うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

フリーゲーム「姫の復讐」「姫さまは薄幸がお好みっ!」感想

「Shall We Dance なんて無粋な人ね」
舞台は自分で作り上げるものではなくて? な前置き。

 


えー、今回はおにぎりと四葉のクローバーさんところのフリーゲーム「姫の復讐」「姫さまは薄幸がお好みっ!」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。


どちらもオリジナルのバトルシステムが採用されている、前進のみのノンフィールドRPG。目押しゲー、アクション寄り。

時系列としては『姫の復讐』→『姫さまは薄幸がお好みっ!』、前者が陰鬱暗めなのに対して後者は前向き明るめ。
なお『姫の復讐』のほうはエンド分岐有ですが、トゥルーの条件は体感かなり厳しめ。アクション慣れしてる人向けだと思います。

 

 


というわけで、各作品の感想など。

 

 

 

『姫の復讐』


柔らかな童話タッチと黒塗り背景のギャップ

タイトルからしてちょっと物騒な本作。こちらの期待に応えるように、背景無しの真っ暗な画面からオープニングはスタートします。
なのでてっきり油断してたんですね。戦闘画面に入るまで。
和やかなタッチで案外明るく終わるのか、はたまた可愛いお姫様がクールに無双するのか? ゲームのシステム自体が先の読めない作りになっているように、お話のほうもどことなく先行き未明の不安感を味わえました。

 

 

ある程度ゴリ押し可能な目押し

本作のバトルはオリジナル、タイミングよくキーを押せば大ダメージや華麗な防御が決められるシステムです。
実は初見時かなり戸惑いました。公式サイトからDLしたらreadmeがなかったもので……へへへ。防御時も目押しできることにラスボス戦で気づき、ハイスコアに至ってはクリアした今でも未だにどういう機能なのかわかっていないなど。回復薬使って全快になったはずだけどスコアは999とかじゃなかったんですよね。道中でいかに攻撃を受けずに倒せたかが鍵ってことなのかなあ。


ともあれ、説明無しでもなんとなく掴めるデザインなのは上手いなーと思います。説明入れると一部ネタバレになる気もしますしね。

あと嬉しいのが、最悪ゴリ押しでもなんとかなるところなんですよ! アクションがかなり苦手なので、ラスボスで詰まってしまいまして……。初めは、ここまで来たのにクリアできないのかな、としょんぼりしてたんですね。でも光明はあります。連打です! 


まあそれでもトゥルーは厳しいですが……。でもクソ雑魚プレイヤーとしては一応のエンドに辿り着けるだけでもありがたいので……。仕様かどうかはわかりませんが、連打が可能というのをあえて残しておいて頂けたんだとしたらありがたいなあと思います。 

 

 

 

本作についてはだいたいこんな感じかな。

 


『姫さまは薄幸がお好みっ!』


合わないなーと思う点もあったので、まずそちらから。


BGMがノーツの妨害をしてくる

リズムゲーというより目押しゲーです。コマンド式バトルな時点で当たり前な気もしますが、音ゲー×RPGなものを期待しているとかなりズレを感じます。
単純な話、BGMに引きずられちゃうんですよね! はっはっは。アクションが苦手なのもあってラスボスはBGMミュートにして戦いました。選曲自体は良いBGMがたくさんあったので惜しまれる気持ち。

 


各種コマンドのバランスが悪い

道中、宝箱に出会ったんですが、大半は開けられませんでした。作中のTIPSを見てニーズヘッグに頼るようにして初めて数個開けられたかな、くらい。宝箱自体あんまり旨味を感じなかったのもあり、期待するだけ損な印象がありました。これなら無しにするか、初めからニーズヘッグ頼りの選択肢一つだけで良かったんじゃないかなー、なんて。
併せて、「ゆっくり進む」も必要性が薄く感じられました。HP温存用かと思いましたが、それでも所詮HP1かHP2の違いしかありませんし、「何か探す」で十分補えちゃうんですよね。「探す」がまったく先に進めないコマンドだとしたら「ゆっくり」にも価値が残ると思うんですが、「探す」でも勝手に進行してしまうことが多々あったので、むしろ上位互換な気がしています。
他、ロード直後に敵と会うことがあったり、HP回復=敵との遭遇率向上のせいで回復できず積みになったり、色々と大味な印象が強かったです。

 

 

と、マイナスな話はこの辺にして。
一方で良かった点

 

 

憧れが本物になる少女の成長物語

可哀想なヒロインになりたい! から始まる元気いっぱいの大冒険。
動機こそ一見ミーハーですが、その奥にはしっかりとしたテーマがあり、等身大の悩みがあり、ステラなりの確固たる結論が導き出されます。
冗談みたいに響いていた薬草取りの話が、最後にはグッと真に迫るお話になってくれるんですよ。もうねー、ラスボス手前のニーズヘッグの語りが大好きだ!!


一方ラストの、ギャグとシリアスがしっちゃかめっちゃかな展開は少々置いてけぼりになりましたが……。正直ウェイトとかシーン区切りとか欲しかった気持ち。でもまギャグ作品として明るく整えたかったのかな、という方向性みたいなものは受信しました。
挫けることはあっても折れることはない、一貫して明るい作品です。

 

 

レベル上げでなんとかできる!

アクション苦手な私にとって大変嬉しかったのが、レベル上げができるところ!
その前に「休む」コマンドについて。HP回復は微々たるものなのに敵にはガンガン会って逆にHPが減ってしまうという具合で、初めはかなり困っていたんですね。でも違うんです、このコマンドの真価は無限にレベリングができるという点にあるんです。序盤にレベル上げはしっかりやっておかないと詰むのは確かなんですが、それでも打開策があるのはすっごくありがたい点でした。


RPGってこう、スキルが問われないというか、音痴でも運動下手でも反射神経無くてもクリアできるジャンルの一つだと思ってるんですよ。そう信じたい! なので、ゴリ押ししようと思えばできるつくりなのは本当に助かりました。感謝。

 

 

ポップでキュートなデフォルメ絵柄

恐るべき魔竜ニーズヘッグと、その名轟く魔王の娘ステラ。と肩書を乗せると強面に見える気がしますが、その実見た目はとってもキュート。『姫の復讐』の戦闘画面も可愛らしい雰囲気でしたが、今作もデフォルメかわいくて微笑ましかったです。
前作ではギャップとして良い具合に使われていた絵柄が、今作では逆にお話と合わせて統一感あるものとして使われていたように思いますね。こう、おんなじ絵柄でも受ける印象がだいぶ違うってところが興味深かったです。
要は、タイトル画面のキラキラわくわく可愛い感じがすっごく素敵!

