「どちらにせよ選ばれぬ人々は死滅する」
まだハッピーに到達していない前置き。
えー、今回はおさはるさんのところのフリーゲーム「E. -Eve Return The Eden-」の感想をつらつら書きますね。作者様のサイトは閉鎖済みのようなのですが、DLページは残してあるみたいです。
実は「E.」の続編に「D.」という作品があるんですが、私そっちを先にやっちゃってまして。どうしても後から作られた「D.」の方が操作性は良いですが、ストーリーやキャラの面ではやはり共通の独特の色が出ていて素敵でした。
見どころとしては、
こだわりぬいたSF世界観
地上に住めなくなった人が地下にシェルターを作り、政府に管理されて暮らしているという設定。機械だらけの灰色なマップチップや、グロテスクな改造生物の敵グラフィックなどに圧倒されました。
特に敵、名前はウサギなのにもふもふしていない……。ハトは「D.」の方でもぎょっとさせられたので「おう久しぶり」って感じだったんですが。
投薬で自分の能力を強化したり、怪しい情報屋がいたりと、システム面でもそれらしい世界観作りになっています。銃器の種類も分けられていて性能も異なるので、好きな方は嬉しいんじゃないでしょうか。自分はコルトガバメントの名前くらいしか知らないのでアレですが……ちゃんと説明文のところに機関銃など分類が書かれているので勉強になりました。
パソコンをチェックしたら色々と情報が見られるのも、この世界観作りに一つ役立っている気がします。キャラクタープロフィールがストーリーを進めるごとにどんどん詳しくなっていくのも楽しかったですねぇ。
他では見られない個性的なキャラクター
ロリ、褐色少女、ふたなり、キズあり女王様、ストリートファイターなどなど。メインキャラクターがかなり濃いです。主人公からして復讐に燃えるダークヒーローですしね。
好感度によってちょっとしたイベントが起こることもあります。キャラの頬染め顔がこれまた可愛いんだなあ。
ネタバレありの感想は追記に伏せますが……とりあえずベロニカ様踏んでください!とだけ。
じわじわ変化していく住人達
メインキャラクターが濃いのはもちろんなんですが、街に居る住人達も実に濃いです。万引き少年や怪しいマニアのおじさんなどなど。で、何がすごいかって、ストーリーが進行すると彼らの反応も変わっていって、その地区の生活がひしひしと伝わってきます。
鬱展開や残酷表現
わりとさらっとエグかったり、鬱展開がどどんときたり。絵柄もそうなんですが、けっこう青年誌に近いノリかなあと思います。さすがにこのポジションのキャラは死なないだろう、と思っていても容赦なくばんばんやられていくので、ある意味潔いとです。
戦闘終了時の○○を殺した、という文も印象的。
とまあ、こんな感じで。
多少エグイ展開があってもよくて、世界観が合いそうなら是非DLしてみてください。
続編『D.』感想記事はこちら
追記ではネタバレ感想。
ネタバレ注意!
改めて思うとD.でばかーって言ってきた彼女がマリアだったんですよねたぶんね。
D.での宗教要素がちらちらE.でもあったんだなーと再確認しました。主人公ズのデフォルトネームからしてそうか。
公式サイトの跡地に攻略が乗っているようなのですが、せっかくなので自分用めもめも。
立ち絵が出れば好感度アップです。
マリア→爽やかお兄ちゃん
エキドナ→前向きに褒めてやる
ノア→世話を焼いてもらう気弱くんイメージ
ベロニカ→過激目でマゾっぽく、でも直接口説かないように
ハーティ→ボコる
傾向としてはこんな感じかなあ。
ベロニカを狙っていたんですが、一個ミスって好感度がギリギリ足りませんでした。ぐぬぬ。代わりに反応がわかりやすかったエキドナといちゃいちゃ。ルート決まった後、情報屋さんが「寂しがりの彼女と一緒に居てやってくれ」的なことを言うのが印象的でした。
情報屋さんもなんか可愛い人ですよね。「……誰だ?」の選択肢を選んだ時の反応が面白いです。
せっかくなので全員好感度上げる感じで、ストーリーを忘れた頃にプレイしなおしてみたいなあなんて。
あと、印象に残ったシーンとかはそうだなあ。
ベロニカの名字、ナンバーナインの意味を知った時が一番衝撃的で、彼女の選択肢にはとても悩まされた覚えがあります。
一方、ヨハンは何故か、本当に何故か序盤から「こいつ裏切る気がする!」って思ってました。そのせいで奴だけレベルが15止まりでした(他キャラは25くらい)。キャラプロフィールの悪そうな表情のせいかな……?
細かいところだと、ドラッグストアの万引き少年がつかまっていた(らしい)のには笑いました。
あとキャラプロフィール、そうじゃないかなーとは思っていたんですが、イサクの項目でユェンへの想いにちらっと触れられていて嬉しかったです。そうですCP好きなんです。
マリア・エキドナ・ベロニカの3メンバーを固定で動かしていたので、エキドナに抜けられた時はきつかったですねぇ。殴られ慣れてるって反応がまたぶわっとくるんだ……。
終盤はけっこう敵の数が多くて大変でした。鬼ごっこで鍛えられたカインの脚力を発揮する時。惜しみなくスキルを使って、かつケロイドミルクで回復MPを温存しないとすぐやられましたねぇ。
でもボコりまくったおかげか、ラスボスはかなり楽勝でした。今にして思うともっと逃げまくっても良かったかも。
ラスト、戦わない方のエピローグの文章がすごく好きです。
かなりどっぷりとダークな世界観を楽しめた一作でした!