うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「純正優男Sweet&Bitter」感想

「優しいあなたに代わって私が、道を切り開いてあげましょう」

陽を目指すか穴底行きかは気分次第の前置き。

 

 

 

えー、今回はspice+さんところのフリーゲーム「純正優男Sweet&Bitter」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

ヒロイン1人につき攻略対象3名、合計6つのストーリーと12個のエンドが楽しめる短編ノベル乙女ゲー。学園もの。

 

novelgame.jp

 

というわけで、良かった点など。

 

 

 

しっかり個性有りヒロイン

 

SweetBitter、2つのルートが楽しめる本作。攻略キャラもストーリーも別々なので、実質2作品が収録されてる感じです。

Sweetはパワフルヒロインによる明るくポップなブコメBitterは拗らせヒロインによるスリリングな恋愛話。どちらも味は違えど一貫した色が見えて楽しかったです!

 

ちなみにヒロインたちはガッツリ個性有り

それなのにしっかり共感できるんですよ! 確かに、Sweetヒロインは過去と勢いが凄まじいですし、Bitterヒロインはいわゆるイイ性格っぷりがなかなかにアク強めではあります。リアルな女の子というよりは、やっぱりキャラクターという感じ。

でも、例えば。

憧れの女の人を見て、私もこうなりたい!と思う気持ちとか。優しい言葉をかけられても、心に余裕が無いと逆にカチンと来てしまう時とか。

そういうちょっとしたシーンでの共感力がすごく高いので、感情移入もときめきもしやすかったです。

キャラクターとして見たい方も、自己投影したい方もオススメ!

 

 

 

的確な内面分析

 

どちらのヒロインでもどのルートでも、モノローグで「つまりこの人はこういう内面があったのね……!」と気づくようなシーンがあるんですが。同じようなストーリーラインでも、見え方が全然変わって、すごく興味深かったです。

Sweetルートは、猪突猛進なヒロインが親密さを上げるためのきっかけに。Bitterルートは、小悪魔ヒロインが相手の隙に入り込んで虐めるきっかけに。同じ「相手を理解する」でも、意味が真逆という末恐ろしさよ……。

 

 

 

優男へのこだわり

 

作中でも語られる通り本作の優男は、「病まない! 豹変しない! 腹黒じゃない!」のこだわりをモットーとして作られています。本当に「優しい」攻略対象ばかりです。

一方で、Bitterルートが用意されている通り、ちょっと危なかったりダークだったりする展開もしっかりご用意されています。軽率にキャラを崩壊させるのではなく、圧倒的なストーリー力で病み闇展開を生みだせるこの手腕……! 惚れ惚れしました。

優男にだってスリリングだったりロマンティックだったりする展開はできる! 優しくたってときめける! そういう魂の叫びを感じる一作でした。

優男にも色々あるんだなという気づきも得られた作品です。

 

 

 

珍しくも嬉しい要素

 

注目したいのが、「女攻め」「悪女」エンドが存在する点!

注意書きにこういった要素がある作品はあれど、ガッツリ前面に出してる乙女ゲーはやっぱり堂々としてて嬉しいです! というかこれらが「注意」になっちゃうのが寂しいなと常々思っているので、「あります!!」とお出ししてもらえるのはすごく元気が出ました。

も~、全世界作者様におかれましてはマジで自信もってお出ししてほしいしプレイ専としても守られて頂きたい!

なお、苦手な方は避けられるのでご安心。詳細は次項目へ。

もちろん、これらの要素のないノーマルなエンドでも健全にラブコメ楽しい作品です!

 

 

 

苦手な方へオンオフ機能

 

驚きなのが地雷属性回避システムです!

なんとこちら、苦手設定をオフにするとストーリー展開が一部変わったり、特定のキャラが登場しなくなったりします。

作者様がいくら注意書きしても公式サイトに回避方法が記載されていても、なおクレームを付けるとんでもないプレイヤーがやまない昨今……。いっそ作品の方からお断りしてしまうというこの対策、実に感服でした。

ヤンデレの代わりにメンヘラ化すると聞いてオンverとオフverを試してしまったのも良い思い出。ヤンデレについてはちょっとしたサブ要素程度ですが、近親恋愛と女攻めはガッツリルートやエンド自体が削除されるので、苦手な方も必見かと。

この設定画面も、乙女ゲー!って雰囲気たっぷりでそこも好き。ゲームスタート時からわくわくしました!

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

優しい男の人が好き! でも刺激的な展開も好き! そんなあなたにおススメです。

 

 

追記ではネタバレ感想。

 

 

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

 

 

 

ネタバレ注意!

