「無理に立てとは言わないからね、ご飯くらいは食べていこう」
寄り添うことが力になる時もある前置き。
えー、今回はZIBETA.labさんところのフリーゲーム「メリースウィート&ビター」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
エンド分岐複数、攻略対象二人の短編乙女向けRPG。勇者や魔王などのいる世界観ではありますが、基本的には小さな村で起こる仲直りのお話です。
というわけで、良かった点など。
頼れるヒロイン・プラリーネちゃん
面白いなー、と思うのがまず、主人公であるプラリーネちゃんの性格について。口調だけ見るとざっくばらんとしてて、一人で魔物と戦ったり引きこもりの友達を鼓舞したり、何かと“頼もしい”女の子です。
ここで注目したいのが、あくまで“頼もしい”であって“男勝り”ではないところ! お料理上手で素直で気遣いがあって、いわゆるヒロイン属性も持ってるんですよね。こう、女の子のほうが実は強いんだからっみたいな反発はなくて、すんなりと受け入れやすいヒロインでした。
ツッコミ二人が引きこもっているためか、単身さくさくと魔物だらけのダンジョンに突っ込んでいく姿はなかなかにクスッとします。ドラゴンも倒せる村娘!
引きこもりな攻略対象たち
さて、そんなプラリーネちゃんが奮闘するのは幼馴染二人のため。この二人、どちらも本編中は凹んで引きこもっているのですが……。意外にも掛け合いは明るく、微笑ましい展開が多かったです。
なまじプラリーネちゃんが前向き一生懸命なので、報われないバッドエンドは少しもの悲しくもなるんですが……。かといってロシェとクーベルをヘタレと言って責めてしまうのも違うと思うんですよね。
そう、二人ともぶつかってるコンプレックスや障害があって、それに自力で立ち向かうところがすごく素敵でした。ちゃんとそれぞれの理由があるってところが好きなんです。
プラリーネちゃんが解決するわけじゃなくて、彼女はあくまで後押ししてるだけってところも。二人にとってプラリーネちゃんは太陽みたいな感じなのかなあ。
母性本能にも似た守ってあげたいという気持ちと、いざってときにはかっこいいというときめき、両方が味わえる作品でした。
しっかりRPG
RPGとしても、良い具合にスリルがある難易度だったように思います。
基本はゆるーくプレイできるけど、最終日近くは通常攻撃連打の作業ゲーじゃなくて、きちんとスキルを使って戦う必要があるような塩梅。回復アイテムが多めに用意されていたり、序盤の敵は弱めに設定されていたり、端々は親切です。
奥地に行けば行くほど敵が増えてもらえる食材が増えるのもポイント。
なお、採集中に負けてしまうと実質バッドエンド直行なので、セーブはこまめに。作品全体のボリュームに合わせてお手軽なプレイ感でした。
分岐に優しいセーブポイント
料理を作る直前にセーブできるので、エンド回収のデータづくりがとても楽です。ここさりげなくとてもありがたいポイント! 他にも、採集中に引き返せたり、周回用にクイックスタートがあったり、ちょっとした対応が行き届いている作品だったなーと感じます。
惜しいところとしては、採集に行く前に作りたいレシピの必要な食材数が確認できない点がありますが……。致命的に取り返しがつかなくなるわけでもなし、あくまで挙げるならといったくらいです。あと、スチルの見返しもしたかったけど……こちらもプレイ自体が数分なので困りはしないかな。ウディタはスクショも撮るのが楽ですしね。
公式で完全攻略が用意されているのも嬉しい! 色々とシステムやプレイ周りが親切でした。
とまあ、こんな感じで。
特に私はロシェベストエンドが好きですね!
元々、プラリーネ“ちゃん”? と思っていたんですが、色んなギャップにざくざくっとやられてしまいました。微笑ましい! 幸せでいてくれください! そんな感じです!!
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