うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

フリーゲーム「ちょっと魔王さらってくる。」感想

「思わぬ一面は誰も知らずともそこにある」

見ようとしなかっただけな前置き。

 

 

 

えー、今回は、時雨屋本店さんところのフリーゲームちょっと魔王さらってくる。」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

女性主人公でキャラ攻略の要素もあるマルチエンドのRPG。クリア自体は数時間ですが、全エンドをコンプするとなるとかなりのボリュームが楽しめます。

というわけで、さっそく魅力など。

 

 

 

色付け上手な、勢いのあるストーリー

主人公はなんと、刺されようが首を切られようが蘇る特殊能力を持っています。これを存分に活用して魔王集めに旅立つ、というのが主なストーリー。

まず魔王使いという発想からしてやられましたw タイトルにもかなりの求心力があるように、いわゆる勇者魔王モノが好きな方には発想からしてピンとくるかと思われます。

全体的にギャグチックになってはいますが、物語終盤になるとシリアスの色も出てきます。さらに鬱展開になりかけるところもありますが――そこはご安心、先んじて希望の芽を見せてくれるので、彼らならなんとかできるはずだと信じてプレイを進めることができます。

この辺りの、ギャグとシリアスの調整が心底上手だなーと感じました。根本のところはハッピーエンドで進めようという意図が感じられましたし、暗い展開が苦手な人も物語の転として素直に受け入れられたんじゃないかなー、なんて。

そして何よりの魅力は話のテンポと勢いですね! ちょっとずつ進めるつもりが、生き生きした掛け合いや良い具合に力の入った勢いに押されて、ついどどどっと駆け足でプレイしてしまいました。いやーフィリアの口上や叫びが気持ち良いのなんのって。えへへ。

とにかくストーリー重視ならやってみて!と言いたくなる一作です。

 

 

 

生き生き動く魅力的なキャラクター

 

上記と少し被るところもありますが、キャラつくりも魅力の一つ。

ぽんぽん交わされる会話の裏にキャラの本性が見え隠れしたり、一見明るいキャラにぐっと刺さる過去があったりと、とても多面的にキャラが動いてくれます。ギャップ萌えな自分のストライクゾーンを狙ってくるキャラも多くてたまりませんでした。また細かい会話分岐が多いので、周回プレイ中ににやつくこともしばしばです。

内面については詳しく書くとネタバレになりそうなので、追記にひっそり溜めておきますね。

あと特徴的なのはキャラの顔グラでしょうか。巷でよく見られるサイズより数回り大きいサイズで顔グラが表示されるので、くるくる変わる表情をがっつり楽しむことができます。さらに、とあるイベント中にはメニュー画面の顔グラがこっそり変わっていることも。ストーリー進行度に合わせてさりげなく変わっていくフィリアの顔にもあったかい気持ちになりました。

 

 

 

深く詰められた世界設定や伏線

不死身な設定はよく見かけるものですが、その種族の歴史背景が語られたり、デメリットが作中で明かされたりするのは珍しいよなーと思いつつプレイしていました。そこからずるずると世界設定が気になり、ずぶずぶ作品にのめり込むという。何度も出てくる台詞が伏線になったり、天丼なギャグになったりして、すっかり愛着が湧いてしまいます。何度でも!蘇るさ!

同作者様の小説が絡んでいるところもあるので、より深く知りたい方はそちらに手を出すのもよしです。私はそもそも次作から入った人だったので、これが元ネタか~と色んなところでにまにましながらプレイさせて頂きました。

 

 

 

周回が楽になるストレスフリーシステム

エンド回想、攻略、イベントスキップ、ステータスアイテム引き継ぎ、雑魚戦スキップなどなど。一度クリアすると色々な要素が解放されて、周回プレイがより楽になります。それこそ走るだけなら半分以下の時間でクリアできるかと。

特に雑魚戦スキップやレベル引き継ぎは自分でどうするか選べて嬉しかったですねぇ。

実はこの作品、ヤンデレ鬱エンドがあるのですが、そういったのが苦手な方はロックをかけてルート制限をすることもできます。まあ私はむしろヤンデレ目当てで手をつけたところがあるので、うん。勿論ヤンデレ以外の要素もたっぷり楽しめましたけどね!

いやーしかし、この手の差分あり周回ゲーでスキップ機能が使えるのは本当にありがたい……。色々と行き届いたシステムに助けられました。

 

 

 

他にも、船や龍などであらゆる世界を見て回るマップ冒険要素や、自由にパーティ編成できる要素、意外なところで体験できる鬼ごっこ要素など、RPGに欠かせない色々なギミックも盛りだくさんです。

シリアスも好きだけどハッピーエンドにしてほしい、ストーリーには勢いが大事、とにかく元気なRPGをやりたい――そういった方にオススメの一作でした!