 

 

 

とまあ、こんな感じで。
どちらも毛色は違えどまとまりの良い作品でした。

 

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フリーゲーム「万妖夏祭り」感想

「夕闇、提灯、金魚の尾びれ、ほのかに貴女を導くものよ」
どこへ行くかはわからぬまんまな前置き。

 


えー、今回は児戯ズムさんところのフリーゲーム万妖夏祭り」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

というわけで、良かった点など。

 

二分する共通ルートとわかりやすいルート分岐

興味深いなと思ったのはルート分岐の仕方です。
乙女ゲーというと、攻略対象決定→エンド分岐な印象がありますが。本作は逆で、エンド分岐→攻略対象決定な構成になっています。

なので攻略も簡単。初めと、ラスト前を数回調整するだけで全て回収できます。選択肢自体は多めなゲームなので、攻略に悩むことがなくて助かりました。


で、さらに嬉しいのがテキスト量がかなり増えること!
エンドを目指すだけならさくっと短編仕様。でも、お気に入りキャラとの会話を網羅しようと思うとじっくり遊べます。ただの反応差分じゃなくて、がっつりイベント自体変わるのが嬉しいんですよね~。エンド回収した後もついつい全部の選択肢を回収してしまいました……!

 

 

 

見て楽しめる妖怪変化の祭り

夏祭りを楽しんでいたはずが、ふいに妖怪たちの祭りに紛れ込んでしまった──というのがざっくりとした導入になります。


ここで面白かったのが、世界観について。黄泉戸喫といったメジャーなものから、小豆洗いがタイヤキ屋なんていう斬新な設定まで多種多様。まさに妖怪ものの趣をじっくり味わえます。ややテンポは間延びしているものの、説明をしっかりしてくれるので、和風作品初の方も安心かと。
ところどころで出てくる小物のカットイン(?)がすごく印象的なんですよね! 射的屋さんの景品がめちゃめちゃ可愛かった……! 目で見るからこそわかりやすいというか、現在日本でも見慣れた屋台に近いからこそ、違和感が強烈に不気味で愉しく感じられます。金魚すくいの人魚の稚魚のくだりとか好きだったなあ。


中には物騒なワードが出てきたりよくよく考えると非道な状況だったりする場面もあるのですが、攻略対象二人ともがなんだかんだで悪用はしないだろうなあと思える人柄なので、怖いことにはなりません。妖怪らしくほんのりと恐ろしい雰囲気を楽しみつつ、ほのぼのとマイルドに整えてある印象でした。

 

 

 

二人のこれからに心躍るお話

攻略対象は二人、とサブキャラが何人か。
公式では恋愛要素は薄めかもというふうな書き方がされているんですが、好意自体ははっきり見せてくれます。そしてお話としてはこう、進展も見られる雰囲気で終わるので、糖度は感じる展開でした。どちらのルートも今後の課題が残るので、続編というか、今後の生活の妄想も捗るかと。


ただ一点自分が合わなかったところとしては、ヒロインの性格および扱われ方ですかね……。かなり良い子で真面目な性格をしているんですが、冗談や軽口を真面目に捉えすぎて呆れ顔をされるという場面が何度かあり、共感性羞恥的なものを煽られがちではありました。こう、なんだよあいつノリ悪いな白けるわー的な……。


といっても、作中では誰もヒロインの真面目さを責めない、どころか気に入ってくれるので悪しからず! 仄暗い雰囲気の妖怪がテーマだからこそ、悪い気を起こさせない純性なヒロインが当てられているのは良いなあとも思います。

 

 

 

顔良し口調良しで気遣い上手の攻略対象

そして何より一番の魅力はここ!
攻略対象がカッコイイ!!
これ乙女ゲーとしては基本であり最重要なポイントですよ。良い……。


まず先にエンドを見た飯綱さんから。いや~、たくさん食べるけどまったく食えない人で実に魅力的でした! 

口調の独特さが好きなんですよね……。「~なこと」といった、古めかしい感じの言葉遣い。飄々としつつも柔らかな優しさが根底に感じられて和みました。雪洞に謝ってる時の全く謝意を感じない言い方が一番ツボだったやもしれません。


続いて雪洞君。彼はね、とにもかくにも見た目がたいそう好みなんです! まさに提灯を感じられるキャラデザが本当に見飽きなくて、おまけで全身絵が見れた時には狂喜乱舞しました。

アシメ髪とか、保守的に見えてピアス(?)がシャラリと付いてるお洒落なギャップとか、あちこちくすぐられます。好きです。


比べると、軟派な男前と硬派な男前と言いましょうか。どちらも誠実で優しい、魅力的な攻略対象でした。男を見せる場面がしっかりあるのもすごく良い……。
某ルートの特別な立ち絵も必見です。どちらもカッコよく決まってて叫びそうになりました。惚れる。

 

 

グッドなキャラデザインと斬新な立ち絵の使い方

まず驚かされたのが、立ち絵の差分の使い方について。

雪洞君が話している間に飯綱さんが煙管をふかしたり、飯綱さんが話している間に雪洞君がため息ついてたり丁寧なんですよ。話し手だけじゃなく色んな人が色んな動作をしながら会話するっていうの、リアルでは当たり前でもノベルゲーでは珍しいと思うんですよ。
かといって数が多いとプレイヤーの視線も散らかるので、攻略対象二人だからこそできる芸当な気がしますね。頻繁に行うのではなく、片方が長めに話すシーンだけの演出なのも素敵でした。


あと、キャラデザについて。サブキャラ、特に屋台の皆さんの見た目がすごく好きでした! 特に射的屋さんが好きだな~。ギザ歯やメカクレなど、どことなく異形キャラにあるあるな要素が多くてにやにやしました。好きです。

 

 

 


とまあ、こんな感じで。
和風ものが好きな方、総愛されのほのぼのした雰囲気が好きな方向けの作品でした。

 

 

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フリー版「ビハインド・ワンズ・バック」感想

「逃げ道も対応策も解法もいくらだってあったけど、仕方ないよね」
負けるのって気持ち良いもんな前置き。

 


えー、今回はZIBETA.labさんところのフリーゲームビハインド・ワンズ・バック」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。


エンド分岐有のちょっとかなりとてもえっちな脱出ゲー。女性優位の描写が強く、「漢らしいイケメンの快楽堕ちを見たい!」な人向けの作品な印象です。
今回取り上げるのはフリー版ですが、ガッツリ要素の増えた有料版もあるので、気になった方は是非。

 

 

というわけで、良かった点など。

 


くらっと来ちゃうえっちなテキスト

本作はあくまで15禁。局部もなし本番えっちもなし、あやしいオクスリや立派な腹筋などはお目見えしますが、あくまで一歩手前の段階でフェードアウトします。
だからこそすごくエロい! 素晴らしい! 

