うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

フリゲサイト「和製オフィーリア」作品感想

「もう届かないとわかっていても」

あなたの記憶は忘れられない前置き。

 

 

えー、今回は和製オフィーリアさんところのフリーゲーム「硝子のアイズ」「追憶-remake ver.-」「parasite/transfer」「したかの。-living DEAD girl friend-」「サナギ」の感想をつらつら書きますね。

 

で、先んじてお詫びすると、どうもこちらのサイト様は移転(閉鎖?)されたようです。

この記事の原本を書いたのがなにせ一年前なので、DLをちょこちょこ推奨したり熱く語ったりしていますが、現在はおそらくDLできません……ゲームとしても話としても好みが合う分とてもつらい……。

以上ご了承のうえでお読みいただければ幸いです。

 

 

 

 

『硝子のアイズ』

 

[概要]

一本道ノベル。サポート終了していますが、幸いにもDLリンクは残っていたので喜び勇んでDLしに行きました。ちなみにプレイしたのはリメイク版のver2.0のほうです。内容がかなり別物になっているとのことで、ver1.0のほうも気になるところ。

 

[ストーリー]

七転八倒、と言っていいものか。キーになるシーンでだるま起こしのようにどんでん返しが起こり、あっと驚くことを繰り返しているうちに悲劇へまっ逆さまに転がり落ちたような感じでした。

少女達の目をえぐり取る惨殺事件、がテーマと思いきや実は少女達のドロドロ心理描写がメインです。やったぜ! バッドエンド一直線で、どぎつい展開がありながらも落ち着いて深々と進むストーリーにどきどきしながら読み進めました。

そしてダブルミーニングがどう絡むのかがわかった時は思わずやられたと膝を叩きました。お互いを想うが故の悲劇に成すすべなく打ちひしがれるあの余韻がたまらなく好きです。

で、かなりフラットに読んでいたのであとがきには驚かされました。意外すぎた……! 両作共に大好きです。

 

[システム]

いったん区切りがついた後、スタートからプレイすることで新たな角度のストーリーを読めるという仕様です。おそらくあとがきが表示されればクリア、で、いいのかな。一巡した後、まだ起動画面のloadの下が意味深に空いていたのでピンときました。

最近この手の周回プレイタイプなノベルゲに出会うのですが、うっかり半端に終わらされてよくわかんなかった扱いを受けているのも拝見するので、かなり勇気のいる仕様ですよね……。この作品では、一周終わると物語のみでなくメタ的な区切りもついていて、とても効果的に感じました。素敵!

 

[グラフィック]

立ち絵やスチルこそありませんが、それぞれの少女達の語りを聞く時に入るアイキャッチ的な画像はとてもセンスを感じます。また、序盤から5人登場という展開でもしっかりとキャラが把握できたのは、ひとえにinsect等の章名と彼女達の個性がぴったり噛み合っていたからなのだろうなあと。掛け値なくどのキャラも好きです。

立ち絵主義の方には物足りなく感じるかもしれませんが、キャラ像を十分想像させられて、読ませる力のある一作でした!

 

[一言]

少女達のどろどろ、えげつない事件、どんでん返しのあるストーリー、余韻のある鬱展開などにピンとくる方に是非とも勧めたいです。

 

 

 

 

『追憶-remake ver.-』

[概要]

選択肢ありの変則的な一本道ノベル。男性主人公で、ほんのりとサスペンス系の不穏な展開を交えつつも、切なく温かいエンドに帰結する一作です。

 

[ストーリー]

チヅル、アイズの次にやったのですが、この二作と比べると驚きが控えめなぶん読みやすいと感じました。勿論優劣は無くどれも素敵ですが、毛色の違いがあると言いますか。こちらのサイトの入門用として布教したい感じです。

断片が一つの物語として繋がっていく構成が良かったですねー。断片だけで投げちゃうとプレイヤーは混乱しがちですが、この作品は終盤できちんとまとめが入ってくれるので落ち着いて読むことができました。

キャラクターとしては運転手の彼がお気に入り。根は良い人だけどぷち悪いこともできるのがまさに子どもからみた理想の大人って感じで、魅力的だなあと思います。凶器を信頼と共に託すあのシーンも大好きです。