 

 

 

各キャラクター感想

エンド内容までガッツリネタバレありです!

 

 

最上織音

 

デフォルト名で失礼。Sweetルートのヒロインちゃん、我らがゴリ音様!

過去話はぎょっと驚かされましたが、このパワフルさにものすごく勇気づけられました。パワフルで綺麗な女の子って、見てるだけで「私もがんばろう……!」ってなれていいですよね。そして織音ちゃんもそういう動機から自己改革を頑張ったんだろうなと思うので、前述したとおり、シンクロ率がすごかったです。共感。似てないけどすごくわかるみたいなやつ。

手をバッと横に広げるあのポーズが好き。

何より、共通ルートの「今日も前に進むのみ!」の決め口上がめちゃくちゃかっこよくて大好きです。

 

 

 

鯉川

 

蛙化現象、個人的にちょうどタイムリーな話題だったので奇遇だな~となりました。気持ち悪いの意味が本来の蛙化現象とだいぶ違っていて、「体調的に?!」と、驚きはしたものの。問題の暴露と解決の流れがすごくきっちりしてて丁寧なストーリーだったように思います。

ルートの冒頭から「臆病だから」みたいな自己卑下がちらちら出てるの、短編でもしっかり伏線が敷いてあって丁寧でしたね~。

 

表エンド

そこ?って感想になっちゃいますが、作中のギャルゲーのパッケージがぱっと見でこの子こういう属性なんだなっていうのがわかるデザインなの素晴らしいなと思いました。プロの諸行。

言わないで、想像させて?のくだり、もうとんでもない色気のある口説き文句で思わず叫んでしまいました。か、かかかかっこいい!! リアルでもフィクションでも恋愛経験なしでこれが出てくるの、素の色男って感じで、震えました……。

 

裏エンド

女攻め扱いだとは思うのですが、どちらかというとカウンセリングの要素が強かった気もします。鯉川先輩があくまで受け身なだけに留まらず、心の中ではお互いがお互いに向かって猛進するような形で収まるからかもしれません。

スチルの力強さ、好きです。

 

 

 

織人

 

そ、その発想はなかった!!!

姉弟モノのフリゲはそこそこプレイした自負がありますが、まだこういった斬新な関係性に出会えるのかという感動すらありました。ありがとう、様々な可能性をありがとう……。

姉に対する感情の語りが、オタクにとってとても分かりやすくて笑いました。わかる~……壁願望わかる~……。一方で、「萌え」という単語をちょっと使い慣れていない感じが、今どきのオタクって感じでしみじみするなど。

ポーズがちょこちょこ織音とおそろいなの、姉弟感が強くて好きです。

 

表エンド

納得かつ王道? このキワドイ展開が姉弟という禁断感と合わさって、興奮度が爆上がりしました。やってることは全年齢なのにこちらの気持ちがR-18になっちゃう感じ……。てれてれ……。ギリギリのラインが一番センシティブみたいなところありますよね。

 

 

裏エンド

こちらは背徳全開押せ押せエンド! 押したはずの織音が弟に押し返され、ころんころんと仲良くくんずほぐれつ……そんな妄想が掻き立てられる展開でした。にやにや。

織音が攻めに転じる話の持っていき方も斬新。さらに、エンドの〆の一言がバシッと決まっててずるい! 裏のはずなのについお幸せにと言いたくなる微笑ましさがありました。

 

 

 

涼介

 

このルートから入ったので、織音の過去に「そうだったの!?」と叫ぶことが多かったです。でもおかげで過去のエピソードから今に至るまですんなり理解できたので、ここから始めて大正解だったかも。

 

表エンド

おかんか!の流れに笑ってしまいました。良いなあ、愛だなあ……。

天然さがいいですよね。彼なりの思考で一生懸命、織音ちゃんのためには何をしたらいいかな、何ができるかな、ってずっと考えながら過ごしてくれてたんだろうなあって感じがしてとてもあったかい気持ちになれました。

彼をときめかせちゃうぞ!って言っちゃう織音ちゃんがもうかわいい。どんだけかわいいこと言ってるのか自覚してなさそうなのがまたかわいい。この幸せ者め~! 素直に拍手して応援したくなるルートでした。

 

裏エンド

こちらはヒロイン攻めルート。彼がなよなよしくなってしまうのではなく、こう、押されてドキドキしつつも男の人として興奮もしてくれている感じが最高でした。眼鏡オンオフがエンドによって分かれてるのも良い……。

織音への理解がパーフェクトなのも良いですよね! グイグイ来られちゃうんだろうな、と理解したうえで受け入れちゃうの、なんかすごくえちえちで好きです……。受け入れてあげるっていうの、最上級の愛だなって。

