うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「渇望スル島」感想

「人はありとあらゆる可能性を秘めている」

もちろん世界にも同じことが言える前置き。

 

 

 

えー、今回は、バド(http://katubou.ninja-web.net/top.html)さんところのフリーゲーム「渇望スル島」(http://www.vector.co.jp/soft/winnt/game/se456841.html)の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

選択肢によって4つのルートに分岐する、ホラーノベルゲームです。けっこう気合いの入ったグロスチルもあるので、苦手な方はご注意を。

 

というわけで、さっそく良いなと思った点から。

 

 

 

 

怖さの種類が異なる4種の物語

 

この作品は選択肢によって4つのルートに分かれます。何よりも驚いたのは、このルートごとの色がまったく違っていることでした。ざっくりわけるとSF、怪談、疑心暗鬼、ギャグといった感じでしょうか。

恐怖、と一言で言ってもその種類は人によって様々で、たとえばお化けは平気だけどゾンビやグロは嫌、等々の違いはあると思います。そういった多種のニーズに応えるだけの幅広さがこの作品にはあります。たぶん、どれか一つはピンと来るルートがあるんじゃないかなー、なんて。

ルートによって文体や文章の勢いも変わってくるので、そういった意味でもかなり色の違う物語が楽しめました。

 

 

 

個性様々パラレルワールドなキャラ達

 

さて、上記のようにルートによって雰囲気はかなりガラッと変わり、目的地である白寿島の設定やキャラ同士の関係性も異なります。ルートによって異なる、いわゆるパラレルワールドです。

面白いなと思ったのがキャラの役割で、あるところで生意気役だったキャラが別ルートではいじられ役になっていたり、シスコン全開な彼が女性向け要員になっていたりと、かなり違いが出てくるんですよね。キャラによっては性別が変わるなんてこともあります。

あの全ルート共通の序盤からここまで差が出るとは、いやー驚きでした。ここだけ考えるとある意味この作品のキャラは一個人というよりキャストに近いのかもしれません。スターシステムとか好きな方にはしっくりくるかと思います。

 

 

 

リアル寄りの立ち絵とスチル

 

立ち絵自体はリアル寄り、化粧のあるなしや年齢差もばっちり反映されていてキャラの個性が掴みやすくなっています。会話文ごとに細かくキャラが切り替わるので、登場人物が多くてもすぐに誰が誰か把握できました。キャラの名前覚えられない性質なので本当ありがたいです。

中には特定のルートで数回しか見れないレアな立ち絵もあるので、意識して見てみると面白いかもしれません。

時折一枚絵が出てきて場を引きしめてくれます。恐怖を煽る不気味なスチルは勿論のこと、中には絶妙なワンシーンを描いたものもあり、つい見惚れてしまうこともありました。欲を言うならおまけで閲覧機能が欲しかった!

起動画面で放置していると流れるOPムービーや、ぞわぞわと嫌な予感を掻き立たせてくれるホラームービーも必見です。

 

 

 

効果的な文字変え演出

 

ムービーや一枚絵での演出も勿論素敵ですが、さらに印象に残ったのは文字の色替え演出でした。特にこの作品は真面目な顔をして――というかシリアスな展開でさらっと強烈な一文を入れてくることがあるので、そこが色替え強調なんてされていた日にはもう、吹き出してしまいます。

ギャグの面だけでなく勿論シリアスな演出としても上手く生きていて、例えば過去ログが黄色表示なのに合わせて回想を黄色文字にするのは、思わず膝を叩きました。上手い!

 

 

 

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

しっかりホラーなノベルゲーをやりたい、萌え要素よりリアル重視のグラフィックが好き、とんでも展開大好き、な感じの方々にオススメの一作でした!

