「何にもならないとわかっているけどそれしかできない」
それを逃避という前置き。
えー、今回はMelt-Selfさんところのフリーゲーム「END END SUMMER」の感想をつらつら書きますね。いつものごとくレビューっぽいかも。
ほぼ一本道のノベルゲーム、鬱展開……というよりはビターで切ない感じです。でもなかなかのガッツがあって、ラストは爽やかな気分になるんじゃないかと。
というわけで、さっそく見どころを。
ストーリー
画面いっぱいに文字が並べられるシステムの、ストーリー重視のゲームです。
走ったり溺れたり苦しんだり痛んだり、色んな場面で息が止まりそうになる描写があります。それがまた表現がすごくて、自分まで息苦しいかのように錯覚してしまいます。綺麗な背景写真と相まって、ほろほろ涙が出そうになることも。
人を話にのめり込ませる力のあるストーリーだなあと思いました。ただ、人を亡くす話が中心なので、今まさに――という方は少し厳しいかもしれません。最後には、光をくれるような話なんですけれども。
で、全部終わってみたら意外や意外、続編のCMが。かなり濃密な話だったと思うんですが、これでもまだプロローグってことなんでしょうかね? 製作者タフだなあ。
あ、といっても、きちんとこの一作で話は完結してますし、十分楽しめるのでご安心を。
少女漫画向け(?)のイラスト
どういう系って言ったらいいのか、とりあえず少女漫画風だと思うんですけど……どうなんでしょう? 良い呼び方あったら教えてください。
ともかく。DLのきっかけがそもそもこのイラストだったんです。ヒロインがちょっとつらそうな顔をしてたので、鬱展開の臭いを感じ取りまして。ガラスみたいな雰囲気の絵だなあと思います。
実際にゲーム内で見れるのはカットイン中と起動画面で、です。
タイトル
懺悔します。初め、なーんかありがちなタイトルだなあなんて思っちゃってたんです。それがまあ、プレイした後になったら印象ががらりと変わりました。むしろこのタイトルが一番しっくりきます。
夏休みの終わりって、なんであんなに虚しいんでしょうねぇ。
キャラの距離感
メインキャラは二人。もう感情移入しまくるタイプなので、この二人の距離が徐々に変化していくのもすごく良かったです。こう、まさに氷が溶けていく感じでした。
改めてフラットに読んでいくと、ヒロインは年相応の無茶と浅はかさ、男は言葉の少なさ不器用さ、がしっかり書かれているんですよね。本来なら欠点と見られがちなその要素をきっちり描いてくれているので、心の動きがリアルに感じました。
とまあ、こんな感じで。
夏の終わりにプレイしたい、濃密なお話でした。
ざっくり言えば、お兄さんと少女が引きこもり生活をする話。
年の差男女、死ネタ、ビターな展開など、お好きな方は是非プレイしてみてください。