寸止めでここまでえろいなら本番はどうなってしまうのかというわくわくが込み上げてきます。


「体がぽかぽか」というお決まりのAV的な話から、♡マーク乱舞、深読みすると完全アウトの謎かけなどなど、方向性も多種多様。

特にグッときたのはやっぱりサキュバス二人のセリフですね~。いよっ本職。ポップに明るく快楽天国してくれるのも楽しそうで何よりです。

 

 

ガタイの良い生真面目神父様

さて、誘惑たっぷりの屋敷を抜け出すことになるのは生真面目な神父様。このマティアスのキャラも魅力的でした。
まず、男受けゲーでもしっかりガタイがいいところ! 中には漢らしく脱出を試みるシーンもあって実に雄を感じます。といってもガチムチまではいかず、顔も見ればわかる通りすっきりしたイケメンなので、エロゲーの中ではマイルドかと。


そして何より、彼がきちんと抵抗してくれるところがとても萌えました。

そうなんです、「だめだよぉチラッチラッ」じゃなくて「断る!」がいいんです。一度は断固として毅然な態度を取って欲しいんです! わかってらっしゃる! 


定期的に祈りを捧げてくれたり、完全勝利のエンドがあったりするところもすごく良いです。成功例があるからこそ堕落した身に言い訳できなくなっていくので。

 

 

まさに魔の者なキャラクター

マティアスを誘惑してくる相手もかなり個性が強めです。
無害そうでもやっぱり魔族というのが伝わってくるシーンが多くて、たいそう萌えました! こういう、根本のルールが違ってるせいで理不尽にやられたりすれ違ったりする展開大好きなんですよね……。ゾンビキャラや異色肌など、他では珍しい属性が見れるのもポイント高いです。


一番好きなキャラはハースニル! 片メカクレであの喋り方で読むに読めないあの性格、好きになるに決まってますよそりゃもう。

プレイヤー視点だと不気味な喋り方だな?と思うんですが、マティアスは一切指摘しないところも興味深かったです。人が善いというか。

 

それとそれと、アップルパイ&シナモンパイのキャラデザがほんと最高なんですよ~! 
お洋服のシンメトリ感も良いですし、完全に対称なんじゃなくて個性が出てるのも素敵。あと角がしっかり固そうな塗り方されてるのも素晴らしいです。お胸もむにむに系で柔らかそう。質感が素晴らしい。とにかく可愛い。

 

 

親切なシステム周り

面白いなと思うのが、脱出方法が複数用意されているところ。ただえっちなだけでなく、ゲームとしての面白さも組み込んでありました。
完全攻略のテキストが初めからフォルダに入っていたり、おまけからエンド回想ができたりする点も親切。

エンドのみでなく、えろいシーンもとい敗北シーンが見返せるのもすごくありがたかったです! ハースニルのエンドのスチルがすごく好き……。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。


ピンポイントな需要に対して完璧に応えてくれる作品でした。
今や天下を取るくっころ姫騎士のように、男受けや女性優位ものでも是非こういった、プライドや誇りをブチ折るタイプの作品が増えて欲しいなあと思う所存です。

 

 


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フリーゲームサイト「へもへも」作品感想

「一目であなただとわかるこれを運命と呼ぶか」

ストーカーとも呼んでしまいたくなる前置き。

 

 

えー、今回はへもへもさんところのフリーゲーム「問」「ポチとご主人と」「主人に軟禁されたから家捜しすることにした」「ルート ルート ルート」「ヤンデレ的×日常ごっこ」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

 

ネタバレについて、ちょっとしたサブイベント辺りまでは伏字無しで記載しています。核心部分は隠しているつもりですが、気にされる方は要注意です。

 

 

 

 

 

 

『問』(和風・ダーク)

 

「千文字喫茶」なる企画にて投稿された、クリアまで数分のノベルゲー。明治?大正?なんていうんでしょうねああいう時代。和風です。

数分ながらクリア後の衝撃はなかなかのもので、演出も巧みですからなおさらしばらく引きずります。こういう鬱展開好き。

思わずクリアした後もう一回プレイしてしまいました。画面の背景からして伏線というか、いや本当上手いなあと。読了後おまけ絵の一言がぐさりときます。大好きです。タイトル画面もまたシンプルに凝ってて良いんですよね……。

 

ひゅっと息をのみたい方は是非に。

 

 

 

 

『ポチとご主人と』(ヤンデレ・裏表展開)

 

ネコミミショタと過ごすお手軽数分ノベルゲー。

DLしてPCでプレイしたのでオート機能がちょっとバグってしまい、文章の途中でページ送りされてしまう形になったんですが、私はブラウザゲーをふりーむさんの機能で無理やりDLしている?みたいなので仕方ないかな。

スチル等の演出も含め、スマホプレイが良いんじゃないかなと思います。

 

テンポよく明るく進む会話の裏に、「おや?」と思う単語や反応が仕込まれている形のストーリー。プレイしながら察してきた伏線が、ルート分岐後にぶわっと花開くこの感じが楽しかったですね。

おまけで見られるイラストだと私は①派なんですが、確かにあれだとあの世界設定にしてはおぼっちゃま風過ぎるかもなー、とも思ったり。

 

ともあれポチがほどよく自信家で小生意気、でも謝れるし気遣える、かっこいいショタでした。

少年を養いつつ支え合って過ごしたい方向け。

 

 

 

 

『主人に軟禁されたから家捜しすることにした』(ヤンデレ・ポップ甘)

RPGツクール作の探索ゲー。

話の流れ的にうっかり脱出ゲーだと思いがちですが、やることはあくまで家捜しです。

 

 

[良点・シーン]

冒頭の鬼畜ご主人様セリフ――とみせかけた展開に早くも笑ってしまいましたw 

掴みはばっちり男はキュート、この作者様の明るめゲームおなじみの味わいです。目にハートもあります、やったね!