 

 

なお、続編の記事はこちら↓

shiki3.hatenablog.com

 

 

追記では各ルートに関する感想など。

ネタバレ全開なので、ご興味ある方は追記よりどうぞ。

 

 

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フリーゲーム「ororor!」感想

「脱ぐか晒すか二つに一つ」

どちらも辛い前置き。

 

 

 

えー、今回はへもへもさんところのフリーゲーム「ororor!」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

年下の彼と爽やかデートしようぜ!な女性向け恋愛ものです。がっつりコメディを含む他、色々と面白い展開に飛んでいくので、広い心で何でも来いな方向けになるかなと思います。

 

というわけでさっそく魅力的な点など。

 

 

 

草食系男子×サバサバ系女子

 

主人公は自立心が強くて、けっこうサバサバしてる印象を受けました。こういう人が近くに居ると頼りになるだろうなあ、と思えるような感じ。一方で、デート前のそわそわな描写や、年上だからリードしなきゃ!と頑張っている様子はとっても乙女らしくて可愛かったです。

対する攻略対象は年下、草食系男子さん。こういうやんわりした雰囲気の男性が自分から距離を詰めようと頑張ってくれる姿は、なんというか、微笑ましくて照れますね!

ルートによって多少関係性は変わるものの、基本ヒロインが引っ張って、時々かっこいい・かわいいところにきゅんときて――な展開になっています。そういうのにピンとくるならオススメです。

 

 

 

ルートによって属性の変わるラブコメディ

 

雰囲気は全編共通して明るいラブコメですが、なかなかアブノーマルなルートがあり、選択肢によってかなり毛色が変わります。とはいえ、選択肢からなんとなく察せられるので苦手な方は回避できるはず。ここまで突き抜けてそっち方面に走れる展開は大変貴重でした。勿論しっかり乙女ゲーしてるルートもあるので、恋愛面でも糖度もばっちりです。

そしてこの作品の魅力として一緒に押さえておきたいのが、台詞の切れ味!これです。

詳しくは追記に格納しますが、とにかく、ここじゃないと見られないであろうセンスのある台詞が多くって、しょっちゅう笑いのツボにハマりながらプレイさせて頂きました。とても、とても楽しかったです。

 

 

 

ときめきたっぷりなスチル、ぷにぷにかわいいデフォルメイラスト

 

全体的に、甘ポップで爽やかな雰囲気のシステムデザインがまず好み。立ち絵も当然かっちりお洒落に決めて――――かつ変化球のびっくりものが待ちかまえているという、隙を見せぬ二段構えです。さすがである。見た瞬間吹きました。

ところどころで見られるデフォルメなイラストもとにかく可愛かったですね~。ドタバタコメディ感にばっちり合ってました。

スチルも、綺麗さに惚れぼれするものからニヤっと危ない笑みが漏れそうになるものまで、欲しいところをしっかり押さえて下さってます。目線のやり場に困っているあのスチルが大好きです…!

 

 

 

多様に充実したおまけ要素

 

まず、ゲーム内で攻略に詰まったらヒントが確認できます。一言ながらかなり的確。助かりました。

そしてクリア後のおまけとして、小話に加えて、まさかの四コマ漫画までついています。さらに立ち絵鑑賞モードには、本編だと見られないちょっとレアなものまで搭載されており、にやにやが止まりません。うへへ。

イラストもお話も楽しめる、どちら重視でも嬉しいおまけページでした。

 

 

 

 

 

 

とまあこんな感じで。

色んな意味でセンスのある可愛いラブコメものでした!

 

 

 

 

追記ではネタバレありの感想をちょこっと。ご興味あるかたはスクロール下でどうぞ。

 

 

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

shiki3.hatenablog.com

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フリーゲーム「反乱軍記」感想

「いざ反旗を翻す時!」

はためきすぎてもっかい表向きに戻る前置き。

 

 

 

えー、今回はMAKA BLOGさんところのフリーゲーム「反乱軍記」(http://www.freem.ne.jp/win/game/8406)の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

FE風、とよく称されるマス型の戦略シュミレーションゲーム。しかしながら独自のシステムも練り込んであり、シンプルで歯ごたえ抜群の一作でした!

 

というわけで、特徴など。

 

 

 

即時転職可能なシステム

 

いくつかある独自システムの中でも真っ先に挙げたいのがここです!

