「助けてもらったから助けるよ、ただそれだけのことなんだよ」
そんな難しいことを君は簡単にやってしまう前置き。
えー、今回は3REX(モカちゃん)さんところのフリーゲーム「COSMO EAGLE」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。
長編乙女向けノベルゲー。攻略対象3人+おまけや複数人エンド有りの大ボリューム。舞台はがっつり宇宙船のSFストーリーです。
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というわけで、良かった点など。
閉鎖空間でのラブロマンスまたはバイオレンス
遭難しちゃった宇宙船を救助した、はずが、こっちも遭難しちゃった! というのが本作のプロローグ。上手いなーと思ったのはこの舞台設定でした。
遭難と書くと危機的ですが、やってるのは合宿?寮生活?っぽい雰囲気です。ほのぼの。そして皆の距離が近いから、恋愛に発展するのもピンとくる。
一方で、何かイレギュラーが起こると一気に場がヒリつくんですよね……。逃げ場もない助けもない、ゾッと血の気が引く感じ。この緩急の付け方が素晴らしかったです。
エンドもそれぞれ「黒・白・灰」とあって、甘いだけではないし暗いだけでない。この辺りも本作を象徴しているように思います。
話題は常に盛りだくさん!
驚かされるのは、ちょっとした会話の多さと細やかさ!
キャラ選択→お話→イベント進行、というのが主な流れになるんですが、このお話のバリエーションがすさまじいんですほんとに。ゲームの同梱ファイルにもありますが、エンド数が多くて何週もできるからこその凝りっぷりですね~。
中にははぐらかされて終わる選択肢もあって、おや?となるんですが……これがまた本筋で良い具合に触れられるんですよ! 伏線でもありキャラの深堀りでもあるミニイベントでした。
デザインセンス花丸な各種画面
宇宙が舞台のSF……というと私はなんとなく「小難しくて機械ばっかりの灰色」なイメージを持ってしまう人なんですが。
本作は、もうとにかく、キラキラ! 銀河や星のきらめき、何色とも言えずぼんやり淡く混じり合う宇宙色。うっとり夢見心地になれる画面ばかりです。
まずびっくりするのが、自由行動の時の選択画面!
ああいうミニキャラ(SDキャラ?)が出てくるのって乙女ゲーあるあるだと思うんですが、ロゴまでしっかり凝ってるのすごいな~としみじみしてしまいました。GOROGOROのロゴ好き。ふふふ。
さらに、絶対見て欲しいのがエンドリストです。
ここね、おまけだからとスルーされてしまうかもですが、ほんっと見て欲しい!
エンドタイトル表示がキラキラorドス黒でどちらの雰囲気であっても美しく、エンドの並び順がもうすでに綺麗、エンドタイトルのそれぞれの統一感が素敵だし、ワンフレーズと各エンドの作者様の所感や裏設定は読みごたえがあって作品がより奥深くなること間違いなし!
もちろんグラフィックと言えばスチルや立ち絵も忘れちゃいけませんね。
真っ先に思ったのが、「うわっ髪に星のテクスチャ入れるのかわいい~~!」でした。
もうね、ココロちゃんの立ち絵見て?!
そしてレーベ様の立ち絵見て!
からの他面子の立ち絵見て!
同じ立ち絵でもキャラによって全然違ってて驚かされました~……!
あと、表情! 笑い方がね、全員違うんですよ~……。
人によって笑顔が違うって現実だと当たり前だけど、描いて表現するのってとんでもなく難しいと思うんですよね。それを表現しきってるのが本当にすごい! ただの顔パーツの差分じゃなくて、その人がほんとうに笑ってる感じが出てて、惚れ惚れしました。
カッコイイ顔だけじゃない、どころか、ギャグ顔がめちゃくちゃ多いのも特徴的。常にカッコイイ顔してる人はちゃんと常にカッコイイのも素敵。
プレイしてキャラを好きになればなるほど、「ああこの人らしいな」って表情に見えてきます。
キャラ一人一人を生きた一個人として大事に描かれてるんだなあ……、なんて。
安心安定のシステム面
おお!と驚かされたのは、起動時の注意書きが何度かプレイするうちに自動で省略されていたこと。これ、技術的にすごくないですか!? 起動回数で何か判定するようになってるのかな……。
他、エンドリストがあとがきを兼ねていたり、(やるのはもったいないけど)エンドロールスキップが実装されていたりと、サイレントに気の利いたシステムが多かったように思います。
ただ一点、気になったのは、行動選択後のカットインが長いところかな? スキップしても長かった印象。それでも、逆にそこ以外はするするプレイできたので、やっぱりシステム面は充実。
セーブスロットがめちゃくちゃ多いのもすっごく助かりました~! エンド数も会話差分もすごく多いから、なお嬉しい。
とまあ、こんな感じで。
攻略対象ごとの感想や、各エンドのネタバレ感想は別記事にて。なんと驚き7000字越え、お楽しみ頂けたら幸いです。
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