 

明るい二人の裏にどことなく感じるぎこちなさや、あちこち探索した時に見られる意味深な台詞などを追う、ほんのり謎めくシナリオも楽しかったです。他作『はしばみ色の瞳の中は』のころから感じていましたが、情報制限でプレイヤーへの興味を引くやり方が上手ですよねぇ。

ED5を見るかどうかでアンナの印象ががらっと変わる気がしています。ツンデレとも違う、この人間像が魅力的。

 

スチルや立ち絵は一目見てわかる通りの素敵さ! 

特に今回はデフォルメ絵やドット絵、マップと背景画像の合わせ方などなど、あらゆる方面でのクオリティの高さを感じました。ゴージャスなお屋敷と昼下がりの外など、目に見えて色鮮やかでしたねぇ。

全クリした時に見れる絵の、あの、膝上のあれがすごくツボでした。この1アイテムで伝わる、彼の気持ちと甘酸っぱさ! 物語を感じる一枚絵って大好きです。

 

あと、何よりも声を大にして言いたいのは探索ポイントの細かさ!

タンスや棚など基本的なところは勿論のこと、壁掛けの絵やおまけマップ等にもしっかり反応が組み込まれていて、エンターキーを押すのが楽しかったです。やっぱり探索ゲーはこうでないと。それに回想やクレジットをああいう形で見せる発想が好きです。カーテン裏にはくすっとしましたし、あとがきには爆笑しました。なぜあのチョイス……w

本編だとピアノ横の本棚を調べた時の反応が好きなんですよ。思わず飲み物吹き出しました。こんな古典的な笑い方したの久しぶりだわ。

これからプレイ予定の方は、是非各所2回ほど調べてみてくださいね。

 

 

[惜しかった点] 

難点としては、攻略無しだと自分が詰みの状態になっているのがわかりづらいところ。どうしても探索ゲーというと粘って調べがちなんですが、根幹はノベルゲーの選択肢分岐の文脈で作られているようなので、むしろ延々と探索を続ける必要はありません。

なのでこれ以上イベントがないという段階になったら「諦めて寝ようかしら……」みたいな誘導セリフがあったらよりわかりやすくて良いかなー、なんて。その点、ED3の一本道具合はグッドだと思います。

 

 

[そのほか]

全クリ後のおまけではまず撫でに行きました。

初回プレイでも増強→遊ぶ、だったので、なんだかもうプレイヤーの思考がバーサーカーなんだと思います。

余談ですが、全クリしてからの「はじめから」のアイコン矢印の位置が。その。よからぬことを考えてしまい。ごめんなさい爛れた脳内でした! 心に収めきれないのでそっと懺悔しておきます。

 

 

[一言]

陰鬱ではないヤンデレ萌えを堪能したい方にオススメ。

 

 

 

 

『ルート ルート ルート』 (オムニバス・ヤンデレ

攻略対象は一人、ですが選択肢ごとに異なる設定のルートに入れる、選択肢有りの男女恋愛ノベル。

 

 

[良かった点]

まさにルートが売りの本作。

プレイ前は、現代モノをしてたら突然SFが始まっちゃうとか、攻略対象が人外になったり宿敵になったり生き別れの父親になったりとかを想像してたんですよね。ですがそういった無節操さはなく、なんというかこう……慣れた世界でボタンを掛け違えるようなパラレルワールドを楽しめました。2周目以降がより楽しめる感じ。

この手の、世界線が一つの作品で重なり合うようなゲームは今までもプレイしたことがあるのですが、特に本作は「ヒロインの行動」が選択肢であるところが生きている思います。信頼できない語り手、なんて言葉があるように、視点主って読者に向けて一番情報を隠しやすいポジションだと思うんですね。だから、こちらがヒロインの意思決定に介入することで、どういう傾向の話になりそうなのか覚悟したうえで読み進められるのが助かりました。

 

あと嬉しかったのは音楽鑑賞! もうね、起動画面の絵をバックに流れるオシャレな曲の詳細がすっごく気になってたんですよ! あの曲を起動画面に使うという発想も好きですしクリア後のあれも色んな可能性が見える構図で好きですし。配布元のみでなく曲名もしっかり入れてくださる作者様は本当にありがたいです! 音楽フォルダが潤いました。

 

 

[そのほか]

エンドは、B→A→C→Dの順で回収。はい、私好みです。Cが一番好きだったなあ!

エクストラのキャラ紹介の一枚絵たちがすごく面白かったです。各エンドの総括。本編プレイ中は立ち絵が共通だからか、設定が変わってもどことなく同じキャラ性を感じていたのですが、実際ああやって並べてみると違いがハッキリと感じられてなんだか目から鱗でした。

 

 

[一言]

プレイ感がとても興味深く、違和感が楽しい一作です。

 

 

 

 

ヤンデレ的×日常ごっこ』(ヤンデレ・裏表展開)

 

攻略対象は一人、一本道乙女ゲー。タイトル通りヤンデレ。一周目はほのぼのとヤンデレを肯定するお話として、二周目は追加テキストありの意外な展開で終わる、二幕構成。

 

 

[ストーリー]

毎回言っちゃいますが、この方の情報の撒き方すごく上手いんですよねえ。テキスト自体はわかりやすいんですよ。あ、これは……と思わされる。ですが、そこから衝撃的な展開へもっていくまでのテンポの良さが光ります。

攻略対象の田中君の可愛さも魅力ですね。一途でわかりやすくて、ちょっとMっぽい犬系な彼。にこにこします。

 

 

[グラフィック]

グラフィック面だと特に2周目エンドのスチルが大好き! 『問』でも感じましたが、タイトル画面の変化の上手さも痺れました。

エクストラの登場人物紹介画面もさりげなく斬新で好きです。なんだろう、画面切り替えなしのワンタップで情報が網羅できるのさりげなくすごいセンスのある構成ですよね。おお!と驚かされました。あと単純にミニキャラ可愛い。

 

 

[おまけ]

いやまさかここで『ルート ルート ルート』が来るとは! あえて表情の見えないLINE風に演出されることで、言葉の圧や裏の脅しが映えて実に良かったです。 返信までの間や躊躇いまで表現されている演出が最高でした……!