その場その場ですぐに最適な職を選べれるので、行動範囲や戦術の幅がぐっと広がります。が、勿論それは敵側も同じこと。回復職の懐に飛び込んだと思ったら近接攻撃職にチェンジされて返り討ち、なんて展開もあるあるです。

エムブレマー向けな説明としては、馬から降りるのと同じ感覚で転職ができてかつ同ターンの移動も行えるという感じ――と書いといて何ですが説明難しいですねw

移動・攻撃だけのシンプルなゲームと見せかけて、取れる行動の幅がめちゃくちゃ広い一作です。

 

 

 

どのキャラともずっと一緒!

 

もう一点挙げたいのが、キャラロストが無いこと! キャラに愛着湧きやすい私としてはこの仕様本当嬉しいです。倒れたキャラを抱えつつどきどきしながら次章に進み、またその子が戦線復帰してくれたこの喜びと言ったら! 良かったああああと叫びかけました。下手くそ軍師でごめんよー!

この点を利用して、やろうと思えばキャラを使い捨てにすることも一応、できます……。経験値の関係でもったいなくはありますが。

 

 

 

カスタム可能なオリジナル主人公

 

キャラに愛着ということで、続けて挙げたいのが主人公について。

ゲーム開始時に顔グラ・ステータス・レベル・職業を自由に選ぶことができます。これも単にカタログを選ぶようなものではなく、きちんとメリットデメリットも加わってきます。

どんなカスタムをしても詰むことはないと思いますが……レベル1でセイントorネクロマンサーを選ぶのだけはやめたほうが良いです、とだけ。

ちなみに私は力と速さだけに絞った魔術師キャラを作りました。俺TUEEEができてめちゃくちゃ楽しかったです! やっぱ自分で選択する部分があるといっそう楽しいですねぇ。

 

 

 

シンプルながらもあっと驚くストーリー

 

暴行蔓延る帝国に対抗するレジスタンス、そんな彼らに協力することにしたプレイヤー……という王道的な導入から話は始まります。

ストーリーやキャラの性格付け自体はとてもシンプルで、ゲームを進める最低限の動機付けとして添えられている印象です。印象でした。が! 終盤になるとこれがあっと驚かされました!

書きすぎるのも何なので、あとは追記にて。

 

 

 

 

 

さて一方、不満な点としては、

 

 

 

基本的な情報の不足

 

実を言うと、冒頭の主人公カスタムからちょっと戸惑いました。というのも、クラスごとの攻撃範囲がわからないので、こういうキャラにしたいっていうビジョンが立てづらいのです。

攻撃範囲がわからないのは本編でも同じく、キャラごとにどのクラスを選んでいるのか確認できはするのですが、向こうがその職になってみるまでどういう動きをするまでわからず対処の仕様がないという! こればかりはちょっと致命的でした……。説明書にもクラスの説明は乗ってないんですよねぇ。

他にも、水面は1マスずつ進める・草むらは進みづらい等々、マスごとに設定がしてあるようなのですが、こちらも情報をどこで見れば良いのかわからず困ってしまいました。

 

 

 

マウス移動と範囲選択が被る

 

マップの移動はマウスクリックで行うんですが、敵の行動範囲を見ている時にマップの端に隠れた部分を見ようとしても動作が被って見れないんですよね。

こればかりは仕様上どうしようもないのかなと思いつつ、やっぱりちょっと致命的。マス目を数えようにもマップの境目は数えづらいのです……。

 

 

会話中のSE

これは私の好みの話になりますが、ちょっとSEが甲高い音すぎて耳に痛かったので、数文字分SEを流したら後は止めるとかするだけでも随分印象変わるのではないかなあと思います。

 

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

戦略シミュレーションにはちょっと致命的なところもありはするものの、「やればわかる」でゴリ押しもできますし何よりミスした時のデメリットが少ないので、なんだかんだと言いつつ何度もチャレンジしたくなる一作でした。

 

追記ではほんのり攻略メモっぽい何かとか具体的な感想とか。興味ある方は右下よりどうぞ。

 

 

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フリーゲーム「消灯時刻」感想

「日々生き生き元気に行きましょう!」

それが空元気であれ、な前置き。

 

 

 

