「忘却は最も残酷なれど幸せへの近道である。」
格言っぽい前置き。
さて、今回はフリーゲーム「AliceNightmare」の感想を書いていきます。
とにかくこのゲーム、絵がとっっっても綺麗。美麗、の単語がよく似合います。
ストーリーの方もなかなかの鬱展開と聞いていたのですが、後味の悪さよりは切なさが目立っていたように思います。
とりあえずはネタバレにならない程度に、プレイしていて感じた良い点悪い点を上げてみますね。
残念だった点
システム面が少々不十分
オート機能が無いので、いちいちカチカチキーボードやマウス押すかホイールをころころするかしないと駄目なのが大変でした。ところどころ既読なのにスキップが聞かない時も。あと、EDリストが無いのでコンプリート具合がわかりにくかったです(公式ブログにリストは載せてありますが…)。
一部バグ
私がプレイした時は、一・二か所で主人公の顔グラがおかしなところに表示されるバグがありました。すぐに終わる(数行の会話文くらい)ではあったのですが、けっこう盛り上がるところだったのでガクッと気が抜けてしまいました…w
素敵だった点
イラスト
もうさっきも言いましたが、立ち絵・スチル・おまけ絵全てが綺麗。立ち絵は細かい眉の皺や微笑み、小さな表情の動きがとても丁寧に描かれていました。キャラの表情が自然に変わっていくのが、とても楽しかったです。スチルはやっぱり気合いが入っていて惚れ惚れしました。おまけ絵はまたタッチが違っていて、新鮮です。
ヤンデレシスコン兄ちゃん
この盲目っぷり、良い。病む理由も自然。良い。
小悪魔風の妹君
この屈折っぷり、良い。彼女が登場するとわくわくした。良い。
個性的なサブキャラ(モブキャラ)
メイドさんや侍女さんなど、本来は使いまわしにされそうな立ち位置の子たちにも、わかりやすいキャラ付けとそれぞれ違う綺麗な顔グラがついていました。それだけでもうびっくり。しかも、あまりでしゃばりすぎず、あくまで使用人らしい控えめな目立ちっぷりをなさってくれたのが素敵でした!外見だとマリアちゃんが好きかなー。
このキャラ立ちっぷりはボイスドラマの方にも関係しているようです。後ほど聞く予定。わくわく。
鬱展開だけでなく強く切ないストーリー
救いがないEDもいくつかありますが(その打ちのめしっぷりも惚れ惚れしますが)、よくある主人公がひたすら痛い目にあうだけのストーリーというよりかは、色々な形の試練を乗り越えていく、強いストーリーが根幹にあったように思います。
シリアス好きや鬱展開好きさんはもちろんのこと、ハッピーエンドや成長物語が好きな方にもオススメできます。
では、追記からはネタバレ有りの感想を書きますね。
未プレイ・ネタバレ嫌って方は超ご注意を。
初プレイでは、アルバートバッドEDにたどりつきました。
こういう停滞、現実逃避の話は、見ていてものすごく虚しくなるので好きです。はい、好きです。見ないふりが上手な彼女らしいエンドのように思います。
一番好きなEDはNO.9のアリス・イヴリンエンドですねえ。イヴリン嬢がノリノリでアルバートさんを脅したりお兄様を手玉に取ったりするのがもうぞっくぞくしました。
二人のアリスルート(夜会で“部屋に戻る”を選ぶ)に入ると、後半ちょっとずつシャロット嬢がイヴリン嬢みたいな表情になっていったりするんです。それがすごく、こう、ぞぞっときました。
ED1を見たら、そういったイヴリン嬢に対する怖い印象はすっかり無くなって、もうひたすら涙目だったのですけれども。
ゲーム本編ではさらっとイヴリン嬢がシャロット嬢にしか見えないと明かされましたが、この辺を隠しまくってミステリー風にしてたらどうなったのかなーとちょっと考えてみたり…。けっこう察しやすいヒントもあったので、超序盤で察せられました。
初プレイ時はイヴリン嬢とシャロット嬢の区別に困ったら話がわからなくなるだろうな、と思って、まず二人が出てきたときに特徴をよく覚えるように意識してガン見していました。薔薇の色で見分ければわかりやすいですね。
同一だけどちょこっと違う、視覚的な意味でも美しく、内面的な意味でも儚く歪みつつも綺麗な2人かなあと思います。
ヤンデレ好きとして反応せざるをえないのはもちろん素晴らしき兄上様でございます。いやあ、良い暴走っぷりだった。「……。」の台詞?と無表情立ち絵が出る度に、覚醒はいつかなーとどきどきしておりました。
あんな答えが一つしかないように見える質問をシャロット嬢にする辺り、いくら障害を憎んでいるとはいえ、やっぱり行為に及ぶには最愛の守りたい子からの後押しが欲しかったんだなあとしみじみしました。
他男性キャラ√に行くたびにバッタバッタと死にゆく姿が辛かった…。