「信用してるからこそ距離はまだ詰められない」
君の怖がりなとこもまとめて知ってるからな前置き。
えー、今回はtyさんところのフリーゲーム「キサホカ!」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
男女恋愛、ほのぼのときめき短編ノベル。
過去記事でシリーズ3作品を一気に紹介しましたが、個人サイトにてこっそり続編が出ておりましたので、大喜びでDLしてきました(現在サイトは閉じられていますのでご了承ください)。
シリーズ共通の良さは今回も健在!
前回の記事でも述べましたが、
- どのデバイスからでもプレイしやすい配慮と操作性
- テンポよい会話劇とグッとくる〆の一言
- ここでこそ出会える個性的ヒロイン
- ↑に手を出そうとして出しかねてる男性陣の距離感
辺りがやっぱりポイントです。
というわけで以降はネタバレ全開で、追記に格納しておきますね。くっつきそうでくっつけない、友達以上恋人未満な関係が好きな自分にはぴったりでした!
同作者様の他フリーゲーム感想記事↓
ネタバレ注意!
全体的に、エンドの三文がどれも痺れましたね!!
いやもう本当にどのエンドも、端的にグサッと乙女心をついてくれるんだこれが。ほのぼの→ほのぼの→えっあっ(ときめき)みたいなのに弱いです。
・スーちや
過去作品の感想で「恋人を求めてるわけでも聖女を求めてるわけでもなさそう」みたいなことを書いたんですが。今回、ひたすらちやこにぱくぱく食べさせてるのを見て、あ~やっぱりそうなんだなーと再認識しました。
スーくんのする恋愛とは別の枠の恋愛にちやこちゃんを置きたいのかなあ、みたいな。割引券をくれた子もきっとスーくんが好きだからあげるんだろうし、何でもかんでもあげたくなっちゃう関係って言えば全く同じはずなのに、ちやこちゃんと割引券の子はもちろん違うわけで、うわああもう恋人の定義って何なんだろうな的な。
とりあえず、スーくんはちやこちゃんの隠し事ができない性質に救われているんだろうなあとたびたび思います。
いやなにが良いって速度重視ルートのスーくん視点のラスト一文よ。ぶち抜かれました。あ、あ、愛情表現……!!
なんていうか、幸せになって欲しい男ですね。ほんとうに。
・サネちや
サネちゃはほんとに少女漫画主人公ですよね~~~!!
ラッキースケベが似合う男。ごめんなちょっと不名誉に聞こえてしまうな。でもそう思います。許してくれ。
こう、七転び八起きな心理描写ににやにやしました。ちやこには気づかれたくないし実際綺麗に取り繕えるんだけどいっそ気づかれてしまいたいしもうちょっとお前はもう!!!みたいなあれ。
ちやこちゃんもサネちゃんもお互い一人でおろおろぐわんぐわんどったんばったんする人ですよね。表にでるか出ないかの違いがあるだけな気がする。そしてそのたった一つの違いがめちゃくちゃでかすぎる気もする。
お膳立てに気付いても固辞しないところがさりげなくツボでした。ちゃんとありがたく貰えるものは貰うし、それだけでは気が引けるだろうから対価を求めるっていうスーくん側の気遣いもきっちりわかってそう。見てて安心感があります。でもだからこそ人から線を引かれそう。
器用なのに不器用なひと、って感じがして、たまらなく愛しさがあります。
・ムツちや
慎重ルートがすごく、こう、いじらしさにグッときました。
なんかねえ、他二人と比べてムツのルートはちやこちゃんの劣等感がすごく前に出てるなあと思うんですよ。「完璧なムツの傍にいるために、ちょっとでも立派な先輩になるぞ!」っていう気負いをすごく感じてしまう。そのちやこの一生懸命さは、微笑ましい以上に痛ましく感じるところがあり、すごく「んんんん!!!」ってなります。
なので、キャラとしてはムツが一番ときめくんですが、CPとなるとすごく、すごく難しい感情を抱いてしまう人です。
なにがしんどいってムツ自身が気にするなって言っても絶対ちやこは気にする、どころか、もっと肩ひじ張ってしまいそうなところ! だからこそムツは頑張って頑張って頑張って忍耐強く外堀を埋めようとしてるんだろうなー、なんて。
で、こういったムツの労わりを、「手を撫でる」っていう描写一つで収めてしまうのがすごいんですよね……。
うーんやっぱり、作品なぞるだけの感想になってしまうな。そのくらい、二人の関係性がしっかりとかつ添えるように伝わってくるルートでした。
今作はスーくんのエンドが特に好みでした! 幸せの形は柔らかいものであってほしいなあ。
ちやこちゃんがいつか臆さずに恋愛なるものへぎこちなく触れてみる展開も、脳内でそっと膨らませつつ、この辺で。