えー、今回は杏仁どーよ(http://anninhanare.web.fc2.com/)さんところのフリーゲーム「消灯時刻」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

全クリまで数時間ほどのBLノベルゲーム。

ですが恋愛事よりも、この世界設定や独特の雰囲気をどっぷりと楽しむ作品という印象でした。例のルートに入らなければ一般向けでも十分通じそうな気もしますが……どうなんでしょう。

ともあれ、魅力的な点など。

 

 

終末が定められている世界設定

何よりもビビっときたのはここ! 終末は絶対に抗えないという前提のもとで話が展開していきます。

穏やかに終わりを待つ一族も居れば、終わるのだからと好き勝手する輩もいて……それぞれの一族の考えや文化・風習の違いも楽しめます。まさに一つの世界が息づいている感じ!

特に、とある1ルートで明かされる世界の全貌には痺れました。少しずつ引っかかりつつも後回しにされてきた部分が、わっと一気に襲いかかってくるカタルシス。たまらん!

後日談が見たい、そんな気持ちを黙らせてくれるあのエンドタイトルも魅力的です。

余談ですが、消灯一族の言う、「火点し頃」「星宿し頃」っていう時間の呼び方が大好きです。雰囲気出てて良いよなぁ。

 

 

ほの暗い世界で笑顔が光るキャラ達

世界の滅亡を止めるとか抗うとかではなく、終わりまでどう過ごそうかと考える、この一般人な感じがとても好きでした。

消灯一族の方言バリバリな感じがほっこりします。「あほだーけ」はアホたわけ、かな? クリアした今となってはあの口癖が忘れられませんw

主人公含め主役級のキャラが皆、致し方ないことは目を瞑る大人らしさと、根っこの良い人らしさを併せ持っているので、展開としては悲惨でもどこか希望が残される気もします。悲惨でも。ええ。鬱展開ありがとうございます。どの子も、見守りたい・見届けたいと思わされるキャラたちでした。

キャラデザの民族調な感じも魅力的ですよね。立ち絵もポーズ変化が多くて生き生き感じられました。

 

 

 

気になる点としては、メッセージ履歴を見た後ゲームに戻る際、右クリックで戻ってしまうと文章が再表示されなくなることでしょうか。でもこちらも、素直に戻るボタンで戻れば支障はありませんのでご安心を。

 

あと、クリアした後は「かいそう」ページを見るのもお忘れなく! この世界観を一目で表す、ぞくりと切ない一枚絵が見られます。

 

とまあこんな感じで。

静かな夜や冬にプレイするのがしっくりくる作品だなーと思います。明るいけれどもの悲しい終末世界、ピンとくるなら是非ともプレイしてみて下さい。

追記からは各エンドの感想など。ネタバレがっつり注意です。

 

 

 

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フリーゲーム「オヒルギメヒルギ」「狢アウトサイド」「輸送艦ちぐさ殺人事件」「はてしない与太話」感想

「薄皮剥がせば悲劇の始まり」

人体も同じことな前置き。

 

えー、今回は猿合想海(http://ryohsargassum.web.fc2.com/index.html)さんところのフリーゲーム「オヒルギメヒルギ」「狢アウトサイド」「輸送艦ちぐさ殺人事件」「はてしない与太話」の感想を書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

感想文記事としては一気にアップしてしまいますが、どれも単独で遊べます。システムが斬新だったり、お話がトリッキーだったりするものが多い印象。

というわけで、さっそく各作品について。

 

 

 

 

『オヒルギメヒルギ』

【概要】

選択肢型の短編ノベルアドベンチャー。要素はコズミックホラー、ジャングルサバイバル、鬱展開、生物などなど。あんまりクトゥルフ知らなくても「狂気を引き起こすヤバイもの」って認識があればたぶん大丈夫。

 

【感想】

星、定義、ヒトゴロシ等々。

初めにキーワードをどんと持ってきて、探索が進むと共に意味がわかってくるこの流れが気持ち良かったです。段階を踏ませるのが上手で、次のプレイヤーの動きを読まれてる感じにぞくぞくしました。ED3とかね、ちょうど問い詰めに行こうとしたところであれだからね。震えます。

