うそうさ〜第二号室〜

フリゲ!鬱展開!ヤンデレ!万歳

フリーゲーム「hôtel de noyerの招かれざる客人」感想

「まだ私もあなたも続いていくはずだった」

節目も年輪も隠し切れない前置き。

 

 

えー、今回はKANATA-PORTさんところのフリーゲームhôtel de noyerの招かれざる客人」の感想をつらつら書きますね。一部レビューっぽいかも。

 

アプリ版としてのリリースもありますが、私はふりーむのDL版のほうでクリア。

謎解き有り、探索重視のクリックで進めるADV。公式に攻略ヒントもあり、うっかり間違えてもストーリー進行することもあるため、難易度としては易しいほうかなと思います。

 

(作品が2018/03/04に公開停止されるとのことです。ご了承のうえご覧ください)

 

 

 

というわけで良かった点など。

 

 

お客様を楽しませる、知的でユニークな言い回し

 

ゲーム開始直後に表示される操作方法、ここでまず心をがっつり掴まれました!

そう、あの「おや、さすが~」のあの文です。ウィットに富んでいるとはまさにこのこと。チュートリアルの時点で世界観を固められるゲームは素敵ですよね。

また、頼れるお姉さんことすばるさんの台詞も大注目です。ことあるごとに向けられる不穏な質問を、さらりと流してしまえる頭の回転の良さがたまりません。なんだろう、こういう水面下のヒヤリな展開って大好きなんですよねぇ。表面上はとても自然体で「できた大人」な対応なのも、かっこよさが倍増です。憧れちゃうなあ!

「さてと言い~」や「そりゃあ絶大な力が~」のセリフが特にお気に入りです。既プレイの人に伝わるといいな。

 

 

 

お洒落で不穏で不思議な世界観

 

お話の舞台はお洒落で綺麗なホテル。従業員の態度はとても丁寧で、この手の探索ゲーにありがちな驚かし要素やイジワルな要素はほとんどありません。ともすれば居心地が良いと言いたくなるほど、おもてなしに溢れる雰囲気なのですが――。

と、ただし書きをつけてしまいたくなるくらい、不穏さが終始漂うのもこの舞台の特徴です。そもそも出会う人たちのほとんどが一目で……ごほんごほん。

敬語は相手と距離を置く時にも使われる、とよく言うように、折り目正しい礼儀正しさの裏の薄ら寒さが光る世界観でしたねぇ。

 

信頼できるポジションのキャラと、不気味な雰囲気のキャラが明確に分かれているのも興味深かったです。主人公が少年だからなおさらこういう感覚的なところが伝わってくるのかな。敵、ではなくあくまで、不気味でとどまっているところも肝です。

 

 

 

絵本のようなグラフィック

 

グラフィック面は全体的に落ち着いた色味。シックな感じ、彩度が低い感じ? かと思えばキラキラした星屑が溢れたり、ロマンチックな背景が見られたり、とにかくグラフィックでも完成度が高いです。

タイトル画面や各客室など、使っている色はかなり多く見えるんですが、すごく統一感があるんですよねぇ。すでにスクショから見えている、あっと驚くデザインの従業員や、そのほか変わったキャラの外見も新鮮でした。二号室の人が好きです。人気高そう。かわいい。

デザイン力が高い、と書けば伝わるかもしれない! とにかくあの絵柄が好きです。

新しいアイテムが手に入る度、どうぐ、の一覧をじっくり見るのが好きでした。ああやって目に見えて増えていくのは楽しいですよね。

 

 

 

明るいリオとクールなすばる、おちゃめな住人達

 

さて私の好みによりつい不穏なところを推してきてしまいましたが、むしろ全体的には明るく和やかな雰囲気だったなあという印象です。

その要因として大きいのはやはりメインとなるキャラ達でしょう。

子どもらしい無邪気さと前向きさで頑張る主人公、リオ君。機転を利かせつつリオのフォローをするすばるさん。そしておちゃめな言い回しのニクイあいつや、庇護欲掻き立てるかわいさがある住人さん、などなど。ちょっとしたイベントやセリフが微笑ましく、シリアスの中にほのぼのな雰囲気を楽しめました。

 

やっぱりすばるさんが好きなんですよねぇ!

