「ねむたいから諦めよう」
気づけば数十年な前置き。
えー、今回はnununuさんところのフリーゲーム「ha*co」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
ジャンルは短編探索ホラーゲーム、かな。出血描写や病み要素があるものの雰囲気としてはほのぼのです。
というわけでさっそく特徴的な点など。
ふわふわしたパステル調のグラフィック
起動して、操作キャラの可愛さにまず心を奪われました。ゲームオーバー画面すらもまったりとしていて、マップチップやフォントなども合わせて全体的に柔らかふわふわの癒される雰囲気です。
左上に表示される意味深な文字とBGM
なにせこのゲームは「おるすばん」をしている話なので、誰かと会話したりするシーンはなく、サイレント漫画に近い形で進行していきます。勿論、雰囲気に合うゆるやかなBGMは流れているので無音と言うわけではないのですが、これがとあるところから効果的に使われるのも印象深いところです。
そしてプレイ中ずっと表示される左上の文字、これがストーリーを示唆する形になっています。たった二行分ではありますが、進行具合によってちょっとずつ文章が変わっていくのでどきどきします。
ほんのり闇が見え隠れする構成
ゲーム開始時から「おや?」と思うのがこのゲームの魅力とも言えます。可愛いものに包まれたゆるーい雰囲気の中で、左上の文字や随所のイベントなど、どことなく不穏なものが見え隠れするこの構成。パニックホラーとは違う、何とも言い難い落ち着かなさが癖になりました。
とまあ、こんな感じで。ゆるかわいいメルヘンホラーに惹かれる方や、雰囲気重視ゲーが大好きな方にオススメです。
最後に追記でエンディングについて考えたことなど。考察というか自分なりの解釈というか。ご興味ある方はどうぞ~。
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ネタバレ全開。
彼女の台詞が入るか入らないかという微妙な違いではありますが、読みようによっては正反対のエンディングですよね。考察、というか妄想に近くなりますが、
重病の彼女→ずっと一緒にいたい→殺しちゃう
という言葉にしてしまうと身も蓋もない展開があったのかなあと思っています。
箱を開けると死んだ自分に気づいてしまうから今までどおりではいられなくて、お返事もできないけれど、箱を閉めたままなら生きた可能性が残されたままでいられるからお話もできるし、ずっと今まで通りの生活を続けられるとかいう。
どちらが幸せに見えるのかはプレイヤーによって違う気もしますが。
主人公ちゃんは兎の格好してるけど、実質シュレディンガーの猫だったんだろうなー、なんて。
語り過ぎず、ふわっとした雰囲気でゆるっと気付かせる、もの悲しい雰囲気が素敵でした。