探索時間の配分も絶妙でしたね! ちょうど全部のピースを揃えたところで時間切れ!って時があって、いやーあれは熱かったです。

個人的に好きなのはED5。ああいう、どうしようもない暴力衝動にふらっとくる展開に萌えます。

そして、何よりも私が推したいのはおまけ部分!特に生物図鑑のあのノリがめっちゃ好きです。蟹さんの説明文にもう笑うしかなかったです。好き! また、おまけではノベル調でエピソードも見れます。キャラ重視心理描写大好きな自分には涎ものでした…! わぁいヤンデレヤンデレ

 

【小ネタ?】

このゲームは何周もうろうろして掴んでいくのが楽しいゲームだと思うので、これを書くのは無粋な気もしますが……。見つけてちょっと楽しかったので書かせて下さい。以下反転注意。

 

・特定の殺伐行為をし、かつ記憶が全然戻っていない状態でイヴに会うと、お世話を焼いてもらえる。わぁいおねえちゃーーーん!

・記憶が戻っていない状態で起こる山でのイベントはランダム?

・やまねこの解説を聞いておくと文章が追加されるポイントがいくつか

・やまねこをやっちゃっても灯りは手に入る

 

以上ネタバレ終わり。

 

 

【一言】

虫好きさん、狂愛好きさん、ゲームブックな感じの探索ゲー好きさん向け。

 

 

 

 

 

『狢アウトサイド』

 

【感想】

さくっと終わる一本道ホラーノベルゲーム。実は元ネタをまったく知らないまま挑んでしまいました。が、粋な感じの語り口調と薄闇広がる画面、雰囲気が出ていて良い具合のぞくっと感を味わえました。さりげなく“お嬢さん”の性格付けが感じられるのもにまにまします。

 

 

 

輸送艦ちぐさ殺人事件』

 

【概要】

犯人当てありの一本道ミステリノベル。要素は宇宙船、人造人間、連続殺人などなど。

 

【感想】

何より推したいのが、犯人当てのバリエーションです。トゥルーエンドに行った後、好奇心で色々試してみたら想像以上にがっつりと反応が返ってきて驚きました。

登場人物こそ多いですが、それぞれ個性づけがはっきりしているのですぐ馴染めます。キャラだと竜美君が好きです! ネジの外れた陽気キャラは良いものだ……。

事件どうこうも勿論ですが戦闘種族の価値観等々も興味深くて、色んな方面のツボを突っつかれまくりでした。

立ち絵はポーズ違いのもの含め全キャラ数種類用意されています。一応シルエット表示にもできますが断然立ち絵表示がオススメです。寧子の立ち絵が特にお気に入りでした。表情豊かさな子は立ち絵変化が映えますよね。ただ、あえて言うなら実里だけウィンドウに隠れちゃうのが惜しかったかなあ。

肝心の事件についてはネタバレに抵触しそうなので次項目で伏せ字にしますね。

 

【ネタバレ】

以下伏せ字。

タイトル!まさにタイトル!思わず拍手しました!

肝心の犯人当てについてはチャプター9辺りでようやく「犯人はまさか…!?」ってなったんですが、遅すぎかなぁw この手のゲームは他の既プレイの人にどこで気付いたのか聞きたくなりますね!

本編でキャラたち自身が論議して少しずつ可能性を狭めていって、キャラを通じてメタな説明を受け取りつつ唯一解へ辿りつく感じがとても気持ち良かったです。

あと展開としては、なんというか、見事に気に入ったキャラから退場していったのでぞくぞくしました。

子宮に脳を~等々、よくよく読みこむとえげつないSF兵器要素もあって、これがまた後々効くという。書籍の選択肢で見れる戦闘種族の情報や世界背景にも想像が膨らみました。

以上伏せ字終わり。

 

【一言】

ミステリ好きさんや、軍事兵器案などにうきうきする方へオススメ。

 

 

『はてしない与太話』

 

【概要】

“プレイヤー”が世界を救うメタフィクションノベル。

 