 

 

[一言]

さくっと短編で満足感たっぷりのヤンデレ話。

 

 

 

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フリーゲーム「メリースウィート&ビター」感想

「無理に立てとは言わないからね、ご飯くらいは食べていこう」
寄り添うことが力になる時もある前置き。

 


えー、今回はZIBETA.labさんところのフリーゲームメリースウィート&ビター」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。


エンド分岐複数、攻略対象二人の短編乙女向けRPG。勇者や魔王などのいる世界観ではありますが、基本的には小さな村で起こる仲直りのお話です。

 

 

というわけで、良かった点など。

 

頼れるヒロイン・プラリーネちゃん

 

面白いなー、と思うのがまず、主人公であるプラリーネちゃんの性格について。口調だけ見るとざっくばらんとしてて、一人で魔物と戦ったり引きこもりの友達を鼓舞したり、何かと“頼もしい”女の子です。
ここで注目したいのが、あくまで“頼もしい”であって“男勝り”ではないところ! お料理上手で素直で気遣いがあって、いわゆるヒロイン属性も持ってるんですよね。こう、女の子のほうが実は強いんだからっみたいな反発はなくて、すんなりと受け入れやすいヒロインでした。


ツッコミ二人が引きこもっているためか、単身さくさくと魔物だらけのダンジョンに突っ込んでいく姿はなかなかにクスッとします。ドラゴンも倒せる村娘!

 

 

 

引きこもりな攻略対象たち

 

さて、そんなプラリーネちゃんが奮闘するのは幼馴染二人のため。この二人、どちらも本編中は凹んで引きこもっているのですが……。意外にも掛け合いは明るく、微笑ましい展開が多かったです。
なまじプラリーネちゃんが前向き一生懸命なので、報われないバッドエンドは少しもの悲しくもなるんですが……。かといってロシェとクーベルをヘタレと言って責めてしまうのも違うと思うんですよね。


そう、二人ともぶつかってるコンプレックスや障害があって、それに自力で立ち向かうところがすごく素敵でした。ちゃんとそれぞれの理由があるってところが好きなんです。

プラリーネちゃんが解決するわけじゃなくて、彼女はあくまで後押ししてるだけってところも。二人にとってプラリーネちゃんは太陽みたいな感じなのかなあ。


母性本能にも似た守ってあげたいという気持ちと、いざってときにはかっこいいというときめき、両方が味わえる作品でした。

 

 

 

しっかりRPG

 

RPGとしても、良い具合にスリルがある難易度だったように思います。
基本はゆるーくプレイできるけど、最終日近くは通常攻撃連打の作業ゲーじゃなくて、きちんとスキルを使って戦う必要があるような塩梅。回復アイテムが多めに用意されていたり、序盤の敵は弱めに設定されていたり、端々は親切です。
奥地に行けば行くほど敵が増えてもらえる食材が増えるのもポイント。


なお、採集中に負けてしまうと実質バッドエンド直行なので、セーブはこまめに。作品全体のボリュームに合わせてお手軽なプレイ感でした。

 

 

 

分岐に優しいセーブポイント

 

料理を作る直前にセーブできるので、エンド回収のデータづくりがとても楽です。ここさりげなくとてもありがたいポイント! 他にも、採集中に引き返せたり、周回用にクイックスタートがあったり、ちょっとした対応が行き届いている作品だったなーと感じます。


惜しいところとしては、採集に行く前に作りたいレシピの必要な食材数が確認できない点がありますが……。致命的に取り返しがつかなくなるわけでもなし、あくまで挙げるならといったくらいです。あと、スチルの見返しもしたかったけど……こちらもプレイ自体が数分なので困りはしないかな。ウディタはスクショも撮るのが楽ですしね。


公式で完全攻略が用意されているのも嬉しい! 色々とシステムやプレイ周りが親切でした。

 

 

 

 


とまあ、こんな感じで。

 

特に私はロシェベストエンドが好きですね!
元々、プラリーネ“ちゃん”? と思っていたんですが、色んなギャップにざくざくっとやられてしまいました。微笑ましい! 幸せでいてくれください! そんな感じです!!

 

 

 

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フリーゲーム「やくそく」感想 ~ネタバレ編~

「労苦の末の喜びか、労苦と喜びのすり替えか」

目的と手段は往々にして転じやすいな前置き。

 

 

えー、今回は後編。noeさんところのフリーゲームやくそく」のネタバレ語り兼キャラ語り編です。

作品が長編なだけあってちょっと記事も長くなり過ぎたので、分割してみました。

 

前編/作品全体の語りについてはこちら↓

shiki3.hatenablog.com

 

 

というわけで本記事は前編を読んだ前提での語りとなります。具体的には以下の追記から。

ただし苦手なカプは苦手って明言しちゃってるのでご了承ください。

 

 

 

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フリーゲーム「やくそく」感想

「勝手に作って勝手に見放して勝手に壊してく」
我ら砂のお城がお好きな前置き。

 


えー、今回はnoeさんところのフリーゲームやくそく」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

初見プレイでやり込み要素回収して30時間強のファンタジー長編RPG。エンドとしては二つ、キャラのエピローグ差分としては多数のエンド分岐有り。
キャラ萌え重視の方向けの作品です。

 


本作について、私的な感想はかなり極端です。合わなかった点はめちゃくちゃ嫌いですし、好きな点は拝みたくなるほど好きです。なので、後味と印象が少しでも良くなるように、合わなかった点からゴリゴリ書いていこうと思います。プレイ中の不満を大いに含みます。一応、余談や補足的なところは薄字にしてみました。


ネガ意見が嫌な方は後半部分から好きな点語りが始まるので、赤字を目印にガガッと飛ばして読んで頂けると幸いです。キャラは好きなんです。マジで。

 

全部すっ飛ばしてネタバレとキャラ語りだけ見たい方はこちら!

