「偽りの神に抗え。」
このキャッチコピーに勝るものがかつてあっただろうか。
というわけで、今回はアニメ「新世界より」の感想をつらつら書きます。
原作は既読。これむしろ、未読で話についていけるのだろうか……? アニメで見ると、心理描写が少ない分、早季がよりツンケンしていたりマリアの守への想いが急に見えたりしていて、ギャップがありましたね。
色々と突っ込みどころもあったけど、終わり方は良かったなーと思います。
では、まず良いなあと思った点から。
・新生物の視覚化
貴志祐介の作品では細かな裏付け、それっぽさが魅力だと思っておりまして。中でも新世界よりでは新生物と思しきものたちの説明が綿密でした。
で、アニメでは、原作の長大な説明をうまく省略して、かつきちんとそれらしい姿で多く登場してもらえたのが良かったなあと思いました。ああいう不思議な生き物って、どうしても自力で想像するとなると難しいので……。
バケネズミも、ちょっと気味悪い感じで、まさにこれって感じ。ミノシロモドキはあんなに可愛くなるとは思ってもみませんでした。あれ良い、一匹欲しい。
・新世界をにおわせる世界観
新世界より、のタイトルのフォントもそうですが、キャラクターの服装や建物など、特徴的な部分が多かったように思います。こういう、ぱっと見てわかる別世界っぽさはアニメならではだなーと。
・割れたリンゴ
ED。映像、曲、共に大好きです!
特に映像、抑えた色合いの幻想的な感じがたまりません。最後、早季が泣くところ、こっちも泣きそうになります。良いわあ。
それと、残念だった点は、
・作画、というか、画風?
12歳、14歳、26歳、と時代が変わっていく3部構成になるのですが、どうも安定しないなーと思いました。もちろん、年齢が変わって外見や顔つきが変わるのなら納得できます。でも、特に14歳編の時、話数ごとに顔つきが違い過ぎて、すっごく違和感がありました。アニメですから常に安定するわけでないことも色んな人が作画を担当しているのもわかってはいるんですが……もうちょっと、何とかならなかったのかなあ。
ついでに言うと、高齢の人も中年の人も若い人も皆同じような感じで、年齢差がそこまで感じられなかったのも残念だなーと思います。せっかく外見的にも成長する話なのに。
・突然の英語
あれだけは、あれだけは謎でした。
ぶち壊しとまではいかないにしても、えっ?と思って、流れが止まっちゃった感じが……。
演出が奇抜なところがあって、時々ついていけなかったです。
うーん、正直、原作を読むだけで十分楽しめる話ではあると思うんですが……
でも、アニメ化で原作に興味を持つ機会ができたのならそれはそれで良いことですよね。
偽りの神に抗え。
全てを知る前と、知った後で、こんなにも意味合いが違ってくるとは。
本当、センスのあるキャッチコピーだなあと思います。
意外だと思ったのは、これをハッピーエンドだと言っている方をわりとちらほら見かけること。
………ハッピー、かなあ。
むちゃくちゃ怖いエンドだと思いました。後味悪いと言うか、下手な鬱展開より気力を削がれる気がします。
ネタバレしすぎるのも良くないので、この辺で。