【感想】

なんというか、妖精が隣人で魔法があって魔王が居て勇者はいない、その手の王道ファンタジーが好きな人に(斜め上の方向から)勧めてみたい一作です。物語のおやくそく、みたいなものにピンと来る方向け。

システムとストーリーがパーフェクトに噛み合っていて、これぞゲームだよなあという感じがしました。プレイヤーの選択にお話が答えてくれるというか。難易度としては人によりけり、自分は即気付いた派ですが一切の事前知識無しで挑むとなると難しいのかも。

それでも飽きさせないようになっているのが、日付ごとにリセットされる会話と選択肢分岐の多さだと思います。全部の選択肢を試してみたかったので、なんだかんだとクリアを先延ばしにしてしまうなど。ごめんよ村長!

主人公のクーリート君が最後までしっかりとチョイ役らしいところもまた、味があって良かったですねぇ。ラストは泣くやら笑うやらで顔面が大騒ぎになりました。まったくもう! 時間かけてクーリートと話したかいがあったよなあとも思います。クーリート珍道中好評連載中。

具体的な魔法語が具体的過ぎるところや、幼女ステーキ、破壊的リズミカルノックなど、到底忘れられそうにないスペシャルワードやが飛び交うのも見どころです。尖った文章が叩きこまれるこの快感、これだからフリゲはやめられませんね!

 

【一言】

物語が好きな方、世界を救いたい奇特な方へ。

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

気持ち良い!と思えるゲームばかりで楽しかったです。

 

余談ですが『少年と少女の真実』があまりに難しくって未クリアだったりします……我ぞクリアせし者、という方の感想をお待ちしてます。

フリーゲーム「白狼恋歌」感想

「舐められたくないけど甘やかして欲しい」

複雑乙女心な前置き。

 

 

 

えー、今回はPhysical Room C.S.K.さんところのフリーゲーム「白狼恋歌」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

前作「白狼隊士記」

shiki3.hatenablog.com

の続編ということで、前作既プレイ前提の文章になります。興味が出てきた方は前作品の記事を覗きにいってもらえると嬉しいです。

 

 

というわけで前作との違いなど。

 

 

 

女性主人公、ほんのり恋愛要素あり

前作が男主人公で友情と熱い展開が中心だったのに対し、今作は女主人公(ヒロイン)で、恋愛な雰囲気も楽しめます。

共通ルートの間に攻略キャラを決めることになる分、想いを募らせる日々云々の恋愛的な心理描写は薄めです。しかしながら、前作同様章ごとに各キャラがメインを張るため、「このエピソードで彼に惚れた!」というポイントは掴みやすいです。要は、シンプル王道で妄想が捗るストーリーな印象でした。

エンド数の多さは健在、ほのぼの寄りなのも同様です。大筋が決まっていた前作と比べ、今作では後日談のバリエーションがキャラごとに変わってくるので内容がより濃くなっています。

 

ただこれ、私としては一点気になるところがありまして。ネタバレになるのでそっと追記に畳んでおきます。とりあえず、前作で気になるキャラがいた方や恋人未満くらいのほんのり淡い恋愛要素を楽しみたい方向けかなあと思います。

 

 

 

細かく種類の多い会話選択肢

また今作では、共通ルート内でも会話分岐がたくさん仕込まれています。選んだ選択肢によってキャラの好感度が上下することも。選んだ後はSEが入るので、その場ですぐ正否がわかるのは助かりました。

選んだ内容によってヒロインの反応も変わってきます。初めはなるべく好印象の選択肢を選んで真面目で一生懸命なヒロインとして頑張ってもらっていたので、二周目以降であえて選択肢をミスした時の不真面目ドギツイ台詞にぎょっとさせられましたw

選択を外しまくっても章最後のキャラ選択を一貫させていれば目的のエンドに行けるので、難易度も易しめです。

 

 

戦闘難易度の引き下げ

負けイベントや戦闘中断イベントは健在ですが、是非は前作で熱く語ったので割愛。

ポイントはボス戦、かなり強さが軟化されています。刀のレベル上げさえしておけば雑魚敵を避けまくっても十分安心できるくらいです。一方で、呑気に通常攻撃だけしてるとやられちゃう程度には固いので、普段RPGしない人にちょうど良いくらいの難易度になってるんじゃないかなと思います。

