「君はどんな表情を付ける?」
きゅうと口元をあげてみせる前置き。
えー、今回はDONZUさんところのフリーゲーム「排気ガスサークル」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
ジャンルは戦闘有のアドベンチャー。私は1周クリアつきに2時間弱かかりました。なぜ一周につきなんてややこしい書き方なのかは、まあ、おいおい語るとして。
このゲーム、雰囲気も設定も大変斬新です。というわけで、魅力的だと思ったところをまず挙げていきましょう。
モノクロと仮面の世界
キャラクターと世界観がすっごく独特です。画面はモノクロなのにセンスにあふれていて、どのキャラクターも性格込みで魅力的、見た目もアーティスティック。まさに別世界ンい迷い込んだ感じがして、どっぷりとあの世界に浸かれました。
雰囲気は退廃的ですが、熱いキャラもいる辺りがアングラとは言い切れずまた別口で面白いです。
ぬるぬる動くアニメーション
一枚絵や、動くイラストがかなり多いです。OPから、こう、flashアニメ(?)を見ているような気分でした。しかも絵が上手なもんだから、見惚れちゃいますね。
仮面によって変わる能力
戦闘ありのゲームというと、五大元素みたいな感じで属性が付くゲームが多いと思うんですが、このゲームの属性はちょっと変わっています。というのも、喜怒哀楽+愛。そして装備する仮面によってこの属性を選べれます。
仮面を変えるともちろん主人公の顔も変わるわけで、かなり印象が違って見えて面白かったです。私は怒の仮面が好きかなー。逆に楽の仮面は、その、あんまり使ってあげられなかったもんで……うん。
主人公のパートナーも大幅にデザインが変わるので、色々と試してみちゃいました。立ち絵まで変わるのは嬉しいですね!
仮面を変えると使える能力も変わります。愛の仮面が強すぎて他がかすんでしまうのは惜しいですが、システムとしては凄く斬新で良いと思いました。
一緒に成長するパートナー
序盤で、主人公のパートナーとして影さんが仲間になります。
この影さんが可愛いのなんのって!
序盤は全然言葉が通じなかったのに、だんだんカタコトで会話ができるようになって……という風に、進行によって成長していってくれます。物語で一番長く一緒にいる子なので、愛着もわいて、なんだかすっごく微笑ましかったですねー♪
その分、終盤は面影の無さに寂しくもなりましたが……そういった切なさもまた醍醐味です。
影やヒヨスの考えさせられるエピソード
戦闘があるのでボス戦もあるわけなんですが、その際のイベント会話がまた良いんですよねぇ。大きい影と小さい影の話には、ぞっとしましたし、かくれんぼについては結局影がどうなったのかわからないハラハラを味わいつつ鬱展開の香りを楽しみました。
ヒーラーの語りにも思うところがあって、こう、しみじみとしましたね……。
ちょっと不便だった点としては、
完全ランダムで必勝法の無い戦闘
これにつきます。じゃんけんという戦闘方法は大変面白かったんですが、あまりにもランダム性が高すぎて……。パターンでもあれば良かったんですけど、どうもなさそうなんですよねぇ。特に相手が回復持ちだとなっかなか戦闘が終わらなくって困りました。
回収が難しいエンド
サイトでヒントを書いて下さっているので良心的ではあるんですが、いかんせん判断が難しく……実質後半になるまで分岐がわからないので辛いです。
初めに白い男エンドを見たので、グッドエンドを目指していくつか選択肢をさかのぼっていたんですけども。どれが良い選択肢なのかヒントだけではさっぱりわからず、1ルートをひたすら4時間ほど繰り返す派目になってしまって、上記の戦闘に耐えるのがだんだん嫌になってしまって、諦めてしまいました……。
本編が面白いし気になるのは確かなんですけど、うーん。
とまあ、こんな感じで、後半はうだうだと言ってしまいましたがかなり良いゲームだったと思います。何が凄いってそもそもLivemakerでこんながっつりしたシステムを組み込めるって言うのが凄いですよね。
なんとなーく、廃墟とかの雰囲気が好きな人は好きそう。
世界観がしっかりしていて、ビジュアルにこだわる方に是非おすすめしたい、一風変わった作品でした!