孤児院のシーンもなんだか印象に残っています。鷹の例えが好きで。あとどろどろした心理描写がさりげなく混ぜ込まれてるのが上手いなあと。

終盤、主人公の決断がああ転ぶとは思っていなかったので素直に驚きました。一度は現在に揺らぎ、一度は過去に惹かれるこの感じも、安易に決断しきれないリアルさがあって素敵です。

 

[システム]

記憶のキーワードを選択して組みあわせ、解放されるエピソードを読み進めていくという斬新なシステム。キーワードがどう結びついてあのエピソードになったのか考えるのも楽しいです。

少しずつエピソードや記憶が増えていくのに合わせて物語が次のステップへ進むという、システムと物語が影響し合っている感じがとても好みでした。

 

[グラフィック]

各エピソード開始時の画像や英語がおしゃれ。この英語部分で、今から読むエピソードが何と繋がっているのか察せるのも良かったです。実用的!

 

[一言]

もの悲しい雰囲気の染みる話や、青年・少年のあれこれ、家族愛などにピンとくる方へオススメです。

 

 

 

『parasite/transfer』

[概要]

二視点同時進行型、という斬新なシステムで構成されたノベルゲーム。恋愛要素もありますが、それだけに収まらず根幹のお話がしっかりしているので、一般向けとしても楽しめるかと思います。

 

[ストーリー]

首を刎ねられてからが本番という驚きの展開。サスペンス要素もあり、青春恋愛要素もありで、なかなか読む手が止まりませんでした。こういう読ませる力のある文章だと延々読み続けてしまう性質なので、ゲームのほうから一区切りつけてくれるのはありがたかったですw

この作品ばかりは余計なことを書いて魅力が損なわれるのはとっっても惜しい、反面、色々隠して書くとふわっとしたことしか書けそうになくて自分の備忘録にならないので、ネタバレ部分を伏せ字にしてしまおうと思います。

以下ネタバレ伏せ字。

まず序盤、視点としては終始一貫しているのですが、プレイヤーから見ると「首と身体」から「ボクと僕」に切り替わって、2視点の認識がひっくり返されたのも面白かったです。なんか違和感あるぞ、というのが文章に滲みでているのも凄い。これはもしや……と思いかけたところで正解がドンと突きつけられるのも気持ち良かったです。

そしてカラクリ可愛いなぁ……。私がボクっこ好きなのもありはしますが、それ以上に、ずっと僕のことを考え続けているのがたまらないのです。可愛くないというコンプレックスこそが可愛いと思うのですがこれ本人からするとイラッとくる感想ですよね申し訳ねぇ。

こういうインパクト重視の設定って、結局原因を明かされずに不思議パワーで終わることが多いように思うのですが、この作品ではきちんとこの世界観なりの答えが出ていてすっきりしました。血液主体っていう理論も今まで出会ったことがなかったので興味深かったです。

舞台背景とかストーリー展開だけをとるとむちゃくちゃドス黒いのに、読後感が良いのは二人の恋愛面が綺麗に収まってくれているからなんでしょうねぇ。私としてはほくほく顔になれたのですが。どっちをメインと取るかで感想がかなり変わってきそうです。

伏せ字終わり。

 

[システム]

いやー、やられましたね!! まさかノベルものでここまで「ゲーム」ができるとは思ってもいませんでした。これはまさに発想の勝利だなあ。

まさかの二画面で文章が進むので、やはり初めはぎょっとします。しかし、一文ずつゆっくり読んでいくと、意外とすんなり読めるものなんだなーと感心しました。序盤は言葉の言い換えだけで同じ内容、という文章が多いので、それで自然と慣れさせてもらえたのかもしれません。

そして重要なポイントが既読率! アイズのほうで(たかが1プレイヤーが勝手に)懸念していた読み飛ばし問題がこれ一つで解決していて、上手いなーと思いました。

以下ネタバレ伏せ字。

私はゲームを開始したらまずセーブをする性質なんですが、いやあ、まさかでした。

99%までは自力で発見できてちょっとドヤ顔。いやまあ100%については公式サイトの攻略を頼らせて頂いたのですが……w 

ここかなと思ったところに必ず何かが隠されていて、こちらの期待に応えてくれる嬉しさをひしひしと感じました。気分は宝探しです。ちなみに既読率には反映されないようですが、musicのところもさりげなく面白いのでまだ気づいていない方は是非に。