なんというか、不愛想でちょっと棒読みっぽいところを機転と知恵と良い人っぷりでカバーする才女というか。リオに一生懸命お姉さんしてるすばるさんも応援したいですし、例の懐刀との漫才も楽しいですし。クールビューティ(素)はいいものです。

 

一応操作キャラクターはリオ君ですが、力を持たない彼の代わりにすばるさんが踏ん張ってくれることも多く、ダブル主人公と言ってもいいくらいでした。

二人がお互いに助け合い、それが本当に自然とそうやるべきだと思っているところがすごく、根っこの善い人らしさを感じて好きです。

 

 

 

アプリ版とブラウザ版どちらも統一された操作感

 

アプリゲームとしてリリースされている本作、実は私も初めはスマホでプレイしていました。が、どうしても私がPCでのゲームプレイに慣れていることもあり改めてダウンロード版でプレイ。

両方プレイしてみたからこそ感じたんですが、どちらも操作がすごくシンプルでわかりやすいんですよね。「何をしたらいいのか」「どこをクリック/タップしたらいいのか」のフォローがさりげなく行き届いていて、最後までスムーズに進みました。まさに高級ホテルの手腕!

 

あえて挙げるなら、バックログシステムは欲しかったかなと思いますが……。チャプター選択での見直し機能があるのはとっても助かりました。

ミニゲームでも画像や図示での説明があったのでプレイしやすかったです。ピエロ箱詰めのところ、とてもかわいかった……!

 

 

 

 

 

とまあ、こんな感じで。

 

今作は一連のシリーズ第一作のようで、他にもいろいろと作品が公開されているようなのでまた順番に楽しんでみたいと思います!

 

コンビ的な意味でのおねショタ、人外や不思議空間、ウィットにとんだ言い回し、切なく少し不思議な世界……などにピンとくる方へおススメの一作でした。

 

 

 

 

追記ではネタバレ込みの感想など。

 

 

同作者様の他フリーゲーム感想記事↓

shiki3.hatenablog.com

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ネタバレありで伏字無し、結末まで一気にがーっと書いてるので注意!

 

 

 

エンディング

 

 

バッドエンド

 

二種類とも、エンド後のスチルと英文にしんみりとさせられました。きらきら幻想的だからいっそう切なさが増すんですよね……。

特にアプリ版のほうではアイテムの位置を示すきらきらがうまく見つけられなかったので、何度もすばるさんに――させてしまいました。ごめんよぅ。

すばるさんがランタンになるのも、リオを導きたい、という気持ちをひしひしと感じて胸が痛くなりました。

 

 

 

トゥルーエンド

 

 

バッドエンドが両方とも物悲しかったぶん、トゥルーエンドの光が本当に沁みましたね!!

 

特にホテルへ戻るシーンは、リオ君のガッツもキャラ総出演もすごく熱かったです……!! 立ち絵を一目見ただけで「バーテンダーさんだ!!」とわかったのも嬉しかったなあ。特徴をきっちり伝えてくれる画力に改めて惚れ惚れです。

 

衝撃的だったのは常磐ですね。なぜか無意識に、垢ぬけた長身のイケメンをイメージしていたのですが、予想以上に愛嬌のある男の子でにやにやしました。言われてみれば中二病全開な妄想ワールドは黒髪草食系男子の特権ですよね…。

黙ってると平凡だけど話し出した途端に生き生きして見えるタイプ。顔の横にきらきらの出るドヤ顔がめちゃくちゃ好きでついスクショを取りまくりました。好きです。

またセリフの話をしてしまうんですが、「仕方ない、お供致そう」やら「俺の観測した現象から~」やら、ちょいちょい口調が芝居がかるのもめっちゃツボでした。教養~!

 

なおあのシーン、リオ君は帰ったら看護師さんとお母さんにごめんなさいしなきゃ、なんて無粋にも思っていたのですがw よくよく考えるとすばるさんが黙って無責任にリオを帰すとは思えませんし、きちんと挨拶しにいったらお母様と再会して、リオのことをよろしくこちらこそ助けて頂いて云々――なほのぼの展開が見られるのかもしれないなあと妄想して、一人で勝手ににこにこしていました。明るい後日談もいいものだなあ。

 

総支配人の正体は本気で全く察していなかったので、「ああ……」としみじみ涙が滲みました。見た目からして、その素敵な色だったもんね……。

総支配人の色に注目させるエピソードを直前に挟むのもまた、お話の構成が上手だなあと思います。

 

 

 

と、ネタバレ込みでの語りはこんな感じ!

 

記憶の欠片や新聞などから見える、伏線のピースがカチッとはまる感覚。

キャラ達が生き生き掛け合いをする、勢いで盛り上がる楽しさ。

 

ストーリーが静も動も秀逸で、最後まで心に残る作品でした。