ熱く語りたくなるくらい魅力たっぷりな一作でした。

DL版楽しみだなあ。気長にお待ちしてます。

フリーゲーム「この世で最も残酷なキス」「家畜おじさん」「枯れぬ黒薔薇」感想

「そこなおじさま、お皺の貫録がチャーミングね」

援助交際に間違われないよう頑張ろうな前置き。

 

 

えー、今回は禁飼育(http://agony.sakura.ne.jp/)さんところのフリーゲーム「この世で最も残酷なキス」「家畜おじさん」「枯れぬ黒薔薇」の感想をつらつら書きますね。

どれも一応乙女向けノベルだけど、エロシーンや展開はちょっと男性向け。つまり一般向けですね!(?)

 

「枯れぬ黒薔薇」のみR-18ですのでご注意ください。

 

 

 

 

 

 

この世で最も残酷なキス

 

誘拐されちゃった系ノベルゲーム。ヒロインちゃんの立ち絵が好みだったのでDLを決めました。誘拐という響きにハラハラしながら読み始めましたが、蓋を開けてみると意外にも切ない純愛ものでした。

特徴的なのは、男性にボイスがついていることでしょうか。突っ込み部分の叫びが全力で、大いに笑いました。なお声入りが苦手な方でもボイスの音量を調整できます。

キャラクターの設定等は公式サイトで確認できるので、プレイ後に見てみると色々面白いかも。友人設定の最後の一行が思いっきり当てはまってて笑いました。ようこそ!

 

 

 

家畜おじさん

 

おじさん拾いました系ノベルゲーム。

終始デフォルメ絵で進みます。シリアスもギャグも全てデフォルメ絵です。一部の展開は、きちんとした立ち絵だとリアルすぎて鬱要素が強くなっていたかもしれないので、むしろデフォルメで和めてよかったかも。

あと驚いたのは起動画面。クリックできちゃいます。すごい。わかっていつつも赤字の彼にはびくっとしました。クリアした後は、これもおまけの一種みたいに思えてじんわり泣いてしまうなど。

おじさんが喋れないぶん独特のコミュニケーションが成り立っていたのも萌えましたね~。くもりちゃんが敬語キャラだったので相乗効果でした。

時々刺されるような感じではあるものの、最後はじんわりあったかい作品です。

 

 

 

 

枯れぬ黒薔薇

 

一周目はほのぼのと互いの距離を詰めていく、あったか恋愛ストーリー。

二周目では選択肢で分岐が起こり、タイトル画面通りのR18な展開が楽しめます。

 

同作者様の「処女失格」をプレイした時も思ったんですが、ハッピーとバッドの絶妙な調和具合がたまりませんね。男性側の改心とその後の一抹の不安を含みつつ明るい希望も信じようと思えば信じられるみたいな。この後仮にざいじょーいん先生が解放されたとしても、またひと悶着起こりそうな気がしてなりません。

 

あと語っておきたいのはえっちぃシーンについて。コスチュームものが多めで、注意書きにある通り男性向け表現もありはしますが、心理描写もあるので女性も好んで読めるんじゃないかなと思います。不気味さや気持ち悪さと、欲におぼれる様やうっすらとした恋心がお互い深みを出し合って、ものすごく味のあるえろでした。あとあのやねこのグラはずるい。えろい。本当にありがとうございました。

 

やねこが内心ズバズバ言うように見えて、表に出てるところはかなり内気なんですよね。“キャラ”ってなると性格面が極端に描かれがちですが、このやねこちゃんはすごくリアルな性格設定されてたなあと思いました。幼少期の先生に対するトラウマとかひとりぼっちの境遇とか、色々と可哀そうながら萌える要素もあって、とっても好みなヒロイン。

 

一番の萌えポイントはざいじょーいん先生の一人称だと思います。

 

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

変顔とときめくシーン、鬱シリアスとぶっちゃけギャグ、ヒロインの辛辣な内心と女の子らしい不安や無力感などなど、色んなバランス感覚に優れてる作者さんだなあと思います。

 

 

 

 

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フリーゲーム「アンダーブルー」「アンダーブルー2012」感想

「空が青かったから」

おうちに帰りたくなった前置き。

 

 

えー、今回は銀灯さんところのフリーゲームアンダーブルー」「アンダーブルー2012」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

どちらも選択肢と複数エンドありの短編BLノベルゲーム。ちょっと特殊な体質を持つ学生の話です。時系列も公開順も無印→2012。

 

一時期公開停止だったそうなんですが、ツイッターで再配布されていたので幸いにもゲットできました。というわけで、さっそく2作共通して良かった点など書いていきますね。

 

 

青空の元だと消失してしまう彼ら

 

何よりもまず特筆すべきがこのキャラ設定です。

現代的な世界観の中に、どことなく儚げな雰囲気を感じるのは、この設定があるがゆえかもしれません。この作者様は含みのある台詞を描かれるのが上手なのでそこも雰囲気作りの一助になっていそうです。

また、キャラ同士の距離感もどことなく言い表しがたい絶妙さがあります。ブロマンス、友情、信頼、思慕、うーんどれもあと一味足りない。この不透明な距離感もなんというか、雰囲気重視のBLらしいなーと感じました。

 

2012のほうでは、メインキャラだけでなくサブキャラやモブキャラが活用されて、校則やこの設定に対する一般的な向き合い方などが伝わるのも興味深いところ。2012のおまけは、世界設定とキャラ同士のピリピリした空気を楽しめました。

 

 

 

ビジュアル、画面構成

 

こちらは二作品で差があるので、それぞれ分けての所感ですが。

 

無印のほうは画面自体が小さめで、モノトーン中心のシンプルな画面構成です。画面の大きさとしてはこちらのほうが好みでした。私はこう、モニタに二窓三窓する人なので……w

 

一方、2012もモノトーンではあるんですが、線がはっきりとして全体的にスタイリッシュな雰囲気が強まっています。ウィンドウの表示等に動きも出て、商業ゲーム感が高いのはこちらかなと。差し色のように入れられている青空の青はどちらの作品にも共通なんですが、2012のほうが印象は強い気がしました。

 

また、立ち絵だと凛太君は無印だとすらっとして線の細い美青年な雰囲気でしたが、2012だと美少年な雰囲気に様変わり。こういうギャップも興味深いポイントかもしれません。

 

 

 

前日譚的なストーリー

 

まず、ここは難点ともいえますが、二作とも選択肢による分岐があり、エンディングまで楽しめはするものの、全体的には未完というか、物語の広がりを覗かせるプロローグ的な雰囲気を感じました。

「なぜ彼らは青空の下だと消えてしまうのか」「平泉が草間に執着するのはなぜか」など、背景設定の中心にある謎が明かされないからかなー、なんて。

 

しかしながら、凛太に注目すると特に無印のほうはお話がきれいにまとまっています。自分の存在を担保に証明を求める、厭世的なエンドも素敵ですし。2012のほうの、水面下での依存や周囲の入り込みがたい距離感等も萌えますね。実に萌えました。

ですので、BLとして見るとむしろ良かった点。キャラにしっかり焦点が当てられているのがポイント高かったです。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

全体的なストーリーを追い求めるという点では物足りなさもありましたが、キャラや想いは印象に残る一作でした。また、儚く厭世的な世界観も堪能できたので、DLの機会に恵まれてよかったです。

 

 

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