「物わかりの良さは元々諦めていたせい」
藁なんて所詮藁でしかないな前置き。
えー、今回は花姫パパさんところのフリーゲーム「ラファリスとイニシエの財宝」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
というわけで、良かった点など。
短編RPG。私は宝箱全部開けてクリアまで3時間程度かかりましたが、ちょっと遊び方を掴み損ねていたところがあるので、慣れている方は2時間程度かと。
回復はアイテムで
RPGバトルとして目新しいのは、回復がほぼアイテム頼りという点。一応回復スキルはないこともないんですが、スキルで回復しようとするとかなりの縛りプレイになると思われます。
ちなみに私は4層ボスで詰んでようやくアイテムを使うべきだと気付きました。はっはっは。遅い!
ここがわかってからはサクサク進行。アイテムを使い切ってボスを倒す→手に入れたお金でアイテムを補充、という流れが自然とできていて、ゲーム作りの巧さを感じましたね~。装備品も買うよりドロップ品や宝箱の方が強いので、金は回復アイテムのためだと割り切れます。助かる!
力押しはしづらいがプレイはしやすい
雑魚敵の経験値は渋めなので、レベリングでのごり押しは少し難しいかもしれません。ですが、ダンジョン探索で装備品を手に入れれば、難易度はほどよく。お金とアイテムのバランスも前述のとおりベストなので、プレイ自体はしやすいです。
雑魚敵は金策、ボス敵はドロップアイテム狙いとして、差別化されている印象。
ただ、ドロップアイテムの確率の低さは疑問でした。すでに倒した=攻略方法は確立されている、なので、金なし経験値なしの利点がほぼない状態で改めて戦いたがるプレイヤーはどのくらいいるのかなという……。
といってもですね!
本作、プレイヤーに対してとっても優しいシステムがたくさん実装されているんですよ。Sキーひとつで帰還できたり、雑魚敵からの逃走は100%成功したり。
この辺りを見ると、あのドロップ率の低さもあえてのことなんだろうなという信頼が持てます。すなわち、ゲームデザインとして理解できるのでよし!
表示バグはあれどスタイリッシュな演出
グラフィックでの演出も見どころ。
キャラの立ち絵自体は1種類なんですが、そうとは意識されないほどにグラフィックがかなり豪華に見えます。戦闘中のエフェクトや、階層表示のおかげかな。
ウェイトが長めなので、私のようにフリゲ慣れしているプレイヤーだ先んじて入力をして表示バグを起こしてしまう可能性も。とはいえ、ここはまあご愛敬。
戦闘画面に見たい情報が全て載っている、これだけでも最高でした。
歩いている最中にキャラが喋ってくれるのも目新しかったですね~。
各階層のアイテムとBGM
メインマップがダンジョンなだけあって、探索も楽しかったです。
RPGといえば隠し通路探しと言っても良いくらいに探索好きな私としてはもうウキウキでした。景観もきれいだし!
そして何より、画面外にキャラが消えても矢印表示で位置がわかりやすい! こういうプレイヤーへの配慮、本当にありがたいです……!
各階層のBGMが専用なのも雰囲気があって好き。
伏せられる主人公の願い
さて、最後はストーリーやキャラについて。
上手いな~と感じたのが、メイン3人の性格でした。まず登場するのは寡黙なラファリスと粋な大人のガルフ。この二人だけだと話がものすごく硬派になると思うんですよね。硬派な話もそれはそれで大好きなんですが。
ここで飛び出してくるのが突撃元気なお嬢様のプルミエッタ!
彼女が来ることですごく歯車がかみ合う……もっと言えば作品全体を明るく俗っぽくしてプレイヤーの間口を広げてくれるキャラだなと感じました。
会話劇やコミカルなやりとりも、ほどよいところで区切りがつくので、読みやすくてグッド。
主人公のラファリスの願いだけが秘密というのも、先が気になる!と思わせてくれて、全体的にとてもテンポがよいシナリオでした。
まとめると、
- 読みやすいストーリー!
- 遊びやすいシステム!
- サクサクRPGやりたいならこれ!
という印象。ちょっとした時間にプレイしたくなる一作でした。
追記ではネタバレ感想。
ネタバレ注意!
戦闘
毒が強いゲームは良いゲーム!
いやはや、実に苦しめられまくりました!
販売されている装飾品の良さがいまいちわからなかったんですよね……。状態異常を与えるより、状態異常を防ぐ装備が欲しかった気持ち。ただ、これが実装されてしまったら逆にヌルゲーすぎるのかな。
ボスを倒した後でそのボスに有用なスキルを覚えることが多くて、ぐぬぬ。もしかすると規定レベルより早く攻略していたということなのかもしれません。
クリア後おまけ
エンディング後も探索が続けられるエンドレスゲーム、好き!
そして、エピローグ前にセーブをさせてくれるところも、好き!!
自分はコレクトアイテム集めたい派なので金貨交換がすんなりいきましたが、手に入った装備は自主的に縛ることにしました。だって、明らかに最強だもの。
そのぶん、あれらの装備品なしで隠しボスを撃破した時は達成感がありました。満足満足。
ストーリー・エンディング
優しい世界だな~!!!!!
エンディングでの一番の感想は、これでした。
ラファリス達とラスボスの会話が感慨深かったんですよ。「そなたらを信じよう……(パアア)」に対して、みんなが「静かに見送る」を選択してたのが……。ぜ、善人!! 「父の仇! 天誅!」とか「騙しやがってー!」とかじゃないんだ!
プルミエッタや王子など、わかりやすく我欲に満ちたキャラもいるんですが、その悪意もあくまで幼いワガママに収まるんですよね。
この辺り、なんだか全体的に優しい世界でした。情操教育によさそうなシナリオ。
エピローグについては気になるところもあり。
結局人食いダンジョンは続いてるんかーいっていう。
まあでも元凶の財宝はなくなったから死にはしない、のかな……? 欲深い人が痛い目を見るだけのダンジョンとして成り立ってるのかも。
人々の欲は尽きないがそれ自体は強みにもなる、という結論は一貫していてとても好きでした! ラファリスが無欲で強欲と称されているのでなおさら響いた!
ラスボスの問いかけに対してのアンサーがしっかりしているRPG、大好きです。