雑魚敵のシンボルシステムも少し変更され、倒すと敵が一時後退するようになりました。ただ、後退した敵が行き先を塞いで結局再戦、ということがしばしばあったのでちょっと残念だったかなと。レベル上げがキーになるゲームなら無限湧きもありがたいんですが、このゲームはストーリー進行で勝手にレベルが上がってくれるので……。

とはいえ、ストーリーを考えると今作は説得メインな印象だったので、難易度が下がったのも物語の流れに合ってるなー、なんて。

 

章ごとに入れられるスチル

キャラの立ち絵は一新され、さらにほぼ毎章スチルが挿入されるようになりました。さらに加えて、ミニゲームで特別な一枚絵も鑑賞できます。

長屋がなくなった代わりにセーブがいつでもできるようになったので、ひょっとして章ごとのアイキャッチもなくなったのかなあとどきどきしていましたが、こちらも健在でした! これは嬉しい。このシリーズのアイキャッチ大好きなんですよね。

9章アイキャッチが特にお気に入りです。

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

前作のおさらいが序盤にあるので単品でも遊べるとは思いますが、両方遊んでおくとより味わい深くなるのは確かです。

恋も戦も頑張るような感じのストーリーが好きな方に向いてる一作でした。

 

 

 

追記ではネタバレ込みの感想。

ご興味ある方はどうぞ。

 

 

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フリーゲーム「白狼隊士記」感想

「健全な精神に恋愛は毒です!」

ひとまず後回しにしていきたい前置き。

 

 

 

えー、今回はPhysical Room C.S.K.さんところのフリーゲーム「白狼隊士記」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

ツクール製の和風アドベンチャーゲーム。全体的な雰囲気は女性向けですが、恋愛要素はほとんどなく、ストーリー自体は少年漫画さながらの熱い展開です。なので一般向けとして紹介したいところですが……作中の女装シーンやクリア後のおまけwebページのことを考えるとやっぱりBLゲーな気もするので、うーん。両方いける人向けってことになるのかなー、なんて。

 

とりあえずジャンルについてはさておき、魅力的な点など。

 

 

 

 

システムとストーリーがぴったり噛み合う演出

 

真っ先に挙げたいのがこの演出面です。

話を聞く時はノベルゲー調、妖怪退治をする時はキャラを操作してフィールドを駆けまわれるように、聞き込みをする時は場所を選択してシティアドベンチャー風に、などなど――とにかくあちこちのシステムとストーリーがぴったり噛み合ってるんですよねぇ。

確かにRPGとして見るのであれば、負けイベントが多かったりキャラクターの強化タイミングが限られていたりと、少々気になる点もあります。が、むしろそれはこちらの見方が間違っている!と断言したい! あくまでバトルも演出の一部であり、求められているのは敵に勝つことではなく主人公のストーリーを見届けることなのです。

そういった意味で、一貫して演出重視の一作だったなーと感じました。

 

 

 

読むだけでなくしっかりプレイできるADV

 

さて一方で、ただストーリーを見るだけでなく、きちんとしたゲーム要素も揃っているのがこの作品の良いところです。気を抜いて遊んでいると、序盤の聞き込み捜査で焦ることになるかもしれませんw

レベル上げのタイミングは少ないですが、その分、武器の強化が重視されています。毎章1レベルずつは最低でも上げておかないと戦闘は厳しいかもしれません。ラスボス戦ではそれこそ手に汗握る難易度の戦いを楽しめました。

また、金魚すくいなどのちょっとしたミニゲームも搭載されています。アクション苦手な自分はこれがなかなかw いつかは黒虎隊の皆さんに褒められるほどの腕前になってみたいものです。

 

 

 

四季と共に巡る熱く感動のストーリー

 

妖怪による事件の解決から始まり、不穏な黒幕の登場、そして仲間の危機と終結。全体的な流れがもうすごく、少年漫画の王道だと思うんですよね。期待する熱い展開に全力で応えてもらえて嬉しかったです。お約束の主人公覚醒展開もありますしね!

