「光が差し込めば大団円なのだ!」
レーザービームで吹っ飛んでしまいたい前置き。
えー、今回はひろさんところのフリーゲーム「BRAVER」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
公式サイトは閉鎖されているようですが、作者様の活動は続けられているようです。ジャンルはRPG、エンド分岐だけでなく会話分岐やストーリー分岐も多めの一作。
かなり昔の作品ではありますが、今でもあちこちで作品名を聞くのでプレイしてみた一作です。私にとっては合う点と合わなかった点がかなり顕著だったので、一部分では絶賛し、一部分では辛口で書いている感想文になります。心からこの作品の全てが好きという方は、そっと閉じてもらうほうが良いかもしれません。
と、物騒な前置きはさておいて感想をば。
(20190901追記)
なんとツクールMV版でリメイクがされました! これは嬉しい! メインメンバーの顔グラもガラッと変わり、よりキャラの個性を感じられる雰囲気です。これからプレイ予定の方はこちらで是非!
http://hirosroom.starfree.jp/braver01.html
良いなあと思った点
キャラがくるくる動くサイドビューバトル
バトルはFF形式です。リアルタイムバトル、でいいのかな? この手のバトルはタイムバーが溜まるまで暇になりがちですが、この作品はとにかくキャラがよく動くので、雑魚戦も楽しかったです。仲間全員にモーション有、かつそれぞれ動きが違うというのも凝ってますよねぇ。状態異常時、倒れたとき、魔法使用時、通常攻撃時等々、かなりバリエーションが豊富です。もうねー、見てるだけで愉しいって言うのは最強ですね!
しのの動きが一番好きかも。ふよふよ浮いてる感じと言い、くるっと回る攻撃モーションと言い、動き回ってくれるのが見ていて楽しかったです。あと睡眠時のひろのポーズもほほえましかったですねぇ。
また、バトルだけでなく顔グラの種類が豊富だったり、一部のイベントでの顔グラ配置がこう、おおっと驚かされる勢揃いぶりだったりしたのも印象的でした。
選ぶ主人公によって変わるシーン
美少女グループ“ウィアソリス”から主人公を1人、イケメングループ“アンダリューサイト”からお相手役を1人選んでストーリーを進行させていくのが主な流れです。そして、選べるからにはもちろん分岐があるということで――1周目では見れなかったシーンを主人公を変えて見るといった形で、群像劇的な楽しみ方もできます。
イベントスキップこそありませんが、選択肢が多く細かな違いがあるので自然と色んな組み合わせの周回プレイをやりたいと思わされました。
また、メインストーリーは共通部分が主ですが、メールイベントは4人とも異なります。返答パターンも多く、攻略キャラとのメールは話す内容自体が変わるので、セーブロードで回収するのがはかどりました。
「好きなタイプは?」の返信がどれも萌えるんですよね!わかっちゃいてもテンション上がります!
細かい会話分岐はメインキャラのみでなく、NPCにも実装されています。章ごとの区切りでNPCのセリフが変わり、中にはサブキャラなりの物語がひっそりと進行していたことが伺えるようなセリフもあって、さりげなく楽しかったです。
RPGのお約束ギミック
世界観こそヴァーチャル世界で、ウイルス等々の用語も含め(当時における)近未来SF風ですが、グラフィックや敵キャラはどれもファンタジー寄り。話の展開やキャラの反応もかなり身近に感じられるので、むしろ王道ほのぼのRPGをプレイしているような気分でした。小難しい単語が苦手な自分にとってはとっつきやすくてありがたかったです。
また、ツボの中のアイテム・属性別のダンジョン・町の人と話すと進行するミニイベントなど、RPGのお約束をしっかり踏襲していたのも良かったです。
合わなかった点
正義が理不尽なストーリー
ぼかして書くにせよ察しの良い方には以下ネタバレになるかもしれませんが……。
ラスボスがあまりに不憫。先にキャラ別エンドを見たせいもあるかもしれませんが、仲間たちの台詞には「どの口が言ってんだ」と突っ込まずにはいられませんでした。
本当の意味での元凶達がきちんとあの場で謝ったり、一瞬でも後悔したりしてくれたらまだ納得いったんです。ギャグちっくに顔を見合わせてヤベッって反応をするとか、そのくらいでも良いので。それがまさかの開き直り。これであの二人への好感度がガクッと下がりました。それまでお気に入りだっただけに辛い。
十字路のお爺さんが漏らす情報や、ペット事件などを踏まえて、軽いミスリーディングが入っているあたりは良かったと思うんです。ただシリアス展開を入れて盛り上がらせたいのならなおさら、棚上げ展開は魅力がドン底落ちに感じられました。
しまいには序盤の展開も目につくようになってしまい、困っている人を置いてけぼりにしてキャッキャッと騒ぎ合うウィアソリスの面々が、集団になると気が強くなる典型的な苛めっ子グループにしか見えませんでした。つらい。
汎用セリフのみで少し物足りないイベント
先んじて書いておくと、会話分岐が多数あるのは本当に素晴らしいです。労力もかかったでしょうし、特に恋愛関係のイベントはニヤニヤさせられるものでもありました。
が、せっかくならあと一歩行って欲しかったというのが贅沢ながらも正直な気持ちです。
細かくは追記で書きますが、顔グラ差分のみのポイントも多かったので、あまり一貫したキャラ感が味わえなかった印象でした。この辺り、せめて語尾や「だ」「なの」口調だけでもキャラごとに統一してもらえていたら萌えたのになあと思います。
重ねて書きますが会話分岐の存在自体は素晴らしかったです。
ある程度レベル上げすると打ち止めになるスキル
周回プレイや裏ダンジョンを考えると、かなり高レベルになることも想定されて作られているはずなんですが、一定のレベル以降はスキルを一切覚えなくなるのがキツかったです。
せめてリカバーⅣか全体復活技は欲しかった!
このせいで、パーティに入れたくても技の関係で入れれないキャラが増えてしまったのが残念です。また、リーク以外のアンダリューサイトメンバーたちがスキル無しなのも辛いところ。
回復アイテムも、低性能か高額全回復の両極端で、レベル上げをしないと進めないのにレベルを上げても顕著な成長が感じられないという寂しい事態になりました。残念。
とまあ、こんな感じで。
気に入ったところと合わなかったところがありはしたものの、なんだかんだと言いながら4周するほどには思い入れもある一作でした。なにより、良い意味でやりたいことをやりたいように繰り広げて突っ走る勢いの良さを感じられる、とてもフリゲらしい作品だと思います。
ご都合ハッピー、ストーリー分岐や主人公交代、サブイベント的な恋愛要素、仲間多めのギャグなRPGが好きな方向け。
追記ではネタバレたっぷりの感想を書いてますので、気になった方はどうぞ。
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