うそうさ〜第二号室〜

フリゲ・鬱展開・ヤンデレ 万歳!

フリーゲーム「舐犢の玉座(しとくのぎょくざ)」感想

「強制しては物足りない、苦悩こそ人の心なのだから」

あなたの最も大切な椅子を私に譲ってこそ意味がある前置き。

 

 

えー、今回はトゥールモンド(うにか)さんところのフリーゲーム舐犢の玉座(しとくのぎょくざ)」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

 

長編、エンド分岐あり、エログロたっぷりのR18ノベルゲーム。

これはもう公式Twitterの紹介文が最も求心力があると思うので、引用してしまいますね。

 

プライドの高い19歳男の心が折れる瞬間を間近で見よう!!!!」という響きに惹かれてプレイしました。最高でした。ありがとうございました。

 

とはいえ、決してチープなB級には収まらない本作。

とにかく深みのある物語ということで、以下、がっつり語っていこうと思います。

というわけで、良かった点など。

 

 

 

 

区切りの明確な上位者の物語

 

ヒトの負の感情を食らう、人間に似た形をした上位種族たち。

そして彼らが形成する、絶対的な階級社会。餌である人間、奴隷、平民、貴族……最上に位置する父様。お互いに蹴落とし合いながら、しかし、父様だけは必ず圧倒的な存在として頂上に鎮座している……。

まずもうこれらの舞台設定が大好きです! フィクションダークファンタジー身分制社会みんな好きだろ! 私は好きです!! 奴隷牧場的なものがナチュラルに登場します! うおお~!!

 

主人公のスカロは果たして成り上がり、貴族の仲間入りができるのか?

はたまた、不相応にも高みを見据えたその鼻っ柱を殴られるのか?

その辺りは、実際にプレイしてみてもらうとして。

 

皮肉たっぷりの貴族的な社交や、どれだけ腹立たしい相手にもおもねなければ生きていけないシビアさなどなど、全体を通して常に緊張感のあるお話でした。どっぷりダークで、最高……。

 

 

 

性別も関係性もしょせんただのラベリング

 

男受け、と紹介されている本作ですが、関係性は多岐に及びます。

というかですね、性別の組み合わせがわざわざ言うまでもないものとして扱われてるんですよ。男同士だからどうとか、近親だからどうとか、逆に女だから色っぽいとか、もうそういうまどろっこしいのがスパーンと省かれてます。真なる自由はそれを主張しないところから始まるといえば良いのか。この潔さと心地よさよ!

 

そんなわけで、本作の関係性はかなりフリーダムです。男×男、女×男、男×女、疑似的ふたなりや機械姦も序の口

この感じも、なんだか、人間とは違うルールで生きてる感じがして好きなんですよねえ。圧倒的上位者っぽさ。混沌。

 

また、プレイだけでなく、心の繋がり方としてもここは必見です。

複数あるエンドのうちのどれもが、何とも言葉で言い表しがたい関係性を成して終わります。恋人と言いたいけど言い難い、戦友と呼ぶほど熱っぽくはない、などなど。

すなわち、一言で言い表せない複雑で激重な関係性

こうしてまとめてしまうのも、我ながら歯ぎしりしたくなるくらいには、もうね、筆舌尽くしがたい感情がギュギュっと濃厚に詰まっているお話です。

攻略対象という表現すらもちょっと違和感があって、使うのをためらってしまうような……。

未プレイの方にはぜひ、このどろどろとした感情の煮凝りを堪能していただきたく思います。

 

 

 

尊厳を効率的に貶めるには?

 

凌辱描写がすさまじい。

この点は大きな特徴であり、推しポイントであり、そして誤解されやすい点とも思われます。そして、本作のファンとしては、よくあるB級エログロものとは一線画すぞと熱く主張して行きたい……!! 気楽に手を付けて物語のクオリティで殴り返されるという体験も、また乙ではありますが。

 

さておき、本作のエログロは本当にすさまじいです。

精神的にも、肉体的にも、いろいろな意味で破壊されつくします

中でも上手いな~と感心してしまったのが、手心の加え方。労わるために飴を与えるのではなく、突き落とすため。いやいやもっと言えば、自ら崖へ落ちに行ってそれを笑って喜べるようにさせるため?

調教とはかくあるもの。心に焼き鏝を仕込まれるようなシーンが多かったです……。それが良い……。

 

加害側もそうですが、その仕打ちを受ける側の描写も上手いんですよねえ。一緒になって息が詰まりそうになるくらいには、魅入りながら読みました。

思考も動作も自縄自縛に陥るさまがな……迫真なんだよな……。

あっこの状況ヤバイな、と思うことはあれど、そこから抜け出すルートが見当たらないまたは見つかってもよりヤバイことになる未来しか見えなくて、実に恐れ慄き興奮しました。詰んだ詰んだ♪ ✌(死んだ眼)

 

 

 

肉感のあるエログロ

 

グラフィック面で注目したいのは、肉感!

R18ということで全裸のシーンももちろん多々あるんですが、スチルがもうね、すんごいです。マジョラムの少年ならではなぷにぷにした肉、ヒメノの豊かでグラマラスな肉、等々……。スリムなキャラでもきちんと皮な部分と肉詰まった部分が描き分けられてます。

なんだろうな、ちゃんと「脂肪」って感じがいいんですよね。グロが映える感じの描き方。風船っぽい感じの表現じゃなくて、ちゃんと肉屋さんの肉って感じ。「恋と罪」でも書いたかな?

ヒメノが肉付きの良さに合わせてちゃんと腹回り足回りもどっしりしているところ特に好きです。

 

加えて言いたいのが、立ち絵差分の多さ!

単に表情チェンジするだけじゃなくて、ポーズが丸っと変わる立ち絵が実はけっこう多いんですよね。これ、ものすごく手間と労力を賭けてるんじゃないのかな……。

ストーリー構成もそうですが、こういうグラフィック面もすごく丁寧に作られてて素敵でした。

なお、スカロが躍るようなポーズで戦ってる立ち絵が一番好きです。率直に言えば、お尻の引き締まり具合に興奮した!

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

ダークな世界観をお求めの方、エログロ耐性がある方、複雑に心乱れる展開を叩き込まれたい方、とにかく刺さる人には全力で推していきたい作品でした!

 

 

普段なら追記でネタバレ感想を語るところなのですが……。

各ルートの感想がなんと5000字超えてしまっておりまして。いや~、これひとまとめにするのは読みづらかろうて。

ということで、今回はいったん記事を終えて、また別記事でネタバレ感想を述べますね。

 

これを読んで気になったそこのあなた!

良ければプレイ後にネタバレ感想版のほうも、お楽しみくださいませ~。

 

shiki3.hatenablog.com

 

 

 

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