「別の展開でやりかえしましょう」
そしてまたやられる前置き。
えー、今回は、虚構製造社(雨ガエル)さんところのフリーゲーム「町の薬屋さん」の感想をつらつら書きますね。案の定一部レビューっぽいかも。
(リメイク前、Ver1.0でのプレイです)
公式サイトを見て頂ければ、なんとなーくほのぼのとした恋愛ものの雰囲気を感じるのではないかと思うのですが。はい。私のブログで取りあげるからにはもちろん裏があります。R15との注意書きをご覧になってもらえれば一目瞭然です。
選択肢も少なめなのでコンプまでさほど苦労することもないと思います。親切なことに公式サイトでは攻略を載せて下さっているので、初めからがっつりみていくのもアリです。
ジャンルは女性向けノベルゲー、初回プレイはほのぼの甘めの恋愛ものです。真相に近づくほどシリアスになります。
攻略対象は軽薄な男の人……かと思いきや、なかなか生真面目なところもある人です。まあ性格面はストーリーをやってもらうとして――――何より。
メカクレです。メカクレ(前髪で目が隠れているキャラクター)です!!!
大事なことなので二回言いました。いやだって、メカクレキャラが攻略対象の恋愛ゲーってなかなか見当たらないんですよ!これはもう!興奮するしか!ないでしょう!
というわけで、メカクレ萌えの方は是非。
では、他に良いなと思った点を挙げていきます。
システム面の充実
音量をかなり細かく設定できたり、エンド回想が見られたり、ですね。実はこの辺りって、うっかり後回しにされがちなところでもあるように思うのですが、この作品はしっかりかゆいところに手が届く調整がされていて助かりました。ましてや初(らしいです)のフリゲー製作でこれとは、素敵です。これからも期待したいところ…!
よく動く立ち絵
攻略対象のテディさんはメカクレさんで、表情がわかりづらそうに見えますが、意外や意外とっても感情豊かです。ヒロインのミラルカさんもくるくる表情が変わります。
細かい萌えポイントとして、ミラルカさんの照れ+目細め+困り眉、の表情がすっごく好きです。ツボです。可愛いです。
それとですね、「おっ」と思ったのがキャラの口を開けるタイミングです。
というのも、まずこのゲームのテキスト、メインの二人以外は白色で名前欄もありません。これだけ書くと、会話がわかりづらく不親切だなんて見えてしまいそうですが、いやいやむしろ逆なんです。
話しているキャラが口を開けてくれるので、誰が話しているのかすぐわかるんですよ。こう、表情変化のついでに口元を動かす、っていうのはよく見かけるんですけど、会話のために口を開ける動作をする、っていうのは存外見かけないんですよね。単純なこととはいえ、かーなーり良いやり方だと思います。名前欄が無いと立ち絵も見やすいですしね。
狙ってるかどうかはさておき、細かくて丁寧なつくりだと思います。
ボリュームありのanotherストーリー
クリア後には別視点の物語を読むことができます。色々と真相が明らかになった後なので、話にも入り込み易かったです。バトルシーンもあって熱かったですねぇ。
後日談があるのもグッドでした。
さてでは、ちょっと惜しいなあという点も一応。
スチルがメッセージウィンドウに被る
いくつかのスチルがメッセージウィンドウに被っていたのが気になりました。いや、身体部分や背景はがんがんに被っても致し方ないとは思うんですが、顔に被るとどうしても気になります。前述の通り、表情がよく動くのでなおさらです。
もちろんウィンドウを消すシステムもありはします、が。テキスト見て、スチル見て、テキスト見て……というのも、ね。
真相が唐突?
ネタバレになると駄目なのでぼやかして書きます。察しの良い方は注意。
で、ヒロインの属性っていうか真相なのですけども。確かに、警戒心が強かったり、伏線が張ってあったり、してはいます。だけど、「この子は何かありそうだなー」ってくらいに留まってしまって、あの真相の唐突感はぬぐえませんでした。
ギャップとぽかーんはまた違うかな、と思うので。
たぶん、それがある世界観っていう説明がそれまでなかったのが原因かと。世間話がてら単語だけ出すのでも良いし、あの世界の人達にとってあの属性がどういう意味なのかをちらっと匂わせてもらえたらより良かったなあ。例えば治安が悪い話の時に「○○とか」っていう風に振ってもらうなどしてもらえたら、もうちょっとすんなり話を呑みこめたように思います。
ファンタジーだよ!で納得できると良いんですけどね。
とまあ、こんな感じで。
ちょっと偉そうな意見も書いてしまいましたが、良い点もかなりあって、処女作とは驚きのクオリティです。鬱展開どんとこい!って方にオススメします。
ED4が一番のお気に入りです。涙目いえーい!