 

shiki3.hatenablog.com

 

 

敵が雑に固い

 

バトルがどれも異様に長期戦になるなあと思って色々悩んでたんですよ。私はシンボルエンカウントだと極端にぬるゲー化するかセルフ縛りプレイ化するかのどっちかになりがちなんで、なおさら自分のプレイングの関係かなとも思ってたんですね。
でも違うな。特に終盤、敵が異様に固すぎるんだなと確信しました。
長編な本作ですが、バトルでは意外とダメージ量も味方のHPも控えめなままです。クリア時はレベル50くらいでしたがキャラの半数がHP3000以下です。一方で最強やりこみボスはHPが130000あるそうです。狂ってるよなあ!?
まあ例として挙げたのは極端ですが。普通のボスであっても、なんなら雑魚敵であっても敵がかなり固いです。一方こちらの攻撃は、武器最強にして全能力アップ魔法をかけたうえで5000~8000くらいかつ消費MPは大抵キャラの最大MPの四分の一くらい持っていかれます。とにかく一戦一戦かなり時間がかかります。

さて、私のようにデフォ戦大好きな方々は思うことでしょう。
状態異常を駆使したり弱点を突いたりすればいいじゃないか。アイテムを湯水のように使えばいいじゃないか。よくある属性耐性装備パズルゲーじゃないのか。
私も初めはそう思いましたよ。続きます。

 

 

 

中盤~終盤の物価が異様に高い

 

クレスタ類の桁一個増やして良いんじゃないかってくらいには物価がバカ高いです。
とある時期限定イベントをこなすためにざっくり15000くらいの金がいるんですが、私の場合、アイテムも装備も一切買わずシンボルとも定期的に戦ったうえで、全財産がなくなるくらいの高価さでした。
まあでもキャライベントのための出費だと思えばそこはいいんですよ。私はキャラ愛がモチベになるタイプのゲーム好きなので。ただ、そのうえで属性耐性装備を前提として要求してくるところは腹が立ちます。

 

属性耐性が必須にしても、例えば某ゲーみたいに宝箱から装備が入手しやすかったり、属性数がかなり限られてて装備品でパズルしながら上手いこと敵の耐性をやりくりしたり、そういうバランスが考えられているなら大好きなんですよ。よくある高難易度RPGで、ボス戦で14回死んで15回目に勝てた時の脳汁ドバドバ現象大好きですよ。さらにはレベリングのついでにお金を集めてねっていう作業ゲーもなんだかんだで好きなんですよ。
でもどっちでもないんですよね。

後者かと思えば公式サイトには「レベル上げより装備が重要ですよ」と耳タコで記載されてますし。上記の通りバトルに爽快感が無いので、レベルが上がっても圧倒的な強さを感じられるわけでもないですし。

 

そんなわけで、装備の拡充は勿論のこと、中盤の迷路やくじ引きなどのミニイベントも全放置せざるを得ませんでした。
カジノがあるだろうって? そうですね。最大で9999しか賭けられないカジノならありますね。やっぱ桁が足りないんだよなあ。

 

 

 

全く無意味な敵解析スキル

 

まず敵のステータスを調べるスキルがあるんですが、その場で表示されず図鑑に記録されるだけなので戦闘中は全く意味がありません。しかも戦闘は大半が逃走不可なので知力を尽くして戦いたくとも初見は泥沼で殴り合うしかありません。
ボス戦に至っては完全にガチンコ勝負です。それでも大技の前にヒントがあったり、特定の技が極端な弱点だったり、装備次第で雑に勝てたりしたらいいんですが、たいてい泥仕合になります。トリッキーな面白さもなければ大ダメージもないちまちま長時間回復しては殴るバトルを徒労と呼ばずして何と呼ぶ?
ここまで合わないとなるともう絶対私のプレイングが悪いと思うんですけど、何が悪いのか本気でわからないんですよね。終盤は特にアイテムも惜しみなく使って、最強装備整えて耐性装備つけて、デバフバフ途切れないようにして後出しヒールで回復して、火力出せるキャラと魔法タイプとまんべんなく入れて、公式攻略に敵が敏捷型って書いてあったら必中キャラ使って光弱点ってあったら光魔法使えるキャラ入れてるのに、もうこれ以上何をしろって言うんだ。どういう戦い方を想定してるのか本気で謎なのでお手本が見たいです。実況界隈頑張って。

 

 

 

物語の誘導が不親切

 

行き先や次やるべきこと、果ては公式攻略も含め、諸々の誘導があいまいです。

直球で答えを言っては面白くない、というのは理解できるんです。だから「○○の好きそうなところ」って言うとかのお約束ならわかるんですよ。そうではなく、誤解しやすい表現や思わせぶりな伏字が多いんですね。
例えば、奥に進んで“調べる”とイベントが進むシーンで誘導台詞が「もっと奥へ“行こう”!」で終わるとか(そこまででマップを調べるイベントが多く起こっているならまだしも何もないパターンがほとんどな中でここだけ決定ボタンを押させる意味がわからない)。「王都へ行こう」という誘導に対して王都に着いただけではイベントが起こらず城を探して入って3階まで上がって特定の部屋にいるNPCに話しかける必要があるとか。
マップが広い&フラグがわかりづらい&日記がヒントを成していない、の三コンボはなかなかに脱力します。「ユーラに会いに行かなきゃ!」そのユーラがどこにいるんだって話ですよ。私室わかるならまだしも。
公式攻略も同様で、「フラグに関係あります!」とあってもそのフラグが誰に関係するのか同時達成できるのかできないのかどのフラグと繋がっているのか初見だとほとんどわからなくなっているので、基本的には一見さんお断り型です。
たぶん、制作期間が長いからか、プレイヤーと作者様とで情報格差があって、そこが埋められてないんじゃないかな……と思います。

 

 

 

モブ台詞が単調

 

RPGってやっぱりNPCに話しかけてなんぼなので、プレイ序盤は色んな人に話しかけて進んだら前述の誘導不明瞭もなんとかなるのかなと思ってたんですね。でもNPCの会話もすごく単調で、何がもらえるわけでもなし、「こんにちは」とだけ喋る村人のつまらなさと見返りの無さに話しかけるのを止めました。基本テンプレ台詞しか言ってくれないんですよねえ。騒ぎが起こってたらきゃあ怖い、騒ぎが収まったらまあ安心、そんな感じ。NPC関係のサブイベントも豊富に設定されているみたいなんですが、それを回収する気にはなりません。