一方で、幕府内の力関係や組織図、諜報活動等々の設定部分もきちんとしていて、純然としたお話としても読みごたえがありました。終盤でさりげなく情報整理パートがあったことにも感動しましたね!プレイヤーへの配慮がありがてぇ……二周目用に整理を飛ばす選択肢があるのもまた助かりました。

さらに挙げたいのが作中で細かく表現される四季の移り変わりです。章初めの花の種類に始まり、サブキャラとのさりげない会話などに季節感が出ていて、和ゲーをしてる感がひしひしきます。四季の移り変わりに沿って物語が進み、キャラクター同士の親密度が深まっていくのも嬉しかったです。

 

 

 

お気に入りパートナーを選べるマルチエンド

 

さて、これだけしっかりしたストーリーに加えてマルチエンドと来るんですよ皆さん。しかもまさかの12種類。おったまげました。

物語の基本的な流れは同じですが、エンドだけが変わるのではなく終盤以降から選んだ相手がパートナーとして活躍してくれる他、中には追加イベントが起こるキャラもいます。

友情モノや熱い信頼、家族愛などにぐっとくる方は特にビビっとくるんじゃないかなー、なんて。

 

 

 

こちらのプレイを察するかのようなサポート

 

セーブがある程度制限されてはいますが、これがまた良いタイミングで入ってきてくれるんです。物語の区切りにびしっと合わせて、プレイ時間としても丁度、いやぁ大変助かりました。

展開上、街に行けなくなっても必ず仮の休憩施設や回復アイテム補給所ができているので、詰むこともありません。帰還不可の場合は事前に警告までしてくれる親切設計です。

次の目的地等もわかりやすく、誘導もスムーズ。プレイヤーの動線を読まれているかのようにすいすいイベントが進んだのでとてもやりやすかったです。

とにかくプレイヤーに対して親切なシステムづくりでした。

一方、立ち絵の表示や矢印の速さなど、動きがもっさりしているところもあります。ただこれが高速化してもそれはそれで雰囲気が出ないと思うので、うーん。ここばかりは一長一短ですねぇ。また、周回プレイをするとなるとどうしても不便なところは出てくるのですが……こればかりはツクールの仕様上仕方のないところもありますし、全クリにさえこだわらなければ楽しくプレイできるかと思います。

 

 

 

種類豊富なグラフィック

 

まず驚きなのがモブキャラを除く全キャラクターに立ち絵があること。しかもキャラによっては複数種類があって、最後まで見飽きることがありませんでした。勿論表情変化も完備です。なんて細かい仕事なんだ……!

また物語の区切りに出てくるアイキャッチも章ごとに違っています。これの何が嬉しいって、ロードした時にどの章をプレイしていたのかが一目でわかることなんですよね。もちろんセーブデータに章名はあるんですが、数字一つ書かれているのと、その話のメインキャラが一発でわかるのとは記憶の蘇り具合が段違いです。そういう実用的な面でもありがたい配慮でした。

 

 

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

これからプレイする方には、特にこだわりがなければ実時“以外”をパートナーに選んでクリアすることをオススメしたいところです。おまけシナリオの実時ルートがデフォルトで開いていたり、場面上、替えのパートナーが必要な場面だと実時が来てくれるので……。

勿論、実時のキャラにピンと来た方はそのまま彼に一直線して頂ければと思うんですけどね! いやー、実に良い上司ですゆえ。

あと、お祭りはチカちゃんと回ると終盤のストーリーがより自然に見えるかなあと思います。

と、書いても未プレイの方には何が何やらかもしれませんね……w

 

何にせよ、昔ながらの名作と噂なだけはある一作でした。

現在はリメイク計画が進行中、らしいのですが。続報に期待ですね。

 

同作者様の他フリーゲーム感想↓

shiki3.hatenablog.com

 

 

さて、追記にはネタバレがっつりで、私が攻略した範囲でのキャラの感想などを書きますね。ご興味ある既プレイの方は続きよりどうぞ。

 

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