 

追記からはネタバレ込みで色々語ります。

 

 

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

フリーゲーム「color:clear」感想

フリーゲーム「名のない司書と閑話休題」感想 

フリーゲーム「ちょっと鬼ごっこしてくる。」感想 

フリーゲーム「1000文字勇者」感想 

同作者様の他共同制作フリーゲーム感想記事↓

フリーゲーム「魔王育成計画」感想

 

 

 

 

 

 

 

ネタバレ注意!

 

 

 

【小ネタ・会話分岐】

 

ひっそり見つけて嬉しかった小ネタなどについて。あと、会話分岐の自分用メモ。

こういうのは自分で見つけるからこそ面白い的なところもあると思うので、本当、一度は自分でプレイした方向けです。むしろ言わぬが花をぶち破ってすみません。でも言いたかったんだ、私気づいちゃったぜって自慢したかったんだ許してくれ……。

 

  • 物語進行状況に合わせてフィリアさんの顔グラが変わっていく
  • 2周目以降? 第三世界、情報収集を一切せずに宿に直行すると会話が一文だけ追加
  • シェラの塔、時を追いかけよ、で何度もワープをしていると優しいフィリアさんがヒントをくれる 全部で3回
  • 禁断の森イベントで硬直中のキャラはメニュー画面でも顔グラが変わる
  • 禁断の森で硬直する順番は、龍牙>ブロム>シェラ>天牙>ヴィル>フィリア
  • 二手に分かれるスイッチイベント、おそらく好感度高いキャラが優先して喋る
  • ↑好感度同じ場合、向こう側は龍牙>ブロム>シェラの優先度で「聞こえる」の大声。あとヴィル>天牙>シェラ「大声出すな」の突っ込み。組み合わせによってフィリアがシェラを「お前」呼びするので面白い
  • フェザード戦で負けると熱い求婚とともにGAMEOVER
  • ヴィル操作での魔王回収イベントの回収順によって「ブロム天牙龍牙」「天牙龍牙ブロム」「天牙ブロム龍牙」で3種類の会話分岐がある。と言っても汎用台詞が入ったり名前だけ出てきたりするくらいだけど、それでもこれだけ分岐あるのはすんげぇ。
  • レンフィールドの羽は使う場所によってシェラの顔グラが変わる
  • 天牙と龍牙の兄弟げんかは勝っても負けてもイベント進行、会話分岐は特になし
  • 終盤、処刑シーンでの人民に対する演説は好感度の高いキャラがしてくれる
  • パーティに入れていても占い幽霊さんの選択肢にアマデウスは出てこない
  • アマデウスエンドに入ると、魔王達が駆けつけてきて以降の会話がちょっとずつ変わる(ので会話スキップ“非”推奨)
  • ヴィルヤンデレエンドに入ると、かなり色々な場所で会話変化が起こるので、とにかく会話スキップ“非”推奨。魔王様こわいかっこいい。
  • ↑ついでにこの状態でパーティ編成に彼を選ぶと……
  • ↑さらにあえてヤンデレルートに入らずシェラのところにいるとちょこっと台詞が変わる、シェラが仲間になったあとは一緒

 

 

【お気に入りイベントなど】

・四天王(名前不明) 後々名前がわかるのがよい。

・添い寝イベント 悶えた。ここでヴィルに落ちた。萌えた。なぜか1周目でセーブしてもっかい同じ選択してイベント見直したくらい萌えた。

・フィリアの復活台詞 ストーリーが進むと魔王様達も声かけてくれるのが嬉しい。台詞集が欲しい。

・禁断の森の龍牙と天牙 無邪気な子どものように見せかけて、後々のイベントで龍牙がそれこそ命の危機で怯えていたとわかるのが、たまらんです。天牙の台詞を考えると、龍牙がバレないよう頑張ってきたこともわかって二度グッときます。

・ヴィル魔王城BGM 元々あの曲好きなのでめっちゃテンション上がりました。

・ジャンヌ関連 この東の森が『color:clear』における聖女の森なのかな? 墓裏の台詞元がわかってすっきり。

 

 

【キャラクター】

 

・フィリア

叫び声に勢いがあって好きです。シェラああああ!ケルツェえええ!

えげつない境遇にありながら善タイプで、凹んだキャラに喝を入れるのがとっても似合うキャラ。例え虚勢でも超元気なのが凄いです。全貌を知った今になって考えてみると、ある意味やけくそになってるのかもしれない……? とはいえフィリアが走り回ってるとこっちも元気になれます。もちろん村民Bなほのぼのフィリアさんも素敵だけども!

でもごめんなさい、実は絶望顔でやけっぱちになってるシーンがその、グッときました……強気な子が弱ってる時ってすごくこの……。ヴィルさんここです焼いて下さい。

守られるだけのヒロインではなく、強くて一生懸命な様がまさに主人公だなーと感じました。攻略キャラの皆さんには頑張ってフィリアさんの泣ける場所になって欲しいところ。いいぞ押せ押せ押し倒せー!

