「誰であろうと変わりません、仕えさえすれば生き延びられるので」
何も上位生物だからといって優位なわけでもない前置き。
えー、今回はうきうき雨季(6月)さんところのフリーゲーム「主はあなたと共におられる」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
とある一家の不審な状況を巡る、クトゥルフホラー。エンド1つ、30分くらいで読了できる、探索が選択肢式のノベルアドベンチャー。
というわけで、良かった点など。
TRPGやゲームブックな雰囲気
ダウンロードページやゲームの冒頭に「キャラ創作がメイン」とあったので、てっきり設定だけの作品かと思っていたのですが……。
いやいやとんでもない! しっかり遊んで楽しませて頂きました~!
プレイ感は半ノベル半アドベンチャー。
プレイヤー側の操作が差し挟まることで、ほどよくホラーらしい緊張感も味わえます。
確かに、選択肢はあれど一本道なのでTRPGらしい自由度はありません。
が、画面構成のセンスが本当にすごくて、ゲームしてる感はしっかりあります。常にLive2Dのキャラが動いているのもかわいらしくて好き!
戦闘シーンがあるのもただのノベルではなくTRPGしてる感があって楽しかったです!
辛辣な少年×のろまなメイド
この作者様と言えば!な属性であるショタおねも健在。孤独な家庭環境でツンツンな態度の少年と、のんびり鈍感なメイドさんの関係性がかなり美味しいです。
メインの視点があえてこの二人ではなく第三者のジョンなのも味わい深し。
クリア後に変わる関係がまた! 良いんですよ!
あのじっとりしたエンディング、好き~!!!!
詳細は追記で語りますが、しっかりお話にも起承転結あり、オチもしっかりとホラーらしい仄暗さがある良作でした!
とまあ、こんな感じで。
短編で綺麗にまとまったホラーやミステリを味わいたい方向け。
追記ではネタバレ感想。
同作者様の他フリーゲーム感想記事↓
ネタバレ注意!
クトゥルフの元ネタ考察
名前の元ネタは全て『ダンウィッチの怪』から来ていると思われます。3年前がこの小説で、再び『ラヴィネア』を見つけたという流れかな?
重要なワードが太文字にされているおかげで、調べやすくて助かりました。ヨグソトースはよく聞くけど詳細を知らなかったので……。
ボスのやられ際などもしっかり元ネタ踏襲していたということがわかってしみじみ。ラヴィネア(ラテン語のLaviniaなら純粋・清潔の意)の名字がホワイトなのも、調べておお~となれて楽しかったです。
各種伏線とエンディング解釈
「落ち着いて」と窘めるリュカの反応、よく考えれば違和感を覚えて然るべきですよね……。流しちゃってたなあ、くっそー!
リュカはSAN値が高い設定にされているのかな~と思っていたので、まさかの伏線で震えました。
よくよく見返したらアッ……と思うシーンがいくつもある……。「いっ……」とかお母さんとの出会いとか……。
そんなわけで、エンドは1つですがつい周回してしまった作品でもあります。楽し~……!
メタ的に言えば、ラヴィネアよりもお義姉さんの方がINTが高いせいで気に入られちゃったって感じなんでしょうかね。
いずれにせよ、こういう成り代わりやアイデンティティが奪われる系のお話大好きなので、とってもテンションが上がりました!