 

 

 

安純

 

Bitterルートのヒロイン様、まさにイイ性格をしている彼女。傍から見ているとうわあ……と思うものの、自分はむしろ織音よりも安純寄りのメンタルをしていると思うので、納得はありました。

あ、加虐心スイッチ入ったな。と思される表情差分がものすごく絶妙! 意地悪い笑顔が上手い……。

同じ勢いのあるヒロインでも、安純は自分の欲求一直線!な感じが駄々洩れてて、その正直さがすごい愉快でした。

 

 

 

文月王子

 

全体的に、文月ルートというより四角関係ルートな印象……? 文月がヒロインへ想いを寄せるきっかけは語られましたが、そこからヒロイン自体も支えてあげたいと思うところまで繋がる経緯がもう少し知りたかったかな、とは思います。むしろモブのはずの黒髪少年のほうにスポットが当てられてたかも。

 

表エンド

三角関係が無事になんとか丸く収まりました!エンド。文月王子の意外なギャップがたまらんですね……。優しいと漢気は両立できるんだなとしみじみさせられたエンドです。

 

 

裏エンド

ずばり、逆ハーエンド!

いやあもう見てて気持ち良くて気持ち良くて……。「幼馴染っていいなあ」からあそこまでドロドロになっていくなんて、ゾクゾクしました。羨ましい気持ちまでは共感で、そこからはドラマっていう感じ。

エンド絵が本作の中で一番好きです……。黒髪少年の表情が怖いのにいじらしくてすごく好きです……。

 

 

 

皆瀬悠輝

 

これはそういう感情も狙って作られてると思うので、あえて言葉を選ばず書きますが……。

彼の優しさ、ものすんごい、腹立つんですよね!!!

ピュアで、人に手を差し伸べることを良しとしていて、彼にとっては全人類が良い人。そこにもう無自覚な傲慢さと押しつけがましさがあって、しかもそれは善行だからその腹立たしさに彼自身が一切気づいてない。いや~~~もうたまらん、めちゃくちゃ好きなキャラ造形でした! 作中にもある通り、「愚か」です。良いなあ……好きだなあ……。

こういう見方をしてしまうところからも、私がBitterルート向けの性格してるのはわかりやすいですね~。

 

表エンド

まさかの敵対関係にニヤニヤしました。安純、おそろしい子……! 仮に彼の静止をかいくぐってクラスの支配ができたとしても、いつも失敗ばっかりと言っていたからには、この女王様計画もどこかでうっかり失敗してしまうんでしょうか? そうなってからどうなるのか、また優しさにつけ込むのか……その辺りも妄想膨らむエンドでした。

 

裏エンド

イッチバン好きです!!!

人前でやっちゃうしたたかさも、例え優男であろうとそんな無茶振りに応える度胸と思いやりがあるところも、全部堪能できて最高でした……。このエンドだと皆瀬君がどれほど頑張ろうが、クラス崩壊は避けられなさそうで、良いですね~。

なんだろうな、「見せつけてやる気持ち良さ」「優越感」「独占欲」「支配欲」全部盛りでめちゃくちゃゾクゾクさせられるエンドでした。やってるのはキスだけなのにものすごくドキドキしちゃった……。

 

 

響也

 

下睫毛ふぁさふぁさイケメン!!

なんかこう、おどおどしてる人ってもっと容赦なくぶっ叩きたくなる謎のあおり力があるじゃないですか。それが大いに出てるキャラクターで、安純のコンプレックスの深堀も含め、良いルートでした。

 

表エンド

ぬいぐるみでも何でもどんとこーい!の勢いの良さ好きです。ああ昔はこういう感じだったんだろうなあとしみじみ。

余談。先に裏エンドを見ていたので、「おどおどしてるけど頑固者」というところでハッとしました。そうか、それでもヒロインが一番大事だから裏エンドではこうなったのか……と。

 

 

裏エンド

なんでも言うこと聞いてくれるでしょ?エンド。

こういう、罪悪感を餌に延々とせびる展開大好きです……。終わりがない、底抜けの奉仕にしかなり得ないので。えぐくて好き……。響也がまともな倫理観持ってるのがわかるからなおさらです。

もう少し上手な甘え方を知ってたらよかったのにね。お互いが……。

 

 

 

 

とまあ、こういう感じかな。

 

総括としては、

 

Sweetルート

・ヒロインかわいい、応援したい

・涼介好き!!!

 

Bitterルート

・ヒロイン見てて気持ち良い、観察したい

・皆瀬裏エンドと文月裏エンド好き……

 

でした!!