実は泣き虫さんで平和主義ってところもポイント高いです。

 

 

・ヴィル

ヤ ン デ レ よ あ り が と う 

バッドエンドがお気に入りですね!!だと思った!?私も思った!

次作を先にプレイした関係で彼がヤンデレ血族の一員だとは知っていたのですが、いやあまさかあそこまで熱烈鬱々と愛を告げてくれるとは思ってもみませんでした。しかも村が無事なのを明かされた状態で。流石だ。あのエンドは随所で憎悪顔になるのが本当たまらんですよね。パーティ編成の表情はもう、なんというか、ヒッって息をのみました。ああいうさりげないギミック大好きです。

いや、普段の、ちょっと寡黙ながら突っ込みもしつつ時々好戦的にノってくれるおちゃめな彼も好きですよ。第三世界で四天王にノリノリの切り口上かまして下さったシーンとか最高でした。

というわけで、病んでる時も、独占欲強めで留まってる時も好みなキャラでした。かっこいい!

 

 

・天牙

なんとも煮え切らないこの感じがとても共感できてしまう……w

敬語キャラ萌えを満たしてくれる貴重なキャラでした。草食系。こういうキャラが恋愛面であわあわするシーンや激昂するシーンは総じてにやにやできるものですね。

どんな場面でも彼を選ぶと冷静にお礼を言ってくれるので、こう、魔王使いしてる感あってどきどきしました。あっ雪山はまた別で可愛らしいですけども。怖いものの話をする時ですらクールな表情で淡々してたのが印象的です。

一番頼りになる、背中を預けたくなるキャラでした。なのに可愛いずるい!w

 

 

・龍牙

実は初回プレイで「龍牙だけ会心多いな凄いな~」と感じていたので、それが見事に後々のシナリオで回収されてとても嬉しかったです。気づいてたよ!やったよ!

あのわきゃわきゃした態度とは裏腹に、エンディングだときっちり彼氏さんしてくれるのがなんとも気恥しいやら嬉しいやら。フィリアを託したいキャラ五本指に入ります。……なんだかこの書き方だと偉そうだな。それだけフィリアが気にいってると思って頂ければ。

時に、開発室の「隠れヤンデレ」発言が非常に気になるのですが。作者様のモチベに関わるのなら見れません……がっ妄想は自由!ありがとうございます!

 

 

・ブロム

女性限定の装備品、シェルアーマーが装備できたことに首をかしげていたのですが。なるほどED11で納得しました。確かに見ようによっては女の子な顔グラに見えるかも。

想像以上にかぼちゃネタを引きずられてて笑いましたw

ちらっとヴィルも言ってましたが、大人になったブロムの大きさとか彼の記憶とか思い出したらどうなっちゃうのかとか、色々と可能性を秘めたキャラですよね。この辺りも気になる半面、この作品内ではそこまで突っ込まれなかったからこそ、終始彼が我輩様なブロムでいられたのかなあとも思います。

 

 

・シェラ

しぇらああああ!好き!かわいい!初登場時の立ち絵の可愛さにきゅんときました!歯を見せて二カッとする笑い方も好き。

というわけで外見的な意味でも好きなのですが、彼女の言う女性感とか、価値観とかが好きだなーというのもあります。あとエンディングでの、黙々本を読むのが許される関係って言うのもツボ。

ノストと二人っきり、おとぎ話のキャラクターとして過ごしてきた時間はどんなもんだろうなあと思わされるところもあります。老成した考え方と可愛い少女属性が同居できる、のじゃロリは素晴らしいですね。人ができてるという意味では勝てる者のいないキャラのようにも思います。

ちなみにフィリアを託したいキャラナンバーワン。

 

 

アマデウス

初回プレイでは、「うさんくさい!信用ならーん!」と思っていたのですが。

いやー、彼の特殊エンドを見てそんな感情は全部吹っ飛びました。誤解してて申し訳なかった。彼もまた想像以上に熱烈なキャラでしたね! たじたじ逃げ腰なフィリアも珍しくて、恋愛面だと一味違う彼らを存分に楽しめました。

終戦で呼ぶとしぶしぶながら来てくれるのが好きですw 良い人だ。

 

 

・フェザード

覚悟していた以上の長生きさんでびっくりしました。彼の存在がまるごとフィリアの未来の一つなんだと思うと苦しいような希望のような。彼の事情を知ると、フィリアへの執着にもうなずけるところがあります。

フェザード城では彼もヴィルみたいに部下の皆さんからは慕われているんでしょうかね? そうだといいなあ。

エンドでは、常々気になっていた「不死鳥なら誰でもいいのか」みたいなところにも触れていてくれて嬉しかったです。

 

 

 

 

 

とにかくどのキャラも魅力的で、あんなにたくさんのエピソードやエンドがあったにも関わらずまだまだ見たいと貪欲に思ってしまうくらいとっても愛着が湧きました。