戦闘限定台詞にしてもそうなんですけど、差分を用意される努力自体は本当宝物だと思うんです。が、発露される機会が限定的過ぎて報われないなあと感じてしまいます。
キャラに愛着があるからこそああいう会話分岐も組み込めるんだと思いますし、いっそNPCのテンプレセリフは全部廃止して、キャラ同士の掛け合いをしたりキャラの反応だけで会話を終わらせたりするほうがより良さが際立っていいんじゃないかなーと感じました。

 

 

 

広い以上にわかりづらいマップ

 

本作はリメイクを予定されているらしく、公式サイトにはマップを小さくするという抱負が書かれています。ただどうせやるならそれよりも規則性をはっきりさせるほうが良いよなあと感じました。
例えば、売り子のキャラチップについて。現状は街によって見た目がばらけていて、鍛冶屋だと思ったら武器屋だった、物売りだと思ったら食材屋だった、みたいな無駄なストレスが起こりがちです。店の表に看板は出ていますが、内部が繋がっていることも多いのでなおさらです。ここはゲームと割り切ってキャラチップをどの街でも統一してほしいところです。
また、店の配置について。せめて国ごとでもいいので、入ってすぐ右手に宿、左手に武器屋、みたいなある程度の一貫性があればいいのになあと感じました。あっちへうろうろこっちへうろうろ宿はどこだ武器屋はどこだイベントが起こらねえ城はどこだ、みたいな苦痛は少なく済むかなと思います。

 

加えて言うと、マップ間の行き来について。本作は街と街を行き来するイベントがかなり多く、マップ移動魔法も時々封印されるんですが、これがもう非常に時間がかかります。さすがに計測はしていませんがプレイ時間の三分の一は移動時間だと思っています。
国と国の移動の仕方が限定的なのもややこしいところ。例えば某有名ルーラゲーは島から島も魔法一つで飛べますが、本作は船を乗り継いで、しかもどこからでもではなく決まった航路を辿ってのんびりした動きの兵士に待たされながら何回も何回も移動する必要があります。
これに意味があるなら納得するんですよ。フェルナンデスの周りに障壁が張ってある設定は正直すっごくワクワクしましたし、国ごとに特色があってマップチップがそれに応じるような形で作られているのも好きですし。
でもやっぱり設定だけなんですよね。ストーリー上でものすごくキーとなって衝撃の展開に繋がるかといえばそうじゃない。リターンがわりに合わないなあという気持ちにはなります。

 

 

 

誤解が起きやすいココロノカギシステム

 

必読にもきっちり書いてある通り、本作は女主人公で恋愛イベントも多々ありますが、乙女ゲーではなくあくまでくっつく相手は一人です。
でも見たところこの手の誤解による質問がいくつか寄せられているらしく、また私自身も途中までエンド分岐で色んなキャラとの個別エンドがあるものと思い込んでいました。

で、思うにココロノカギがこの誤解の一番の元だと思うんですね。
ただでさえこう、皆がキリアをちやほやする感じなうえ、抱っこで助けてもらったり告白されたりと主人公総受け気味な作品ではある本作。そこにココロノカギというメタなアイテムが出てくることで、さらに勘違いが加速するんですよ。
このアイテム、基本的には「キャラのちょっとした会話を見るためのアイテム」なんですよね。一切使わなくても極論細かい分岐が起こるだけで大きな影響はないんです。けどそれが初見のプレイヤーからしたら、ストーリー内でかなり恋愛の比重が高い本作においてこんなメタアイテムが出てきちゃうと、「物語の結末を左右する超重要アイテム」みたいに見えちゃうんですよ。公式の説明もかなり仰々しいですし。
このアイテムの使い方自体は好きなんです。キリアだけじゃなくて、他CPのフラグに関係してるところとか、斬新で素敵だと思います。
それでもまあ、そりゃ誤解も起きるわなあという感じのシステムだと思います。ルイア一筋のストーリーは大大大好きですが。

一言でいえばストーリーとシステムの食い合わせが悪い!
キャラのイベントを見れるのは勿論嬉しいので、自由行動全部辞めるってなるとそれはそれで泣いてしまいますが……。
例えばちょっとした改善案として、ココロノカギで増減するパラメータの説明が「好感度」「友好度」じゃなくて「友情度」なら少し受ける印象も変わるような気もしてまして。あるいは、リバー・キリア間やシェリア・ハル間で序盤にちょこちょこ起こる「そういう対象じゃない」系の発言は「押すなよ押すなよ」案件にしか見えないので、こういったところでは言及せずに黙らせて一切フラグは立たないと示すとか。皆と仲良くなるとキリアもパワーアップしちゃうよ! どんどん皆と一緒に戦って仲良くなろう! みたいな、あくまでオールキャラほのぼの感溢れる解説を入れるとか。
紛らわしさの軽減はもう少しできるのではないかなと思います。

 

 

 

時折ツッコミどころあり

 

お話の展開上、軍が出てきたり、国と国同士の争いに話が発展したりします。ただ、この辺りの設定や動きはけっこうふわふわしていて、シリアスな笑いが漏れることもあります。ファンタジーなんだな、で流すほうが望ましいかと。
ダークの確執しかり、誰かが命を懸けて苦しんでたことがあっけなく解決するのは虚しくもありますね。「こういう事情があったんです」「はーいわかりました」で終わるのがお遊戯会じみてて。ただ、逆を言えば皆が皆手を取り合って仲良くできる世界ともいえるので、何が何でもハッピーエンドにしたいし謝ったら喧嘩は解決!っていう感覚の人には合うかもしれません。私はダメでした。
お話のスケールがどんどん大きくなっていって、神話までたどり着いて、そこから解放される流れは好きです。古き良き王道って感じ。

 

 


と、諸々酷評しましたが。
作者様のサイトやツイッターを拝見するにどうも、本作は「レトロな時代の不親切なゲーム」をあえて狙って作られているらしいんですよ。だとしたら不親切だなあって感想を出すのも想定通りだろうと思って遠慮なく書きました。
そんなわけで、せっかくなのでこれら当方の感想一切合切は全部無視して今後もポリシーを貫いて欲しい気持ちもあります。フリゲはこだわってこそ輝くと信じてもいるので。

 

 

 

さて、気を取り直して良かった点!
ここはもうウッキウキで語りますよ。好きなんで。

 

 

驚きを挟むストーリー

 

物語はキリアの記憶探しから始まります。
で、プレイヤーとしてはどことなくキリアの正体に予想がつくんですよ。それを見事に上手いこと利用したストーリー作りがすごく楽しかったです!