カラクリの回想が彼女の言葉通り読み返せなくなっている仕様にもクスっときました。かわいい。システムエラーの演出も、彼女の名前がわかるうえにメタ的にも面白くて二度おいしかったです。

以上伏せ字終わり。

二画面同時進行というだけでも斬新ではありますが、出オチだけに留まらずストーリー面でもシステム面でも最後まで意外さと新鮮さを提供してくれたので、こちらもとことん遊び尽くしたくなる良作でした。

[一言]

斬新なノベルゲーを求めているなら是非とも。友情以上恋人未満、なども反応ワードかもしれません。

 

 

 

『したかの。-living DEAD girl friend-』

[概要]

選択肢ごとにエンド分岐する、ヤンデレ恋愛ゲー。とりあえずヤンデレ好きならプレイするが吉です。

 

[ストーリー]

押しかけてきた少女が実はストーカーでしかも死体で…!?という衝撃展開から話が始まります。さんかれあもそうですが、いやはや美麗ゾンビものは良いものだ…! この死体の線引きについての設定を序盤から整理してくれているのが好印象でした。

いやー、あやめちゃん可愛いですね! 尽くしてくれるタイプで秀才と来た、なんとも羨ましい。

他作品と比べると伏線が弱めかなあとは思いますが、この作品のメインはキャラの裏面にあると感じたので、そこはそれで良いかなーとも。

エンディングも、意外性や病み行為に富んだものが多くて楽しめました。私個人としては策略系や精神的にドロドロくる系が好きなのであの、EDリストの一番下にあるエンドが好きです。勿論他のエンドも、古き良きヤンデレが好きな方はもうたまらんのではないかと思います。

 

[グラフィック]

この記事で取り挙げている順番通り、上からプレイしていったのですが、今回このサイトさんでの立ち絵ありゲームを初めてプレイしたので色々と新鮮でした。可愛い感じの絵柄が、鬱展開やキャラの持つ裏側のギャップをひしひし感じさせてくれて面白かったです。

あんまりお絵かきは詳しくないので、そこ?って思われるかもしれませんが、あやめの前髪の描き方がめっちゃ好きです。さらさらしてそう。触りたい。

カットインの形で表情変化が出るシステムも、スチルとはまた違ったご褒美感があって良かったですねぇ。

おまけスチルは二枚目がお気に入りです。

 

[一言]

ヤンデレ好きさんは是非やりましょう。

 

 

 

 

『サナギ』

[概要]

一本道ノベル、吐きだめのような特殊な街で起こる珍事件の真相と蝶を追う話。べたべたいちゃいちゃ系の糖度とはまた異なる、彼らだけに通じる甘い恋に浸れる一作です。

 

[ストーリー]

キャラづけが毎度わかりやすくて印象に残りやすいのに、さらにそれを上書きするようなどんでん返しが起こるので手腕の凄さをひしひし感じます。墓守の名にぴったりのストーリーラインにも惚れぼれしました。

どちらかというと雰囲気重視の作品かな? モノローグや幻覚と彼らの視点とが混同するシーンが多く、こちらも夢見心地で独特の雰囲気を楽しませて頂きました。

 

[グラフィック・システム]

まず起動画面に惹かれましたね! その、画像の雰囲気がとても色っぽいので、てっきりxxxはセクシュアルな意味かと思ってしまったんですが、そんなことはなかったです! 恥ずかしい!申し訳ない!

ともあれ。起動画面が変わる演出はやはり良いものですねぇ。他、印象的な場面ではっとするような立ち絵が出てくることが多くて、上手い使い方してるなーと感じました。

システム面ではそろそろおなじみになってきた周回要素がやはりポイントでしょうか。それぞれの視点の前に一呼吸、シンボルマークみたいなのが入るので、視点切り替わりがわかりやすいのもありがたかったです。

 

[一言]

幻想的な世界観や、退廃ものにピンとくる方向けです。

 

 

 

 

これらの中だと「parasite/transfer」が一推しです。一推しです。一推しでした……。

本当ね、今までプレイしたフリーノベルゲの中で三本指に入るレベルなんです。あちこちに仕込まれたギミックが大好きなんです。

 

楽しい体験ありがとうございました。

 

 

 

 

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