プレイヤーだけじゃなくて作中のキャラも同じように察していた、っていう作り方がめちゃくちゃ上手いと思うんですよね。誰もが驚くとそれは茶番に見えてしまうけど、どことなく察してるキャラが一人いることで、その物語は本当に息づいて見えるんです。一人は気づいてて一人は気づいてないみたいな塩梅も、キャラの違いを感じてすごく良い。


作品の紹介ページや序盤のノリは明るいからこその意外性もあります。というのもこの作品、鬱作品や愛憎劇、肉親との殴り合いがかなり多く行われるんですよ……! 道を違えてしまえば、互いを想い合うからこそもう同じものをみることはできない、みたいな趣がありました。

 

 

特に注目したいのが鬱エンドについて!
あるんです鬱エンド。プレイ序盤から慎重に慎重に気を張ってやっとたどり着けるエンドなんですが、苦労したかいはありました。


やっぱり当ブログは病みや鬱が好きな人間が書いてるので、どうしてもそっちに注目するんですが、もうすっごくドガンと萌えの中心を貫いてくれる最高なエンドなんですよ……!!! 絶望の見せ方も多種多様ですし、演出も凝ってますし、容赦なく行き着くところまで行ってくれるのが本当に素敵でした。

詳しくは別記事(キャラ別・ネタバレ感想記事)にて語るつもりなんですが……。本当この展開に出会えて良かった、2周して良かったです!

 

 

 

ヤンデレ台詞

 

各種セリフの湿度がかなり高いのもポイントの一つです。
全体的にはこう、みんな仲良しで憎み合いはよくない!みたいな世界観なんですが、その反動のように敵のセリフが尖ってるんですよ。これがまた、ヤンデレ好きとしてはおいしくって! 敵キャラのほとんどが味方キャラと因縁があるというのも相まって、情念だのなんだのが詰まっててとても萌えました。
あとこれは2周目でガッツリ実感できるんですけど、各人がそれぞれの思惑でもって行動してるのがよくわかるんですよ。

特に幕間で映される敵陣営の動き! 色々わかった後だとすごく楽しいんです。三つ巴してたり、意味深なセリフの意味がようやくわかったり。これも、敵キャラがただの障害じゃなくて個性ある1キャラとして存在してるからだなーと思います。
実は敵サイドだと序盤からお世話になったマリナが一番好きです。微笑ましい面もありつつ、絶対理解しえない敵として断絶したまま終わってくれるので……。

 

 

 

CP厨大歓喜

声を大にして主張したいポイントがここ!
エンド分岐の豊富さ、およびプレイヤーが仲人になれるゲーなところです!! もちろん誰とでもというわけにはいかず、それぞれフラグの立つキャラは決まっていますが、カップルの組み合わせに選択肢があるだけでもありがたいところです。


前述の通り、色々とフラグが伏せまくってあるうえにどのCPも条件が厳しいので、狙ってやろうと思うと難しくはあるのですが……。男女カプもBLもあり、どのキャラにも個別エピソードがあるのでとても捗ります。
匂わせるタイプだけじゃなくて、がっつり告白してくれるCPも多いのがまた嬉しいんですよ……。この辺りはまた別記事で語る予定ですよろしくね!
あ、ただ物語の流れの都合上、当て馬化するキャラや失恋するキャラはいます。恨み言みたいなエンドもあります。固定CP向けではないということで、誤解なきよう。

 

こういった分岐をアドベンチャーじゃなくてRPGでやってくれるところがほんっと嬉しいんですよー! 

RPGってステータスなりスキルなりなんなりで色々とこう、ちょっとした偶然で妄想が捗ることが多いところが好きでして。極論好きな子が好きな子に回復魔法使うだけで萌えちゃう。なので公式でくっつけあえるRPGっていうのはたいそうありがたかったです。

 

 

 

変わった吹き出し位置と多彩な顔グラ

 

斬新で面白いなと思ったのはセリフの表示のさせ方。
特におお!と思ったのは、ふりーむのスクショにも選ばれてる部屋割りのシーンですね~。キャラの喋る勢いや場の空気感も伝わってくるし、なにより画面が賑やかだし、すごく良い見せ方だと思います! 
キャラの歩く速さとかもそうなんですが、ちょっとした動きや雰囲気作りがすごく上手いんですよね。キャラ愛としてはやっぱり際立った良さを感じます。


めちゃくちゃ良い顔グラを、決めどころのワンシーンのためだけに使う演出も好き。告白シーン全般、とてもおいしかったです。

 

 

 

クリア後に見れる作者名の前の肩書

肩書って言っていいのかな。スタッフロールの作者様のお名前の前に書いてある、開発裏話的な一言のことです。
あれ私ほんっとうに胸が熱くなったんですよ。最高!
ほんとね、これだけあれこれやいのやいの言っておいて何なんですけど、作品一個、しかもこの長さで分岐もゴリゴリ組み込んでイラストを年々差し替えてまで作ってる作品って本当膨大な作業が必要なんです。「必要だったと思う」じゃないんです、「必要です」。たとえプレイ専でも確実に大声で断言できます。


だからこそ、本当あまたの作者様は作品を世に出したことを心から誇って欲しいし、受け手の私は全力で讃えたいし、その功績をスタッフロールでさらっと一文入れてくれてるおかげで心から拍手出来て、本当良かったです。

完成できるっていうのはそれだけで努力を極めた才能。大好きです。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

好きな点と合わない点が両極端になってしまい、うるさいプレイヤーで大変恐縮なんですが、それでもやっぱりプレイして良かったなあと思う作品でした。


だって、好きになって、他の分岐も気になるからこそ2周したわけですし!

 

キャラ愛をじっくり感じたい方、鬱展開もイケる方、神と人間の決別みたいな展開が好きな方などにおススメしたいフリゲでした。

 

 

 

 

既プレイの方は ↓ も是非!

shiki3.hatenablog.com